【更新休止中】寝落ちしたらモビルアーマーになってた件 ~鉄華団に「厄災の天使」が味方したようです~ 作:睦月透火
新型コロナの影響はまだまだ続いています。
外出自粛や営業規制とか……懸念材料は分かりますが……
だからって休業要請受けても営業続けるとこ、ちょっとおかしいと思います。
さて、前回からの続きは……
アリアンロッド艦隊の前に突如現れた白いMS……
放たれたダインスレイヴを容易く消し去り、
タービンズの窮地を救ったのは、
名瀬とアミダは、突如現れた白いMSを見ている
初手のダインスレイヴを全て潰され、アリアンロッド艦隊は浮き足立っている
白い機体は艦隊から名瀬とアミダを庇うように陣取ったまま動かない……それは後ろから自分を見ている
だが、混乱から回復した艦隊のMSが動き出す事で強制終了させられる
去り際にサインを送り、天使は艦隊の真っ只中へと飛び込んで行った
船のカメラが捉えた白いMSの姿……名瀬は何かを感じ、画像を拡大させる
それほど距離は離れていなかった為、MSの頭部画像は多少粗さが目立つものの、くっきりと意匠や外観を映し出した
その中に名瀬は、ある2つのモノを発見する
「全く……女とはいえ、子供に助けられるとはなぁ……」
名瀬が発見したのは、天使の頭部……V字アンテナの基部に掘られた『Zadkiel』の文字と、機体に描かれた『羽ペンと古書』がデザインされたパーソナルマークだった
名瀬はそのマークに確かな覚えがあった、それは衝撃的で忘れようの無い出来事
「セファー……だったか?
とんでもねぇ子供だ……三日月以上かもな……」
「……名瀬……」
アミダもその名前に軽く衝撃を受けたが、虚空に舞う天使の姿に、何とも言えない感情が湧き出てきたのだった
虚空に疾駆する一筋の白い流星……軌道がひとたび翻れば周囲に爆発が起き、艦隊所属のMSが次々と消えていく……触れたら最後……そう表現しても
「ば、馬鹿な……あれほどの性能、いや速度で動くMSなどあるはずがない!
ましてや人が乗っているのにあんな軌道は……」
最前線に陣取っているハーフビーク級戦艦の艦長は驚愕していた
戦場を舞うその流星が移動する速度は、一般的なMSの最大速度を軽く超えながら非常識な軌道を描き続けていく……最初から人を乗せる事など一切考慮していない……そんな無茶苦茶な動きをしていたからだ
実際にその軌道は直進から鋭角に軌道変更を数回ほど織り交ぜながら突撃、まとめて敵を数機破壊すると急停止し、一定距離内に敵機が入ると再び動き出すか、突然姿を消してから更にありえない位置へと瞬間的に移動していた
速度と軌道だけならば無人機と言えなくもないが、明らかに常識から逸脱している瞬間移動や攻撃力は、もはや誰も説明など出来ないものだった
『……は、速すぎる……う、うわあぁぁぁ?!』
ターゲットとして捉える間もなく、堕天使は常識外の動きでグレイズに接近、背後へと回り込み右腕を振るう
少しの間を置き、グレイズの機体は上下真っ二つに斬り裂かれて小規模な爆発を起こした後、完全に動かなくなった
……斬り裂いたのは堕天使の右腕から伸びる1本の剣、その刀身は僅かながら発光し……どういう原理なのか、そう簡単に破壊出来ない筈のナノラミネートアーマーを斬り裂いていた
「……無人機があれ程の動きをするなんて……」
艦内で発進準備中の
モビルスーツの無人化は現在の技術である程度は可能ではある、しかしその動きは複雑に絡み合う判断材料から最適解を導き出し、機体の挙動に反映させるまでの時間が遅く、圧倒的な性能差がなければツーマンセル等の連携で簡単に撃破できる
だがしかし、今あの戦場で舞うあの機体はそんな生易しい相手ではなかった
ジュリエッタは流星のように動き回る機体のシルエットに見惚れてもいたが、同時に悪寒も感じていた
「まさに『白い堕天使』ですね……」
ジュリエッタの直感がそう感じたのか、偶然の一致の様に彼女は白い敵機をそう表現していた
しかし、何故かジュリエッタの表情は笑っていた……あれ程の相手ならば、自分を更に磨くための材料になる
「その強さ、私の糧にさせて貰います……!」
ジュリエッタの乗り込んだこの機体は、
この新型なら、あの堕天使が相手でも問題ない……ジュリエッタはそう確信している
戦場に出たジュリエッタは最大速で堕天使へと追い縋る、アリアンロッド艦隊所属のMSはその半数が撃破ないしは戦闘不能にされ、戦場にはその残骸が無数に撒き散らされている
その頃……件の堕天使は周囲の敵をあらかた殲滅し終え、まるで休憩をするかの様に翅を閉じて漂っていた
(※ここからはセファーの思考が擬似的に堕天使の操縦者として入ります)
(敵部隊はだいたい倒せた……
名瀬さん達も撤退した様だし、あとは艦隊の足を奪ってから離脱すれば……っ!?)
