指揮官「前回、最後までガンダムネタだったな」
作者 「今回からはライダーネタを……!」
指揮官「で、いつから俺の何度も転生したっていう要素が出てくるんだ?」
作者 「今回から少しずつ出していきます!どんな設定になるかは……ふっ」
指揮官「嫌な予感しかしないな」
作者&指揮官「第02話、どうぞ!」
「ふ、ふふっ。やっぱり駆逐艦は最っ高だな!」
ある日の母港。
草むらにその身を潜め、手には黒のカメラを持った騎士風の衣装を身に纏っているKAN-SENが居た。彼女こそが、栄えあるロイヤル艦隊の航空母艦"アーク・ロイヤル"である。
そんな彼女が、昼間っから草むらで何をしているのか。手に持ったカメラを構え、その向けた先に答えはあった。
「如月ちゃん! いくよ~!」
「うん、良いよ睦月ちゃん……!」
「それぇ!」
「えいっ」
そこには、茶色と薄桜色の髪色をした二人の可愛らしい幼女がバドミントンのラケットを持って、ラリーをして遊んでいた。二人の格好は、水色の服に黄色のスカート、頭にはスカートと同じ色の帽子。さながら幼稚園児のような服装だった。さらに付け足すと、彼女たちの頭から生えている猫耳が帽子から突き出ており、スカートの中からは猫の尻尾が出ていた。
この二人の幼女もKAN-SENであり、茶髪の子が重桜所属の睦月型駆逐艦の1番艦"睦月"、薄桜色の子が睦月型駆逐艦の2番艦"如月"である。
さて、ここで一つ問題になってくることがある。バドミントンで楽しく遊んでいる睦月と如月の二人を、少し離れた草むらに身を潜めながらカメラを彼女たちに向け、だらしなく緩んだ顔をしつつ、口の端から涎を垂らしながら「ハァ、ハァ……!」という、荒い息遣いをしているアークロイヤル。
───完全に変態である。
どこからどう見ても、10人中10人に不審者と言われること間違いなしの構図が出来上がってしまっている。
もうお気付きかもしれないが、このアークロイヤルは駆逐艦の子達が好きなのである。それはもう、陣営など関係なく全ての駆逐艦は私の妹みたいなものだ、と豪語するくらい駆逐艦好きである。
いや、駆逐艦が好きなのならばまだ良い。だが、彼女の場合、普段から駆逐艦の子達を見ると顔が今のようにだらしなくなったり、「私は駆逐艦の子にはつじょ……愛しく思っているだけです!」等という危ない発言をしている為、全陣営のKAN-SENたちから"要注意KAN-SEN"としてマークされている。
ちなみに、駆逐艦の子達からは"ロイヤルの格好良くて綺麗な空母のお姉さん"という名誉ある称号から、"ロイヤルのちょっと変な空母のお姉さん"という本人からしたら不名誉な称号にランクダウンしている。
アークロイヤルも、このままでは駄目だ、と何度か名誉回復のために行動したが悉く失敗に終わっている。
更に、彼女が所属するロイヤル陣営のKAN-SENたちのトップであるクイーン・エリザベスから直々に「これ以上、ロイヤルの名に泥を塗るようなことはするな」と言われる始末である。
しかし、忠告されたにも関わらず、彼女は今でも駆逐艦への熱意は健在であった。
「如月ちゃん! まだまだいくよ~!」
「う、うん! えいっ」
「あぁ、イイ! とてもイイッ!! バドミントンをしている時の睦月ちゃんと如月ちゃんも本当に素晴らしいッ!! ンハッピィーバースデェェェイ!!」
余りにも興奮し過ぎて、とある世界に存在する会長のよう台詞が飛び出てくる始末。
「も、もう少し近付いてみるとしよう。そうすれば、二人のもっと良い写真が撮れる筈……」
草むらから一歩も動いていなかったアークロイヤルが、より素晴らしい写真をカメラに収めようと匍匐前進の要領で移動を開始した。
匍匐前進で距離を少しずつ縮め、ベストポジションへと着いた、その時だった。
【サーチホーク!】
「ん?」
【探しタカ! タカ~!】
アークロイヤルの耳が、渋い男の電子音声と歌のようなものを捉えた。音の発生源は彼女の後方からで、彼女は首だけを後ろの方へと向けた時───
「痛い!?」
───赤いナニカが突っ込んできた。
ソレはアークロイヤルの額にクリーンヒットし、額を両手で押さえながらその場で痛みに悶える。そんな彼女の元へ、近寄る人影があった。
「アークロイヤル、またか?」
「かっ、閣下!?」
やって来たのは、白の指揮官服に身を包んだ男性"指揮官"だった。痛みが引いてきたアークロイヤルは、指揮官と対面するよう立ち上がり、彼はアークロイヤルを見て苦笑いを浮かべていた。
「また盗撮か?」
「違うぞ閣下! これは、あの……アルバム作りの一環です!」
