シルヴァリオサーガRPG マイナお姉ちゃん生存√ 作:ぴんころ
僕が死んで、
ついに今回が最終回。これくれ君が第三フラグを回収して、ヴァルゼライド閣下と迦具土が極晃星に至り、特異点で聖戦が発生して第二太陽が悲鳴をあげにいきますよー。
前回、マイナ姉貴を守ったことで、そのついでに守られた民がいたことを知るヴァルゼライド閣下からの感謝の言葉は、光の信奉者の皆々様であれば感涙にむせぶ代物なのですが、これくれ君はそんなものに塵ほどの価値も見出していません。彼にとって大事なのはマイナ姉貴たった一人。彼女が無事でなかったならば、もしかしたら自害していたかもしれませんね。
というわけで、魔星が動かなくなったところでアスクレピオスの大虐殺は終了しました。ここからは、
というわけで、ここからはヴァルゼライド閣下による試作品の提供。……ぶっちゃけ、これはもう試作品ってことじゃなくて、一時的に干渉して第二太陽から聖戦を行なった場合の情報を引き出すための装置なんですけどね。面倒なので試作品呼ばわりです。それにマイナ姉貴の監視に加えて、イヴとルシードからゼファーの状況について聞くことが加わって来ます。
とはいえ、後者の二つはこれくれ君のメンタルを回復させる効果が主なものです。メンタルがしっかりと安定していればこれくれ君の干渉が失敗することはほとんどないですから、これも必須なんですね。とはいえ、話の内容それ自体は普通のことでしかないので、特に聞くべき内容はないです。
お、そんなことを言ってる間に三つ目のフラグに纏わる情報です。ヴァルゼライド閣下から、極晃星に至る方法を聞き出せ、との命令が下されましたね。この命令が出た時点で、ヴァルゼライド閣下は『極晃星に至ることで特異点へと至り、そこで聖戦を行う』を目的としています。地上でやらないなら、こっちも止める理由がないです。
では、三つ目のフラグがフラグとして成立するために必要となる情報をここに列挙しておきましょう。
三つ目のフラグは『極晃星に至るための条件』です。これを取得するために、まず最初に見出しておかなければならないのは、『一体何個条件があるのか』ですね。ぶっちゃけ、地上のことは地上で勝手にやっててくれ、が大和の意思なので、地上の頭おかしい連中が第二太陽を落とそうとしていることなど知りません。それどころか、自分たちの子孫がいることを知れば『おいでよ、第二太陽の中!』とか言い出します。
『出力が何某かの面で限界突破を果たすこと』『オリハルコンを保有していること』『互いが互いを唯一無二とする誰かと、同じ思いを共有すること』の三つです。
……でも正直、この三つが条件だとヴァルゼライド閣下が「まだだ!」をする度に集束性が限界突破してそうな気がするんですよね。やっぱり、迦具土がヴァルゼライド閣下が唯一無二だと判断できていないのでしょうか?
ぶっちゃけ、この辺りの会話は原作で出てくる情報を列挙されていくだけなので、見どころさんがほとんどないんですよね。
仕方ないので倍速をかけながら、このルートにおいて奇跡でもおきない限り幸せになれない枠が一人、明確にいるのでその人物についてでも説明しておきますか。
今回のルートで、幸せになれない相手とは、すなわちチトセネキです。
まあ、考えてみれば当たり前のことなんですよね。だって、チトセネキはゼファーさんがいなくなったことでショックを受けましたが、彼女が本編でゼファーさんを見つけられたのは『ヴァルゼライドの命令を受けたルシード』が『ゼファーにヴェンデッタに関わる情報を一定程度探らせるための依頼を出す』ことで『ゼファーさんが天秤のいる場所に忍び込んだ』結果、『天秤兵を殺すことになった』からなんです。
このルートではそもそもヴェンデッタが存在しないので、ゼファーさんが忍び込む任務そのものが発生しません。発生したとしてもヴェンデッタの視線に怯えるゼファーさんなんて存在しないので見つかるようなヘマはしません。結果として、チトセネキはゼファーさんが生きていることを知ることができず、一生を悲しい感じに過ごしていきます。
