ハイスクールN×D Re:make   作:紺狐はボクっ娘信者

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25話 眷属、集めます

 眷属探しの旅、一日目。とでも言おうか。

 コカビエルの一件の後、条件付きで眷属を集めろと命令されたとさ!クソが。

 そんな短時間でメンツなんて集まるわけないだろ!?もっとこう……メンツを吟味しようと思ったのにさ。一部決まってるところもあるけどさ!

 あのアザゼル。絶対に後で泣かす。

「脳内うるさいわよ」

 と、冷静に突っ込む主様。何故か自宅のリビングに一緒にいる。ちなみにイリナとゼノヴィアも一緒だ。眷属は一緒にいる、ときかないからだが。

「で、なんでいるんだよ」

「眷属候補を聞きに来たのよ。トレードの都合もあるでしょう」

「ま、そうだな」

「私達以外に誰を選ぶの?」

 明らかに興味津々な様子のイリナ。

「僧侶としてアーシア。騎士として遥をトレードするのは確定事項になってるよな」

「あの子たちも望んでいるから、そこは止めないわよ」

「でもあんまり減らすと若手悪魔同士のレーティングゲームで詰むだろ」

「あ、私参加しないわよ。貴族の出じゃないから強制でもないし」

「あ、そういう縛りがあるのか」

「まぁ、お家同士の力の誇示という名目よ」

 まぁ、そうでしょうねとしか言えないが。

「ならリアスは参加するのか」

「ソーナもよ。あの二人は次期当主だから尚更ね」

「ふむ。あの二人も大変だな」

「大変なのは貴方よ。誰を選ぶのかしら」

「女王は決まってるんだけど、その他がな。特に兵士が困る」

「人数が多いから余計に、ってことね」

「はーい、質問」

「どうした、イリナ」

「なんで悪魔って兵士が一人だったり、四人だったり変わるの?」

「転生する時に駒価値が存在するからだよ。例えばお前を転生させるために俺の場合は兵士の駒を1個使うとするだろ?」

「うんうん」

「ただ他のやつは5個とか使うかもしれないんだ。主に対しての駒の価値ってやつだな。だからそこで消費する駒の数が変わるって訳だ」

「補足するなら、相手の状態によっても変わるわよ。瀕死の状態だとしたらわその時に行使できる力も変わるでしょう?そのタイミングで転生させれば駒消費も少なくて済むのよ」

「ま、そんなパターンはほぼないけどな。意図的にしたら信頼関係はなくなるし。何より死んでから一定時間以内に転生させないと魂が離れて転生させられなくなるしな」

「ふーむ。理屈はわかったよ」

「あ、ちなみにキングによって駒の価値は変わるから。俺の場合はだいたいのやつは兵士の駒1個消費だな。最上級悪魔の余程上の方じゃない限りは」

「はぇー……」

 なんだその反応、と思いつつも可愛いからスルーすることにした。

「それで、眷属候補とやらは誰なのかしら」

「わがままを言っていいならすぐに決まるんだけどな」

「と、言うと?」

「戦車にサイラオーグ・バアル。僧侶にサーゼクスが欲しい。兵士にはセラとか」

「無理に決まってるでしょ。バカ」

 さすがに分かってて言ってる。

「魔王様はさすがに無理だと思うよ」

「実力だけならあいつが最強格だろーって話だ」

「そりゃそうだろうけど」

 まぁできたとしても人格的に一緒には居たくない。確実にリアス関連で面倒事を起こすし。

「と言うかセラって誰?」

「魔王のセラフォルー・レヴィアタン」

「重ねて無理でしょ。実力以外にも立場を考慮して」

 そこまで言わなくてもいいと思う。

「それで、サイラオーグ・バアルと言うのは誰だい?」

 と、不思議そうな様子のゼノヴィア。

「若手悪魔の中でのトップのキング。俺が知る限りで肉弾戦最強のやつだな。リアスのいとこでもある」

「あぁ、それは無理だ。わがままも大概にしろ、イッセー」

 みんな辛辣すぎる。さすがに無理って思ってるのに。

「まぁ、冗談はともかく真面目な候補だと少しは決まってるよ」

「それを早く言いなさい。そろそろ殴るわよ」

「肉体派かよ、ご主人様。とりあえず僧侶としてレイヴェルが欲しい。あとアーシア。トレードで何とかならないかな」

「……レイヴェル?女の子?後、アーシアさん?」

 イリナの一言で一気に空気が重くなった気がした。

「フェニックス家の末っ子。ストレートにあいつの要領の良さが欲しいんだよ。マネージャーって言ってしまえばそうだけど、僧侶としてのバックアップ能力としても今から慣れてもらったとしてあいつ以上の人材って考えるのも難しいくらいだ」