突然鳴り響く接近警報、機体のセンサーが捉えたのは今までとは明らかに違う挙動をする機体……先ほどまでとは違い、相当な実力者と感じたセファーは再び機体に戦闘態勢を取らせ、迫る敵機を注視する……
(この機体、このタイミングで新型機……相手は
セファーは先ほどまで使っていた右腕の[ドミニオンズブレイカー]を
ジュリエッタもまた、両手の剣を展開して斬り込んだ
「相手にとって不足なし!!」
(相手してる暇ないってのに!!)
先制できたのは堕天使……右手から撃ち出されたのはオレンジ色の雨……この世界にはほとんど存在しないビーム兵器だった
ジュリエッタは驚きながらも冷静に機体を射線からずらし、回避を試みるが散弾状に広がったビームは左足を捉えていた
避け損ねた左足にオレンジ色の閃光が命中するが、ナノラミネートアーマーの表面を滑るように閃光は屈折し、雨のように飛び散ったビームは虚空へと霧散する
「これは?! ……まさかとは思いましたが、相手は厄災戦の亡霊ですかっ!?」
ジュリエッタはビーム兵器の存在を知識としては知っていた
しかし、ビーム兵器はナノラミネートアーマーに対して無力に等しく、厄災戦当時のガンダム・フレームはその優位性でモビルアーマーに勝利したと言っても過言ではない
しかし、この敵機はそんな廃れた技術を使用している……そして間近に見るその姿、まさに先だって自分が呟いた「堕天使」の名は皮肉にもピッタリだった
(さすがアリアンロッドの戦乙女……一筋縄じゃいかないね)
対するセファーもジュリエッタの技量に感嘆していた
初見で
「……確かに堕天使と呼ぶに相応しい姿、でも私はアナタを超えてみせます!!」
一度距離を置き、再びジュリエッタは敵機に肉薄する
(くっ、鉄血の実力者が相手じゃ分が悪すぎる……)
堕天使は先程までの縦横無尽な軌道も行えず、押し込んでくる
だが、致命的な一撃やフェイントには引っかからず避けており、どちらも決め手に欠けている状態だ
「ジュリエッタ機、敵機と交戦中……膠着しているようです」
イオクにジュリエッタの戦況が伝えられイオクは思案する
タービンズを取り逃がし、あまつさえMS部隊の半数が壊滅状態……それをあの
「ダインスレイヴ隊はまだ残っているか?」
「は、はっ……8機はまだ健在ですが……?」
「ジュリエッタに敵を射線へ誘い出すよう伝えろ、何としても一糸報いなければ……」
イオクの命令で生き残ったダインスレイヴ隊のMSが敵機へと狙いを定める
その様子に気付いたジュリエッタは怒りを募らせた
「やはりイオク様は馬鹿です! 折角のチャンスを……っ」
その僅かな意識の乱れを、堕天使は見逃さなかった
すかさずジュリエッタの機体の背後に回り込んで左腕にあるシールドからクローを展開、振動破砕機能は使わずにそのまま胴体を鷲掴みして拘束すると、右腕の「ドミニオンズブレイカー」の最大出力モードを起動させ、高濃度圧縮粒子のチャージを開始する
(コレを適当な所に撃ち込んで、怯んだ隙に私は離脱させて貰うわ!)
