「…早く来すぎちゃった…」
アイズは待ち合わせ場所の広場に来ていた。約束していた時間の、一時間も前からベルのことを待っていた。
実はティオネとティオナが覗き見しようとしていたのだが、事前にフィンとリヴェリアに止められている。
ヘスティアはバイトを抜けられず、来られなかった。
「お、お待たせしました、アイズさん」
「あ、ベ、ベル……ううん、私も今来たところだから…」
ベルがやって来たのはアイズが来てから十分ほどなので、ベルもかなり早くに来ていた。お互いに今日のデートをどれだけ楽しみにしていたかがよくわかる。
「………」
「………」
お互い無言で、気恥ずかしそうに赤面しながら笑った後、うつむいてしまった。
(な、なんか恋人みたいなやり取りだし、アイズさん、可愛い…お洒落だし、僕なんかいつもと同じ服なのに…うう、恥ずかしい…)
(うう…どうしよう、何を話せばいいのか…ベルが来るまでに色々考えてたのに…緊張してうまく話せない…)
「と、とりあえず、バベルに向かいましょうか、アイズさん」
「う、うん、どこに行く?」
「あ、えっと…お、お昼はもう食べましたか?」
「ううん、まだ」
「それじゃあ、バベルに着いたらまずなにか食べに行きましょうか」
「う、うん、そう…だね」
(こ、恋人同士のデートみたい…)
「あ、それと、その…服、似合ってますね…か、可愛いと、思います…///」
「!ぅぁ、え、あ、ありがと…///」
「「………///」」
(ベ、ベルが、可愛いって…嬉しい…///)
(うう…思ったより気恥ずかしい…)
お互い赤面しながら並んで歩き出す。五分ほど歩いていくと、ベルが意を決したように、左手をアイズの手の甲に触れさせる。アイズは驚いたように顔をベルに向け、
意図を理解すると花が咲くような満面の笑みを浮かべてベルの手を取る。
手をつないだ二人は、嬉しそうに笑い合いながらバベルへと向かっていった。
(手、にぎってしまった…アイズさんの手、スベスベで柔らかいけど、皮は厚くて堅い…やっぱりすごく努力してるんだ…)
(手、にぎっちゃった…///ベルの手…おっきい…ゴツゴツしてて堅い…やっぱり男の子なんだ…タコも凄い…ベルの、努力の証…♡)
ベルはアイズの手からアイズの努力を並々ならぬ努力を感じて感心し、アイズはベルの手から伝わる努力に感動し、熱っぽい視線を繋いだ手に向けていた。
~バベル内、レストラン~
「ここは奢り、好きなのを選んで…」
「え、いやでも…」
「大丈夫、私結構お金持ち…それに、ミノタウロスと戦わせちゃったお詫びだから…気にしないで?」
「…わ、かりました…そ、そういうことなら、遠慮なく…」
「うん、そうしてくれると嬉しい…♪」
アイズは自分が奢る、と提案するが、男としてそれは…と、ベルが難色を示すもアイズにもっともな理由を言われ、渋々とではあるが、受け入れた。
…余談だがバベル内のレストランは高級なので、ベルではどちらにせよ払えなかったりする。
「ご、ごちそうさまでした…すっごく美味しかったです…」
「ごちそうさま。…ふふ、本当に美味しそうに食べてたね、ベル」
「あぅ…ア、アイズさんだって、ずっとニコニコしてたじゃないですかぁ」
「だって、ベルが可愛かったから…♪」
「あぅぅ…///」
ベルは本当に美味しそうに、目をキラキラと輝かせながら食べていた。アイズはそんなベルを見ながら微笑ましそうに、ずっと見つめていたのだ。
(は、恥ずかしい…つい夢中になって…いやしいとか思われて無いといいけど…)
(ふふふ、照れてるベルも可愛い…♡ここに来て良かった…♪)
会計を済ませた二人はバベルの中を歩く。
「あ、ええっと…」
「あ、ベル、装備を見に行く前に…」
「あれ、ベル君?!」
「?!エイナさん!?」
アイズがバベル内の散策を提案しようとした時、ベルのアドバイザーであるエルフのエイナに鉢合わせてしまった
「…ベル?」
「え、アイズさん?!なんでベル君と…?」
「あ、ええっとその…」
(………)
アイズはベルのことをジトッとした目で睨み、エイナはアイズの存在に驚愕する。ベルはなんとなく焦ってしまい、うまく言葉が出なかった。その様子を見たアイズはベルの腕を取り、抱き込むようにしてエイナを睨んだ。
「?!ア、アアアアイズさん?!///」
「え?!あ、えっと…」
「…見ての通り、デート中…邪魔しないで…」
「あ、ああ、えっと…す、すいませんでした~!」
睨まれたエイナは謝りながら、慌てて走り去ってしまった。
「…行こ?ベル…」
「え、あ、は、はいぃ…///」
(…つい、やっちゃった…でも、うん。ベルに抱きつけたし、嫌そうでもなさそうだし…いっか♡)
(ア、アイズさんと腕組み…ううう…///)
アイズとベルは腕組みをしながらバベルを歩く。アイズは嬉しそうにベルに頭を擦り付け、ベルはアイズの柔らかな感触に苦悩する。
二人のデートは、まだ始まったばかりである。
甘ったるくて胃もたれしてきたので二つに分けます。後これ以上は今日中にはおもいうかばなかったので…
はい、ということで二人のデートでした。実はこの時点ではベルにとってアイズは少し意識している女の子、くらいの認識だったりします