「ふーん?」

「アーシアの場合は神器での回復量が貴重すぎる上に魔力操作も才能がある。まさに僧侶の恩恵をフルに受けられる能力してるからな。俺が選ぶならほぼ確定だ」

「あ、ハーレム作る気じゃないんだね」

「それで眷属の命を危険に晒す可能性もあるだろ。それにそいつの人生をめちゃくちゃにする可能性もある。それなのにハーレム言うほどアホじゃないっての」

「不可能では無いでしょうけど、そこは交渉次第でしょう。たしか兄の眷属からトレードで母親の方の眷属になってたはずよ」

「あ、そうなのか」

「って、なんで兄の眷属になってたの?」

「兄に頼み込まれて眷属になったら、実はハーレムに妹属性が欲しかったって言われてブチギレてた」

「何その脳内お花畑な兄」

 正直俺もそう思う。

「戦車が未定なんだよな。良い奴が思いつかない」

「あら。貴方の事だから白音って言うと思ったわよ」

「正直悩んでる。将来性を考えるならありだけど、無理やりトレードする形になりそうだし」

「私は喜ぶと思うけれど」

「まぁ、多分レイヴェルと喧嘩するって言うのが問題なんだよな」

「結局そこじゃない。それこそ話をして解決すればいいでしょう」

 ま、それはそうなんだけどな。

「白音欲しいんだけどなぁ。……決定でいいか」

「そうした方がいいわよ。確実に鼻を曲げられると思うわよ?そんな選び方で落とされたってなると」

 それはそれであとが怖い。

「女王はまぁ、カヤだろうな。そうしないと殺される」

「姉さんねぇ。妥当だと思うわよ」

「……姉さん?主の姉を娶るつもりなのかい?」

「言い方。ホントにいるメンツによっては戦争始まるから」

「そもそも、一応体裁上は一誠君の婚約者よ。一度死んだからそれが有効かは知らないけれど」

「……婚約者?」

「子供の頃の口約束だよ。再会してどう言われるかにもよるだろうな。ま、知らん」

「そんな人任せな」

「ま、実力は折り紙付きだぞ。下手したら俺より強い」

「なら、条件には余裕で当てはまるのかな」

「じゃあ、兵士はどうするのよ。八人も選ぶの?」

「イングヴィルドをスカウトする。あいつなら駒価値八個はあるだろ」

「……イングヴィルド?」

「イングヴィルド・レヴィアタン。俺が知る限りで悪魔の中でも最強格のやつだよ。面識無かったか」

「私は知らないわよ、そんな悪魔」

「あんまり有名じゃないのか、あいつ。下手したら俺も負けるのに」

「そんな悪魔が存在するのかしら」

「人間と悪夢のハーフで神器持ちなんだよ。その能力でドラゴンはほぼ完封される」

「一誠君特攻、と」

「さらに言うなら魔力もやばい。規格外尽くしの奴だよ。……なんか面倒事に巻き込まれてる気がしてきた」

「それだけ強いのなら、ねぇ」

「前は女神ニュクスに洗脳されてたからなぁ」

「大惨事じゃない」

「一応助け出してセラに保護させてたけど……会いに行ってみるか」

「私も着いてくよ」

「私もだ。眷属なのだから当然だろう」

「なら、正規手段で行くしかないか。転移で行くと下手したらはぐれ扱いされる」

「はぐれ悪魔、ってこと?」

「一度正規の手段で行かないと駒が登録されないんだよ。前にアーシアが転生直後に行ったことがあるけど、その時も世紀手段で手続きはしたからな」

「じゃあ、どうやって行くの?」

「……それはな」

 と、言葉を紡いで魔法陣を展開した。

「行けばわかる」

「随分と強引だね」

 どうせ行くメンバーしか集めてないんだからどうでもいい気はしていた。