左腕のクローでジュリエッタ機を拘束したまま、堕天使の右手には極大の光の球体が形成されていく
(チャージ完了、これでも喰らいなさい! ドミニオンズ……ライザー!!)
オレンジ色の極光が収束し次の瞬間、凄まじい速度で増幅、膨れ上がった光は一直線に艦隊を構成する艦船めがけて伸びていき……やがてその中の一つに命中した
「……な、なんなのだ……あの光は……」
「……艦船のナノラミネートアーマーが……溶けていく……?!」
放出の止まない光の奔流、浴び続けている艦船はその形状を少し、また少しと変化させていく……それは船の装甲自体が熱量に耐えきれずに溶け出したからだ
ナノラミネートアーマーとは、装甲表面に塗布された特殊塗料が、動力源であるエイハブ・リアクターから発せられる特殊な電磁波を浴びる事でビームを乱反射させる強固な皮膜を形成する技術であり、たとえ大出力のビーム砲であっても、エネルギーを乱反射させる皮膜は破れず霧散してしまう……だがそれでも、大出力のビームを長時間浴び続けているとどうなるのか
いくらビームに対して凄まじい優位性を持っているナノラミネートアーマーでも、ビームを乱反射させ続けるとそこには少なからず熱が発生してしまう……それは物理法則によって避けようのない事実……そしてそれが大出力、かつ長時間となると結果は自明の理
発生し続ける熱量は装甲や他の部位に蓄積され、やがて内部や要となるリアクター、装甲自体が熱量の物理的限界値……つまり「融点」に達して自壊し、溶けて蒸発していくのである
最も、MSの場合だと装甲が溶ける前に中の人が
艦隊の船を端から2つほど破壊し尽くした所で極光の奔流は収まり、生き残った残った艦隊の全員がその光景に呆然とするのだった
(はぁ……はぁ……は……っ)
粒子残量の警告アラームが鳴り響く、それは機体に残されているエネルギー量……GN粒子の残量が残り10%を割り込んだからだった
(さすがに強化済みでも、
粒子残量からすると、通常移動だけなら帰還も叶う……しかし、未だ堕天使の左腕クローには、
しかし、幸いな事に中のジュリエッタは、地球圏最強のアリアンロッド艦隊がたった1機のMS相手に被った被害の光景に言葉を失い、自身が拘束されている事も忘れて呆然としている
(……これは、チャンスかも……)
堕天使は気付かれないよう、ゆっくりと拘束を解き……推進機動を使わずAMBACを駆使して距離を離す
「……300年前に起こった悲劇……まさか、これ程なんて……」
堕天使の放った極光の奔流はアリアンロッド艦隊の船2隻に命中……最初の1隻を完全に消滅させ、2隻目の装甲は辛うじて原型を保ってはいるものの……それまでに発生した膨大な熱量によって内部崩壊は必然、まさに地獄絵図と化しているであろう
その戦慄に肩を震わせるジュリエッタを尻目に、堕天使はその翼を翻し、虚空の彼方へと飛び去っていった
今回は内容的に大ボリュームでした……
……如何だったでしょうか、ナノラミネートアーマー対ライザーソード。
物理法則に従い、装甲のキャパシティを上回ったライザーソードの判定勝ちでしたが、個人的にこれは奇跡の辛勝だと思っています。
喰らった艦隊側からすれば想定外だし……擬似太陽炉の出力ほぼ使い切ったしね。
個人的に文句がある人もいるかと思いますが、とりあえずガンダム特有の惨劇シーンを残しつつ名瀬さん達の死亡回避と併せて書きたかったので(´-∀-`;)ゞ
……ところで、戦闘シーンってこんな書き方で良いんでしょうか?
誤字・脱字/感想やアンケートもヨロシクオネガイシマス(片言)
今回のナノラミネートアーマー対ライザーソード……評価は?
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ほぼ自分の想定通りで満足
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予想とは少し違ったけど良い
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ちょっと残念、不満が残る
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いや、この結果はおかしい
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次回があるなら期待したい