【更新休止中】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~ 作:睦月透火
イオク・クジャンは己の無知を悟り、ジュリエッタ・ジュリスは無力さを痛感する
名瀬の生還に湧く鉄華団だったが、立役者セファーの表情は硬いままだった
そして、鉄華団の元に、再びマクギリスが来訪する……
名瀬・タービンの逮捕に失敗し、艦隊戦力を大きく削がれたイオクの艦隊は地球への帰路の途中……旗艦の艦橋では、司令であるラスタル・エリオンとの通信が開かれ、イオクは最早厳罰は免れないと悟っていた
だがしかし、帰ってきた言葉は予想外なものだった
「……この件は手打ちになった、本部で補給を受けた後、お前は当分の間謹慎していろ、以上だ」
慌ててイオクは理由を問うと、説明された経緯はこうだった
まず、マクマード・バリストンとの取引によって、違法捜査の被害をテイワズ側が問わない事を条件に、タービンズの違法武器輸送の容疑は晴らされた……最も、それ自体持ち込まれた偽情報による冤罪なのだが……そしてラスタルは「ある人物」からの情報で、イオクの周囲をマクギリスが嗅ぎ回っているという確証も得られたのだ
ラスタルはこれ以上、マクギリスに有利な状況となるのを避け、そしてイオクの暴走を抑える為にも、本部での謹慎としたのである
「……はっきり言って、今のお前はセブンスターズの恥晒しだ。
我らに必要なのは秩序と節度……謹慎中にこの意味を良く考えておけ」
冷たく吐き捨てるラスタル、これで懲りただろうと思い通信を終えようとする手は直後に発せられたイオクの言葉で止まってしまう
「申し訳ございませんラスタル様! 私は今日この事を自身最大の悔訓とし、今後もう二度と……この様な失態を犯す真似は致しません!!」
思わず呆気に取られてしまうラスタル、当のイオク本人の目には大粒の涙と共に「ちゃんと反省しています!」という表情がありありと浮かんでいた
イオク本人も、あの凄惨な事態を招いたのは、自身の無知と甘さが原因だったと既に痛感しており、それは原作よりも早く真人間への第一歩を踏み出している証でもあった
その頃、堕天使は残り少ない粒子量を何とかやりくりしながら火星へと飛んでいた
(このペースなら、何とか粒子切れせずに本部まで帰れそう)
既に粒子残量は5%目前まで減っており、もはや戦闘機動は取れない
このタイミングで狙われれば、確実に機体を鹵獲されて出処を探られてしまう
……ぶっちゃけ出処を探られても鉄華団には行き着かないのだが、代わりにこの機体に使われている
(太陽炉に関しては解析不能だとしても、ナノ・スキンだけはさすがにヤバいもんね……)
先の戦闘で大きな損傷は受けていないものの、何度も爆発の中を突っ切ったり無茶苦茶な機動を繰り返した為、内部のフレームやセンサーカバー等の脆弱な箇所は曲がったり傷付いていた
しかし、装甲や各所に組み込まれたナノマシンの作用によって、一部の特殊素材以外の部分は既に時間経過と共に修復されていた……それが「ナノ・スキン」の能力……阿頼耶識にもナノマシンが使われている以上、この世界の技術水準だけでもナノ・スキン装甲は簡単に造れてしまうだろう
しかしその願いも虚しく……堕天使の目前には、ギャラルホルンの艦隊が展開しているのであった
名瀬の生存を聞かされ、喜びに湧く鉄華団本部
しかし、その中で当のセファーだけは硬い表情のまま周囲から少し離れた場所に居た
「……どうしたの? 何か悩み事?」
セファーの表情を覗き込み、アトラは心配そうに声を掛ける
ハッとしたセファーは「なんでも無いよ!!」と、無用な心配は掛けまいと明るく振る舞い、兄オルガの傍に移動していった
「……そんな顔してたら、絶対何かあるって気付かれちゃうよ……」
セファーの表情を見たアトラは、若干呆れながらもセファーの心配を止めなかった
それからしばらくして、オルガは三日月と共に歳星へと向かった
完成したバルバトスルプスレクスの受領と、名瀬のお見舞いのためだ
しかし、団長不在の間に予想もしなかった事が起きる
鉄華団本部施設を包囲する火星支部のギャラルホルン部隊……率いるのは当然マクギリス・ファリドだ
団長は不在であり、何故こんな大部隊を率いて来たのかと、留守を預かっていた副団長のユージンがマクギリスに問い正す
しかし、マクギリスはこう返してきた
「300年前の天使が遺した存在……彼女を、セファー・イツカを呼んでくれ給え」
「……ふむ、君の存在と技術を対価に、鉄華団とは縁を切れ……そう言うのかね?」
「……私がザドキエルに使った技術、貴方はそれが欲しいんでしょ? それがあれば、貴方はアレに乗れる……貴方の野望が叶うわね?」
マクギリスの真意を図るように情報をちらつかせ、此方は既に全てを知っていると挑発……しかし、セファー自身にとってはこの挑発はかなり危険な賭けでもあった
「……ああ、やはり君は私の予想を上回って来たね……確かに君の持つ技術を用いれば、私はバエルを確実に手にする事ができる……その上更なる改良も可能となるだろう」
(やはり、マクギリスが欲しいのは私の持つ技術だ……そして私の予想以上のバエル馬鹿だ)
でも、お陰で道は開けた……
このバエル馬鹿を利用する事で鉄華団をテイワズから離脱させず、マクギリス側のクーデターを私が煽り、マクギリスごと私も表舞台から消えれば(鉄華団の)皆は救われる……
そう確信した私は、鉄華団からの離脱を決意したのであった
「……何だよ、コレは……おいユージン! どういう事だよ?!」
三日月と共に無事、バルバドスルプスレクスを受け取ったオルガは本部へ帰還した直後、いつもと様子の違う本部の雰囲気やアトラ達の沈黙に気付く……ただ1人、出迎えたユージンは黙ってセファーの手紙をオルガに渡す
先の発言は、それを読み終えたオルガは頭が爆発しそうになっていた為であった
「……オレも止めようとしたさ! でもよ……
「…………」
セファーが遺した手紙には、これから起こるであろう出来事と、その対策……そしてマクギリスに対する警告と共に、兄であるオルガに対して、勝手に鉄華団を離脱した事への謝罪が書かれていた
(このままマクギリスと共に歩めば、確実に鉄華団は世界から敵として認識され、おそらく全てを失ってしまいます……でも、こうやって私が代わりに1人で行く事で皆は危ない目に逢わないで済むから……)
「……俺は兄貴失格だな……アイツがこれだけ鉄華団の事を思って色々やってくれてたのに……俺は、それにただ甘えちまってた……この手紙に忠告されてる事なんて、本当は俺が真っ先に考えなきゃいけねぇ問題だったのに……」
「オルガ……」
ユージンは独白するオルガを見ていられず、窓の外を向く……
火星の空は、彼らの悲しみを察したのか……いつの間にか暗く曇っていた
※セファー が鉄華団から離脱しました。
ギャラルホルン(マクギリス派)と鉄華団の関係が解消されました。
原作改変最大の間違いを修正できました……
これで鉄華団はマクギリスとの共倒れバッドエンドを一応回避した事になります。
次回からギャラルホルン(マクギリス側)ルートに入ります。
↓誤字・脱字報告、感想・アンケートもよろしくなのです。
セファーの手でバエルは魔改造するべきか?
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是非ともやってほしい
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性能アップ程度なら…
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いや、そのままでいい