 転移先はとある電車の中。賃金は既に四人分支払い済だ。

「……電車?」

「あぁ、そうだよ。これで人間界から冥界に行くんだ」

 と、人間界から冥界に移動した際に駒が登録された。それと同時にセラフォルーの領地に転移と忙しないことをしている。

「これ、合法なの?」

「ギリギリな。あんまりいい顔はされない。今度ゆっくりお邪魔させてもらうことにするよ」

 とりあえず転移したのは以前合宿をした別荘地。多分今の時間帯はここに……。

「あ、やっぱりいた」

 そこに居たのはセラ本人。朝はここでくつろぐってルーティーンがあったのは何となく覚えていたけど、まさか本当にいるとは思ってなかった。

「あ、イッセー君に千夜ちゃん。……その二人は?」

「俺の眷属だよ。騎士と戦車。騎士の方が紫藤イリナで、戦車の方がゼノヴィア・クァルタ」

「「よろしくお願いします、魔王様」」

 と、元気よく挨拶をする二人。

「ハーレムでも作ってるの?」

「まさか。実力込みでの人選だよ。……ってな。この二人は一度死んで、俺のわがままで転生させたんだよ。そしたらアザゼルから和平を結ぶためにお前を柱にするから眷属を集めろーって言われてな」

「あぁ、そういう。大切な子達なんだ」

「ま、幼馴染だしな」

「その返しはマイナスだよ、イッセー君」

 冷静に突っ込まれてしまった。

「私も眷属になりたかったんだけどな」

「立場がなきゃ確実に誘ってたよ。候補筆頭クラスにはな」

「魔王、やめよっかな」

「絶対言うと思ったよ。でもダメだ。お前の力が役に立ってんだから、今はそこで頑張ろうな?大活躍って聞いてるぞ?お前の働き。それに会えないって訳でもないんだから、な?」

「……ん、わかった」

「なんか女の子の扱いが手馴れてる」

 手馴れてるって言うな。

「それで、眷属の顔を見せに来た、ってわけじゃないんでしょ?」

「流石、話が早くて助かる。イングヴィルドを眷属にしに来たんだ」

「そうだと思ったよ。一応ここにいるから会ってく?」

「え、ここに居るの?」

「基本的にはここにいるよ。前は訓練の都合もあったからさすがに本家の方に移動してたけどね」

「あぁ、そういう」

 と、そんな話をしていると、がちゃりと音を立ててドアが空いた。

 そこにいたのは俺より少し小さいくらいの女の子。髪は腰まで長く、薄い紫色で美しい。スタイルもかなり良く、出るとこも出ているモデル体型。ただ、こどもっぽい顔立ちのせいでとても可愛らしく見えてしまう。

「……王子様」

 そう、一言呟いでジャンプして飛びついてきた少女を抱きとめて、軽く頭を撫でてみると、目を細めて気持ちよさそうにしている。

「紹介するよ。この子がイングヴィルド・レヴィアタン。レヴィアタンの末裔で最強クラスの強さを持つ女の子だ」

「待って、その前に看過できない言葉が聞こえたから。王子様って何」

「……私を助けてくれた、王子様。私の、私だけの」

「あぁ、前に助けた時にそう言われるようになったって感じだな。別に嫌なことでもないしな」

 ジト目で睨みつけられてるけど一旦スルーしよう。

「な、ヴィル。俺の眷属にならないか?兵士として転生させたいんだけど」

「どうして?私と、一緒にいたいの?」

 一瞬、空気に亀裂が入った気がした。これ答えを間違えるとバッドエンドなやつだ。

「当たらずとも遠からず、ってやつだ。今強い眷属を集めててな。ヴィルが俺の知る中でフリーな上に最強クラスの実力を持ってるからな。それに、知ってるやつの方が良いだろ」

