【本編完結済み】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~   作:睦月透火

2 / 76
えー、原作ファンやカップリング好きの皆さま
長らくお待たせ致しました! 三日月×アトラの一幕です♪

※15話のアンケートですが、見事に誤字ってましたね~
スミマセン( ̄▽ ̄;)ゞ
選択5 早期集結×(終結○)への手引きと火星革命の下準備


幕間 「義妹は見た!?」アトラと三日月の秘密

 とある日の夕方、セファーは三日月とバルバトスのシステム調整をしていた。

 最初の(セファーの独断による)ムチャの成果か、最終形態(ルプスレクス)への改造後から三日月の戦果は凄まじく、また彼の阿頼耶識のフィードバックも軽いものに収まり、現行のままでも余程の事が無ければ、過度の負担によって身体が動かなくなる様な事態は起こらないだろう

 そうでなくとも、エドモントン戦でのツケをセファーに克服して貰った手前、三日月も以前よりかは負担を考えているのか、ムチャな行動は控えていた……最も、それは他の団員たちの協力もあっての事なのだが

 

 最たる成果をもたらしたのが、セファー加入時から取り入れられた多目的シミュレーターだ

 導入後からの新人を含め、今ではほぼ全員が一度はこのシミュレーターでMSの適正テストを受けていた

 このお陰で、初期からMSの操縦適正の高い団員を選抜でき、積極的に訓練や模擬戦に利用する事で、個々の傾向の把握、部隊配置における団員の選定にも大きく貢献し、阿頼耶識の有無に関わらずMS・MWパイロットの熟練度は飛躍的に向上

 それに伴って非戦闘員……主に整備を担当する団員たちにも様々な余裕が生まれる事に繋がり、『|識字率の向上や単純計算の習得を目的とした宿題《クーデリアとセファーの協力》』もあって団員全体の学力も向上、結果的に鉄華団全体の精神的成長が促されて、団員同士の結束力や仲間意識もいい感じに築かれ、一部の団員に対する「エースパイロットだから」という偏見や特別視はほぼ抑えられていた……もっとメタな事を言うと、ハッシュ君たち新入団員のMS操縦適正は入団直後の時点でベテラン組に周知され、その特徴に沿った訓練がそれぞれに課され、既にメキメキと腕を上げている

 

『……神経負担の割合は、前からまた少し軽くなってると思うけど……ミカ兄、感覚はどう?』

 

「……うん、前とほとんど変わらない感じで動かせる、良いね」

 

『オッケー、反映させるね……』

 

 タブレットを操作し、セファーはバルバトスの調整データを更新していく

 機体を待機状態に戻し、三日月はコクピットから出てセファーの手元を覗き込んでいた

 画面にはセファーの凄まじい手際の良さで更新されていくデータの羅列が流れていたのだが、見ている三日月にはちんぷんかんぷんだった

 

「……これでおしまいっと、阿頼耶識データの更新完了……外すよ?」

 

「うん」

 

──────────

 

 調整作業も終了、片付けを済ませたセファーは三日月とシミュレーター前に移動していた

 中では昭弘、チャド、ライド、シノの4人がチームで防衛戦を想定した訓練をしている

 定員4名のシミュレーターはその豊富な環境設定と機体データの自由度からほぼ常に満員で、阿頼耶識保有者の三日月達も自身の技量を磨く為に使っていた

 セファーは、シミュレーターの予想外の好評に、枠の増加を団長のオルガに打診している……許可が降りれば速攻で12枠まで増やすつもりだ

 

『昭弘すまん! 1機抜かれた!』

 

『俺が追撃する……逃さねぇぞ!!』

 

『ライド、残りは俺らで食い止めるぞ!』

 

『了解! 逃がすかよオラァ!!』

 

 シミュレーターの状態や中継データは外部からも確認できるようになっている

 今は4人がチームとなって防衛線を張り、「指定時間まで目標施設を防衛する事」という仮想体験をしている様だ……ちょうど残り時間の半分を切った所で敵が作戦を変更し、それにシノの砲撃が乱れて敵が1機、防衛線を突破してしまったらしい

