緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~

春秋時雨です!

いやはや
皐月も下旬になりまして
大変過ごしやすい季節になってきましたが
・・・この後、蚊の季節がやってくるんですよね

というわけで自分の夏は
防虫グッズを買いあさり
蚊取り線香を使って蚊を撃退しようと思います!

今年の抱負?
はここまでにして
それではどうぞ!


第69話 奪われたもの

「くっははははっ!

 ついに取り戻したぞ!我らが受け継ぐべき名刀〔千鳥〕が!」

 

クノペシュを持った女が白雪から奪った俺の刀を掲げ狂ったように嗤っている

まったく、人の刀を奪うやつはOHANASIガヒツヨウダヨナ?

 

 

さて、クノペシュとは

エジプトの湾曲した剣で

その曲がった部分を用いて相手の武器や盾を絡めとることのできる

現在ではほとんど使われていない武器だ・・・だって癖がありすぎて使いづらいもの

と、ひとしきり笑い終わったのか女は身を翻す

 

「オイ待て、そこの高笑い女。窃盗の現行犯で逮捕するから

 おとなしくこっちにこい」

 

「フン、この刀の価値を分かっていない愚か者が

 第一そんなことを言われて素直に頷くやつはいない」

 

「何、一応の忠告ってやつさ。大雑把に言えば

 痛い目見たくなかったらつべこべ言わずに刀を返せってとこか?」

 

「断る・・・しばらく私はこの刀を使って調整する。後は任せたぞエリー」

 

女が誰かに向かって話しかける

そして出てきたのは黒いスーツに

細剣(レイピア) を携えた金髪長身のイケメンだった

 

「ユキノ、私の名前はエリオットです。エリーでは女性の名前になってしまいます」

 

「む、名前が長いので略してみたのだがダメか?

 では頭文字からとってAというのはどうだ?」

 

「それはどこかの諜報機関のコードネームか何かですか?

 ちなみに私のイニシャルはEですのであしからず」

 

そしてあの女、超ド天然である

あのイケメン改めエリオット君中々に苦労していそうだ

 

「茶番はそのくらいにしてそこのイケメン苦労人君

 はっきり言って邪魔だからどいてくれないかな?」

 

「おや、そうはいきません。彼女の護衛が私の受けた依頼ですので」

 

「よし、冷静になろうか。あの女はたった今盗みを働いた

 お前さんも傍観者から共犯者になってしまうぞ」

 

「はて?私はただ彼女の護衛をしているだけですので

 彼女が何をしているのかまでは自分のあずかり知るところではありません

 なりより・・・彼女と同じ組織の同期。そう言えば分かってもらえますか?」

 

「ああ、よく分かった。悪いが・・・いや、別に悪くはないか

 問答無用で押し通らせてもらおう」

 

俺は脇差の鞘を背中側から左腰に移動させ駆け出す

 

「居合、というヤツですか」

 

相手の問いに俺は行動で答える

エリオットはレイピアのリーチを生かし

体の動きと手首のスナップを利かせ

コンパクトな縦切りを放ち牽制しようとする・・・が

俺は止まらない。否、止まる理由がない

 

「な!?ぐう!?」

 

エリオットに鋭く突き刺さるローリングソバットによってバランスを崩す

彼からしてみれば訳が分からないだろう

何せ自分が切った相手が霞のように消え

自分に蹴りを放ってきたのだから

 

天地月式(アマチツキシキ) 残月(ザンゲツ)

 

視線や呼吸、動作のみを使い

相手に敵が動いたと錯覚させる技だ

残像ではなく相手自身のイメージが相手を縛るため

戦闘経験が多いものほど掛かりやすい技だ

 

「ちぃ!」

 

しかし彼も然る者で踏みとどまって突きを放ってきた

これの対処は簡単だ

 

「アリア!」

 

叫びながらとある歩法「門雀(モンジャク)」を使い

本来ならば180度ターンするが90度の時点で鞘の小尻を使い突きを弾く

 

天地月式  上弦の月

 

その勢いのまま回転し

女を追う

エリオットならばアリアのガバメントが火を吹き

足止めしてくれるだろう

そして俺は・・・・・・首筋に殺気を感じ咄嗟に脇差を逆手で抜く

 

ギイン!

 

まるでテレビのコマ落ちしたかのようにエリオットが俺に回転切りを放っていた

 

「くっ!」

 

俺は相手の力に逆らわず半歩後退

そこに出来た僅かな間に刀の角度を変えレイピアを弾く

 

「シュウ!!」

 

「女を頼む!」

 

「はあっ!」

 

アリアに支持を出した直後エリオットが短剣(マインゴーシュ)で刺突を放つ

・・・が次の瞬間には短剣は俺の右手に握られていた

 

「なっ!」

 

鳶穿(トビウガチ)〉間宮の殺人術。あかりちゃんの技を使わせてもらった

うん、やっぱ使いやすいやこの技

 

そしてエリオットの懐に入り頸動脈目がけて短剣をふるう

何、止血すれば何も問題はない

 

「・・・・ソラス」

 

エリオットが何かを呟いた直後、またしても

コマ落ちが発生してレイピアで短剣を防ぎ弾き飛ばし

俺に刺突を放つ・・・が突き技の対処は得意分野だ

 

脇差の柄を使いエリオットの腕を払い

瞬時に順手に持ち替え主武器を持つ右腕の腱を切断し

 

キン!

