【本編完結済み】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~ 作:睦月透火
前世で嫁の貰い手すら居なかった事が事の発端……
最初の転生は、否応無く発揮される妹&オカン属性(w)と環境のせいで、恋愛の
2度目の転生で(身体も)成長もした為、恋する妄想が止まらない現在の彼女。
……事実、鉄華団メンバーとシミュレート(意味深)もした。
そんな時にイケメンと出会い……妄想豊かすぎる彼女は、状況に酔ってしまった……
つまり、一時の妄想です。
最早マトモな精神じゃない痛い娘やん……読者の皆様すみません。
m(_ _)m
禍月桐谷……顔はイケメンだし、タービンズの女性達にウケも良い。
シノ兄と違って手当たり次第に女性を口説かないし、MSの造詣も深い……実際に話をしたタービンズのメンバーからも、『同類』が出来て良かったじゃん……と弄られた。
……冗談ではない!(赤い彗星風)
確かに私としても、MS関連の話に付いて来れる面子は貴重……
ただし、あの出会いを冷えた頭で考えたら……最悪でしかなかった。
『……なぁにが「しかも可愛いし」だ! なして初対面の私にそげなこつ言うた!? アレか! コッチが行き遅れた事あるの承知でからかう為か?! もしそうなら……次会うた時一発喰らわしてやるけんな!!』
整備中のフラッグのコクピットで透火は、昨日のやり取り……『あの発言』を思い出した事で、恥ずかしさを越えた怒りを抑え切れず、荒れ狂う感情のままに吐き出してしまう。
……幸い、周囲に響く環境音の方が明らかに激しかった為、同じく整備中の皆さんにはほとんど内容は理解出来なかったが……何やら
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フラッグで発散(キチンと整備)した私は、禍月の機体だったグレイズから戦闘データを抜き取り、組み上げ最中の胴体パーツに反映させるべく解析作業を進めた……
(……愛機、だって言ってたっけ……良いなぁ、私は精神だけで2周目だしなぁ……)
思い出すのは、セファー時代の愛機……堕天使ザドキエル。
無重力で生成可能、ナノラミネートアーマー程ではないが、軽量なのに頑強なガンダニュウム合金をふんだんに使い、姿もウイングゼロ(EW)を参考にしたまさに堕天使のMSだった……だが、稼働に際し発覚した課題が頭を悩ませる。
(時間が無かったから、動力源は擬似太陽炉……ビーム兵器が使えないから近接重視、出力にモノを言わせたライザーソードは使えたけど……やっぱりオリジナルでないと、事後の出力切れはヤバい……後からメイン出力を縮退炉に変えたけど、結局は想定以下だった……)
……やはり堕天使に足りないのは、オリジナルの太陽炉だ。
ネックだった木星の重力環境……それは技術的な問題として(バージョンアップした今の「堕天使の叡知」なら)解決できる様になった……
でも、今の私ならその2つの問題を解決し、オリジナル太陽炉の作成を
(炉の
そう、太陽炉を造る為の準備は既に終わっていた……
残る問題は、
物がモノだけに……更に動力も含めた必要機構全てを内部に設け、自己解決させたその機材の総量は、MS2機ぶんを優に越えていた。(※木星の高重力環境を内部に再現可能というデタラメな機材が、
そしてテイワズにもハンマーヘッドにも、この機材を設置する余裕は無かった……
いや、今も『はよこの邪魔な機材を他所へ移動させてくれ』とテイワズ側からせっつかれている……この機材、操作さえできれば
……そう、
「そりゃ使えない機材を置いておく理由、無いわよねぇ……」
憂鬱な気分が抜けない透火……着々と組み立て作業は進んでいるが、なかなか気分がノらない為か……その速度はほぼいつも通りであった。
それからしばらくして……イサリビへの補給作業や他の機体は整備が完了した為、三日月達を残し……先に歳星を発った鉄華団一行。
史実では、道中で海賊「ブルワーズ」と遭遇戦になる事を知っている転生者2人……透火と禍月は、機体の組み立て作業とバルバトスのオーバーホールを平行して手伝いつつ作業を急ぐ……
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イサリビの出航から数時間遅れたものの、バルバトスの作業はコクピット周りのチェックとフィッティングを残すのみ……禍月の機体も、仕様変更におけるOSのアップデート中である……なお、フィッティングは以前のデータから微調整するだけなので、イサリビとの合流後に改めて行う事にした。
「
『ありがとうございます! コッチの作業が完了次第、接続をお願いします!』
(時間的に見て、そろそろイサリビがブルワーズと遭遇する頃合いよね……焦ってミスしちゃ元も子もない、手順は飛ばさず、並列化して処理速度で飛ばせ……!)
