シルヴァリオサーガRPG マイナお姉ちゃん生存√ 作:ぴんころ
前回は、ラストでマイナ姉貴の元からこれくれ君が消えることになりました。聡明な皆さんならばお分かりでしょうが、糞眼鏡に殺されたわけですね。
時間にして三十分足らずで魔星になってしまったことでもう二度とクレアと呼ばれることがなくなったこれくれ君の操作を続けていきましょう。
とはいえ、まず最初の時点では操作できません。前回ラストでギルベルトに射殺されてしまいましたからね。そういうわけなので、まずはスキップ不可の魔星関係の会話を聞きましょう。
「これ以上は容認できん。我らの犠牲は彼が最後であるべきだ」
「そうさな。恩義には報いるべきものがあるべきだ。無為にも無駄にもしてはならん」
ここでは、別に会話ができるわけではありません。が、思考することだけは自由です。コールレイン姉弟の兄としてあるこれくれ君は、彼らに対して強制的に否定を突きつけることになりますが、そこに付随する感情については自由です。ですが、まあここは普通に「冷」を選んでおきましょう。
>彼らは一体何を口にしているんだろう。
>そんなことを急に言われても困るのだ。
>罪や生贄がどうこうは意味がわからない。
>彼らが犠牲を無駄にしなかったら、犠牲にされた自分は報われるのだろうか。
はい。闇側にふさわしい性質ですね。兄弟姉妹が同じ属性になる、なんてことは基本このゲームではないのですが、ヴァルゼライド閣下に近ければ近いほど彼の光に焼かれやすく、ゼファーさんに近ければ近いほどゼファーさんの感性と近しく、なんやかんやでうまくやっていける間柄になりやすいです。
>そういえば、自分はどうしてここにいるのだろう。
おっと、魔星になったことで生前の衝動を強く引き継いでいることを示すためのシーンですね。このメッセージの次に出てくるのが、これくれ君の生前から引き継いだ衝動です。とは言っても、彼にそんな衝動はあってないようなものでしょう。
>こんな奴らに関わっている暇はない。
>早く、マイナのところに帰らないと。あの子は大丈夫だろうか?
……妹のことばっかり考えてますね、これくれ君。もしもこれが原作ルートならば、あるいはゼファーさんの代わりにマイナ姉貴がヴェンデッタ枠のこれくれ君と交信することによって戦っていたかもしれませんね。
まあ、そうは言ってもこれくれ君には彼らを手伝う選択肢以外にはないです。手伝わなければマイナ姉貴が殺される可能性だってありますし。手伝うのはお前らのためじゃない。マイナが死ぬかもしれないからだ、と本心から言えるこれくれ君は、まさしくシスコンという他ないです。
ついでにマイナ姉貴のことが心配でメンタルがちょっとやばいことになりかけてますね。あとでどうにかしてメンタルを回復させておきましょう。
「では、目覚めるがいい。
>……いいだろう。だが忘れるな。俺が協力するのはお前らのためではないことを。
さて、これでようやく行動可能です。ですが、最初は魔星としてのチュートリアル。
自らの星辰光を解放することで、第二太陽と地上を近づけましょう。ここで必要なのは、魔星としての出力を全開にすることです。
全開にすることで体への負担は大きく、一瞬しか発動することはできませんが、この場合はそちらの方が都合がいいです。アドラー全域へと干渉するより、第二太陽に干渉する方が楽ですし、この部屋のみを近づけた場合、第二太陽に近しくなったこの部屋は地上への干渉が難しくなるので、今は一旦第二太陽に干渉しましょうね。
星辰光は、基準値と発動値の振れ幅と【精神力】によって発動値を維持できる時間が変わります。ですが、スラムではほとんど【精神力】が育ちません。その結果、今のこれくれ君の【精神力】は基礎値のまま。ゼファーさんほどの【精神力】を持たないこれくれ君では、魔星としての出力を十分に振るうことは不可能ですし、発動値をB程度にまで抑えても普通に短時間しか無理です。
……ビビビ……ビビビ……我、地上。第二太陽……応答せよ……。地上に降り立ち、なんかしたまえ……。
『却下』
あ、はい。
まあ、当然ですね。こっちは魔星とはいえ全く関係ない存在です。つまり、大和からすれば敵国からの言葉である可能性も高い、そんな相手の言うことなんて聞いてくれるはずもありません。迦具土が口にしても戻ってきてくれないのは周知の事実ですが、今の彼らはそんなことを知る由もないです。なので彼らは、地上からの干渉を遮断しようとしたのは、何か理由があったのでは、と勝手に思い込んでくれます。
ついでに言うならば、繋がれたのが一瞬だけでしかなかったので、彼らの本心はまだわかりません。その結果、今の地上には降り立つ価値がないと思っただけかもしれない、と迦具土は勝手に勘違いしてくれます。地上に降り立つ価値があると思ってくれるレベルになってもらうため、より一層ヴァルゼライド総統閣下の改革に協力してくれるよ、やったね。
ヴァルゼライド総統閣下も、自分が気合と根性でどうにかできる部分ではなく、これくれ君が頑張らないといけない部分だとわかっていることと、迦具土が協力してくれることで普通に繁栄を祖国にもたらすことができるからか、結構な頻度でこれくれ君を第二太陽に干渉させようとはしますが、降りてこなくてもそこまで怒ったりはしません。まあ、自分たちの都合で勝手に殺した相手が、自分たちの思い通りに動いてくれない程度でヴァルゼライド総統閣下は怒ったりしませんよ。総統閣下バンザーイ!
