松田柔は洞窟を歩いて行った。10分くらい歩いたところだろうか。そこは行き止まりになっていて、小さな空間がある。柔はその空間に幼稚園児ほどの子供が突っ立ているのを見た。思わず柔は声をかけた。
「どうしたんだい僕?なぜこんなところにいるんだ?」
【柔!!!そいつが悪魔だ!!!】
オクトの声を聞くや否や、柔は壁に打ち付けられていた。
「く…そっっ…」
{ハハハハ!俺こそがたこ焼きの悪魔パース。愚かな神オクトよ。人間の身体を借り復活することができたか。だがそのような脆弱な人間の身体。我の力の前では紙切れ同然。オクトよ!またお前を封印……いや!今度こそお前を殺してやろう!」
柔は悪魔のオーラですくんでいる
【柔よ今のお前の身体では、一瞬で破壊されてしまうだろう。今こそお前の真の力を見せる時である。手に持っているたこ焼きピックを汝の頭に突き刺すがよい。さすればお前の内に秘めたる能力が覚醒し「JOKER」として真に目覚めることになるであろう。】
「ちょ!!マテ茶!!!このたこ焼きピックを自分の頭に自分で突き刺せっていうのかよ!!??無理無理」
【大丈夫だ。死ぬことはない。形容しがたいほどの痛みは感じるであろうがな。】
「くそ…どっちにしろ死ぬんだったら一か八かかけてみるしかないか…どうにでもなれ!!!!」
形容しがたい。いや形容は簡単だろう。ただ光がまぶしいだけだ。おそらく太陽を1000kmの距離から見たくらいの明るさの光が柔を襲った。柔はあふれる高揚感と共にある記憶が蘇ってきた。さっきまで、ぼろぼろの服を着ていたはずの柔は、いつの間にか真っ黒なコートに身を包んでいた。
「そうだ俺はJOKER。俺の使命は世に蔓延る悪を撲滅すること。パース。まずはお前からだ!!行くぞオクト!」
【そうだ。JOKERお前の力を見せる時だ。手始めにあの悪魔を指さしながら「アギ」と叫んでみろ。」
「よっしゃ!アギ!」
JOKERの指先から炎が飛び出しパースのほうへ飛んでいく。炎はパースに直撃し燃え上がった。
{ぐわああ!熱い!}
「すげえ力だ!この力があれば世の中の悪に天罰が下せる。さあshow timeだ!!」
たこ焼きの悪魔パースとJOKERの戦いが始まった。JOKERはありったけの力を込めてパースに拳をぶつける。パースもそれに応戦し、呪文を唱え続ける。
{ブフ!!」
パースの口から無数の氷の破片が噴射された。JOKERはその鋭利な氷の破片を避けながらパースの懐へと潜っていった。JOKERの流れるような華麗な動きは、パースに認知される前に彼をパースの懐へ運ばせた。
「ウスノロ。アギ!!!」
彼の指先からまた炎が飛び出す。渾身の一撃である。
{ぐわあああああああ!!!あつい……あつい!!!!!!}
パースはもがき苦しんでいる。まるでそれは自分がDSをしていてセーブする前に充電が切れたかのように。
【JOKER。あいつはおそらく炎に弱い。もう一度アギを放ち悪魔を滅ぼすのだ】
{待ってくれ!!!俺はまだ死にたくない!ど…どうだ?お前に力を貸す。もう悪事は働かない。どうか俺を殺すのだけはやめてくれ。}
【話しても無駄だ。殺せ】
JOKERあたまはパースの頭を指さした。
「いや。殺すのはやめだ。第一、オクト。どうしてお前はこいつを殺そうとした?お前はこいつに封印された?」
【そいつは、悪魔だ。悪魔と神は元来相対する存在。お互いに憎みあう存在。どちらかが滅びどちらかが繁栄するまで争い続ける。ただそれだけの関係だ】
「そんなのこいつを殺す理由にほんとになるのか?どうだここは俺にこの悪魔を預からせてくれ。もしこいつがお前に危害を加えそうになった時は、俺もこいつを殺すよ。」
【しょうがない。本当は認めたくない。しかし、JOKER。わが依り代であるお前の頼みとなると話は別だ。】
「ということだ。パース俺たちの力になってくれるならお前を許そう」
{喜んで力になるぜ。お前は俺で俺はお前。今から俺たちは一心同体だ}
するとパースはJOKERの頭の中に飛び込んでいった。またJOKERをまばゆい光が遅った。目を開けると、柔は元のぼろぼろな服に戻っていた。
【まさかお前…ワイルドの持ち主か??複数の神や悪魔を一つの身体に…】
オクトは何か一人でぶつぶつ言っている。
松田柔は新たな一歩を踏み出す