ドンテンカーンドンテンカン、ドンテンカーンドンテンカン   作:コジマ汚染患者

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雄英編。
サポート科の試験内容をでっちあげました。多分ヒーロー科みたいに変な試験とかあるんでしょう。雄英だし(偏見)


第7話

『雄英高等学校 入学試験』

 

そう書かれた看板と、そびえ立つ雄英の校舎が見える異様な形の校門。

雄英という、ヒーローを目指す者なら一度は憧れるそこは、入試に向けて最後の追い込みをしている者、気負わず自身の持つ自然体で堂々とした歩みで向かう者、不機嫌そうに周囲を睨んでいる者など、様々な受験生で賑わっていた。

 

そんな中、ほんわかとした雰囲気を出す学生が二人。

 

「転んじゃうと縁起悪いもんね!」

 

「え、ええと・・・!」

 

緑谷出久と麗日お茶子。転びそうになっていた緑谷を助けた麗日は、それだけ言うとじゃあね、と先に進む。そんな麗日を緑谷はぼーっと見送った。

 

(女子と会話しちゃった!)

 

※していない。

 

とにかく気を引き締め、今度こそと一歩を踏み出す。麗日に助けられ、新たに得たチャンス(?)を逃すまいと、記念すべき一歩を踏み出しーーー

 

(またやっちゃった〜!?)

 

またしても盛大にすっ転んだ。もう助けてくれた名も知らぬ女子はいない。結局自分はこうなる運命なのか、と諦めつつ倒れていく緑谷。

 

「っと、大丈夫か?」

 

「え?」

 

しかしまたしても救世主は現れた。横からシュッと手が伸びてきて、体を支えてくれている。醜態を見られた恥ずかしさも2度目ともなれば少しは立ち直りが早くなり、慌ててお礼を言おうとしてふと思う。

 

(すごい筋肉・・・!十ヶ月間鍛えた程度の僕とは比べ物にならない!しかも見た目には僕とあんまり変わらないくらいのガタイなのに・・・)

 

どんな人だろう、と思い緑谷が顔を上げると

 

「!?うわぁぁ!?」

 

「お、おい、どーした?」

 

そこにはどんよりとした空気を背負った男子がいた。目の下には濃い隈ができており、服装は綺麗だがどこかくたびれたような印象を受ける。支えてくれた腕は確かに筋肉質だが、纏う雰囲気は異様に暗い。

 

「あ、えと、その、ありがとう!おかげで転ばずに済んだよ!」

 

「おう、お互い頑張ろうな・・・」

 

そう言って先に歩いていく男子。フラフラと覚束ない足取りで、たまに色んなものや他の受験生とぶつかっては謝りながら歩いて行った。

そんな彼を見て、緑谷はあれ大丈夫じゃ無いんじゃ・・・と感じたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・戦人さん、無事ですか?」

 

「おーぅ・・・何とかなー」

 

雄英高校のサポート科試験の全てが終了し、電車に揺られる帰り道。割と車内が空いていたため座れたのはありがたい。隣に座っている発目の珍しい心配顔に覗き込まれながら、口から煙を吐くような感じでため息をつく。

 

「試験中もものすごい早い段階で寝てるのが見えてましたよ?試験監督が歩いてきた時にはサッと起きてましたけど」

 

「あー、まぁ大丈夫、問題は解いたし自己採点も出来るからな。まぁ寝てたのは不本意だが、さすがに今の俺は寝ないと死ぬから」

 

『俺はお前のためのアラームじゃねーんだぞ全く・・・』

 

心の中でエボルトがぶつくさ言うが、関係ない。結局退院後三日間は寝る間も惜しんで勉強したんだ。一夜漬けどころか3日漬けだ、マジで死ねる。

 

「なるほど・・・二次試験の方はどうでした?」

 

「あー、そっちも多分オッケー。でもなんか監督役のパワーローダー先生が変な物見る顔してたけどな」

 

しばらくの間ひたすら試験のことや問題の内容についての考察等の話題で話し込んでいると家の最寄り駅へと着く。

 

「・・・おい発目、なんでお前まで降りてんだよ。お前はまだ先の駅だろ?」

 

「あはは、えーとですね・・・」

 

妙に歯切れの悪い発目を訝しんでいると、照れ臭そうに笑う。

 

「その、例のスーツについて色々とお話を聞きたいなーって」

 

「ああ、そう言うことか」

 

なるほど、発目はサポートアイテムに関しては向上心の塊みたいな奴だからな。001やらビルドのドライバーはさぞ気になっただろう。

 

「いいぜ、簡単なことだけなら教えられるし。・・・あんまり聞かれたくない話だな、俺ん家来るか?俺以外に人いねーし」

 

「・・・えっ?」

 

異様に驚き動揺が隠せない発目・・・なんだ?

