【本編完結済み】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~ 作:睦月透火
前回までのお話は……
アトラちゃん誘拐に端を発したドルトコロニーの一件は、
逆に禍月がサヴァラン君の拉致に成功……
私もフミタン生存フラグを確立すべく奔走するも、
何故かストーリー通りに事が運んでしまっていた……
どうなる?! 波乱の第12話!!
あああああどうしよどうしよ……
デモから離れたいのにフミタンがそこに居て連れ戻そうとしたらやっぱり捕まってただいまデモ隊真っ只中で祭り上げられています……
このまま行けば狙撃し放題、絶好のカモ、ダインスレイヴさながらの即死攻撃を撃たれてクーデリアが庇われてフミタンがフミタンじゃなくなっちゃう!!
それだけは何としても避けねば……!
幸い、クーデリアの持つリュックには、私が操る「G - ビット『
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はい、只今クーデリアの背負ったリュック内で待機中の
(懐かしいねこの
クーデリアさんに背負われたまま、今私達はドルトカンパニーの不当な扱いに対し、ついにキレた従業員らによるデモ行進の真っ只中……リーダーとなっているナボナさんと面会させられています。
会社の不当な扱いに対してキレるのはまぁ、度を越してたら誰でもやるよね……この件に関しては私、そんなに情報掴んでもないけど。
ただ、この世界における「格差社会」は、元の世界や他の世界よりも圧倒的に酷い……特に「地球出身」と「それ以外」に対する扱いの差が……
治安が悪いも言うのもあるけど、実際はその「格差」が産み出した弊害に過ぎない……
ぶっちゃけると「選民思想」……
ねじ曲げられてしまったジオニズム然り、コスモ貴族主義然り……長年の経済活動と確固たる生活基盤に裏打ちされ、比較的裕福である地球出身者は
「クーデリアさん、『革命の乙女』と呼ばれる貴女が参加してくれるとは思いませんでした……これならば、会社も我々の言葉に耳を傾けざるを得ない筈です」
……確か、ドルトカンパニーってアフリカンユニオンの公営企業だっけ。
メディアからの影響は大きい筈だから、この手段も有効ではあるよ?
……ある一線を越えられれば、ね。
でも、会社としてはたまったもんじゃない……どんな手を使っても実態を揉み消そうと躍起になるだろう……例えば、ギャラルホルンと結託し「デモ参加者の過激派に、
(何にせよ、このままじゃ原作通りに事は進み……ギャラルホルンの粛清の最中、狙撃によってクーデリアは狙われ、それを庇う形でフミタンが……)
「……ん? 狙撃……? そうだ!!」
もう既にカンパニー公舎のある大通りには出て来てる、此所を狙撃するにはある程度高さのある建物を使うしかない……なら、そこを先に叩けば……!
「禍月くん! 今何処ッ!?」
端末同士の連絡機能を使い、私は禍月に連絡を取る……
この端末の通信は「サイコミュ」を応用しているので、エイハブ・ウェーブの影響もなく、仲介無しでリアルタイム通信も可能だ。
当然、自称*1ニュータイプの禍月なら、使いこなせると踏んでの実装だったけど……え? 私? 前は体がほとんど機械だったし。今は生身だけどそんな能力使った覚えも無し、禍月の指摘で身体は頑丈なんだろうけど使えてる……フシギダネ~。
兎に角だ……禍月に連絡を取り、どうにかして狙撃を阻止させよう。
もし撃たれても
『……それしか無いか……分かった、任せろ……!』
禍月もその辺は読んでいたらしく、既に
だが、さすがに狙撃を阻止出来るかはギリギリのタイミングだったらしく、高速で上空から飛来する
そして、
「……フミタン……良かった、無事で」
「私は正直……貴女が嫌いでした……」
「……えっ……?」
「あの時、火星のスラムで……私は、貴女をわざと置き去りにしたんです」
フミタンの独白……原作では死に際に話された事だが、今は違う……緑色の煌めきで周囲から隔絶され、誰にも邪魔されないこの場で、彼女……フミタン・アドモスという女性は、己の胸の内を曝け出す。
誰にも邪魔などさせたくない……せめて粒子切れになるまでは、と私は