「……それじゃ、やだ。お前が欲しいって、言って欲しい」

 これ以上爆弾を落とさないでください。

「……はぁ、わかったよ。俺の兵士はお前しか考えられないんだよ。強さの前に、お前個人としてな。俺のものになってくれ。お姫様」

「ん、わかった。王子様っ」

 最終的に駒を八個使い俺の眷属に転生させましたとさ。めでたしめでたし。

「このイチャつきをあと何回か見ないといけないの?」

「どうせ家に帰ったら甘えるんだろ。少し我慢してくれ」

「……ぶぅ」

 あ、拗ねた。とても可愛いけど、あとが怖そうだ。

「ちなみに私との埋め合わせもお願いね」

「……はい」

 セラには本当に頭が上がらない。

「貴方の心の声を聞いているのがいちばん楽しいわ」

「人の不幸は蜜の味ってやつか」

「そんな所ね。苦悩してる様を見るのは楽しいわ」

「いい性格してるよ、ほんと」

 絶対後でなんか復讐してやる。

「じゃ、次はフェニックス家か。このペースだと一日で終わりそうだけどな」

「フェニックス家の令嬢をそんなに簡単に眷属にできるかな」

「ダメ元で行くしかないだろ」

 と、今度はヴィルも含めた五人でフェニックス領へと転移した。

 以前にフェニックス家の当主と話したことがあったから案外すぐに豪邸の前にたどり着くことが出来たけど、本当に人脈って大切なんだなってつくづく思う。下手したら不審者扱いだもん。アポ無し突撃とか。

「それにしてもすごい豪邸だね」

「フェニックス家って言ったら相当な金持ちだからな。フェニックスの涙って完全回復アイテムを独自で作れるから、それが1つ何億とかするおかげでな」

「もちろん、それ以外にもありますよ」

 他愛の無い話をしている間に現当主のフェニックス公とその奥方が現れた。

「わざわざ御足労感謝致します。フェニックス公」

「君がそんな敬語を使うとはね。よっぽどの案件だと思うけれど……まさか、レイヴェルを娶りにきたのかい?」

「ご冗談を。レイヴェル様はまだ人間界の年齢で換算するのであれば、まだ高校一年生程度でしょう。法が許しません」

「そうかい?であれば、どのような用事……いや、こんなかたっるしいしゃべり方はやめにしよう」

「ま、その方が早いか」

 と、一気に俺と現当主様の雰囲気が明るくなった。

「率直に言うと、レイヴェルを俺の僧侶として迎え入れたい。俺が最上級悪魔に昇格して駒を貰ったって話を聞いてるだろ」

「あぁ。その件については素直に感謝を言おうか」

「まぁ、その時に色々あって……ここだけの話だけど、悪魔と天使、堕天使で和平を結ぶんだよ。で、その仲介役というか柱役に俺を使うから眷属を集めろって言われたんだ」

「それで?何故そこでレイヴェルを選ぶ。レイヴェルは優秀だとは思う。ただ、経験が浅い。何より実力が伴っていないだろう。君の趣味と言われても文句の言えない状況になる」

「流石に容姿だけで眷属にして、そいつの人生狂わせる程あほじゃねーよ。率直に僧侶としてのポテンシャルは高いと俺が判断した。それ以上の理由が必要か?」

「と言っても、大義名分は必要だろう。理由は説明できるんだろう?」

「単純に作業の効率化に明らかに長けている。さらに言うなら魔力量も多く、才能だけで言うなら俺の見立てだと兄妹一だと思うレベルだ。経験なんてものは俺と一緒にいたら自然と蓄積されるだろ。実力も同じくだ」

「ふむ。概ね私と同じ意見だが……」

「一誠様。レイヴェルを女性としてどのように見ていますか」

 奥様。突然爆弾を落とさないでください。

「……本音を言わなきゃダメ?眷属の前だよ?修羅場になる可能性あるよ?」

「一誠様。甲斐性は身につけるものですよ」

 随分と手厳しいことで。

「分かったよ。本音を言うならかなり魅力的だと思う。作業の効率化に長けてるってことは要領いいって事だし。前に食べたレイヴェルのパンケーキもかなり美味しかった。単純に恋人や嫁として告白してもおかしくないほどに魅力的だと思うよ。それに……」

「それに?」

「かなり美人だと思う。率直に可愛らしい容姿だと思うけど、それ以上に笑った時の顔が可愛らしい。それだけで前半全てが無かったとしてもお釣りがくるくらいに愛おしいとは思うよ」

「……結婚なされては?」

「だから爆弾落とすのやめてください。率直に僧侶として迎え入れたいのは本音だから、あと本当に年齢的に俺捕まっちゃうから。トレードをおねがいします」

「だ、そうよ。レイヴェル」

 ……はい?