 

「・・・?なんかこの後用事でもあんのか?」

 

「あいや、えっと、その、あーあそこにいい感じのファーストフード店がありますよ!あそこの角の席とかにしましょう!私奢りますよ!さあさあ早く!」

 

「え?あ、おう。ちょっと待て押すな押すな!」

 

なんだか慌て始めた発目に背中を押され、俺たちはそのまま大手チェーン店の中へと向かったのだった。

 

 

 

 

「なるほど、つまりはあのベルトと装填するキーやボトルが基となっている仕組みなのですね?」

 

「ああ、プログライズキーのデータとかフルボトルの成分とかを抽出して見に纏っているような感じだ」

 

流石に女子から奢られるような銭なしじゃないから普通に自分の金で買ったポテトを齧りながら、ハンバーガーを咀嚼する発目の質問に答えていく。たまに答えられないことを聞かれて返答に困ることもあったが、大体の話を発目は当然のように理解していく。

 

(こうして考えると、やっぱり天才って呼ばれる存在なのかねぇ発目は)

 

「・・・ん?何ですか?」

 

ぶつぶつと呟いていた発目が俺の視線に気づき訪ねてくる。まぁ、特にやましいことはねーんだがなんだが悪いことしてる気分だ。

 

「いや、なんとなく見惚れてた。随分と理解が深いんだな?」

 

「そうはっきりと言われると照れますね・・・。ええ、少し私もスーツタイプのアイテムに興味が湧きまして!」

 

「ほーぅ?」

 

どうやら発目は俺のライダーとしての姿に触発されてスーツ型サポートアイテムについて思うところができたらしい。

 

「ならちょうどいいな、明日行ってみるか!」

 

「?・・・ああ、そういうことですね!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・というわけで、今日のオリエンテーションはここまでだ」

 

『ありがとうございました』

 

「「ではっ!」」

 

「な、なんだあいつら?」

 

「すげー勢いで出てったぞ?」

 

発目と戦人のクラスメイトでは、終了とともにダッシュで出て行ってしまった二人を見て不思議に思うのだった。しかし流石はサポート科と言ったところか、すぐにそんな事は忘れ去られ、各々が友人や初対面のクラスメイトと一緒にアイテム談議に花を咲かせるのだった。

 

 

 

 

 

 

「「とゆうわけで、さっそくお願いします(ね)!!」」

 

「なんだまたお前か・・・増えてる・・・!?」

 

翌日、始業式と簡単なオリエンテーションを済ませた俺と発目は、全力で開発のための工房へと走った。白い煙が出るほどの勢いでブレーキをかけ、思いっきり扉をあけ同時に頭を下げる。

 

「あー・・・発目はまぁ分かるんだが、もう一人・・・たしか乾だったか?はなんだ?」

 

若干引いてるような雰囲気を醸し出しながら聞いてくるのは工房の責任者である教員、掘削ヒーローパワーローダー。どうやらすでに発目は来ていたようだな。いつの間に。

 

「俺・・・自分は一年の乾 戦人、発目さんの同級生です。サポートアイテムの開発を早速工房でやらせて頂きたくやって来ました!」

 

「お前もか。まぁ発目に許可出しちまった以上一人増えようが構わねぇな。適当に好きな機材使いな」

 

そう言って自分の作業台に向かい直す先生。ふと隣を見ると既に発目はおらず、生徒用の作業場で嬉々としてアイテムを弄っていた。

 

「よっし、じゃあ俺もやるかな。エボルト、頼むぞ」

 

『あいよ。まぁ頑張れや』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「戦人さん!これとかどうですか!?」

 

「あぁ?いいんじゃねぇの・・・って待て、なぜ俺につける!?」

 

(全く、こいつらは随分とやりたい放題だな)

 

チラリと二人の生徒を眺める。一人は発目明。入学式が終わるや否や突然工房へと姿を見せ使用許可をねだって来た生粋のアイテム狂だ。

 

『こんにちは!いいですか?いいですよね!?』

 

その圧力に思わず許可を出してしまったが、実際こいつは天才と言っても過言では無い女生徒だった。たった1日でアイテムを一つ完成させたのだ。帰らせた後にこっそり試したが、プロ用のアイテムを作っているメーカーにも比肩しうると感じた。

 

「さぁ行きますよ、ポチッと!」

 

「ちょ、おい俺の意思は!?・・・って、あだだだだだだ関節が!関節がパニック!?」

 

「おっとストップ!すいません、どうやら関節の稼働範囲の設定を入れ忘れてました!」

 