その中に護られながら、彼女の独白は続く……
火星のスラム街で出会った少女が……あまりにも境遇が自分に似ていた事。
仕える主の、無垢な瞳が嫌いだった事。
その瞳も、現実を知ればすぐに曇ってしまうものだと思っていた……でも、貴女のその瞳の輝きは失われず、今もこうして消えていない……
かつてクーデリアがフミタンに見せた、火星では珍しい
「私は、その瞳が怖かったのです……いつか、私も
だから、私は……」
「私は、フミタンが大好きです!!」
突然の大声……直後に静寂が戻り、腕の中の少女の顔に驚くフミタン……
己の腕の中にいる少女は、「革命の乙女」と呼ばれる存在……いずれ自分もその毒に冒され、叶うはずのない希望を抱いてしまう事を恐れている。
しかし、少女の声はこう言って退けた……
「誰しも怖いものはあります……でも私は、フミタンが好きだから側に居たい……
……私の側に居て欲しいんです。
それに……まだ私は、
だから……
だから、離れて行かないで下さい……! 私の側にいて下さい……!!」
「……お嬢様……」
精一杯の少女の懇願……
親の庇護に置かれ、世間知らずのまま希望しか知らなかった少女と……世の闇に揉まれ、希望を見失っていたメイド。
歪な繋がりから生まれた今までとは違う……2人はようやく、本当の意味での
私は
さて、あの後ミカ兄が来てくれたんでリュックはミカ兄に即刻パスされ……クーデリアとフミタンは仲良く手を繋いでミカ兄の後ろから付いてきている。
なんか……予想以上にフミタンがクーデリアと仲直りしたのは良いんだけど、直接守った私(
……まぁ、見てくれがオモチャだからしょうがないけど。
とかなんとか言ってる間にオルガ団長達とも合流……
報道関係者所有のランチに同乗して脱出し、周囲ではギャラルホルン月外縁軌道統合艦隊……通称「アリアンロッド艦隊」のMSと、デモの過激派達が操る元・作業用を改造したMSが戦って……いるのは最初だけだった。
デモ隊のMSは出撃から僅かな時間で揃って行動不能に……それをアリアンロッドのMSがまるで作業の様に次々とデモ隊のMSを破壊していく……
これは、戦闘でも何でもない……ただの虐殺、蹂躙劇……
推進材やエネルギーをすぐ切れる程度しか積まず、それをシステム側で誤魔化して満タンだと誤認させたのかな……何度見てもムカムカするね。
兎も角、デモ隊側のMSは無抵抗の内にドンドンと数を減らされ……事態を重く見た鉄華団のメンバー達も
やはりここは避けられない事態なのか……原作通りにギャラルホルンとの戦闘は避けようもなく、バルバトスと流星号は既に出撃準備中。
私も「ハンマーヘッドに戻る」と嘘を吐いて自動操縦を使ってハンマーヘッドからフラッグを出させて貰い、そのまま戦線に加わろうとしていた……だが「ハンマーヘッドからグシオンが出るからもうちょい待って」と返事が来たのでオアズケを喰らってしまった。
技術チートフル活用でも、高難易度のフミタン生存フラグ構築……
何とか無事に取得出来ました。
プラフスキー粒子の出番はここだけですが、機体はまだ使えそうなのでとりあえず保存。
ちなみにフミタンの身柄は、クーデリア共々テイワズ預かりとなっている事が後で発覚……ノブリスもこれには予想外で悔し涙を流した事でしょう。(愉悦)
……オジサマ、抜け目無いなぁw
さてさて、次回はいよいよスリムになった元ヒキガエル(w)が装いも新たに“筋肉仕様”になって大活躍!?
乞うご期待!!
プラフスキー粒子のトンデモ度は?
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10%
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25%
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50%
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75%
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完全にヤバイなw