「い、いい、いっせーさまっ」

 奥様の背後にはいつの間にかレイヴェルの姿が。……もしかして、甲斐性云々の話の時に転移させてたのか?耳まで真っ赤だし。

「ふ、不束者ですが、よろしくおねがいしましゅ……」

「……うん。よろしくな!レイヴェル!」

「あ、吹っ切れた」

 もう慣れた様子で反応を評価しないでください、イリナさん。

「本当に一誠君の脳内を除くと面白くて仕方がないわよ。退屈せずに済むわ」

 ほんとに覚えてろよ、この主様。

「君の修羅場は完全に自業自得だと思うよ」

「んな事言われなくてもわかってるよ」

 はぁ、とため息を吐きつつ僧侶の駒を奥様に渡してトレード成立となりましたとさ。めでたしめでたし。

「孫の顔は早めにみせなさい」

「き、気が早すぎです、お母様!」

 もう胃が痛くなってきた。下手な戦闘より辛い、これ。

「ちなみにさっきのセリフは録音してあるから、証拠が欲しい時は言いなさい?音楽のように聞いてもいいのよ」

「……勘弁してくれ」

「もうここまで来ると完全にギャグだよね」

「ギャグじゃなかったらそのうち刺されるよ、ほんと」

「それで、次はどこに行くのかしら。駒はどの程度残っているの?」

「一応、後はリアスから白音……塔城小猫をトレードして、アーシアを千夜先輩からトレードして終わりだな。明確に空きがある所はないよ」

「……そうですか。ティアマトはどうかと思ったのですが。実力者を手元に置くことは悪いことでは無いとは思います」

「あいつか……。使い魔なら考えるって程度ってことにしてくれ。あいつはさすがに手を焼く」

「……ティアマト?あの龍王の?」

「五大……今は四大か。その一角のティアマト様だよ。まぁ、色々とな。……ってか、俺使い魔いないじゃん。眷属含めていないやつ大半だし」

「今更気づいたのかしら……」

「明日にでも眷属全員で行きましょう。イッセー様」

 あぁ、これだよ。このピュアな感じ。今まで無かった感覚だ。

「一誠君。あとでおしおきね」

 いやだってアンタの場合恋心的なのはあってもピュアとは違うじゃん。

「……」

 顔真っ赤だけど、とりあえずこのままにしておこう。

「あとはグリゴリに行って、アイツを回収してトレードを終わらせるだけか」

「……あいつとは、どなたのことでしょうか」

「え?俺の初恋の人」

 場の空気が一気に凍りついた気がしたけど、気にしないことにしようか。気にしたらこの場で死ぬかもしれないし。

 

 

