【本編完結済み】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~   作:睦月透火

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ひさしぶりの1周目ストーリー絡みです!

今回の内容はご存知アレのその後……
そしてあの2人のその後です。


After 謎多き男「マクシミリアン・モンターク」

 あの激動の日々から暫くして……鉄華団にも日常が戻ってきた。

 

 相変わらず火星での日々は大変だけど面白い。

 

 タービンズは組織として消滅したけど、名瀬さん達はテイワズの中枢を引き継いでアレコレ活躍中である……たまに「遊びに来いよ」って連絡もくれるし。

 

 あの時は名瀬さんに死んで貰いたくなかったからね……まぁ、そのお陰で少し前までテイワズに匿って貰えたんですけどw

 

 いや、現実逃避は止そう……今、目の前にはある人物がいる。

 

「久しぶりだね、相変わらず元気そうで何よりだ……()()使()くん」

 

 目の前の男……一度見たら絶対に忘れない、そんな奇妙な仮面……そして(ワザ)とらしいまでに強調した「堕天使」という呼び名……そう、私の眼前に居るのは……あの時以来その姿を表舞台から消し去り、婚約者である少女と共に火星へと落ち延びたロr……男。

 

「堕天使って、いったい誰の事です? 私はココの団長の妹ですけど?」

 

「ふむ、人違いだったか……いや失礼、既視感のある姿だったものでね……」

 

 どうせ知ってて言ったんでしょ……お互い身バレ済みだし、ぶっちゃけセキュリティから万全な私の執務(ぼうおん)室に2人っきりなんで、どう足掻いても外部には漏れやしない。

 

「はいはい、わざとらしい挨拶はしないでよ……お仕事の話をしに来たんでしょ?

 

 元・セブンスターズの一角にして反逆者のマクギリス・ファリドさん」

 

「フッ、手厳しいな……確かにあの時はそうだったが、今の私はマクシミリアン・モンタークだよ」

 

 読者の皆さんは覚えているだろうか? 私は以前、彼と別れる前にある「置き土産」をしていった事を……

 

「分かってますよ、モンタークさん……それじゃ、商談を始めましょうか」

 

「お手柔らかに……」

 

 

 マクシミリアン・モンターク……

 創業から100年以上続く地球圏でも有数の老舗企業「モンターク商会」の当主。

 

 彼の経歴は一切が謎に包まれているが、火星と地球を結ぶ独自航路と小艦隊クラスの戦力を持ち、2惑星間で初の定期便を実現した男……

 その正体はご存知、バエル・ナトゥムをTRANS-AM(トランザム)()()させ、死んだと見せかけながら裏で助けたあの男……マクギリス・ファリドである。

 

 地球でアルミリアちゃんと過ごしていた時、私は「アルミリアちゃんとの約束」の一環として「マクシミリアン・モンターク」という架空の人物の戸籍情報をでっち上げていた。

 

 その後、マクギリスを迎えに行く時にアルミリアちゃんもこっそり連れ出し、地球を離れる直前に彼女の個人情報にもアクセス……シャトル事故(当時実際に起きた奴、搭乗者は全員死亡した)に乗っていた事にし、更に()()()()()()()()()()()()「アルミリア・フリッカ」という存在を創り上げ、彼の婚約者として仕立て上げたのである。

 

 いやぁ、あの時は楽しかったね♪

 ハッキングプログラムをVRのアクションゲームに偽装して、アルミリアちゃんと思う存分楽しんだんですよw

 意外にもアルミリアちゃんは格闘戦が得意で、あの()ガンダムをまるで手足の如く使い熟しておりました……いくらフルダイブ型のVRゲームとはいえ、まさか流派・東方○敗を完全再現するとか末恐ろしいんですけど……?