その透火が操作する2つの端末の画面は、それぞれが凄まじい早さで次々処理を完了させていく……項目を口に出す事はないものの、タッチパネルの上で踊る両手の指は素早く、狂いなく端末を操るその手際は
「……俺、先にバルバトスで待ってる」
「そうじゃな……ほれ禍月くん、君もじゃ!」
「……お、おぅ」
一足先に三日月は
かつて彼が前世……宇宙世紀で乗っていた『復讐者』の名を持つMS。
甦った復讐者の第一の獲物は、海賊「ブルワーズ」と決まった……斯くして、透火の手も止まり……一際大きな声が格納庫内に響く。
『……ふぅ……チューニング作業終了、後はお願いしますっ!!』
作業を完了したバルバトスが、おやっさんの乗る貨物ブースターへと格納され……フラッグから伸びた牽引用ワイヤーも、真後ろに立つアベンジャーへと接続される……その作業を尻目に透火はすぐ脇のスペースでツナギからパイロットスーツへと早着替えし、フラッグのコクピットへと滑り込んだ。
全員がそれぞれ機体に乗り込むのを確認した整備長は、気密ブロックの作業員を下がらせ……自らコンソールを操作して搬出口を開かせつつ……三日月達へと通信で檄を飛ばした。
『そのブースターでなら、すぐにあの船にも追い付ける! 先ほど海賊と遭遇したと連絡もあった、急いで駆け付けてやりな!!』
搬出口が完全に解放され……右にはバルバトスを格納した貨物ブースター、左にはフラッグが並び、その後方にはアベンジャーが繋がれている。
フラッグの外付けブースターと、貨物ブースターに火が入る……コクピットからブースターの調整を済ませた透火は、三日月と禍月……そしておやっさんにも声を掛けた。
『3人とも、準備は良い? ……飛ばしてくからね?!』
『分かった』
『……お、おぅ……頼む』
『此方は問題ない、行ってくれ!』
ブースターの出力を全開にし、フラッグの機体はワイヤーでアベンジャーを引き連れながら加速……みるみる速度を上げ、どんどんと歳星から遠ざかっていく。
「嬢ちゃん達……生きて帰って来るんじゃぞ……!」
遠ざかる2つの光点を見つめながら、 整備長達は
4人が歳星を出発する少し前……
イサリビから1機のグレイズが出撃……その後ろには、
グレイズのパイロットは昭弘・アルトランド、MWにはタカキ・ウノ……原作通りに、2人で定時の哨戒任務に出発した所である。
その道中、タカキと昭弘は自身の兄弟(兄妹)について話す……
『俺、妹を学校に入れてやりたいんです……
だから……もっと頑張って、仕事覚えて稼がないと……って、あっ……すみません、昭弘さん……』
『……いや、良いんだ……
俺にもかつて、弟がいた……生きてたら、ちょうどお前くらいだ……』
男2人……淡い夢と、思い出を語る最中……無粋にも突然、接近警報が鳴り響く。
『未確認機……? 何なんだ、コイツら……!?』
そのMSは、丸々と肥え太った緑のカエルの様な外観だが、機動力は明らかにグレイズを上回っている……四方からジリジリと痛め付けられる昭弘とタカキだが、必死に致命傷を避けながらイサリビへと通信を繋ぎ、救援を要請……だがそこに僅かな隙が生まれてしまい、昭弘のグレイズの目の前に、敵機が迫る……
『……ッ?!』
『させない……ッ!!』
だが、周囲を囲む見慣れぬMSのうち2機が何処からか撃たれ、バランスを崩して動揺した機体の合間を縫う様に、白い戦闘機らしき機体が駆け抜けた……
直後、昭弘の目の前に居た機体も上から来たMSに奇襲を受け……装甲の隙間に、刀身を突き立てられていた。
……ま、間に合いました……(悲劇回避的に)
次回は、史実より戦力増強されてのブルワーズ戦……
確か、ここらで1つ……フラグへし折らなきゃいけないんだよね?
なお、禍月の愛機「アベンジャー」についても次回に詳しく!
……え”? 脇での早着替えシーンも書けって?!
(*/□\*) こ、このフェンタイ~~ッ!!
ブルワーズとの本格戦闘……敵方の戦力も盛っておく?
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無名パイロットの増員という方向で……
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そこそこ強そうな阿頼耶識使いを増やそう
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オリキャラでスポット参戦の噛ませ犬だ!