迷子の迷子のスパイカー   作:風神タバサ

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今回は少し違うスポーツをさせました。
それではどうぞ!


迷子

日向が嘔吐した後一度バスを止めてその処理をした。

その後は何の問題もなく、青葉城西高校に着くことができた。平日ということもあって、帰宅している生徒や部活を行っている生徒がちらほら見える。俺は荷物の整理をしている。周りを見渡してみると、田中さん、影山、山口、月島、日向が見当たらない。日向はトイレに行っているのだろう。澤村さんが影山たちを探しに行っている間に、俺は荷物の整理を終わらせる。しばらくすると、澤村さんたちが戻ってきた。そして練習試合会場である体育館に向かう途中、道に迷い体育館に着くことができた。しかしそこにはバレー部どころか男子なんていなかった。そこは青城の女子バスケ部らしく、体育館を間違えたようだ。

「そこの大きい君‼うちの学校の生徒じゃないようだけど、どうかしたの?」

 後ろから声がしたので振り向いてみるとそこには影山より少し身長の高い女子がいた。右手にバスケットボールを抱えているので、青城の女子バスケットボール部だろう。

「すみません、俺、烏野高校のバレー部なんですけど、青城の男子バレー部がどこで練習してるか知りませんか?チームメイトと離れてしまって……」

「ほうほう、つまり君は今迷子と、……教えてあげてもいいけど、かわりにうちの練習につき合ってちょうだい。人数が足りなくて試合形式ができないの」

「え、いや、俺もこれから練習試合なんですけど……」

「ちょっとだけだから、一人来てくれたら私が案内してあげるから」

「いや言いですよ、なら一人で歩いていきますから」

 俺はそれだけ言って体育館を後にしようとした、しかし

「いいの~?私は一人来てくれるまでしてくれればいいって言ってるんだよ?もしまた道に迷って男子バスケ部のところに行ってごらん。今日の部活終了までバスケの練習に使われるかもしれないよ?うちの男バス、強引なところあるから可能性はゼロじゃないんだ。で、どうするの?通路が多くて体育館が四つ近くあるこのマンモス校で道に迷っても部活の時間により誰もいない廊下を一人でさまようか、男バスに捕まって終了時間までバスケさせられるか、私達のところに残って一人来るまでバスケしてその後道案内されるか?どうするの?」

 そんなの決まってる。

「しばらくの間お世話になります!」

 方向音痴の俺がこんなに広い学校で迷子になってみろ。時間がかかってしまい着いた頃には試合終了になってしまうなんてことがある。男バスも同じ理由でだめだ。なら、少しでも可能性があるここに残って人が来た後に道案内してもらうほうが断然いい。

 よって、俺は少しの間バスケをすることになった。

「みんな、試合形式始めるよ、一人遅れてくるらしいけどこのカラス君がそれまで練習に参加してくれるらしいから、色々バスケのこと教えながらよろしくね?」

『はいっ!キャプテン!?』

 この女性はバスケ部の主将だったらしく、勝手にチームを決められ試合を開始した。

………………てか、カラスくんって何?

 試合は始まりこちらのボールからスタートだ。俺は跳んできたボールを持って、ドリブルをしながら進んでいく。何故か誰もボールを取りに来ないので、ゴール下まで行きそのままボールを持ってダンクをしようとした。しかし、

 

「ぴぃーーーーーー‼?」

 

 笛が鳴ったので俺はボールを持ったまま着地する。笛を吹いたのはキャプテンさんらしく、俺のもとにちかずいてくる。

「トラベリング!ダメだよボールを持って三歩以上歩いたら」

「?」

 何のことか全くわからない。

「君は今、ボールを持って右足、左足、右足、左足で止まって上に飛んだんだよ。せっかくのジャンプ力が急に止まったせいでそこまで高く跳べてないよ。バレーではボールを持ってないからいいかもしれないけど、バスケはボールを持ってるんだから片足で跳ばないと」

