自分で気づかないところも気づいてくれて、とても助かりました。
ありがとうございました。
試合が終わり影山も日向も既にへとへとになっていた。
「お疲れ、どうだった?試合」
「……悪くなかったです。ネット越しにあそこまで話すとは思ってませんでしたけど」
潔子さんからボトルを受け取り、水分を取る。
「闇影ー、月島たちのところに握手しに行くぞっ!?」
「…………、なんで?」
「試合との最初と最後には握手しないといけないんだぞっ、いくぞ!」
「……はいはい、じゃあ潔子さん、ちょっと行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい」
俺は日向についていく、影山に関しては嫌そうな雰囲気を出しながら歩いていた。
「月島!」
「?」
日向は何も言わずに右手を出す。
「…………、…何。」
「試合の最初と最後に握手すんじゃん。今日の最初はしてないけど、それにこれからチームメイトだし、嬉しくないけど…」
「…………」
「はやくしろよっ、お前知らねーの!?ちゃんと仲間の自覚を持たないと体育館放り出されるんだぞ!」
日向は澤村さんのほうを見ながら小声で話していた。大体日向たちが放り出された理由って、
「…君らが体育館出禁になったのは、主将の注意をしかとして勝手に勝負始めた挙げ句、教頭のズラをふっ飛ばしたからでしょ」
「‼?」
「俺はしてねえけどな」
「い、いいじゃねぇか細かいことは」
いやいや、細かくないから。
日向はどうにか月島と握手しようと、飛びついていた。
まだ水を十分に取れていなかった俺は、左手に持っていたボトルの水を飲み干す。
「キャプテン!?」
「「「っ!」」」
月島のほうに来ていた澤村のもとに、日向、影山は紙を前に差し出して待っていた。それは、体育館を放り出されると同時に澤村さんが二人に返した入部届だった。にしてもぐちゃぐちゃだし、字が汚い。日向のはまだ読めるけど、影山の字は、字と字が重なっているところもあり読みずらい。
澤村さんは二人の紙を受け取る。
「清水!あれもう届いてたよな?」
「うん」
澤村さんはマネージャーの仕事をしていた潔子さんに荷物が届いていたかを聞いた。
日向は「あれ」と言うのが気になるようで、潔子さんが段ボールを持ってくると、興味津々に近づいていった。段ボールを開けると、中にあったものを取りだして嬉しそうに喜んでいた。
「多分サイズ大丈夫だと思うけど、何かあったら言って」
「「あザース‼!」」
早々に着た日向、影山とは対照的に月島は着るのを渋っていたが、田中さん、菅原さんに着ろと言われ続けて最終的には来ていた。
俺も着て山口の横にならばされた。
日向は嬉しそうに、背中にある『烏野高校 排球部』の文字を先輩たちに見せていた。
「これから烏野バレー部として、せーの!」
『よろしく』
「「……オッス!?」」
その後、田中さんがジャージを着た時のかっこいいポーズの仕方を教えてくれた。日向はノリノリで真似をして、影山と山口は手の動作だけをまねをした。俺と月島はそのポーズを傍観していた。
「おい日向‼休んだか⁉休んだな!?もっかいクイックの練習すんぞ!感覚が残ってるうちに‼」
「オオッ」
「田中さん、ボール出しをお願いします」
「おう、任せとけ!?」
日向と影山はもらったばかりのジャージを投げ捨てクイックの練習をしようとしたとき、体育館のドアが勢いよく開けられた。
「組めた‼組めたよーっ」
扉のところにはジャージを着ている人が膝に手をついていた。
「練習試合っ‼!相手は県のベスト4‼青葉城西高校‼」
「青城!?」
「ゲッ」
「ウソ」
「県ベスト4と練習試合!?」
先輩たちは青城の名に驚き、月島、山口は嫌そうに顔をしかめ、日向に関しては県ベスト4と練習試合ができることに喜んでいる。
「おっ!君らが問題の日向君と影山君か!」
緑色のジャージを羽織り直し日向、影山のもとへ歩いていった。
「今年からバレー部顧問の武田一哲です」
「…おす」
「バレーの経験は無いから、技術的な指導はできないけど、それ以外のところは頑張るから、よろしく!」
「……おっす!」
「先生…」
「いやあ、あちこち練習試合のお願いに行ってたから全然こっちに顔だせなくて…」
「先生、青城なんて強いところとどうやって…」
