迷子の迷子のスパイカー   作:風神タバサ

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二セット目

 第二セット目は烏野高校サーブで始まる。

 青葉城西はサーバーを見て烏野がメンバーチェンジしていることに気づく。

「渡、強烈なの来るかもしれないから一本できるぞ」

「はい!」

 岩泉は同じ後衛の後輩二人に注意を促す。

「闇影!一本ナイッサー!」

 そしてここで晃は集中する。相手のレシーバーの位置。どのサーブで行くか。どこを狙うか。そして晃はエンドラインから八歩歩いた。

(おそらく、ウシワカの左を受けたことのある青葉城西相手には、俺の左サーブなんて通用しないはず)

 そして晃はサーブトスを上げる。

(一本目は……完璧なサーブトス。修正必要皆無。狙い変更なし。)

 そしてジャンプサーブを打つ。打ったボールはリベロとセッターの間。しかしセッターである矢巾は、トスを上げるため前衛のほうに向かっていた。そこに晃の打ったサーブが向かい、矢巾はとっさに頭の上でレシーブをするが、ボールは二階席に飛んでいき烏野の得点になる。

「闇影ナイスサーブっ‼この遅刻魔が‼」

「ちょっ!痛いです‼田中さんっ!髪ワシャワシャしないでください!」

「田中、そこまでにしてやれ、闇影もう一本ナイッサー」

「うっす!」

 髪をいじられた晃は、自分の手のひらを見る。

(なんか、サーブが決まって先輩に褒められるっていいな)

 かれこれ十数年、晃は初めての感覚に浸るのだった。

(よかったね晃、長年我慢してやっと良い先輩たちに敢えて)

 初めての感覚に浸っている晃を、清水は優しい目で見守っていた。

 再び晃のサーブのターン。晃はこの試合ジャンプサーブ以外打つつもりはなかった。よって、今回も八歩。しかし、先ほどとは狙う場所が違う。

(今度のターゲットはあなたです。岩泉さん)

 サーブを打つ、そのボールは岩泉の少し横のライン側に飛んでいく。岩泉は横にとびボールを腕に当てるが、そのボールは再び二階席に飛んでいく。

「わりぃ、次はとる!」

「ドンマイです!岩泉さん!」

(このサーブ、下手したら今の及川の全力サーブと同じ威力だぞ‼)

 岩泉は受けきれなかったサーブの威力を体で感じて、小学生の頃から一緒にやってきている及川のサーブを思いだす。

「闇影、もう一本ナイッサー!」

(ふう、次は回転の強いサーブトス、ボールの落ちるタイミング。狙いは、ライン上)

 今の晃には周りの声はあまり聞こえていなかった。

 再び晃のサーブ。サーブトスは先ほどの二つのサーブよりも強い回転がかかっている。ボールはリベロのライン側に飛んでいく。

「!アウト!」

サーブを見逃す渡。最初は青城側の誰もがアウトと思った。しかしそのボールは急降下をはじめライン上に落ちていった。結果はイン、再び烏野の得点になった。

「すみません!」

「ドンマイ、次々!」

 再び晃のサーブ、今度の晃のサーブは、岩泉狙い。サーブトスを上げる。しかし、

(やっべ、サーブトス前過ぎる!?考えろ、助走しながら考えろ、前過ぎた時はどうすれば良い?今までのジャンプじゃ届かない可能性だってある。前のほうに跳ぶためには…………あ!)

