第2話
「ふー、ようやくついたか。」
親切なモンスターに教えてもらった方角に、もうどれほどの時間歩いただろうか。
ようやく松明の灯りが見えてきた。すでに日は傾き辺りには夕闇が漂っている。
教えてもらったブルーベリーに似た木の実を食べれたことで、
余裕が生まれ少し考えを整理することができた。
やはり一番の可能性としては夢であるということだ。
さらに不思議なことなのはここに来るまでにかなり歩いたというのにほとんど疲労を感じていない。
俺はどう好意的に見ても運動が得意な方ではなかった。これだけ歩けば確実にヘロヘロになるはずである。
しかし、のどが渇く、腹がすくなど本当に夢?という現象も起きている。
それでも、手がかりのない現状ではその可能性にすがることで少し楽になれた。
その他の可能性はどうだろうか?誘拐?いやわざわざさらって森に一人
放り出すなんでどんな犯人だよ。その他は・・・異世界転生とか?
「ハッ!ありえね~。ゲームのやり過ぎかっての。」
そんなことを考えながらも歩みを進めると段々と松明の炎が目前に近づいてきた。
あまり大きな村ではなさそうで、壁などもなく所々が壊れた頼りなさそうな柵があるだけである。
煮詰まった考えを一度放棄する。やはり火の灯りは安心できるな~などと考えながら
今更ながら村人にどうしてもらいたのか?何を提供できるのか?をまったく考えていないことに気付く。
「君はどこから来たのかね?」
村の入り口に近づくとふいに声をかけられた。見ると40~50歳くらいだろうか?
金髪で中肉中背、落ち着いた服装の男性が話かけて来た。考えている最中だったのでたじろいでしまう。
「え~と」
「?」
「遠い場所からですね。」
「遠い場所?エ・ランテルかい?」
「いえ、もっと遠い場所からです。」
男性はいぶかしむように一度俺をじっくりと見回した後、何かに納得したように
「その衣服、髪の色、聞いたことがあるな。南方の民族にはそのような身なりのものが多いと。」
「まあ、そうなんですよ」
「それで、この村に何用かね?」
「旅の途中でして、できれば1晩の宿を貸していただけないでしょうか?」
「あいにくだけど、小さな村で宿屋などはないよ。」
「そうですか・・・」
「ただ私の家で良ければ余裕はあるよ?妻と2人暮らしだし空き部屋もあるしね。」
夕食後
「いや~本当にごちそうさまでした。」
「構わんよ、夫婦2人での食事など、この年になると寂しいもんさ。
にぎやかな食事に妻も喜んでおったよ。」
俺は夕食をごちそうになり、すっかり村長夫妻(最初の男性が村長であった)と打ち解けていた。村長夫妻は物腰柔らかで、いろいろと情報を聞くことができ、
夕食も見た目こそ質素なものの非常においしく、2回もおかわりをしてしまった。
「しかし噛み応えがあっておいしかったですけど珍しいですね。黒いパンなんて。
私のところでは白いパンしかありませんでしたよ。」
「そうなのかい?南方の国のことはわからないけれど、このあたりでは
白パンなんて食べれるのは一部の金持ちだけだよ。白パンは日持ちしないからね。」
しまった!失言だ。
まあ今後村長が南方の国とやらに行くことはないだろうが、気を付けなければならない。
その夜、貸してもらった空き部屋のベットの中で今日のことを思い返してみる。
森を歩き回り、いかついモンスターと会話し、人生最大のコミュ力を発揮してあったばかりの夫婦と打ち解ける。
「濃い1日だった。」
感慨深くしみじみとつぶやく。
明日は今日のお礼として村の作業を手伝う約束をしている。村長夫妻は構わないのにと言ってくれたが、何となくそうしないと嫌な気がしてす少し強引に手伝いを申し出たのだ。
農村の朝は早いだろう。さっさと寝てしまおう。
ようやくウトウトしはじめ、気持ちよくなってきたころ
「いやぁーーーーーー!!!!」
夜の村に女の悲鳴が響き渡った。
私もほかの方のSSの後書き等でよく見ていましたが、本当に話進みませんね(笑)
こんな感じで週2、週3アップを予定していますので、よろしくお願いします。