ただし、『奇跡が起きない限り』と口にした通り、マイナ姉貴と知り合った場合に限り、チトセネキもゼファーさんについて知ることができる可能性があります。先にミリィと知り合った場合は、ゼファーさんの居場所を知るかもしれない、と思うよりも先にゼファーさんが軍部から抜け出す最後の一押しになったミリィをぶっ殺す可能性がわずかに残っています。本編からは考えられませんが、恋というのは理屈ではないのでね。まあ、あとはゼファーさんの命を吸って生き残ってるように思えるのでしょう。
で、マイナ姉貴と知り合った場合、コールレインの名を聞いてゼファーさんの痕跡を知ろうとするチトセネキがマイナさんの家にまでついていくことになります。マイナ姉貴がチトセネキのことを知っていても、ゼファーの上司とイコールでは結ばれません。恋する
そうなった場合、運が悪いとマイナ姉貴がゼファーさんの奥さんだと勘違いされたり、姉だと知った瞬間にさっきまでは普通に友人づきあいをしていたはずなのに一瞬で『ゼファーを私にください』にシフトするチトセネキに困惑するマイナ姉貴が見られたり、というなかなか面白い光景がスチル付きで見られます。面白いので、是非皆さんも一回ぐらいは見てください。
と、まあそんなことを口にしている間に第三のフラグの回収が終わってしまいました。
では、最後の一押しです。最後の意識を保ったままの接続。ここで手に入れる情報は『どうして地上に降りて来る気がないのか』ということ。
理由は原作でも言っていた通り、単純に第二太陽の中の方が心地良いからです。迦具土は自分の存在意義をぶっ壊されたことでメンタルがボロボロになりますが、そこはそれ。宿敵がしっかりと『決めたからこそ、果てなく往くのだ』と回復させてくれます。
これにより、彼らが
今までは干渉→地上に第二太陽を下ろす→第二太陽を手にするための聖戦だったのが。
干渉→地上に第二太陽を下ろす→極晃星に至った二人が特異点にて闘争→第二太陽を確保して地上からの干渉を利用しての帰還、という順序になっただけですので。
>これで俺は死ぬことになるのか。
>……いや、別に悩む必要はない。
>これで、マイナの生活はより良くなる。
>怖くはあるけど、そのためなら止まらずにいられる。
では、これくれ君の最後の心境も出たところで、操作も終わりとなります。
真なる第二太陽降誕装置への接続&詠唱シーンはスキップ。原作でも何周もした人たちがきっと聞き飽きているでしょうからね。
これによって、これくれ君の生命が終わります。ぶっちゃけ、本当に死ぬのかどうかは謎なんですが、ヴェンデッタにおける閣下たちの犠牲にするムーヴの影響か、これに繋がれれば最後、極晃星にでも至らない限りは繋がれた時点で死が確定してしまいます。この時点で、これくれ君には思いを共有できる他者がいないため、こういう形になるんですね。
ここからは、もうエンディングです。閣下たちの聖戦が地上ではなく第二太陽で行われた結果がどうなったのかを知る人間は誰もいません。確実なことは、ヴァルゼライド総統閣下と迦具土の戦いは特異点にて行われ、その結果として地上の法則にちょっとした変化が加わったことだけです。
第二太陽は天にはなく、地上にもなく、その結果”勝利”したのがどちらなのかを徹底的にわからないようにしているんですね。閣下と迦具土の間に優劣をつけるのは公式すらも厭ったのでしょうか。
これにて完結。マイナ姉貴は生存していますし、ゼファーさんはチトセネキに(今の所は)見つからずに済んでいますし、ルシードとイヴはヴァルゼライド閣下への恐怖から聖戦には参加しなかったようで普通に生きています。ミリィも、ジン爺の元で調律師としての修行を積むことができますし、アスラはきっとマルスやウラヌスと一緒に英雄を相手に挑んでいるでしょう。
味方がほとんど生き残り、敵は生きていたとしてもヴァルゼライド閣下と迦具土程度。その二人がラスボスだ、と言われてしまえば言い返すことは不可能ですが、その二人だって地上が荒廃するような戦いは特異点でやってくれるでしょうから、地上で生きるゼファーさんたちに被害が来る可能性はほとんどゼロと言っていいです。……何気にめっちゃ幸せなのでは?