「アホ!!なんでそんな大事なモン忘れんだ!っつーか俺は俺のやる事があるんだよ!」

 

(・・・たまたまだった可能性があるな)

 

そして、その発目のアイテムの餌食となりながら説教をしている男子生徒。最初は名前を聞いてもピンとこなかったが、先ほど思い出した。やべーやつだ。

 

「・・・乾、か」

 

 

 

 

 

 

 

それはサポート科の二次試験のことだった。ヒーロー科に戦闘試験があるように、サポート科にも特殊な試験がある。その二次試験とは、アイテムの作成だ。使える素材は大量に用意されており、中には俺の作ったアイテムの余りとして持て余していた材料もある。若しくは、自分が作ったものを持ってくるのでも良し、ただしその場合評価は厳しくなると言った試験内容だった。

 

「そこにある材料は使って構わない。個性も有用ならそれも可だ」

 

「・・・」

 

俺ともう一人、試験官役をしていた教員(ヒーローでは無かったな)がみている中、試験開始の合図をしても一向に動かない乾。その時から既に他の受験生とは違う雰囲気を感じていたが、それでも当初は「妙なやつだな」程度の認識だった。

 

「すいません、持ち込みの方でもいいですか?」

 

「?ああ構わない。ただし、入試要項にもあったと思うが持ち込みでは評価が厳しくなるからね」

 

「はい、了解です」

 

試験官役が注意事項を伝えるが、涼しい顔で頷いていた。持ち込みは確かに可能とされているが、実際の所持ち込みで合格できた受験生は今まで数えるほどしかいない。まぁ評価基準がプロの査定と同等なのだから当然だ。

 

「では・・・」

 

(?なんだあれは?)

 

乾は懐に手を入れ、小型の黒い銃のようなものを取り出す。みたことのない形状で、ただの銃というには歪だが、サポートアイテムとして見てもそう大したものには見えない。

 

「えっと、何か目標とかって有りますかね?こう、これを壊せるくらいのアイテムをー、とか」

 

「え?ああ、それならそうだね、あの壁を削り取る、とかかな」

 

二次試験会場が体育館という利点を活かし、試験官役がコンクリートの壁を指差す。たしか二年生の授業でセメントスが作った壁だ。後で直すとは言っていたが・・・

 

「じゃあ遠慮なく」

 

壁を見てニヤリと笑った乾。すると手に持った銃をクルリと回し、壁に向かって構え・・・ない。もう片方の手をポケットに入れ、妙な形のボトルのようなものを取り出す。

 

「なんだ・・・?」

 

バット!

 

そのままそのボトルを銃へと装填する。妙な音声が流れ、不吉な音楽が鳴る。乾はその銃を真下へと向け、ニヤリと笑った。

 

「蒸血」

 

ミストマッチ!

 

バット・・・バ、バット・・・!

ファイヤー!

 

銃から黒いモヤのような蒸気が溢れ出し、乾を覆う。そしてその煙の中からまたしても音声が流れ、少しして火花とともに蒸気が晴れる。

 

「なんだ・・・?」

 

そこにいたのは、もはや乾では無かった。黒い体に所々蝙蝠のような意匠があるスーツ、乾はそれを纏っていたのだった。

 

「(少しくらい派手な方が記憶に残るかな・・・)行きますよ」

 

「あ?」

 

バット!

スチームブレイク!

 

銃から音声が鳴るとともに黒っぽい・・・エネルギー?のようなものが銃口に集まっていく。やがてバスケットボールほどの大きさになると、乾が引き金を引く。

 

「っ!これは・・・」

 

「・・・ま、こんなもんか」

 

そこにあったはずのコンクリートの壁は、粉々どころか跡形もなく消滅していた。隣で見ていた試験官役が唖然としているが、俺としては興味が湧く。

 

(あんな小さな銃程度でこの威力・・・装填していたボトルも纏っているスーツも気になるな。まさかこんなクオリティのものを入学前から作るか・・・!)