「あんな匍匐前進して、不審者オーラを出しまくってるのに?」
「そ、そんなに出ていたのか?」
「うん」
「即答する程とは……ん?」
苦し紛れの言い訳をしていたアークロイヤルだったが、自分たちの頭上を旋回している存在に気が付く。
それは、小型の鳥の形をした赤と銀色で塗装された機械で、翼はあるが羽ばたいておらず、それなのに空中を自由に飛んでいる。
機械の鳥は、指揮官の方へ降下してくると、数メートル直前で鳥の形から丸い形へと変形し、そのまま指揮官の右手に収まった。
彼の手に収まった物を改めて見ると、それはまるで"ストップウォッチ"に酷似する形状だった。気になったアークロイヤルが、指揮官へと尋ねる。
「閣下、それは一体……」
「あぁ、これ? これは"タカウォッチロイド"って言ってね。
「だとしても凄い物だな。先程、私に直撃したのはそれだったのか」
あれは痛かったぞ、と笑顔で話す。
「あれ? しゅきかんだ~!」
「え? あっ、ホントだ。それに、アークロイヤルさんも……いる」
指揮官とアークロイヤルの存在に気が付いた睦月と如月は、バドミントンを中止して二人の元へと駆け寄る。
「しゅきかんたち、何をしてるの?」
「あっ、えぇっと……」
「アークロイヤルがね、母港の皆が写った写真でアルバムを作りたいんだってさ」
「えっ!? か、閣下!?」
睦月の質問に対してなんと答えようかと悩んでいたら、指揮官がとんでもないことを言い出したのだ。
それを信じた睦月と如月は、目をキラキラと輝かせながらアークロイヤルに視線を移す。
「そうなの? ねぇねぇ、アークロイヤルさん! 睦月と如月ちゃんを撮って!」
「わ、私からも、お願いします……!」
「だそうだよ? どうする、アークロイヤル?」
「──ッ、勿論だとも! さあ二人とも、そこに並んでくれ」
意気揚々と睦月と如月のツーショット写真を撮るアークロイヤル。その後も、指揮官も混ざって三人の写真を撮ったり、一時的に指揮官がアークロイヤルの代わりに睦月・如月・アークロイヤルの三人一緒の写真を撮ったり等、アークロイヤルにとって最高の1日となった。
写真を撮り終えた後、睦月と如月は重桜寮へ帰っていった。その場に残ったのは、アークロイヤルと指揮官のみ。
「と言う訳で、アークロイヤル。彼女たちの前であぁ言っちゃったから、アルバム作りを任せても良いかな? それなら、盗撮なんてしなくても堂々と写真を撮れるだろ?」
「か、閣下……!」
「あっ、駆逐艦だけのアルバムは駄目だぞ? ちゃんと、母港の皆が写ってるやつで頼むよ」
「はい! 不肖アークロイヤル、全力で取り組ませて頂きます!」
駆逐艦の子達を隠れて撮る必要性がなくなったことに、嬉しさで軽く涙を流しながら指揮官に敬礼した。
この日から、彼女によるアルバム作りが始まった。その日の内に、指揮官が母港に居るKAN-SENたちに事情を説明したこともあってか、アークロイヤルが写真を撮って良いかと尋ねると、ほぼ全員が快諾してくれた。
ただ、駆逐艦の子を撮る時に顔が緩くなるのは、中々治らなかった。
アークロイヤルにアルバム作りを任せた日の夜。
執務室では、デスクの上に開けた状態の3つのジュラルミンケースを置いて、中身を整理している指揮官の姿があった。
指揮官は、右手に持ったタカウォッチロイドを見詰めながら呟く。
「久しぶりに起動させたけど、若干、変形時に違和感があったな。やっぱり、一度全部を整備した方が良さそうだね」
そう言いながら、タカウォッチロイドを真ん中のジュラルミンケースに仕舞う。同じケースの中には、銀色の2つ折り式の携帯電話が入っていた。
右のケースには、赤・青・緑などの様々な色をした"缶"が入っており、左のケースには銀色で少し厚みのある丸い"ディスク"がぎっしりと入っている。
3つとも、指揮官が
3つのケースを閉めて、それらをデスクの下に並べて置く。生体認証式のロックが掛かっているので、指揮官以外は開けることが出来ない。
灯りを消した指揮官は執務を出て、自室のある階へと移動する。
誰も居ない執務室では、窓から入った月の光が部屋を照らしている。その際、照らされたことでデスクの下に置いていたケースの姿も見えており、そのケースの表面には大きな文字で───
────"X"と刻まれていた。
如何でしょうか?
皆大好きアークロイヤルの登場回でした!
そして、最後に急に転生要素を入れてみました!指揮官の前の職場がどんな所なのか、分かる人には分かると思います(笑)。
これからも、少しずつ転生要素は入れて行きます!
感想をお待ちしております!次回もお楽しみに!