ここからは、バカテスの世界の話です。
Dクラス戦後です。
明久side
「今日のDクラスとの試召戦争は疲れたよ」
僕、吉井明久は雄二に騙されて、島田さんには折檻され身も心もボロボロだよ。
「なんで僕がこんなめに・・・」
家に帰り着くとソファーもたれかかり一休みする。
すると一瞬目眩がおきる。相当疲れているのかなと思っていると
「おいっ!」
「えっ?誰!」
周りを見ると誰もいない。それはそうだよ、僕は今、一人暮らし中なんだから。
もし、いるなら泥棒か幽霊だよ。と考えると冷や汗が出てきた。
「おいっ!」
「誰だよ!いるなら出てきてよ、お願いします!」
もう一度周りを見渡すが誰もいない。
「俺はお前の中から声を出している。」
「僕の中?・・・はっ!まさか、僕の隠れていた能力が今開花し、もう一人の
僕が生まれたとか」
「はぁ~。まあいいよ、それで」
「で、なにかな」
「取り敢えず、お互いに自己紹介しようぜ。俺の名前は吉井明久だ」
「へ~、僕も吉井明久だよ」
「やっぱり、そうか」
「やっぱりって?」
「いや、何でもない。それより明久の事を教えてくれないかな」
「オッケー」
それから僕は色々なこと話した。文月学園やオカルトと科学が偶然により
完成した試験召喚システム、テストの点数に応じた強さを持つ召喚獣、また召喚獣を
使ってクラスの設備を変える試験召喚戦争。
そしてFクラスのことやクラスメイトの雄二、秀吉、ムッツリーニ、姫路さん、島田さん
について説明した。所々、質問が出され、僕の分かる範囲で答えた。
はっきり言って、周りからは一人で質疑応答しているようにみえるだろう、家の中
良かった。
「すまなかったな、長々話してくれて」
「気にしないでよ、僕が好きで話したんだから」
「ところで、俺の名前を変えていいか」
「なんで?」
「今後、同じ明久が区別が付きにくいだろう。だから俺のことは明人(あきと)と
言ってくれ、今思い付いた名だ」
「分かったよ、よろしくね明人」
「よろしくな、明久」
「明久、話は変わるが、もしかして姫路さんと島田さんが好きなのか」
「なななにいって、いるのさ明人」
「判りやすい。反応だな、今俺はお前の中にいるだぜ。お前の考えていることは解るんだぜ」
「僕の中、悪魔いるよ!」
「悪魔になるか、天使になるか、俺の気分しだいだ」
「うっ~」
「因みにこんな事も出来る」
そういうと、僕の身体が勝手に動き出した。
「どうなっているの」
「簡単にいうと、俺と明久の立場が変わったんだ」
「僕の身体を返して」
「違うぞ、今表に出ているのは俺の身体だ」
明人が言うには、この身体には僕の身体と明人の身体の二つ身体が合わさっているらしく
僕が表に出ている時は、僕の身体で明人が表出ている時は明人の身体だそうだ。
まあ、僕は頭がこんがらがって途中で考えることを諦めている。
「明久、では戻すぞ」
「あっ、動く」
「明日から共同生活頼むぜ」
今日から僕と明人の奇妙な生活が始まった。
明人side
(俺の世界には無かったものが色々あるみたいだな)
明久の話を聞いて俺は笑みが止まらなかった。こんな、面白いことがあるとは思わなかった
からと明久の中にいて明久が自分と違って良くも悪くもバカだったことが分かった。
本当に俺の居た世界とは違うようだな。本の通りになるとは。
それにいきなり、明久の身体の中に入るとは。
(あれがもう一人の俺か)
はっきり、これ程明久と性格等に差があると思わなかった。だからこそ、いきなり出てきた
俺の話に耳を傾けて信用してくれたと思う。俺ではこうはならない。
まだ、こっちに来て僅かだ。不安が無いといえば嘘になるが、こっちの方が俺が満足出来る
ような気がしてならなかった。
二人の出会い?の話です。まだまだ未熟ですが頑張っていきます。