【本編完結済み】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~   作:睦月透火

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はい、前回からの続きですが……

三日月からモビルアーマーのある部分を調べてね、と頼まれた「おやっさん」こと雪之丞さん
見つけちゃったのは****でした(読んでない方のために伏せ)

その頃、マクギリスやジュリエッタの上司であるオジサマ達も原作通り暗躍し始め、ついでにテイワズにも暗雲が見え隠れし始めます


そして、目覚める「改変の鍵」
「厄災の天使」に繋がれていた存在が……今、活動を始める


第3話 見た目は子供、頭脳は……あれ?

「……ん……ぅ……」

 

(そういえば、ガンプラ製作を終えた所で寝落ちしたんだっけ……私)

 

 最後の記憶でテーブルに突っ伏して寝たのを思い出し、ふと自分の体勢があまりにも違うことに違和感を覚えた

 明らかにベッドで寝ている……しかもちゃんと着替えて

 

「……ん……ぁ……?」

 

 ゆったりと体を起こし、寝ぼけ眼ながら周囲を確認……完全に見慣れない部屋だ

 壁とか、完全に寝落ち前の自分の部屋じゃない

 そして、ふと自分の視界がおかしい事に気が付く

 

「……なに、これ……?」

 

 バーチャル的なHMDを被るとこう見えるのか……的な光の枠線があり、視界の変化にコンマの狂いなく追従しながら変化している

 視界の隅には丸い枠に囲まれたいくつかの光点、数種類のゲージとコンパス、人形のシルエット……その他にもたくさんあったが、意識すると少し拡大され、気を逸らすと視界の隅に戻る、まるでパワードスーツのHMDの様な感じだ

 

「まさか、人間じゃない体って……」

 

 そう思い両手を見ると、ちゃんと肉や肌感のある人間っぽいモノだった

 どうやら、視界だけサイバーな感じでちゃんと肉体ではあるらしい

 だがベッドから降りた瞬間、私はある事に気付く

 

 異様に視線が低い……少なくとも私の身長は170近い長身だったはず、これでも一応社会人だしバイト先の皆からはこの長身を羨ましがられていた、年齢こそ卒業したてで成人式も終えている

 なのにこの体の視界は……たぶん身長は130~140ぐらい……完全に少女レベルの低身長なのだ

 

 ナニコレ転生?! しかもこの体まだ子供じゃん!? 

 

 部屋を見回し大きな姿見を見つけ自分を写す……灰色……いや、この場合は霞んでるけど銀色かな……そんな髪色と、暗がりでも光りそうな金の瞳をした白いワンピース姿の少女が立っていた

 

 理由とか全く分からないけど転生なのは事実だ、見た目から普通の日本人じゃない

 それに金眼に銀髪って典型的な外人のテンプレ外見だし、しかもチラチラと髪の毛から人間にはないメカメカしいパーツが見え隠れしてる……

 一応、人間ボディなのは安心だけど……完全に小~中学生ぐらいの頃まで若返ってしまっている

 

 はぁ……と大きなため息を吐いた直後、部屋の扉が開いて背格好の変わらない少女と、赤いスーツ姿の大人っぽい人が入ってきた

 

「あっ、目が覚めてたんだ……良かったぁ」

 

 そう言って少女は私の手を握り、色々と確かめる様に触ってくる

 後ろに立つスーツの男の人も、一安心だという感じで顔を緩めていた

 

「私はアトラ・ミクスタ、ここ鉄華団で炊事係をしてるの。

 後ろの人は団長のオルガさんだよ」

 

 鉄華団と2人の名を聞いたその瞬間、私は凍り付いた表情のまま驚愕したのであった

 

(て、鉄血のオルフェンズ……まさか私ってガンダムの世界に転生したのぉ?!)

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「……さて、いくつか質問したいんだが、良いか?」

 

 私が静かな驚愕から落ち着いたのを見計らって、オルガは神妙な面持ちで話を始める

 私もそれとなく雰囲気を感じ、真剣な表情で応じた

 

 まず聞かれたのは、私が何者なのかだった

 もちろん、私自身も知る由もないため、当然のごとく不明……次に聞かれたのは、名前だ

 そこで私は元の名前をそのまま言おうとして思考が止まってしまう

 

「……あれ? ……私の名前って、何だっけ……?」

 

 アトラもその場に立ち会っていたのだが、突然私の顔が青ざめたのでビックリしたらしく、オルガに詰め寄る

 オルガはオルガで、まさか名前を聞いただけでこうなるとは予測できなかったと弁明し、途中から私も自分が名前を覚えていない事を告げたため事なきを得た

 

 名前の件は一旦保留とされ、オルガは私を格納庫に連れて来た

 気が付く前、自分が何処に居たのか……その説明の為だった

 

 そうやって案内された場所に鎮座していたのは、つい先程まで徹夜で仕上げたガンプラの元となった「厄災の天使」……

 

「うそ……ハシュマル……?!」

 

 私は思わず口にしてしまった、ハシュマルという名前は物語の都合で付けられた仮の名前に過ぎないが、物語の登場人物は誰もこの名前を知らないままだったはずだ

 図らずも私はこの場で軽く原作ブレイクをやらかしたということになる……まぁ、私の存在自体が既に大幅な原作ブレイクなのだが

 

「ハシュマル? それがコイツの名前なのか?」

 

 オルガが聞き返し、私は一瞬戸惑ったがそのまま頷いて肯定した

 見るも無惨な鉄屑と化してはいるものの、その特徴的なシルエットと装甲の配色……見間違える事などあり得ない

 昨日までそのガンプラを一心不乱に組み上げ、更に気の済むまで魔改造を施したのだから……

 

 説明の途中から合流した雪乃丞という褐色の中年男性から、発見されたのはハシュマルの首根本にある球体ユニットの中だったという……

 

「さすがに焦ったぜ、全裸のままお前さんがあの中で眠ってたんだからよ……」

 

 何だか物凄く乙女のピンチ的な発言があった気がするが、今は追及する気にもなれない

 ……私は眠ったままハシュマルに守られてバルバトスと戦っていた事になる

 

 図らずも形的に微妙な状態ではあるが、ある意味、私の夢は叶っていた(過去形)……

 ただし私は、そのバルバトスと繰り広げた死闘の詳細を聞いた直後から「私、ちゃんと生きてるよね……まだ死んでないよね?」と何度も周りの人に確認したのは言うまでもない




えー、目覚めたら子供でした。
更に視界はなんかサイボーグっぽい感じだし、外見は人間っぽいけど疑わしい……

彼女の詳細や定義は次回に持ち越しです。

オリジナル要素のネーミングに苦心してますが、ネタやら使った方が良いのかな?
(´・ω・`)

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