ダークサイド・アドベンチャー   作:ゲオザーグ

4 / 5
遂に無料版でもダークマスターズ編が放映されましたが、なんかムゲンドラモン様、記憶にあったより唸ったり笑ったりして喋ってましたね(メタルシードラモン様と混ざってるかもしれませんが)
だもんでとっととそっちに移行したくもありますが、流石にここまで引っ張って現実世界編すっ飛ばす訳にも行かんので、妥協案としてダイジェストチックで勘弁してください


第4話

 きっかけは、自身の末路を察して間もない頃、現実逃避に見ていた動画だった。何気ない日常を送っていた世界が、実は超高性能AIが支配するデジタルワールドのような仮想空間で、そこから抜け出した人類が、荒廃した現実世界から抵抗を続ける映画だったのだが、何故かその管理、監視プログラムの末端たる存在の1人に、とある熱血漢の言葉を言わせた結果、主人公を励ましながら襲い掛かり、やられるたびに情けない声をあげるなんて非常に珍妙な絵面となっていた。

 当時はただそのシュールなしょうもなさに笑って気を紛らわせるだけだったが、他人を乗っ取り、自身の分身とする敵の能力を見て閃いた。

 

この能力で他のデジモンを影武者に仕立て上げて(けしか)ければ、その裏でフェードアウトして生き延びれるのでは?」と。

 

 幸い覚えていた展開から、体のいい生贄(犠牲)は即座に目星がついたし、そうしたプログラムやウイルスの製作には、余程悠長に引き延ばさねば予算も時間も十分潤沢とあって、思い立ったが吉日と手を付けてから、こうして侵攻に便乗するまでに完成させることに成功させた。

 さらにその過程で有用な副産物も出来たとあって、その心境には、自身同様テイルモンが誘致(スカウト)した戦力の不発を笑い、ヴァンデモンに叱責されて慌てて飛び去るピコデビモンを、遥か上空から光学迷彩(ステルス)で姿を隠し、無様と笑う程度には、とある落語家の懐宜しく若干の余裕さえあった。

 

「確かマンモンにゲソモンと来て、次はデスメラモンだったと思うが、レアモンとどっちが先だったか……こうなるから事前に手当たり次第散布や注入でぶち込んどいてよかったぜ……」

 

 既にかつてオウムの様な風貌の『パロットモン』とアグモンが進化した『グレイモン』が暴れた光ヶ丘団地に出現した『マンモン』と、イカに似た『ゲソモン』が敗れたが、後者に関しては、具体的にどこに出現したか覚えておらず、更に新たな刺客が姿を見せるはずだが、コートを纏い人に化けた『デスメラモン』と、解けた肉体を機械で無理矢理延命させている『レアモン』のどちらが先に対峙するか――実際はその通りの順でよかったが――あやふやになっている。

 そのため招かれてから間もなく、同様に呼ばれたデジモン達に対し、ある者には些細な衝突からの内輪揉めに乗じ、ある者はこっそり周囲に流布して付着や吸引させることで用意したウイルスに感染させ、侵攻早々独自のシェルターとして選んだ首都圏外郭放水路への転送路を構成し、倒されたと思わせて回収していった。

 そしてヴァンデモンが占拠する前にゲートを使い送り込んでいた配下に対し、とある人物達の捜索を行わせていた。おそらくその接触こそが、今後の鍵となるだろう。

 

 

 

 

 

 

「貴様らの攻勢もここまでだ!行け!メタルグレイモン!!

 

「グォアアアァァーーーー!!」

 

 そして切り札として投じられ、遂に迎えた選ばれし子供達との対峙。このために選んでいた姿は、アグモンの完全体と同じメタルグレイモン。ただしその体色はグレイモンそのままなアグモンが進化したメタルグレイモンとは違い、青い生身部分に一回り大きな体躯で、咆哮をあげるばかりの知性のない存在として振舞っている。

 

「め、メタルグレイモンだと!?エテモンの時みたいな偽物かよ!」

 

「あのメタルグレイモンは、アグモンが進化したワクチン種のメタルグレイモンと違って、ウイルス種のようです!おそらく体格差の分、直接的な破壊力は向こうの方が上そうですから、注意してください!」

 

 かつてエテモンがグレイモンを使役し、嗾けてきたのを思い出し驚愕する選ばれし子供達に対し、当のメタルグレイモンは表に出さないものの気楽な有様。既に部下達から目的の半分は達成されたと報告があり、後は戦闘中やられたふりをして撤収し、事態収束の裏で対象を連れ帰還すればいい。