 晃はここに来る前に教わったジャンプを思いだす。この間約一秒。

 そして晃はエンドライン手前でジャンプする。右足を後ろに上げて左足だけで。よって前過ぎたボールには届いた。しかし慣れておらず、ぶっつけ本番だったため体が少し傾いてしまった。

 結果、狙い道理のコースに打つことはできたが威力はそこまで高くならなかった。岩泉はそのボールをセッターに返す、矢巾は国見を使い攻撃をする。国見はスパイクを打ち、そのスパイクは月島の正面でかろうじてボールを上げた。

 影山は上がったボールの真下に入り、日向は助走を開始する。日向は目を瞑りジャンプして腕を振る。

(あれ?手に当たんない)

 違和感を感じた日向は目を開けるとボールはネットにかかって烏野のコートに落ちていった。

(クイックあんのか?それともただの張ったり。でもまあどっちみち)

「今のみたいなのちゃんと当てなきゃ、王様が怒りだすよ?」

 小心者の日向を煽った。

「日向!」

「ほら来た」

「悪い、今のトス少し高かった」

「!?影山が…」

「……謝った…」

 影山の元チームメイトの金田一と国見は驚きを隠せないでいる。

 青城のサーブで試合再開、晃は自分のもとに飛んできたボールを影山に返す。

 日向は助走を開始し跳ぶ。影山はその日向にドンピシャのトスを上げた。

 青葉城西のブロッカーは反応することができずに得点が決まる。

「「っしゃ‼!」」

「「おーし!」」

「よっしゃー!」「おおお…‼」

「でたよ…、変人トス&スパイク…」

「いいねぇ、この気付いた時にはスパイクが決まっていた時の相手の反応」

『おおおおお!?』「なんだ今の、はえー!」

 会場に来ていたギャラリーがざわついた。

 澤村のサーブはあっけなく返されて青城の得点になる。

 青城のサーブは澤村が上げ、晃はバックトスを要求する。

 影山は迷うことなく晃にバックトスを上げる。青城ブロッカーは三人でブロックに跳ぶ。晃はブロッカーの指先をめがけてスパイクを打ち、ブロックアウトで点を稼いだ。

 青葉城西も離されることはなかったが、日向の囮に引っかかって点を決められることが多々あり、タイムアウトを取った。

「晃、お疲れ、どう?調子は」

「悪くないですよ、むしろまだまだ上がれそうなくらい」

 そんな二人の雑談を簡単に見逃さないものが一人いた。

「おい!闇影、お前だけ潔子さんと雑談なんてうらやまけしからん‼!潔子さん、俺とも一緒に雑談を」

「しません」

「今日の俺の調子は」

「聞いてません」

「今度一緒にご飯に」

「行きません」

「潔子さんに断られるのもなんか、いい!」

「「……」」

 新たな性癖に目覚めた田中を晃と清水は異常な目で見ていた。

 タイムアウトが開け試合が再開する。

 影山のトスを打った月島は「お前のトス精密過ぎて気持ちわる」といい、影山と月島は言い争いになったが、澤村の一言で言い争いは収まった。しかし、その二人はブロックでも言い争い、それだけでなく、場所争いも始まった。この二人の争いを見て楽しく思わない晃ではない。

「そんなこと言い合って止めれなかったら二人ともダサいよな!」

「あぁ?」「はぁ?」

「敵はネットの向こうだっつうの‼おい、来るぞ!?」

「「「!?」」」

 田中の一言で我に返る三人。ブロックに跳んで場所を争い合う影山と月島、スパイカーである岩泉のフォームを見てストレート側だと気づき、がっかりする晃。結果、止めたはいいが、自分のところに来なかった晃は一気に落ち込み、月島と影山はどちらが止めたかで言い争っている。この二人には澤村の雷が落ち、晃だけ無傷、影山と月島だけ怒られるということで収まった。その後少しづつ点差が広いていき、最後は日向の速攻で第二セット目は烏野がとった。

 晃は清水から受け取ったボトルをのみながらタオルを顔にかけ、ベンチに座っていると

『きゃああああ‼』

 急に奇声を上げたギャラリーに驚き後ろに倒れてしまい。タオルを取ると青城に人が増えていることに気付きこう思う。

(青城に及川徹、降臨ってか?)

 




試合風景、とても難しいデス。

試合の書き方について

  • 晃の一人称が読みやすい
  • 三人称が読みやすい
  • 一人称と三人称を使いたい時に使えばいい
  • 作者のやりたいようにしなさい!
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