では、動けるようになったので動き始めましょう。ヴェンデッタの代わりになったので、マルスやウラヌスとは違って人間として通用する見た目ですので、外にも出ることは可能です。ですが、まず最初にするべきことはコミュ以外にはあり得ません。
今現在、コミュを取れるのは迦具土とヴァルゼライド総統閣下の二名のみ。ここから増えていけば、ウラヌス以外の魔星とはコミュを取れるようになりますが、彼らとのコミュはそこまで必要なことではないです。せいぜいがルシードとイヴでしょうね。ゼファーのダメ人間っぷりをしっかりと教えてもらいましょう。
「何か用か、
それにしても、これくれ君。アポロンとは呼ばれてるの笑うしかないんですよね。なんでこんな格好良さげな名前をつけられてるんでしょう。
今回のコミュ相手はヴァルゼライド総統閣下です。ヴァルゼライド総統閣下は天然物の光の奴隷ではありますし、ゼファーさん視点の原作では彼の迷惑な面が多く描かれていましたが、表面的には素晴らしい人格者。本編で悪の敵になりたい、と口にした時のことを思い出してみましょう。
『罪には罰を』
『悪には裁きを』
『奪われた希望には、相応しい闇と嘆きと絶望を』
そして、愛、友情、信念、決意といった善の輝きの尊さもしっかりと理解しています。実践はできませんけど。
だからこそ、生きていくために、子供達を守るために必死に、子供たちに希望を与えるために色々とやっていたマイナ姉貴を殺すのは苦渋の決断が必要となるはずですし、糞眼鏡が勝手にそれをやってしまったこともあって余計にこの犠牲を無駄にはしないムーヴが捗っていたわけです。
そして、これくれ君も基本的には家族を守るために色々と必死にやっていたわけなので、もちろん邪魔になったならば普通に轢殺していくでしょうが、こちらの都合で殺してしまったこともあって常識的な範囲であれば便宜を図ってくれることは発覚しています。一回程度であれば「俺のような者と飲んでも楽しくないとは思うが……」とか言いながらも酒を奢ってくれたりもします。これくれ君は絶対にしませんが。
これくれ君がヴァルゼライド総統閣下に望むことはたった一つ。
「……わかった。その程度でクレア・コールレインの命に報いることができるとは思えんが、彼の衝動を受け継いだ貴様の心が軽くなるというならば、全力を尽くさせてもらおう」
>まだ少ししか会話していないが、ヴァルゼライドという男が約束を反故にできるような人間には見えない。
>これで、マイナとゼファーの今後は安泰となるだろう。
はい、これから先のマイナ姉貴とゼファーさんの生活の補助をしてあげてほしい、ということですね。
まだ総統にはなっていないので、そこまで大きな援助はできませんが、スラムの外で暮らしていけるようにはしてくれるでしょう。
スラムそのものは掃き溜めとして必要なことを理解していますが、この二人は彼の愛すべきアドラー国民です。ゼファーさんとは相容れないことを知らないヴァルゼライド閣下が守る理由としては十分。
自分を殺した我らへの不平不満をぶつけることなく彼らの今後を案じるこれくれ君の姿は、過去にこだわっている、魔星の衝動に発露している形という一点でだいぶ残念だ、と思っていますが、ヴァルゼライド閣下も無下にすることはそんなにしません。
何せ、魔星の衝動はすなわち生前から引き継いだもの。彼の願いの大筋はクレア・コールレインという男の願いと同一なのですから。
聖戦という報い方に変わりはありませんが、それはそれとして報恩の方法が他にもあるならば、その程度は実践します。アドラーに繁栄をもたらすために命を消費させてしまった、という負い目がありますからね。
では、マイナ姉貴のこれからが安泰になったことでメンタルが回復したところで、今回はここまでとなります。
ご視聴、ありがとうございました。
クレア・コールレインが姿を消した。
その事実は、スラムの面々には特段大きな衝撃をもたらすことはなかった。
これがマイナであったならばともかく、年齢が一番上なだけでスラムの面々の中の一人、といった程度の仲間でしかないクレアが消えた程度ならば、むしろ一人当たりが食べることのできる食事が多くなる。
マイナが悲しむから表には出さなかったが、ゼファーにはその気持ちが痛いほど理解できた。
「姉ちゃん、大丈夫なのか?」
そして、次に恐れたのはマイナの喪失。
今の生活は、マイナの存在が核。
彼女の心身が無事でなければきっと、より地獄のような場所へと身を投げ出すことになる。
その恐怖と、マイナが強がっているだけだということを見てしまったという事実が、彼にマイナを心配する、という行為をさせていた。
「もう……あなたが私の心配をするなんて十年早いわ。そんな顔しないで、お姉ちゃんに任せなさい」
「……そう、それならいいけどよ」
とはいえ、本人は大丈夫だと言い続ける。
ならばきっと大丈夫なのだろう。あるいは、大丈夫なのだと言い続けていないともうダメなのかもしれないが。
ゼファーに、姉の機敏は理解できない。恐怖というフィルターが取り除かれたが、特別教育を受けることもなく、相手の顔色を伺うより先に殴って逃げなければならないスラム育ちでは、そのあたりは難しい。
「大丈夫。兄さんだって、何か事情があるのよ。きっと、すぐに元気な顔を見せてくれるはずよ」
それが、希望的観測であることはマイナにもきっとわかっている。
聖母の如き言葉。誰も死体を見ていない、という事実に縋った言葉。
ゼファーは、もうとっくに諦めている。兄が戻ってこないのは、つまりそういうことなのだろう、と。
そして、それが正しかったことを知るのは数日後のこと。
強烈なまでの
基本的にマイナ姉貴に焦点を当てていきますよ〜