 砲撃を掻い潜って1機が防衛線をすり抜けるが、素早く昭弘がフォロー回り追撃を開始、それをライドとチャドが上手く援護しながら残る敵機を翻弄している……防衛側用の無人兵器は幾つかあるが、上手く使わなければ役には立たないものの、敵の残りは割に意外と少なく、合計20機の敵が最初は波状攻撃のように突っ込んでくる設定だったが、残りは既に6機となっており、それまでの迎撃と掃討作業はかなり上手く行っていたようだ

 

──────────

 

「お疲れさま、連携凄かったよ! もうラフタさん達にも自慢できるんじゃない?」

 

 シミュレーターから降りてきた昭弘達に、タオルとドリンクを渡すセファー

 外から見ていた連携の精度に、セファーは世辞なしの評価を言ったつもりだったが……

 

「……いや、アイツなら『ようやくらしくなってきた程度よ、まだまだ甘いわ』とか言うに決まってる」

 

「ちげぇねぇ、この前も俺らの連携攻撃……軽く避けちまってたしなぁ?」

 

 三日月と比べて2番目にMS操縦歴の長い昭弘とシノは、未だにラフタさん達には敵わない、と話す……確かに、タービンズと事を構えた時から格上だとハッキリ分かっていたラフタとアジーの操縦センス……当時の様子はセファーも前世の記憶で知っている

 だが、セファーはシミュレーター導入後からずっと訓練を重ねてきた彼らの実力は、そう遠くない内に彼女達を抜くと考えていた……何故ならば……

 

「……オイオイオイ、三日月いつの間に特訓してたんだぁ?」

 

「あ? オイこの設定……!?」

 

「マジっすか三日月さん……」

 

 三日月は昭弘達が出たその場でシミュレーターに潜り込み、単独で複数機を相手にするハンディキャップマッチを始めていた、しかも、この設定は私が用意した範囲で最大難度を誇る鬼畜モードのはずだ

 

「……ミカ兄は、あの2人よりもう格上よね……」

 

「……だな」

 

「ちげぇねぇ……」

 

「オレも早く強くなりてぇなぁ~」

 

──────────

 

 夜になり、格納庫にはしんと静まり返って誰も動く気配はない……この2人を除いては

 

「……三日月……ちょ……」

 

「アトラ?」

 

「……あはは、ゴメン三日月……少し……休憩……」

 

 三日月とアトラ、2人の声だけが格納庫に響いていた

 

 そこに、誰かの足音が響く……足音の大きさから、大人ではない

 しかし確実に格納庫の方へと近付いていた……三日月とアトラは暗がりの中急いで隠れようとするが、それは却ってゴソゴソと何かを隠すような音を立ててしまっていた

 

「……? 誰かまだ起きてるの?」

 

 足音の主は……セファーだった

 

──────────

 

 セファーは眠気のまだ残る体を敢えて歩かせていた

 え、なんでかって? 生理現象は止められないでしょ? 乙女に言わせんな……察しなさいよ! 

 

 で、帰り道何かの音がして格納庫からと分かった為、こうやって確認しに来たと云う訳

 ……案の定、というか……不気味な気配と音の正体はすぐに分かった

 

「……ミカ兄、アトラさん……ナニヤッテンノ?」

 

「……セファーちゃん…………」

 

「……見付かったな」

 

 こそこそと開けっぱなし格納庫の扉から、セファーの視界に入らないタイミングで抜け出ようとしていた2人を気配で察知し、後ろを向いたまま声を出して2人を呼び止めていた

 バツの悪そうな顔のアトラ、対する三日月はいつもと変わらない顔をしている

(ポーカーフェイス上手いな、ミカ兄……)

 

「……2人とも、何でこんな時間に格納庫なんかに?」

 

