剣姫の一目惚れ   作:井上 蒼

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剣姫とウサギのデート 後夜

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…緊張した…」

 

ホームの自室に戻ったアイズは胸をおさえうずくまり、赤くなった顔を膝で隠すようにしていた。

 

「ああ…ベル……まだ顔熱い…キスはやり過ぎだったかな…でも嫌そうじゃなかったし…う~~~…」

 

アイズは初のデートでテンションが上がっていたが、落ち着いてきた今になって強い羞恥を覚えていた。

ベッドに飛び込み、足をばたつかせ、枕に顔をうずめて唸るアイズ。やがて羞恥が引いていくと、にへら、としまりの無いだらしない笑みを浮かべる。

 

「楽しかったなぁ…ベルも楽しかったって言ってくれたし…エヘヘェ………。それに、またねって、また一緒に…フフ、今度はどこに行こうかな…」

 

またね、と言って別れたことを思う。次に会うことを想う。次があることを疑わずに妄想する。

 

「次は……ほっぺじゃなくて…唇に……それで、告白もして……それで……~~~ッ!」

 

耳まで真っ赤になったアイズは再び足をばたつかせる。

 

「はあ………ベルゥ…早く……会いたいな…」

 

別れたばかりだというのにベルを求めるアイズ。その瞳は溢れそうに潤み、ベルから買い取った魔石を見つめていた。

 

「ベル…ベル…んん…」

 

もぞもぞと動くアイズ。その夜、アイズの部屋からは艶やかな声が一晩中響き続けた。

 

 

~教会、ヘスティアファミリアホーム~

 

 

「ベル君…正直に言いなさい」

「…はい、神様」

 

「ちゃんと、装備を、見るだけ、だったんだよ、ね?」

 

「…その、いいえ」

 

「ベル君?」

 

「…ごめんなさい、神様」

 

ベルはヘスティアから尋問を受けていた。といっても神相手に嘘はつけないのでただの確認とも言えるが。

 

「……はあ~~~……」

「ううぅ……本当にすいません、神様」

「はあ…ま、いいさ」

「!」

 

意外なことに、ヘスティアは大人の対応をとることにした。ベルの捨てられた仔犬のような顔に絆された、というのもあるが、たかが1日でそこまでの進展はないだろう、という考えからだ。…まあ、ベルはとうに陥落しているわけだが。

 

「ただし!今度は僕とデートしてもらうぜ!」

「ッはい!」

「うん、よし!それじゃ、もう寝ようか。明日はダンジョンに潜るんだろう?」

「あ、はい、新しい装備が届き次第すぐに一階層で試しにいくつもりです」

「ん?一階層?」

「はい、まずは素手でもなんとか出来るところで慣らしておこうかと」

「うんそっか。慎重なのはいいことだぜ」

 

ベルとヘスティアは床につく。しかし、ベルはなかなか寝付けなかった。

 

(アイズさん……キス…されちゃったな………あ~、考えちゃ駄目だ~…)

 

ベルは結局一晩中、アイズの唇の感触が頭から離れず、寝返りばかりうっていた。




今回短いです。感想で言われてましたが、このSSではヴェルフは仲間になりません。というかこの世界のベルは普通に魔剣を欲しがってしまうので…

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