 

 ……まぁ、そんなこんなで2人はDG事件の裏で別人になることに成功し、彼は堂々と表の世界で仕事してるのである。

 

「……アルミリアが君に会いたがっていたよ、そろそろ彼女の誕生日も近い……今年はパーティーに出席してくれるんだろう?」

 

 商談(と言う名の近況報告会)を終え、マッキー(愛称は元のままでも無問題♪)が席を立つと同時に話題を振ってきた。

 そっか、もうそんな時期なんだね……

 

 勿論、彼女の誕生日は改竄が完了した日付に変更してある……そりゃ元のままだと疑われるしw

 

「うん、今年は急な仕事もないし……テイワズからの依頼の方も目処は付いてるから、ちゃんと出れるよ」

 

「そうか……では、当日を楽しみにしているよ」

 

 そう言って部屋を出ていく彼……誕生日が近いとなれば、私もプレゼントを用意しないといけないね……よし、今度クリュセでウィンドウショッピングだ!(買うとは言ってないw)

 

──────────

 

 数週間後、モンターク商会が保有する航宙艦で盛大なパーティーが催された……

 

 それは勿論、商会の主の婚約者である彼女……アルミリア・フリッカの誕生日を祝う為である。

 何でまだ婚約者なのに商会が祝うのかって? それは主催者に聞いて下さいw

 

「フリッカ嬢、こちらへ……『鉄華団』の代理人の方がお見えになられました」

 

 商会の重役に案内され、巨大展望室の一角へと案内される少女……髪型や細かな部分こそ成長などの結果で違えど、その内面からにじみ出る雰囲気は変わらない。

 案内先で待っていた少女も……歳を重ねて成長はすれど一部は不変に近いため、お互いが間違える事などほぼ皆無であった。

 

「アルミリアちゃん!!」

「セファーちゃん!!」

 

 お互い駆け寄り、久しぶりの対面に喜びを爆発させる2人の少女……少し離れた場所でその光景を笑顔で見つめる商会の当主(マクシミリアン)の姿もあった。

 

 

 それから、私とアルミリアちゃんは連絡が取れなかった間の出来事をお互いに包み隠さず暴露し合った……

 

 お互いに全てを話し終わり、最後に用意していたプレゼントと「また会おうね」と固い約束を再び交わして私はその場から一旦離れる……その足で向かった先には、マクシミリアンが居た。

 

「あー、楽しかったぁ~♪」

 

「……それは良かった、彼女も嬉しそうで何よりだよ」

 

「……ホント、アンタ性格変わったわね……彼女と、そろそろ正式に結婚するんでしょ?」

 

「あぁ、キミのお陰でね……書類上の縁は絶たれてしまったが、ようやく彼女の兄(ガエリオ)との約束を果たせるよ」

 

「素直にガチで好きになったって言えば良いのに……知らない仲じゃないんだしさ?」

 

「フフフ……そう言ってしまったら、俺は一生キミにイジられる事になる……それだけは避けたいのでね。

 

 ……そう言えば、キミの方はどうなのかな?」

 

「ちょ……今その話題振る?! アンタにお節介焼かれるのだけは絶対に嫌だからね!!」

 

 突然の逆襲に私は思わず動揺してしまった……

 この身体は人造なので本来はまったく成長しないのだが……あの事件以降、私のボディはナノテクノロジーを応用して年齢相応に変化するように改良を重ねており、現在はアトラちゃんとあまり変わらない位まで変わっている。

 

「……今は仕事優先! アトラちゃんのトコもそろそろ産まれるし、ラフタさんの方も順調だって聞いたから……抜けてる穴を埋めるのでいっぱいなんです~!!」

 

 子供の言い訳の様に現状を並べ立て、私は彼の追求を凌ぐ……事実、ミカ兄とアトラちゃんの所はもう秒読み段階だし、昭弘兄とラフタさんのトコもそろそろ安定期に入るから嘘じゃないですもん。

 

「フフッ、まぁそういう事にしておこう……」

 

 悪戯が成功した様な邪悪な笑みを浮かべる(マッキー)……今は腐ってないとはいえ、悪い大人ってこういう事してくるからやっぱり油断ならない。

 

 まぁ、あんなに歪んでいた男がここまで矯正されるなんて、当時は思いもしなかったわよ……自分でやっといて今更なんだけどねwww




少々短いですが、アフターストーリーとしてあの2人が元気でやっている事は十分ご理解して頂けたのではないかと……

なお、セファーが誕生日プレゼントとして用意したのは
サイコフレーム製のお守りペンダント。
だいぶ改善されたとはいえ、火星の治安はまだ安定しているとは言い難いので……

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