「うぅん、何でもないよ!? 私がバルバトスのコクピットに入ってみたいって言ってたのを三日月が突然思い出して……それで急に入ってみる? って事になって……」

 

 あからさまにありそうで無さそうな雰囲気の話題を持ち出すアトラ

 残念ながら、セファーは2人が格納庫に居た時点である程度予測を建てていた……無論、この事象は無くてはならない事に繋がる大事な案件だ

 むしろ応援しなければいけない……同じ女性としても、とセファーは思っている

 

「……それは良いけど、何でこんな時間なのよ……」

 

 3人連れ立って部屋へと戻りながら、セファーは何故この時間だったのかと問い正していた

 

「三日月、だから言ったのに……」

 

「……俺が悪いの?」

 

(合わせてよ三日月! バレたら絶対団長さんやメリビットさん達に伝わって止められるから!?)

 

(……分かった)

 

 ……アトラさんや、三日月に耳打ちするのは良いんですが……私の耳には全部聞こえてるから隠し事してるのがバレバレですがなw

 

「……はぁー、分かりました……もう遅いですから、2人も早く戻って下さいね」

 

「うん、もう戻るから! おやすみセファーちゃん」

 

「おやすみ」

 

 2人を見送るセファー、その視線はアトラの足どりに注目していた

 普段とは違う足どりの悪さ、明らかに隠し事をしている態度、そして夜更けに格納庫……ここまで条件が揃っているなら、もうお分かりだろう

 こうして話しながら着いたのはセファーの部屋の前、アトラの部屋そのは隣で、更に向こう側はメリビットさんの部屋である

 

『格納庫の壁は薄いし掃除が面倒だからヤメテ、むしろ部屋なら壁厚くして貰ってるから』

 

 と、セファーはアトラさんに耳打ちをして部屋へと入った

 耳打ち直後に「ファッ!?」と素っ頓狂な声を上げて顔を真っ赤にしたアトラと、意味を理解してない三日月が廊下に残されたのは言うまでもない

 

─ 翌日 ─

 

 いつもより念入りに洗濯に勤しむアトラ、作業中にふと昨夜のセファーの助言を思い出して再度赤面……そして、あの時点で既にセファーにバレた事に気付いたアトラは、この後どうやってセファーの口を塞ごうかと頭を悩ませていた

 そしてセファーは、アトラが一体どうやって私に秘密にさせようとするのかを期待してニヤけながら、他の整備班に混ざって機体の点検作業に従事しているのだった

 

 

─☆─★─☆─★─☆─★─☆─★─☆─

 

 

 余談だが、三日月とアトラの秘密は原作と違うタイミングながら、内容は同じアレである

 そしてこの件はセファーの離脱後、原作通りに秘密を共有していクーデリアがうっかりバラしてしまい、その場に居合わせた団長のオルガを始め、年長の団員たち全員を驚かせたのであった

 

 ……すみません、バルバトスさん……

 事情通の界隈で語られる例の汚名は濯げませんでした(陳謝)




鉄華団に置いたシミュレーターには、別世界のガンダムでトップクラスの実力を持つ数々のパイロットの戦闘データ(アニメ・原作準拠)が入っており、同じく原作通りの機体データと相まって怪物クラスの仮想敵を相手に戦闘訓練が可能です。
(´・ω・)
そしてシミュレーター訓練のシーンで三日月はビームダメージもある程度通る装甲設定のルプスレクスで、「ストライクフリーダム×キラ・ヤマト」「GP-03デンドロビウム×コウ・ウラキ」「Ex-Sガンダム×リョウ・リーツ(ALICE)」の(最高鬼畜難度)の3対1で特訓しています。

あと、ミカ×アトの内容に関しては“R-18”ではないのでこれで勘弁して下さい。

私、R-18で書くのは苦手なんだけど?

  • 別に良いですよ(ニヤニヤ)
  • できれば書いて貰いたいな……
  • 書くべき、ってか書け(命令口調)
  • どうしよっかな~(ゲスい目付き)
  • 「R-18」じゃないから当然

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。