 

しかし服の下に何か仕込んでいたのか硬質な音を響かせ刃が弾かれる

が、エリオットは僅かにレベルであるがバランスを崩している

迷い無く畳みかける

 

右手を開き首筋へ目がけて蛇のように急所に噛みつこうとし

 

バシィ!

 

とエリオットの左腕に弾かれるが

これで三度目のコマ落ちそして

 

「はあっ!」

 

エリオットがバク天をしながら体操選手のように体を捻り

左斬上いや、袈裟掛け?に切り掛かってくる

俺は体をスウェーさせ

引き戻した脇差で何とかその一撃を凌ぐ

 

そしてエリオットが着地し

俺から5メートルほどの地点まで下がり相対する

着地から相対まで0.5秒と掛かっていない

 

コマ落ちしたかのような急激な加速は恐らく

 

「なるほど、それがその妖刀の力・・いや

 そっちの文化圏だと魔剣や聖剣って呼ばれるのか?」

 

「さて、この〈クラウ・ソラス〉は

 どちらなのでしょうかね。一応アーサー王伝説に登場する

 輝く剣がモチーフだそうですよ?」

 

「さっさと方を付けようと思っていたが

 あの女は追いかけていったキンジ達に任せて

 こっちはゆっくりとしようか。何でもない風を装っているが

 その力、燃費が凄く悪いんだろ?」

 

「さて?そこのところは個人差というものでは?」

 

急に呼吸が落ち着いた

動揺を隠そうと冷静を心掛けようとする行為自体が

肯定の仕草というものだ

 

俺の余裕を見て取ったか

エリオットがだらりと剣を下げ足を前後に開く

 

「・・・クラウ・ソラス」

 

ィィイン

 

金属が僅かに触れ合い振動しているような音とともに

エリオットの剣

クラウ・ソラスが白く発光し始める

 

「この状態なるとかなり目立ってしまうので

 使用は避けたかったのですがね」

 

「ふーん。追い詰められてからの必殺技ってのは

 怯えの証拠かな?」

 

「いえ、自分もこれから用事がありますので

 あなたに付き合っている時間が無いということです」

 

「変なもんだな。初めはあんたが俺の足止めをしようとしてきたんだがな」

 

「立場の逆転などよくある話ではありませんか」

 

「そりゃそうだな」

 

俺は軽口を叩きながら脇差の持ち方を逆手に変え

腕を軽く上げ右腕は背中側に回す

そしてエリオットもアロンジェブラと呼ばれる

フェンシングの構えをとる

 

「レイ・ライン

 飾り気の無い技の名前ですがこういうものを日本では

 名は体を表すというのでしたっけ?」

 

瞬間

 

神速の刺突が俺の心臓目がけて放たれる

それを脇差で捌くがエリオットごと剣が掻き消える

本命は右下からの斬り上げ

防御しようとして差し出した左腕を切り落とすのが狙いだろう

そして・・・

 

ギイィキン!

 

エリオットのクラウ・ソラスが俺の脇差に受け止められ弾かれ宙を舞う

 

「・・・見えていた

 いや、あの時あなたの剣は明らかに私の剣を防げる位置に無かった筈!」

 

「素直すぎたなあんた

 抜刀術を得意とする剣客は相手の視線、呼吸、構え、筋肉の収縮

 その他の様々な要素から相手の攻撃を

 攻撃される前に回避を終えている(・・・・・・・・・・・・・・・)

 そんなことがままあるのさ

 後はあんたのフェイントに引っかかった振りをして鍔迫り合いに持ち込むだけ」

 

俺のネタ晴らしにエリオットは力なく座り込み両手を上げる

 

「・・・クラウ・ソラスの力や私の剣の全てを

 完全に読み切った・・・ということか」

 

「まあ、そんなところか

 それじゃあエリオットさん殺人未遂及び窃盗の現行犯で―――」

 

「ところでアマチ君これは何だろうね?」

 

「———たい、何だ?」

 

手品のようにエリオットの手に収まっていたのは

卵型の鉄の塊通称ミルズ型手榴弾(・・・)

勿論、安全ピンは抜かれレバーも開かれている・・・・・

 

「っの!」

 

すぐさま後退し脇構えを取りいつ爆発が来ても対処出来るように

 

「それではさようなら」

 

ポイッ

と適当な調子で放られた手榴弾を

咄嗟に蹴り飛ばし

水路に落とし水路が白く発行する

閃光手榴弾(フラッシュバン)

というか、初めから水の中に落としとけば良かった

 

その隙にエリオットは

クラウ・ソラスを回収し高速で離脱

水上バイクに跨り去って行く

・・・いや、普通に乗り回すより早いのは確かだがどことなくバカっぽい

 

「あーこりゃ追いつけないわ・・・レキ

 キンジ達の様子はどうだ?」

 

『驟一さんの刀を奪った犯人は逃走しました

 キンジさんは交戦ののち海に落ちアリアさんは狙撃され敵に捕まりました』

 

「ああーー了解

 一つずつ片付けよう取りあえずキンジを拾ってくるから詳しい位置を教えてくれ」

 

『了解しました』

 

レキに指示をもらいながら水上バイクでキンジを拾いながら

俺は考えを巡らせる

 

(まあ、俺の刀には仕込み(・・・)がしてあるから

 どこに持っていかれたのかの心配はしなくていいが

 いざとなれば、形振り構っていられなくなる・・・か)

 

そんなことを考えながらも同時に

任務失敗の報告をどんな風に報告すれば減点を最小限にできるか

俺は考えていた

 

 

 




はいっ
ここまでです

やはりここは
どうにも後味の悪い展開でなければ!

それでは次回、こうご期待!
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