「……
「なぁに?」
「無理矢理にでも連れてきて正解だったと思うわ、
アタシと同じベッドの中で、アイカツモバイルを片手に言う
「『私の目に狂いはなかった』的な?」
「そうね。……けど、あのオーディションの後、涼風がいなくなってたから、なんでかなーって思ってたこともあったのよ。
後から言わせてもらうけどね。……ピンときたのかしら。可愛さに」
「それもあるかな~」
「フフッ。……もしかして、手篭めにしたかったとかは?」
持っていたモバイルをベッド脇のテーブルにおいて、アタシを見る望海。
「あはは、それは流石に……だけど、反論できないかなー」
「したかったのね。それで、美空ちゃんをつけた、ってことは……?」
「多分、ユウちゃんと
「……この
こんな感じに、とアタシを抱きしめる望海。
「理性が鎖をつけてくれるでしょ」
「その理性すらも破壊されてしまうような、だったら」
アタシの髪の毛を撫でながら言う望海。
「適当な理由をつけて、呼びつけて唇を奪う。のぞみんにもその経験あるんじゃない?」
軽い気持ちで言ってみたら「ある」と即答だった。
望海は半端ないね。アタシより、同性愛傾向感あるじゃない。
「――そんなことをさらり、と言っちゃう、望海さんにしては、かなり理性が効いたほうじゃないの? ユウちゃんと美空っち見て、踏みとどまれたって」
「……あの後、もう吐きそうになるぐらいにムラムラしてました」
うわっ、と口から漏れるアタシ。
「いつかさ、あの二人と、ヤりたいな、って……」
「このレズビッチ。怖いよ、望海」
「あらぁ、心外」
「ごめん、思ったことをつい口走ってしまった」
「……本音、ってわけね」
「その通りだぞ」
「しょうがない子ね、涼風は……」
……と、またアタシはのぞみんに抱かれる。
――この関係は、学園に入るほんの少し前に遡る。
アタシと望海は、幼馴染のような関係で、昔から仲が良かった。
可愛くなっていくアタシを見た望海が、じゃれついてきたのが始まりだった。
そのじゃれつきがいつしか、性的興奮を伴ってきてしまい……。
――というところで、思考が途切れる。
絶妙な加減で、望海はアタシの頭に快楽を流し込んでくる。
「の……望海……」
「まだ、イッちゃだめよ。もう少し、……耐えて」
「む、無理……。気持ちよすぎて……飛んじゃいそうだから……ぁ……」
落ちていきそうな意識の中、アタシは夕凪と美空が、こういう行動をされて、どんな声で啼くのか、というのを思っていた。
こんな穢れも知らなさそうな、あの二人の……。
――アタシの意識はそこで途切れた。
-☆-★-☆-
望海とセックスした夜が明けた日のお昼。食堂に行くと、いつものように夕凪と美空が食事をしているところを見かける。
すごく仲が良さそう。お互いの話で笑っているようにも見える。
少し距離を置いて、お昼ごはんを食べていると、美空の方から夕凪に近づいた様子が目に入った。
(えっ……。ちょっと待って……。この場で、それって不味いんじゃない……!?)
自分たちがするキスは、恥ずかしくもなんともないのに、他人のキスシーン見るのは、少し恥ずかしい……。
あとで、二人はしまった、って顔をしていたけど、誰も気に留めなかったらしい。
うーん。あの二人の関係性、アタシが思ってる以上に進んでいる感じがする。
一応、美空の方にはどうやるのか、っていうのは、言ったけど……。それとなく、あとで二人に聞いてみようかな……。
……と、思っていたら、数時間もしない内に、人の気配があまりない食堂で二人と話をすることができた。
どうやら、どっちかの感情が高ぶると、キスしたりするらしい。
「……それで、夕凪は美空をどう思ってるの?」
「私は……、美空に対する感情で振り回されてます」
「振り回されてる……か。じゃあ、美空を『友達として』好きなのか、『女の子として』好きなのか、っていうのはわからないんだね?」
はい、と答えた夕凪の顔は、しょんぼりしているようにも見えた。
「なるほどねえ……」
「あの……。私は、どうしたらいいんでしょうか」
「んー……。どうするもこうするも、『心のままに』でいいんじゃないかな」
そう、それでいい。ともう一人のアタシが、アタシに肯定してくれる。
結局、アタシも望海と関係を続けているのは、望海が優しいからのもある。
お互いを見合わせる二人。
「そっか……」
「心のままに……か」
声を揃えてありがとうございます、と言って、二人はその場を後にした。
少しは、変わるといいな。アタシが面白いと思う方向に。