 そしてトライデントアームやギガデストロイヤーで奮闘するように見せかけて場を濁すうちに、ヴァンデモンがエンジェウーモンに射抜かれて消滅。合わせて自身も残る完全体6体+唯一の成熟期、エンジェモンの必殺技を一斉に浴び、それで生じた爆発を目晦ましに撤収し、決戦の舞台となったフジテレビの対岸にギガドラモンとして再臨し、同様に再臨するヴェノムヴァンデモンが倒されるのを待つついでに、目的の人物とフライング接触する。

 

 

 

 

 

 

「や、やっぱり俺の推測は間違ってなかった!あの異世界は実在したんだ!」

 

『お、おぅ……よかったな、確信持てて……』

 

「あぁ、全くだよ……アイツ等のことも合わせて、浩樹(ひろき)にも知らせてやりたかった……」

 

 興奮する目当ての人物――及川悠紀夫(ゆきお)は、若干引き気味なギガドラモンを無視し、自分の世界に入り込んでしまっていた。

 つい先日、幼少期からの唯一の友が長年の研究成果を見せる前に出張先で命を落としたと聞き、影を落としていた心は幾分救われたものの、やはりもう少し早ければと後悔していたところ、眼前の相手が申し訳なさげに話を続ける。

 

『あ~、ソイツなんだがな。事前に見張り兼護衛付けといたから、混乱に乗じて一足早くあっちに行ってるはずだ。とっくに到着してる頃合いだろ』

 

「ま、待ってくれ……え?浩樹が……浩樹が生きてるって、本当なのか!?」

 

 なんと死んだと聞いていた友が生きており、しかもすでに件の異世界にいるらしい。長年渇望していたものにようやく手が届き、その矢先失ったと思っていたものも残っていたとあって興奮は最高潮に達するが、その使者たるギガドラモンに宥められる。

 

『気持ちは分かるが一旦落ち着け。アンタにはその前に、ちょいと一芝居付き合ってくれ。後顧の憂いは断っておくに限るからな』

 

 本来彼は再度敗れてなおしぶとく生き残り続けていたヴァンデモンにその願望を利用されてしまうが、先手を打って協力を取り付けることで、その立場(ポジション)に摩り替る形で乗っ取ってしまおうと計画していたからこそ、以後生じるであろうバタフライエフェクトどころではないリスクを冒してまで現実世界に乗り込んできた。

 

 

 

 

 

 

『ハイ「ざんねん、あんたのぼうけんはここでおわってしまった」なんてね。いやこの場合「汚物は消毒だ~!!」の方がお似合いか?』

 

『な、何だ貴様は!?ヌワァーーーーーー!!

 

 そしてヴェノムヴァンデモン撃破後、デジヴァイスに導かれるように、集束した虹色の光柱を通って、上空に次元の裂け目から覗くように現れたデジタルワールドへと、再度向かう選ばれし子供達の姿にを対岸から眺め、「自分も連れてってくれ」と懇願する悠紀夫に付け入ろうとしたところを、光学迷彩(ステルス)解除したギガドラモンのハンドに吸引されてしまうヴァンデモン。これまでの展開を考えると少々どころではない呆気なささえ感じてしまう有様だったが、2度も撃破されて靄のような残滓(ざんし)と成り果て、形振り構ってられなかったのだろう。

 

『まぁ、いいか。兎に角これで憂いは断てただろう。まだ残ってたにしても、本体部分叩いたんだから、復活するにしてもしばらくかかるか、大幅弱体化するだろうし。それじゃ行くぞ、しっかり捕まってろよ』

 

 展開としてはむしろ好都合な以上、特に文句もないため、意識を切り替えると、悠紀夫を腕に抱え、最高速度で一気に急上昇し、選ばれし子供達を追い抜いて上空に広がるデジタルワールドへと突入していく。




()>現実逃避に見ていた動画
「これを見てみろよ!」(ドアを突き開けて)「頑張れ頑張れ「頑張れ頑張れ「頑張れ頑張れ「頑張れ頑張れ「頑張れ頑張れ「頑張れ頑張れ・・・」」」」」のインパクトよ
細菌で吹き替えたのもあったが、どのみちうるさいのは変わらんかった
ちなみに知ったのは出オチ動画の人気ランキング的なものだったと思う
>ざんねん、~&汚物は消毒
煽り文句として思い浮かんだネタ
っても前者は何かで見た程度で全然だが
なかなか手が進まんので、とりあえず今回はキリのいいと感じるデジタルワールド帰還まで
次回は原作初登場までの準備から始まるかと
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