というわけで、名残惜しくはありますが、私もこの辺りでおさらばさせてもらうとしましょう。
今までのご視聴、ありがとうございました。
「あら、ルシード君?」
「ええ、こんにちはマイナさん。ゼファーは今日いますか?」
その日、どこか嬉しそうな、けれど申し訳なさそうな様子で弟の友人であり、私たち家族の恩人であるルシード・グランセニックが訪ねてきた。
彼にも心配をかけたものだ、と知り合った当初のことを思い出す。出会って意気投合したばかりの弟を助けてくれた彼は、どこか弟と似通った精神性をしていた。
彼らの言葉を借りるのであれば負け犬、と。そんな彼らは互いのことを友人としてとても大事にしている。だから、ゼファーにとって大事な家族である私とミリィは、彼が気にかける対象になっていたのだろう。
「もちろん。昨日も飲みすぎて二日酔いになっているみたいだけど」
「ははっ、それはゼファーらしいですね」
「だから、後でちょっときつめのお仕事あげてね。罰代わりに。ゼファーらしいけれど、それは別にいいことではないんだから」
「ええ、そうですね。この家での唯一の男手なんですから、多少は頑張らないとダメでしょう」
「真人間をしている人への羨望はある子だもの。文句はあってもきっとやるわよ」
彼は、五年以上前の私の状況を聞いた話でしかないが知っている。
あのアスクレピオスの大虐殺以前の私は、情緒不安定だった。
兄が死んで、どうやって仮面の奥に隠した感情を吐き出していいのかわからなくなっていた私。
大虐殺以降に知り合った彼は今の私しか知らないが、ゼファーの話を聞いてたいそう驚いていた記憶がある。
まあ、私が落ち着いた理由なんてとても単純だ。
あの大虐殺の時、私を助けてくれたのは兄である。その事実があるから。たったそれだけ。
兄の姿を見たわけではない。兄の声を聞いたわけでもない。
けれど、あのタイミングで私を助けてくれるのは兄以外にいるはずもない。
誰もが、あの怪物に挑み、市民を守るために命を散らしていた。そんな状況で。
私個人を守り続けてくれるのはあの人以外にありえない。
兄がどこかで見守っていてくれるとわかっているから、多少は改善の兆しが見えただけのことなのだ。
兄に依存している、と言われればその通りと答えるしかないが。
まあ、その辺りは許してほしい。
「ところで、ルシード君は今日はなんだか機嫌がいいわね」
「いいことがありましたので。軍部に商国の人間であるから睨まれはしていますが、それでも総統閣下がいないのはとても気が楽なんですよ」
「……確か、第二太陽の技術を総取りにするんだったかしら?」
「ええ。聞いた話では、聖戦なるものらしいですね」
正直、ヴァルゼライド総統閣下はあまり好きではない。
外ではそんな姿を見せないようにしているが、兄が死んだことを伝えてきたあの人のことは、どうしても好きになれそうにないし、それがなくともあの歪さが不気味すぎる。
とはいえ、その聖戦に多少期待しているのも事実ではあって。
もしかしたら、それで手に入れた技術があれば、如何してか戻ってこない兄も戻ってくるかもしれない、なんて。
そんな、ちょっとした期待。
兄には、ゼファーに妹ができた話をしたい。
ゼファーが軍部で真人間になろうと頑張っていた話をしたい。
私の当時の状況は……うん、まあ隠しておきたいけれど。
それでも、あの頃からでは考えられなかったようなことがいくつもあるのだ。
だから私は、そうなる日のことを夢見ている。
そんな私のことを一瞬だけ傷ましい者を見るような目で見たルシード君のことを、見ないふりをして。
ルシードはこれくれ君が死んでることをしっかり知っています。
というわけで完結です。魔星で、しかも大元もスラム由来で殺されるに足る理由もない、特段語るイベントもないせいで差し込めるのがアスクレピオスの大虐殺ぐらい。そんなこれくれ君だったのでなかなかに作るのが難しかったです、はい。
というわけで、マイナ姉貴を生存させるルートはこれにて閉廷! なんかマイナ姉貴が帰ってこない旦那を待つ未亡人っぽくなってるけど、幸せにするルートじゃないので問題なし! 幸せにしたい他の作者がマイナ姉貴を生き残らせるのを待ってます!