 そう言われてキャプテンさんにボールを渡される。そして再び片足で跳んでダンクを決めようとするが今度は思ったよりも前に跳びすぎて、おでこがリングに当たってしまった。

「今度は前に跳びすぎ、次は少し後ろのほうでとんでみて?」

 そう言われ俺は少し後ろのほうでとんでみた、その時、

「晃!なにしてるの!?」

 声がして俺はボールを持ったまま着地した。

声がしたほうを見るとそこには息を切らした潔子さんがいた。

「あらら、カラスくんの彼女さん?めっちゃ美人じゃん。にしても、彼女さんが来たってことは私の案内が必要無くなったってことだね、とりあえず、勝手にカラス君を借りたことに変わりないから挨拶に行ってくるよ、自分の荷物とってきない」

 そう言ってキャプテンさんは潔子さんの方に行った。俺も自分の荷物を持ち、潔子さんのもとに向かう。

「話は終わったから、じゃあねカラス君。頑張てね」

「はい、お世話になりました」

 そう言って俺は潔子さんの後をついていく。

「晃、試合もう始まってるから。今、晃の代わりに縁下が出てるけど、二セット目から出られるよね?」

「はい、」

「じゃあついたらまずみんなに謝って、分かった?」

「はい、すみませんでした」

「みんなにも謝るんだよ、じゃあはい」

「?」

 潔子さんは俺のほうに手を出してきた。

「また迷子になったらいけないから手、握って」

「いや、さすがに校舎内では……」

「その校舎内で迷子になったのは、誰?」

 声と顔で潔子さんが怒っているのが分かった。渋々手を握り、早歩きで試合会場に向かった。コートに着くと、日向がサーブを打ち影山の後頭部にボールをぶつけているところだった。

そして、第一セット目、25対13で青城がとった。

「おいこら日向!?」

「!?」

「お前」

「はい」

日向が反射的に正座した。

「他の奴みたいに上手にやんなきゃとか思ってんのか?イッチョ前に」

「……ちゃ…、ちゃんとやんないと……交代…させられるから…、おれ…最後まで試合…出たいから……」

「おい、…ナメるなよ‼お前が下手糞なことなんかわかりきってることだろうが!」

「ヴェ…」

「わかってて入れてんだろ大地さんは!」

「え?」

「交代させられた時のことはなあ、あー…、うー…、交代させられた時に考えろ‼」

「えっ…」

「いいから余計な心配はすんじゃねぇ!頭の容量少ないくせに‼良いかァ!バレーボールっつうのはなあ!ネットの“こっちっ側”にいる全員!もれなく“味方”なんだよ‼」

「!」

「下手糞上等‼迷惑かけろ‼足を引っ張れ‼それを補ってやるための‼」

 一拍溜めて、

「“チーム”であり、“センパイ”だ‼!」

 その後日向は田中さんのことを田中先輩と呼び続けており、田中さんも上機嫌になっている。

「晃、行くよ」

 そして俺は潔子さんに手を繋がれたまま澤村さんのもとに連れていかれる。

「澤村、連れてきた」

 潔子さんは繋いでいた手を離し、俺を澤村さんの前に立たせる。

「澤村さん、道に迷ってしまい遅れました。すみません」

「ああ俺たちも、お前が方向音痴だと知らずに置いてきてしまって悪かったな、とりあえず二セット目から行けるか?」

「はい!」

最初は怒られて試合に出られないのではないかと心配していたが、試合には出られそうだ。一応縁下さんにも謝罪をしておいた。

二セット目ではあるが俺のデビュー戦が今、始まる。

 




時間がなくて試合まで入ることができませんでした。
次回は青城戦です。
評価等もよろしくお願いします。

試合の書き方について

  • 晃の一人称が読みやすい
  • 三人称が読みやすい
  • 一人称と三人称を使いたい時に使えばいい
  • 作者のやりたいようにしなさい!
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