ハイスクールN×D Re:make   作:紺狐はボクっ娘信者

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これからは真面目に書きます()


月光校庭の鎮魂歌
19話


 とある日の休日。窓から差し込む日光で目を覚ます。ちゅんちゅん、と子鳥のさえずりが耳を擽る心地のいい朝だ。

 悪魔になったとしても寝起きというものは心地のいいもので、生を実感出来るというものだ。

 首から下には心地のいい柔らかい感触があり、甘いにおいが鼻腔をくすぐる。

 ……うん、気にしないことにしよう。そうしよう。赤よりも赤いストロベリーブロンドと紅髪が見えるけど、気にしないことにしよう。

「ん……ふわ……おはよう、いっせぇ……。ん……ごめん、なさい……あさ、よわいの……」

 待て、そうじゃない。なぜ布団の中にいるのかを聞きたいんだ。そしてなぜ全裸なんだ。露出癖でもあるのか。

「まじまじと見て……。私、寝る時は基本裸よ……?裸じゃないと、寝られないのよ……」

 それはご馳走様……じゃない。真面目にそんなことを話したいんじゃない。

「何で俺の布団にいるんだよ。別に準備……というより、ベッドに寝かせたろ」

 そう、本当なら俺が床に敷いてある布団で寝て、リアスがベッドに寝かせたはずなんだ。昨日はそうしたんだ。

「私がイッセーと寝たかったのよ。それ以上に理由が必要かしら」

 上目遣いで見つめるのは卑怯だと思う。

「嫁入り前の女の子が易々と男に肌を見せるのはダメだと思うけどな」

「イッセーが貰ってくれないの?破談にしたのは貴方なのよ。それにプロポーズも」

「……それを言われると辛いとこだけどな」

 ただ、この現状を誰かに見られたら大惨事だよな。体勢としては全裸のリアスに押し倒されてように見えなくもない。変な誤解を受けるのはこりごりだ。

「誰か来ても困るから、早く服を……」

「イッセー、いつまで寝てるの?早く起きな……よ……?」

 バッドエンド。野生のこよみが飛び出してきた。

「なぁ、こよみ」

「なに、イッセー」

「こんな時、どういう顔したらいいか分かんないんだ」

「笑えばいいと思うよ」

「……ごめんなさい」

 結局、俺は朝からどやされることとなったわけだ。

 

 

 俺がリアスとの同棲を始めた理由。それはコカビエルから守るということが一番だった。

 コカビエルは堕天使の幹部ということもあって、普通に強い。そう、普通にだ。光の出力はそこらの堕天使相手でも消滅させられるほどに高く、徒手空拳もかなりつよい。そう、一般的に見れば。そんなやつと、リアスが戦ったら先ず殺される。明らかに時期尚早だ。

 かと言って、サーゼクス本人が護衛につくわけにもいかない。いかにシスコンでも魔王だから勝手なことは出来ないだろうし。やりそうで怖くはあるが。

 それで、結果論として俺の近くにいることでそれを防ごうという寸法だ。

「……ねえ、お兄ちゃん」

 ジト目で睨みつけてくる憂姫。

「なんだよ、憂姫」

「一応。本当に一応確認なんだけどさ、下心があって同棲してるわけじゃないんだよね」

「当たり前だろ。……この町でコカビエルに勝てるやつなんて極小数だろ。なら、確実に勝てるやつの近くにいた方がいい」

「イッセー、あーん」

 そういって焼きたてのウィンナーを目の前に差し出すリアス。

「ん、あーん」

 それを快く頬張る。うん、おいしい。パリッとした食感に、噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁。それに、朝に食べると数段美味しく感じる。朝の魔力というものか?

「現状を見て、そう思えないんだけど」

 明らかにイチャついてるようにしか見えないのは俺も思う。

「お似合いに見えるか、なんて冗談はやめとく。本当に命がいくつあっても足りない」

「それでいいんだよ、お兄ちゃん」

「朝からそんなに騒ぐことかしら」

「その騒ぎの元凶が何を言ってる。さっさと食べて出かけるぞ」

 その俺の発言で、二人の……こよみと憂姫の表情が変わった。

「ねえ、イッセー。出かけるってどこに」

「リアスとのデート……っていえば聞こえはいいか。ま、色々あるんだよ」

「で、デート?」

「だから聞こえはいいって言ってるだろ」

「イッセー、あまり意地悪するとみんなから嫌われるわよ」

「そんな冗談で嫌いになるようなやつじゃないってのは知ってる」

 そこら辺はちゃんと信頼してるところではある。

「第一、そんなことで嫌われたら遥とかアーシアとか、あとはセラとかと出かけてた時点で殺されるだろ」

「「「……でか、けた?」」」

 一瞬にして空気が凍りついた気がした。

「いや、結構な頻度で遊びに行ってたろ、俺。その相手がその三人の誰かって事が多いってだけで」

「いや、初耳だけど。遥からは一人で過ごす事が多いって聞いてたし。アーシアさんからは出かけるとしか……」

 あれ、これしくじったやつ?

「……てへ」

「それで誤魔化せるとでも?」

「ごめんなさい。いや、言い訳って訳じゃないけど、高校生になったら女の子と出かけることくらいするだろ」

「意中の女の子とするんだよ、普通は。友達だけで遊ぶってことはあんまりだよ」

「え、そうなのか?」

 割と友人感覚で遊びに行ってたけど。

「じゃあ逆に、どこに行ったのかな」

「アーシアとは喫茶店に行ったな。パンケーキとかを食べたし。セラとは前に遊園地に行ったし。遥とは前に猫カフェとか映画館に行ったっけ。カップル割が何とか」

「逆に、恋愛以外の何なのかしら……」

 ……まぁ、役得だったとは思うが。

「どうせ俺は無自覚天然タラシだよ」

「自分で言い出したらそれはただのクソ男だよ」

「だって……普通に話したり遊んだり……そういうのが楽しいんだよ……恋愛とかもいいけどさ……」

「遊び人、ってやつ?」

 随分と酷い言われようだ。

「てか、俺元々初恋の人はいるぞ」

「「「……え?」」」

「いや、俺も男なんだから恋くらいするだろ」

「……そういえば、そんなこと言ってたわね」

「ま、失恋したけどな」

「あー……聞いていいやつ?」

「まぁな。目の前で殺されたんだよ。俺の事を助けるためにな。……随分と昔の話だよ」

 深刻な……あまり話したがらないような表情を意図的に作ってみると、それ以上詮索されることは無かった。

 まぁ、話してて気持ちのいいものでもないからな。

「それで、デート先はどこに行く予定なの?」

「ん?教会。なんなら千夜先輩も一緒にだよ」

 結局の所、面倒事というものは続いていくものだ。……悪魔が教会とか、宣戦布告に行くようなものだが。

 

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