ハイスクールN×D Re:make   作:紺狐はボクっ娘信者

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イリナ出したくて出したくて書いてたけど、今回は音声でしか出てこないです
幼なじみはいいですよ。現実にはいませんが


20話

 千夜先輩とリアスと一緒に来た教会。

 以前、アーシアの一件で一悶着のあった廃屋だが、まぁ間違いはない。……まぁ、ここならまだな。本家の方に行ったら一発で戦争仕掛けに来たと疑われるレベルだし。

「休日に何故こんな場所に?」

 はぁ、とため息を吐く千夜先輩。

「少しな。元々ここは投棄された教会だろ?なら何か……面白そうなものでも眠ってそうでな」

「廃屋漁りなんで趣味が悪いわよ」

「普通ならな。ま、公的な理由があるんだよ」

「その公的な理由とやらを教えて欲しいわね。キングとして、あまり天界側を刺激するようなことはしたくないのよ」

「そこは大丈夫だ。俺、元々天界側の人間だし」

 数秒、二人はぽかんとした表情を浮かべる。

「……どういう、事かしら?」

「俺の幼馴染に紫藤イリナって奴がいたんだけど、そいつがキリスト教信徒で、子供の頃はそっちの方の奴らと話してたってだけ。ミカエルとかとは面識はあるが、まぁ許してくれるだろ」

「……スパイ、ってことは無いわよね」

「なんでスパイが本気でリアスを助けようとするんだよ。それに、スパイにならなくても魔王とかは協力関係にある程度には仲がいいし。むしろ喧嘩を売る方がデメリットだろ」

「……そう、よね」

「心配しなくても、俺は千夜先輩だけの兵士だっての」

 はぁ、とため息を吐くと千夜先輩は頬を赤らめていた。

「ほら、口説かずに早く行くわよ」

 呆れ顔のリアスさん。……俺、口説いてたか?

