「モンスターフィリア…ですか?」
「そう!モンスター達を捕らえて見世物にする、なんて悪趣味な祭りだけど祭りは祭りさ、いっしょに行こうぜベル君!出店もでるんだぜ!それに最近ちょっと色々ありすぎだ!疲れているだろう?」
ヘスティアはベルのステイタスを更新しながらそういった。ベルの労いの為にモンスターフィリアに誘ったと言っているが…まあ8割型自分の欲望である。
「うーん…でもリリと約束してしまったし…」
「ん?ああサポーターの…それなら朝にダンジョンの探索は今日は休みだって伝えれば良いじゃないか」
「あー…まあ、そうですね、最近色々あって疲れているのは確かですし…」
「じゃ決定!広場で待ち合わせだ!」
「?え、一緒に出れば…」
「女心が分かってないぜベル君!デートは待ち合わせするものさ!」
「はあ…」
力説するヘスティアに分かったような分からないような顔で頷くベル。実際アイズとのデートで実感しているはずなのだが。
「それしても…ベル君、やっぱり成長普段ゆっくりだよね、ミノタウロス倒すまで全然伸びなかったし…」
「あーまあ僕はかなり慎重にやってますから…うわ、ひとつも上がってない…」
「まあベル君もうLv2だしね、中層までいかないと伸びないさ」
「はあ…あーでも…」
ヘスティアの言葉に言葉を濁すベル、それを見たヘスティアはまさしく女神のような優しい、慈悲深い目でベルを見た。
「怖い、かい?」
「はい…」
「おじいさんがモンスターに殺されたんだってね…」
「はい…それ以来モンスターが怖いんです…死ぬのが怖いんです…」
「それでも、英雄になりたくてここに来たんだろう?」
「はい…」
「それじゃ、頑張らなきゃね。大丈夫だよベル君」
「神様…?」
ヘスティアはベルを後ろから抱きしめ、頭を撫で、そして耳元で囁くように…
「君は僕の自慢の子供なんだから」
「…!」
「ふふっ、だから大丈夫」
「自信を持って胸を張りなさい、ベル・クラネル」
「…ッ、はい…!」
(あーっ!可愛いなあベル君!怯えるベル君かあいいよお…クンカクンカ)
ヘスティアは蕩けた顔でこんなことを考えていた。
…台無しであるこの女神。
~黄昏の館~
「えーっ!アイズ、ウサギ君のこと誘わなかったの?!」
「う…」
「せっかくのお祭りなのに…好きな男の子を誘いもしないなんて…」
「うう…」
「ヘタレたのお…」
「ううう…」
アイズはベルをモンスターフィリアに誘っていないことを食堂でティオネ、ティオナ、後なぜか近くにいたガレスにも責められていた。
「うううう…だって…男の子の誘いかたなんて分かんないし…」
「そんなのガーッと突撃して誘っちゃえばいいんだよ!」
「ティオナ…それじゃあちょっと強引過ぎよ…」
「鏡見て言ってくれる?」
「ううううう…もう今からじゃあ遅いし…」
「全く…好いた男子を祭りに誘うことすらできんとは…Lv5の冒険者とは思えんヘタレっぷりだのぉ」
「うッ…。…?なんでガレスがいるの?」
「いやお前らが近くに座って来たのだろう…」
ガレスがいることに今さらながらに疑問を持つアイズ。
実際端から見ると美少女三人と髭もじゃのおっさんというシュールな絵面になっている。
「アイズちょっと奥手過ぎ」
「ねえ…、そうだ!明日みんなでモンスターフィリア行こうよ!レフィーヤも誘って!」
「?え、なんで…」
「ほら、ひょっとしたら途中で見つけられるかもだし!」
「ああ、それに大勢でいけ見つけられる可能性もあがるし」
「…!」
「…アイズ」
ガレスは優しくアイズに声をかける。
「ワシはな、お前さんを本当の孫のように思うとる」
「?ガレス?」
「ああ、まあなんだ…ワシはな、お前さんに幸せになってほしい。…あの少年はいい男だ、あれと関わってからお前さんも、フィンもいい方向に向かってる。アイズ」
「うん」
「幸せになるためには動かにゃならん。」
「助けてくれるやつはいる。それでもな、自分自身が動かにゃ幸せにはなれん」
「…」
「だから、まあなんだ…頑張れよ、アイズ」
「…うん、ありがとうガレス。おかげで覚悟ができた」
「ちゃんと、自分から動く。勇気を出して」
「…ああ、それでいい」
ガレスは眩しそうに目を細めた。
ガレスはこれでいいのだろうか…なんか大分無理がありますがモンスターフィリア編です。リリルカもここで活躍する予定