そんなもんですよね二次創作って?え?私だけ?
少しでもお暇つぶしになれば幸いです。
「こんなうまいビール初めて飲んだぜ」
俺はエ・ランテルに着くと冒険者組合に行った後、腹を満たすべく冒険者御用達の酒場に来ていた。
町に入る時は心配ではあったが、身体検査はあったものの足代を払えば
あっさりと通ることができ、冒険者組合でも一通りの説明を受け、無事登録
することができた。しかし、すでに夕暮れになってしまい依頼を受けるなどの本格的な活動は明日から行う予定である。
「しかし、でかい街だな。カルネ村何個分だろう。」
などと益体もないことをつぶやきながら、注文した何かの肉を焼いたステーキを頬張る。
「明日はどんな依頼を受けようか。割のいい依頼は朝一でなくなるらしいから早く起きないとな。」
俺が今後のことに想いをはせながら、ステーキをかじっていると、
バシン!!
「いたっ!」
強く肩をたたかれ、危うく料理を吹き出しかける。
「よう!新人!あんまり気負ってると持たないぜ!」
「いきなり何すんだよ!」
「新人に、冒険者組合のエースである俺様がアドバイスしてやろうと思ってな!」
見ると鍛え上げられた肉体にチェインシャツを着こみ、太い腕や顔にはいくつものキズを持ついかにも古強者といった男であった。
「エースってまさかアダマンタイト級か!?」
「おうよ!近々アダマンタイト級になる男だ!」
「違うじゃねーか!」
「ガハハハ!こまけーことはいいんだよ!このプラチナ級冒険者ソリッズ様が
お前に冒険者のイロハを教えてやるって言ってんだ。お前名前は?」
そういって男は強引にテーブルに腰かけてきた。
「おい!フェリ!お前も来いよ!!」
見るとフェリと呼ばれた人は、向こうのテーブルから杖を持ち上げいかにも迷惑そうな顔をしながら近づいてくる。
「まったく、いい迷惑。一人で勝手にやっておけばいい」
「何言ってやがる。後進の育成は先達の務めだろうが!」
フェイは深くため息を吐いた。
このフェイという人、顔立ちこそ非常に整っていて美形ではあるものの中性的な顔立ちで、髪は肩口ありでそろえられており、体型は小柄、つつましやかに膨らむ胸がかろうじて彼女であるということを主張していた。
「この顔は、とても失礼なことを考えている顔」
「いやいや、考えていませんよ。そんなこと!」
「ガハハハ!そりゃ誰がどう見てもお前はチンチク・・・」
ゴス!!
「いってーな!俺でなきゃあアバラの2、3本いってんぞ!?」
「どうやら全部折られたいらしい」
「まあまあ二人とも押さえて押さえて!」
俺があっけにとられて見ていると、赤毛が特徴の女が二人をなだめている。
「それであなたの名前は?あ、私はブリタね」
「佐藤一郎」
「サトイチロ???」
「佐藤・一郎だ」
「サト・イチロ?」
「もうすきに呼んでくれ」
前もそうだったが、どうやらこの世界では俺の名前はサトイチロと呼ばれるらしい。
「それでイチロ。お前、組合で受付にアダマンタイトになる方法を熱心に聞いてた
らしいじゃねーか?」
「ああ、ランクの上昇は受けた依頼の内容で考慮されるそうだが、アダマンタイトと
なるとどれほどの依頼が必要なんだ?」
「おうおう!大きく出るね~!いきなりアダマンタイト級のなり方とは!
まあギガントバジリスクくらいは倒せないと話にならねーだろうよ」
「そりゃあ、最終的な目標はみんな大体そうだろ?だったら一番気になるのは仕方ない
だろう」
「あんたね~、アダマンタイトってのがどれほど凄いのか分かってないでしょう!?
いい?アダマンタイト級っていうのはね、王国広しといえどたった2組しかいないの
よ?」
ブリタがあきれ顔で説明する。
「ガハハ!新人って言うのはこのくらいじゃなきゃあな!まあ口だけでは何とでも言え
るがな」
ギガントバジリスクという言葉に聞き覚えがあった気がしたが、続く言葉に俺は少し
ムッとする。
「だったら何だってんだ?模擬戦でもするっていうのか?」
「それでもいいがよ、ここは酒場だぜ?だったらすることは一つだろうぜ!」
そういって俺の飲みかけのビールをさす。正直あまり自信はなかったが、こう言われては受けるしかない。
「おっ!いいねぇ!やれやれ!!」
2人の勝負のはずが周りを巻き込んでの大騒ぎになるのであった。
「まだまだ~もういっぱ~い。」
意識がもうろうとするがまだまだいける!
「ここまでだな。まあ良くもった方か。」
「新人をいきなり酔い潰すなんて、ホント馬鹿」
「なんでだよ、組合にはこれでちゃんと報告できるだろうが!」
「もっといいやり方があった」
「冒険者なんてこんなもんでいいんだよ!まわりくどすぎるんだお前は!」
「ああ~これってあれだったんですか。どうりでソリッズさんいつもより威圧的だと
思ってました。」
「腕っぷしは分からねぇが、俺相手に中々度胸はあるぜ、こいつ。ブリタ!お前こいつ
の面倒見てやれ!」
「えぇ!?嫌ですよ!何で私が?」
「お前、いい加減ソロ活動じゃきついって思ってたんだろ?ちょうどいいじゃねか?」
「だからって、いきなり組めるわけないじゃないですか!」
「こいつは少なくとも度胸はあるし、悪い奴ではねぇ!一回組んでみてダメならすぐや
めればいいじゃねーか!」
「それはそうかもしれませんけど・・・」
「これから俺たちは組合に報告してくるが、何ならお前がここの払いもつか!?」
「わかった、わかりましたよ!面倒みればいいんでしょ!面倒見れば!!」
おぼろげにそんな会話を聞きながら俺の意識は落ちていった。