「まさか、また土下座を……」
「してないしてない、土下座は得意だけど、してないよ今回は」
澤村さんと菅原さんは安心したのか一つ息を吐いた。それでも土下座得意なのはどうかと思うが。
「ただ、条件があってね…」
「条件?」
「影山君をセッターとしてフルで出すこと」
「なんスかそれ、烏野自体に興味はないけど、影山だけはとりあえず警戒しときたいってことスか、何スか舐めてんスかペロペロスか?」
田中さんは全く関係ない先生に上からガンを飛ばしている。
「いや、そう言うわけじゃなくて…」
「いいじゃないか、俺は日向と影山の攻撃が、四強相手にどこまで通用するのか見てみたい」
なんか素早く話がまとまった様だ。田中さんはまだ何か言いたげの表情だけど、澤村さんが詳細を聞く。試合の日は来週の火曜、放課後に1ゲームだけ行い、学校のバスで行くらしい。
夕方になり練習が終わり今は潔子さんと一緒に帰宅している。
「来週の火曜日はデビュー戦だね」
「と言っても一年の俺が試合に出れるかわかりませんよ?」
「……意外、晃なら自分が出れるって確信してると思ってた」
「俺は、公式戦でレギュラーを取るつもりです。だから練習試合で出られる確信がなくても、公式戦でレギュラーを取れればいいと思ってます」
「……それって今回みたいに勝ちに行く練習試合でも?」
「…………はっ!勝ちに行くための練習試合でレギュラー取れなかったら、公式戦でもレギュラーなんて取れませんよね!?先ほどの出られるかわからないって言ったの訂正します。今回の試合レギュラーになって、青葉城西に俺の実力を見せてあげます」
「うん、頑張って」
「あと、潔子さん。気を付けて下さいね」
「?」
「向こうの主将さん、聞いた噂じゃあ、イケメンでバレーもうまいらしいですけど、女子にモテまくってて、たまにナンパまがいなことをしているって聞いたことがありますから」
「心配しなくても大丈夫。私、外面だけで褒めてくれる人は好きじゃないし、向こうの学校についても方向音痴な晃がいるから、基本一緒に行動しないといけないから。もし、ナンパされても晃が追い払ってくれるんでしょ?」
「もちろんです。一緒に行動しないといけないのは初めて聞きましたが、その時は追い払いますよ」
平日でも休日でも学校から帰る道のりに潔子さんと一緒に帰る時にしゃべるのは中学の時から変わることはないようだ。
日曜日は休みで月曜日の朝、青城戦のスターティングメンバーが発表された。俺はWSとして試合に出ることになった。対角はもちろんのこと田中さんで、原作では縁下さんが守っていたポジションだ。
「影山と日向はセットで使いたいし、月島と闇影はうちでは数少ない長身選手だ。青城相手にどれくらい戦えるか見たい。闇影に関しては、身長だけでなくサーブやブロックなど武器もまだまだ持っているようだから、その武器がどこまで通用するのか使ってみてくれ」
「はい」
山口が外れたことにとてもへこんでいた。
「てか、でかさが重要なポジションに日向スか」
「はっ!MBってノッポ野郎月島と同じポジション!?」
MBという言葉に武田先生が反応して大まかなポジション確認をする。今回はWS、MB、Sだけの説明だった。
「いいか、日向。お前は、最強の囮だ!?」
「!おおお!?最強のおと、り…、なんかパッとしねぇ」
日向は最初、最強という言葉に反応したがその後ろについてきた囮という言葉に膝を落とす。
影山は最初、囮の気持ちのいいところを教えていたが、その後に囮の重要性の悪いところを教えて日向を落としていた。
「良かったね晃、レギュラーで」
「そうですね、でもここで出きるだけアピールしておかないと、公式試合ではベンチスタートっていうこともありますから気を抜かないようにします。まぁあんな風にはならないとは思いますけど」
俺は今だに緊張でがちがちの日向を見ながらそう言った。
その日の放課後も日向は緊張でがちがちになっており、一度は何度か持ち直したが、部室で田中さんがプレッシャ―を与え、ジャージの上下を間違えたり、田中さんのジャージを間違えてきたりと、相当参っていた。
そして火曜日、ついに日向は緊張と睡眠不足、乗り物酔いによって隣に座っていた田中さんの股間に嘔吐していた。
今回もご愛読ありがとうございました。
ぜひ評価していただけると嬉しいです。