好きなひとがロリコンだった~そうだ、幼女になろう~ 作:模擬戦で2000勝
部屋に寝転がってぼんやりと天井の木目を観察する。
あ。なんか人の目みたいに見える。
でもなんか眉をひそめてるような、どこか困惑しているような感じだ。
自分の分からないことを話されて困惑する幼女.....。
最高かよ.....。
なんかあっちは川の流れみたいだ。
川か。
水辺で遊ぶ幼女か.....。
うん.....。
可愛すぎて犯罪だな。
お。あれは太陽か。
あぁ。今日もいい天気だな。
日光を浴びながら怠惰に寝て過ごす。最高じゃないか。
隣に幼女がいたらもっと最高なんだけどなぁ。
どこかに幼女落ちてないかなぁ。
うっすらと見える花の模様。
花か.....。
そういえば最近、稽古を休みがちだ。
家族も心配しているだろうか。
..........。
やる気が出ない。
何故だか体に力が入らない。
全てにおいて無気力状態で、まるで五月病にでもなったみたいだ。
そういえば、この前珍しくモカちゃんから電話が来た。
普段はマイペースな彼女に心配されるなんて.....。
なんて、パンが食べたくなっただけか。
こうやっていつまでもゴロゴロしていても気が滅入るだけか。
よし、少し気分転換に外でも歩こう。
自分に言い聞かせて家を出た俺を待っていたのは。
幼女だった。
ゴホン!失礼した。
天使だった。
なぜかは分からないが、家の前を行ったり来たりしていた。
小さな手を握りしめてあっちこっちとグルグル回っている。かわいい。
しかしどうしたものか、俺はあの幼女を知っているような気がするんだ。
もちろん俺に幼女の知り合いはいないし、もしいたとしたらこんなことになるまで自分を不能だと思うことはなかっただろう。
あの髪色といい顔といい、どこかに既視感を覚える。
..........。
いやそれにしてもかわいい。
小さい。
まるで手の内に納まるんじゃあないかと錯覚しそうなほどだ。
こんなにかわいい娘なら何時間でも見ていられる。
しかし。
周囲に親の姿が見えない。
どう見ても一人だけで行動できるような年齢には見えないのだが。まさか、俗に言う初めてのおつかいというやつだろうか。
きっと親から聞いた目的地を忘れてしまったか、行き方が分からないに違いない。
他に見ている人もいないし.....。どうしたものか。
やはりここは俺が声を掛けるべきだろうか。
いやしかし俺はロリコンだ。
もしものことがあったら、俺は名前もわからないあの幼女を食してしまうかもしれない。
これは困った。
妹に連絡を.....。
いや。
あの娘は人見知りだ。たとえ世界一の美貌を持つ幼女といえど、まともに話せるとは限らない。むしろかわいすぎて呼吸困難に陥ってしまう可能性すらある。
不味いな。妹は頼れない。
そういえば今日は幼馴染のみんなで遊びに出かけているんだった。
どっちにしろ駄目じゃないか。
致し方ない。
俺が少しだけ話しかけて交番にでも連れて行こう。
そうだ、それが一番いい。
事案にもならないし、俺は幼女の隣を歩けて役得だし。完璧じゃないか。
そうして俺が考えを張り巡らせていると、ふと顔を上げた幼女と目が合った。
言葉を失った。
山吹さんのところの紗南ちゃんも相当の天使だったが目の前の女の子はそれ以上の、まさしく天使という言葉がふさわしい幼女だった。
眼前の幼女に視線が固定される。
どれだけの愛玩動物がいたとしても、目の前にいるこの名も知らぬ幼女には敵わないだろう。
一目惚れ、と言ってもいい。
これまで運命なんていう言葉を信じることのなかった俺だが、彼女と出会うことはきっと運命だ。
そう思ってしまうぐらいには、俺はこの幼女に心奪われていた。
「あっ!」
俺と目が合ったことに慌てている姿もまた天使。むしろ存在そのものが天使だったか。
いや待て俺。
さっきまはある程度の自制が出来ていたのに、どうしてこうも煩悩塗れな思考に陥ってしまうんだ。
相手は初対面なうえに年端もいかない少女だぞ!
少女.....。幼女.....。ぐへへ。
ッハ!