 結局の所、あれからグリゴリに転移した。

 グリゴリは要するに堕天使の組織。総督のアザゼルを筆頭とした神話に載ってる堕天使軍団って言うのが正解だ。

 一応合法な実験を行いながら神器や魔法に対する対抗策などを研究しているらしい。

「ようやく来たかよ、イッセー」

 呆れた様子のアザゼル。

「お前が眷属集めしろって言ったんだろ?」

「そうだけどよ。一番最初に来てくれると思ってたってブチギレてるぞ」

「あ、まじ?」

「大マジだ。さっさとしずめろ、主様」

 まだ主じゃないんだけどなぁ。

「……って、アザゼルこんな所にいた。さっさとサンドバッグに……って、一誠君!?」

「久しぶりだな、カヤ。……いや一夜(まや)の方良かったか?」

 目の前に現れた女性。千夜先輩と瓜二つの容姿にスタイルのいい体。……うん、涙が出てくるけど今は我慢だ。

「なんで私を先に転生させに来なかったのか説明してください」

「いや、お前が転生組だとトリだよ。その方がまとまると思ったが、ダメだったか?」

「……ダメ、じゃないですけど」

「それにお前のことは女王にする予定だったんだぞ。俺の右腕に。それで、一夜は何を望むんだ?」

「……ないです。隣に居られたら嬉しいです」

 よし、鎮圧完了。

「じゃあ改めて。久しぶりだな、一夜。あの事件以来か?オーフィスから聞いだけど、サプライズで会いたいから黙ってろって。そっちの方酷いだろ」

「あの幼女喋ったんですか!?」

「必要情報だけな。ま、再会できて良かったよ、一夜。……なんか湿っぽくなるなら」

「……一誠君。ううん。私も、とてもうれし──」

「ほら、二人の世界に入らない。お姉ちゃんももう少し節度を持って欲しいわ」

「……千夜?」

「気づくのが遅いのよ、バカ」

「随分と大きくなって……」

「……お姉ちゃん」

「私に似て美人になりましたね!って痛い!頬を抓らないで!」

「本当、このバカ姉……」

 姉妹仲が良さそうで何より。

「ねぇ、イッセー君。話が掴めないんだけど、主様のお姉さんが初恋の人?」

「不本意だけどな。こんな状況を見せられたら」

「ひっどい!私だって一誠君のこと……!」

「俺の事?」

「食べたくなりますね」

 こいつ変態か馬鹿だ。

「まぁ冗談はともかく。私だって初恋の人に会えて嬉しいですよ、一誠君」

「ま、いいか」

 下手にことを荒立てないようにしよう。

「それで、何故一夜なのかしら。あだ名?」

「ま、色々とな。二人だけの秘密だ」

「ねーっ」

 まぁ、面倒事になりそうだったら言うけど。

「もしかすると、このままだとイッセーのハーレムになるんじゃないか?」

「ハーレムって。全員俺に対して好意があったらな」

「「「「「「……」」」」」」

「なんだよ。その『またこいつなんか言ってるよ』みたいな視線」

「逆に今までの態度で好意持たれてないわけないでしょ」

 ……なんか前にもあったな、こんなパターン。

「じゃ、一夜。俺の女王になってくれ」

「分かりましたよ。我が主様」

 なんて可愛らしく呟いて女王に転生しましたとさ。

「俺が集めろって言ったのもなんだが、メンツがえらく恐ろしいな。レヴィアタンの末裔のロンギヌス持ちに伝説の聖剣持ちが二人。フェニックス家の天才に無限を司る龍神を媒体にして作った龍神亜種。そして挙句の果てには天才猫又と超強力回復役にグラム使い。なんだ?戦争でも仕掛けるのか?」

「こいつ殴っていいか?本当にフェンリルけしかけるぞおい」

「冗談だっての。あと残ってるのは僧侶と騎士か?その猫又と回復役のやつの。兵士はおそらくレヴィアタンの末裔で全部使ったんだろ?」

「イングヴィルドな。名前で呼んでやれよ。ま、ポテンシャル高かったのもあるけど……ま、全部渡したくなったんだよ」

「おーおー、お熱いね。少し残して妹を入れてやっても良かっただろうに。って、完全にお前ハーレムじゃねぇか」

「思ったけど。思ったけども、そこは言うなよ」

「……ハーレム作るために、私を転生させたの?」

 ほら、やっぱりこうなるじゃん。

「あーもう。率直に言うよ。実力云々もそうなんだけど、俺が一緒にいたい奴らを原則にしてるところも大きいんだよ。それが八割、二割が実力くらいでな。いや、九割以上が一緒にいたい奴らなんだよ。……みんな大切じゃだめか」

「その本心が聞けただけで十分だと思うけれど?」

 ……あれ、これ墓穴ほった?

「ん、わかった。ならずっと隣にいる」

「私が隣にいるって!」

「……私が初恋枠なんですから!」

「行こう、レイヴェル。遅れるとまずいことになりそうだ」

「……え、えぇ!?」

 やっぱりこうなったよ。

「まぁ、普通は眷属と王ではなく、王同士で婚姻を結ぶものよ」

「これ以上爆弾落とさないでくれ。ほんとにグリゴリが跡形もなく消し飛ぶぞ。……いや、それはいいか」

「よくねぇ!」

 お前の自業自得だぜ。

「で?お前ら使い魔はどうすんだよ。最強軍団に使い魔がいません、じゃシャレにならないだろ」

「あぁ、明日使い魔の森にでも行くよ。それこそソーナのところの新規勢がまだ居ないだろうし。そいつら誘ってな」

「そんだけいいメンツ揃えてんだから、下手なのを使い魔にするなよ?あそこ服を溶かすスライムとか触手とか出てくるから」

「誰がそんなの使い魔にするんだよ」

「出てくるから気をつけろって話だろ?」

「フラグ立てるな」

「てか行くってなると使い魔の森ら辺だろ?あのはしゃいでるおっさんがいる所の」

「ま、そうなるだろうな」

「あそこ、最近ティアマトが居るから気をつけろよ。たしかお前目をつけられてただろ」

「……行くのやめよっかな」

「会議は明後日だからな。それまでに集めろよ」

「鬼かお前」

 結局の所その日は解散となった。いっきに眷属が増えたから俺の部屋で一緒に寝ることになったヤツらが多くなったのはまた別の話。

 

 

 

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