「ま、中に入れば俺の目的はわかるさ」

 そう言って二人を連れて教会の中へ。

 中は(俺のせいで)散乱しているけど、概ね無事か。

「ちょっと、どこに行くのよ」

「そんなに遠くじゃないさ。確か、この辺りに」

 そう言って、奥……隠し階段の近くの扉に手を当て、魔力を流し込む。

 すると、そこからとある剣が現れ、その柄を握る。特に変哲のないものだが、今回はこれに用があった。

「……それ、聖剣ね」

「ご明察。二人はこれに触れるなよ。怪我だけじゃすまなくなるから」

「イッセーはなぜ持っていて平気なの?」

 実を言うと聖剣には特殊なオーラが纏ってあり、悪魔が触れば肌が焦げる。普通なら、な。

「企業秘密ってことで。そんな事より、そろそろ帰るぞ」

「……その聖剣、もしかして」

「ま、その考えで合ってるよ。ほら、転移だ。早くしないと、な?」

「これ、私達がこき使われているだけな気がするわ」

「ご名答。要するにタクシーがわ……いたいいたい。ごめんなさい嘘です」

「よろしい」

 頬をつねるのは普通に痛いからやめてほしい。

「積もる話があるんだよ。リアスの眷属と千夜先輩に」

「「……?」」

 そのまま、俺達は有無を言わせずに旧校舎のオカ研部室に転移した。

 そこには予め集まってもらっていた木場、白音、朱乃先輩の三人が。

「……一誠君。休日に呼び出したと思えば、なんだい?それは」

「聖剣。エクスカリバーやデュランダルみたいな伝説クラスのものじゃないが、中々に高いものだぞ」

 そういうことを言っている訳じゃない、って顔してるな、木場。

「何故、悪魔である君が持って平気なんだい?いくら赤龍帝であろうと、悪魔がそのオーラに対して深刻なダメージを受ける摂理は変わらないはず」

「木場。聖剣を扱う際に必要な物を知ってるか?」

「適正。生まれながらに持つ資質が必要だよ」

「半分正解、半分不正解。ならその資質ってなんのことを言ってんだ?技術か?それとも体質か?」

「……それは」

「正解は因子だ。聖剣を扱う際に因子が一定量以上無いと人間であろうと容赦なく傷つける。ま、悪魔や堕天使はその比じゃないけどな」

「……そんな」

「そういや、一時期教会側の一部の信徒が暴走して人体実験を行ってたな。確か──」

「イッセー」

 ふと、言葉を遮られる。

「被験者なのよ、祐斗は」

 は?初耳だぞ、おい。

「それじゃあそんな話したのも、ここに呼んだのも相当性格悪いだろ、俺」

「……止める前に話をしたのはイッセーでしょう」

「ってか、おかしいな。被験者は俺の知る限り生きているぞ。なんで悪魔になってんだ、お前」

「生き、てる……?」

「てか、そもそもあの計画を潰したのは俺だぞ。偶然の産物だけどな。毒ガスで充満した部屋を吹っ飛ばして、憂姫に治療してもらってな。後遺症が残るやつも居たけど、それは天界側に治させたから、現状は被害者ゼロのはずだ」

「……何年前の話だい?」

「五年以上も前の話だ。それこそ修行してた頃のな。てか、その中でも神器を発現させてたやつもいたな。結界を生成する類のやつ。……ま、そいつも含めてな。もし、お前がその被験者なら連絡先教えてやるから、この一件が終わったら会いにいけよ」