迷子を交番に届ける。簡単なことじゃあないか。
それだけだ。そうそれだけ。
やましいことなどアルプス山脈ほどもないし、マナリア海溝ほどもない。
俺はただ普通のことをするだけだ。
そう困っている人を助ける。それだけのことだ。何を悩む必要があるんだ、俺。
「あの.....」
こちらを怪訝に見上げる幼女。
正直言って天使。
ヤバい。
お持ち帰り案件ですね、これは。
すみません店員さん!この娘ってお持ち帰りできますかね!
え!出来ない!?なんで!
「わたしですっ!ひかわさよです」
「あぁ、紗夜ちゃんっていうのか。でもそんなに簡単に人に名前を教えたら駄目だよ。もしかしたら怖い人かもしれないからね」
「ちがいます!いえちがくはないんですけど.....。とにかく!わたしがさよなんです!」
「そうだね。紗夜ちゃんは紗夜ちゃんだね」
必死な紗夜ちゃんもかわいい。それにしても紗夜か。
同姓同名の人物っていうの、案外いるものなんだな。
名前が同じだからかな。
どことなく氷川さんに似ているような気がしてきた。
もし氷川さんが小さくなったらこんな感じなんだろうか。
いや。ありもしないことを言っても仕方ない。
それより今はこの娘が先だ。
どうにかして交番か.....。それか行きたがってたところに連れて行かないと。
しゃがんで紗夜ちゃんに目線を合わせる。
「それで。紗夜ちゃんはどこに行きたかったのかな?」
「え?ぁぅぅ.....。それは」
「知ってることでいいんだ。お母さんはなんて言ってた?どこかのお店かな。それとも商店街?」
「あの.....。その.....」
さっきまではあんなにも元気そうだったのに、急に言葉を渋りだした。
なにか言いにくい事でもあるのか。
「どっちかはわかる?指でさすだけでいいんだ」
俺の言葉に反応したのか、紗夜ちゃんはおもむろに手をこちらに向けてきた。
そして家の方を指さす。
これは.....。
なにか勘違いしているやつか、もしかして。
祖父母や親戚の家かなにかと間違えたに違いないな、きっと。
この家はたしかに俗に言う今風な造りじゃあないから、数回しか見たことがないであろうそういった家と間違えてしまうのも無理はない。
「おじいちゃんおばあちゃんの家に行きたいのかな?」
そう聞くと紗夜ちゃんは首をブンブンと、まるで漫画描写みたいな勢いで横に振った。
かわいい。天使かな。あ。天使だった。
「じゃあおじさんとかおばさんかな?」
「ちがいますっ!そうではなくて.....。あのですね、その」
違うのか。
まあ少し考えれば当たり前のことだった。
そもそも大して特徴もない場所に、子供を一人で行かせるなんてことはないだろうからな。
しかし。
これ以上は俺には難しい。
やはり交番に連れて行くのが一番だったか。
「あ!そうですわたしはみたけさんにあいにきたんです!」
「美竹はうちだけど。でも俺の知る限りでは紗夜ちゃんみたいな知り合いは家族にいなかったよ」
「あ、あれです!ばんど、そうばんどです!ひ、おねえちゃんがばんどをやっていて、それでしったんです!」
バンド.....。
あぁ。蘭のことか。
たしかに最近では人気も出てきたみたいだし、蘭のことを知っててもおかしくはないと思うけど。
だからといって家の位置まで知っているのはどうなんだ。
「おんなじばんどやってるひなおねえちゃんにきいたらここにいるって!そういってた!」
なるほど氷川さんの親戚か。たしかにそれなら場所を知っていてもおかしくはない、のか?
いつだったかのテスト勉強の時に一回来たこともあったし。
でもな。
あの氷川紗夜がいくら姉妹とはいえ他人に家の位置を教えることがあるのか。
しかしこの紗夜ちゃんがここに来た理由は、たしかにさっきので説明はつく。
かと言って蘭は今いないし。どうしたものか。
「ごめんね。今、蘭は友達と遊びに行っていないんだ」
「.....まちます」
「え?」
「かえってくるまでここでまちます!」
おぉ、神よ。あなたはこの俺に一体どうしろと言うのだ。
幼女をお持ち帰りしますか? はい
いいえ
幼女をお持ち帰りしますか? →はい
いいえ