「……うん」

 木場の頬には涙が伝っていた。それはずっと……今まで溜め込んでいたものを全て出すような。そんな感じの涙。

「ま、聖剣に関しては悪魔の天敵って覚えればいい。先代のデュランダル使いなんて化け物だぞ。サーゼクスみたいな逸脱者を除けば悪魔は全員屠られる」

「……すぐに話を続けるのは鬼ね」

 時間が無いんだよ、こっちは。

「で、この聖剣は記録媒体も兼用しててな。なにか情報があれば……って感じだな」

「って、聖剣を持って無事な理由の説明がないわよ」

「因子を神器で増幅してんだよ。元々の適正はあるんだけど、それでも念の為にな。天然物ってやつだよ」

「その言い方だと養殖物もいるような言いぶりね」

「木場の手前言いづらいんだが……その計画が、人工的に聖剣使用者を増やすって目的で実行されてたんだよ」

「知ってるよ。失敗作呼ばわりされていたからね」

「まずそこが間違いなんだよ。実験は成功してた」

「ならなぜ、僕達は処分を?」

「そもそも計画は聖剣使いを増やすためであって、お前らを聖剣使いにする計画じゃないんだよ」

「は……?」

「因子の結晶化。そしてそれを一般人が摂取することによって聖剣使いを増やすって計画だぞ。因子自体は誰でも持ってるから、それを抽出してって感じだな」

「まって、まって……」

「そもそも技術自体は確立されてるんだよ。安全な方法でな。だから一般人から援助という形で受け取っていたりはするんだけどな。ただ、人体に影響が出ない程度でな」

「じゃ、じゃあ……僕達は……」

「あまり明言はしたくないけどな。ま、全員生き残ってるから……なんてお気楽なことはいえねーよ。ミカエルもこの一件で計画に携わった全員を異端の烙印押して追放したし」

「だから、許せと?」

「んな訳あるか。お前は教会上層部全員を殴るくらいの権利はある。復讐するって言うなら止めはしないけどな」

「……」

「お前は、今の生活を壊したいのか?」

 結局の所、ここに行き着いてしまう。

 復讐というものは、追っているうちは甘美な毒でしかない。それを達成した途端に、その身を滅ぼす。劇薬のようなものだ。

「リアスの眷属としての生活は楽しくないのか?なんなら、お前が死んだと思ってたヤツらに生きたまま会うことも出来る。……復讐に走ったらそれを全て失うことになるぞ」

「……それでも、計画に携わった人間を許せない」

「なら俺も手伝うことにする。俺が居た方が大義名分にもなるだろ」

「……一誠」

「こういうのは気が晴れるまである程度した方がいい。一線は踏み越えないように監視はするけどな」

「……ありがとう」

「計算高いのね」

 はぁ、とため息を吐く千夜先輩。

「この場で話すなんて、大義名分を得るのと同時に納得させるくらいだろ。危ない橋を渡らないようにはするから安心しろよ」

「そういう問題かしら……」

 そういう問題だよ。

「兄様、ご都合主義を詰め合わせたような感じに見えますね」

 俺も考えてて思ったけど、確かにそうだとは思うけど。

「てか、冷静に考えて単独行動させてたらこいつ確実に死ぬぞ。はぐれ認定されて教会の連中……それこそ聖剣使いに狙われる。しかも教会でも屈指のな。そいつらを倒せたとしても、次は主の不手際ってことでリアス、もしくは俺が討伐に。どの道ってやつだ」

「……確かに、そうだね」

「ったく、お前は友達に自分を殺せって言うのか?おい」

「……ごめん」

「分かればいい」

 殺しなんてもうコリゴリだっての。

「とりあえずあれだ。辛気臭いのは嫌なんだよ。さっさとケジメつけて、飯にでも行こうぜ?」

「……うん、そうだね!」

 木場はまぁ……復讐なんて考えずに生きて欲しい。そう思うのは俺のエゴかもしれないけど、まぁ……いいか。

「ま、この聖剣は俺のでな。一時期情報を仕込めるように魔法陣を仕込んでたんだけど……ま、なにか新しい情報くらい入ってるだろ」

「つまり、誰かがその聖剣に情報を?」

「誰かが、って言うより天界側の奴が情報を追加するようになってんだよ。厄介事を押し付けるために、な」

「兄様は何でも屋……?」

「武力でどうにかなることはな。ま、これで因子を流し込めば映像、もしくは文面が現れる」

 そう言いながら、ゆっくりと聖剣に因子を流し込んで、情報を──。

『やっほー!イッセー君!任務で私、そっちに行くからよろしくねー!』

『イリナ。あまりはしゃぐのはどうかと思う。これはあくまで緊急の──』

『イッセー君と会えるのは事実だもん!いいんだもん!』

『あぁ、赤龍帝。イリナが暴走したので私から。コカビエルの一件、ミカエル様……もしくはアザゼルから聞いていると思う。それて教会側からはゼノヴィアとイリナが行くことになった。今日は……五月一日。その翌日には駒王の駅に着くと思うから、道案内をお願いしたい』

『あ、勝手に話を進めてー!あ、じゃ……またねー!イッセー君!』

 と、騒がしい女の子と冷静な女の子の声が響きわたり、音声は終了した。あのバカ、映像込みで記録しないでやがる。これじゃイリナもゼノヴィアもどんな姿かわかんないだろうが。

「え、えと……一誠君。今の声の主は知り合いかしら」

「紫藤イリナ。俺の幼馴染だよ。天界側の人間で聖剣使い。小学生に上がる前くらいに親の都合で海外に……って、そこまでしか容姿知らないんだ」

「向こうは知ってる様子だったけど」

「こっちが聞きたい……。電話はしてるけど、写真だけは頑なに送ってこないんだよな」

「嫌われてるからじゃない?」

「……普通にショックだからやめてくれ。あと、ゼノヴィアってやつは本当に知らないぞ。イリナとペアってことは聖剣使いなんだろうけどな」

「あらあら、イッセー君はメンタルが強くないのね」

「からかうのはやめてくれ、本当に。仲良かった記憶しかないのに、いきなり実は嫌われてましたー、なんてこと言われたら泣いちゃうだろ」

「先程の感じだとそれは無いと思いますけれど」

 本当かなぁ……。

「ん?って、今日何日だ?」

「今日がその五月二日ですわ」

「今の時刻は?」

「十二時、くらい。兄様、早く行かないと……?」

「……飯奢れば許してくれるかなぁ」

 はぁ、とため息を吐きつつ駅へ向かった。

 忙しい日、ってやつなのだろうか。……疲れる。

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