 

「えー、と・・・ありがとうございました」

 

「!ああ、お疲れさま」

 

纏っていたスーツを解除し、一礼して去っていく後ろ姿を見ながら、その受験生の合格を俺は確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・だったんだがなぁ」

 

「発目ぇ!それはそうやってこじ開けるもんじゃねえ!壊れるからやめろ!返せ!」

 

「いいじゃないですか、もうちょっとで開きそうですし・・・!」

 

回想を終え騒いでいる二人を見る。どうやら黄色い何かを発目がこじ開けようとしており、乾が必死で止めているようだ。力任せにこじ開けようとするせいか、ミシミシと嫌な音が鳴っている。・・・なんにせようるさいな。

 

「お前ら、いい加減にしねーと出禁にするぞー?」

 

「「すいません!」」

 

騒いでいたのがウソのように直角で頭を同時に下げる二人を見ながら、今後こいつらの面倒を見るのかと思うと胃が痛くなってくるのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帰り道、発目と別れ家へと帰る道。発目がこじ開けようとしたライジングホッパープログライズキーを確認する。・・・どうやら壊れてはいないようだ。

 

「あんの野郎、いやあいつ女子だけど。馬鹿みてぇに力入れやがって、壊れたら最悪だ!」

 

『最後らへんは開きそうな気配してたけどなぁ』

 

「あんな開け方で開いてたまるか!ゴリラじゃあるまいし、開けれるわけねーだろ!ロックかかってんだぞ!?」

 

全く何だってそんなに自分でやりたがるんだか。おかげで帰る前にプログライズキーの点検までする羽目になった。

 

「・・・ただいま」

 

自宅へと帰り、静かに玄関を開ける。隣の部屋のおっさんが面倒だからこの時間いちいち静かに過ごさなきゃいけないのが面倒だ。部屋に入り、鍵を閉めると鞄をその辺に放り洗濯物を取り入れる。

 

「さてと、明日もオリエンテーションか・・・ヒーロー科はたしか戦闘訓練も出来るんだよな。いいよなぁ、公然と戦える、って事は鍛えられるんだからなぁ」

 

『ならお前も昔見たいにやってみるか?ヴィラン退治』

 

「・・・いや、やらねぇし。もう疲れた、少し寝る」

 

『・・・そうかい』

 

愚痴を言いつつも手は止めずやる事を済ませた俺は、晩飯を食う気にもなれずそのままベッドへとダイブしたのだった。

 

 

 

『好都合だ』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・おい、黒霧。ロクな奴が集まらないじゃないか」

 

「そう嘆くものではないですよ死柄木弔。まだ集める時間はある。それに、この辺りにもまだ使えそうな者なら吐いて捨てるほどいるでしょう」

 

夜の帳が降りた都内の路地裏。ひっそりと佇むバーの中に男が二人。

一人は、バーテンダーのような格好でコップを拭いている礼儀正しい口調の男。それだけならただの店主、と言えただろう。が、その男は普通ではなかった。バーテンダー服の上、頭のあるだろう箇所には黒いモヤが湧いており、その表情や素顔を知る術はない。個性で人の特徴にない顔の人もいるが、それとは違う不気味な雰囲気を持ったその男は、黒霧という。

 

もう一人は更に異質だ。カウンター席に座る後ろ姿だけなら普通の男性と言える。しかし、正面から見ればその顔には人の手が張り付いていた。白い死人のような手が顔を鷲掴んでいるようなその姿は、心臓を握られたような恐怖を感じずにはいられない。男は、死柄木弔と呼ばれていた。

 

「だとしても最近の成果はクソだろう。全く、ただ日々を無意味に生きているだけの奴が多すぎる」

 

『じゃあ少し刺激を提供しようかぁ?』

 

「「・・・っ!」」

 

突然バー内に響いた第三者の声に黒霧がモヤを噴出しながら入り口を睨む。死柄木もバッと振り返りいつでも攻撃できるよう手をぶらつかせる。

 

「・・・誰だ、お前」

 

『チャオ。ちょっと通りすがっただけのナイスガイさ』

 

「いつの間に入ってきた・・・!?ドアは鍵がかかっていた、それにその先には集めたチンピラ達がいた筈!」

 

『おお、これか?まぁいい運動にはなったぞ』

 

侵入者へと警戒を怠らず質問する黒霧。死柄木は手をいつでも襲い掛かれるよう構え、睨みつける。対して招かれざる客はニヤつきながら入り口にもたれかかっており、その手には気絶したチンピラをぶら下げていた。黒霧はいつでも個性を使えるようモヤを相手の付近へと伸ばして相手を囲む。

 

「質問に答えろよ・・・お前は、誰だ。二度は言わねぇぞ」

 

『おっと、血の気が多いねぇ。・・・そうさな、気軽にスタークとでも呼んでくれ』

 

「本名は」

 

『スターク。悪いがこれは本当だぜ?』

 

周囲をモヤに囲まれながらもその声からは喜色が感じられる。死柄木は相手の態度にイラつきながらも、取り敢えずはいいと妥協する。チラリと目配せで黒霧へモヤを収めるよう指示する。

黒霧はなおも躊躇っていたが、数秒の葛藤の後モヤを収めていく。

 

「それで?お前は何が目的でここに来た。つまらないこと言ったら殺すからな」

 

『おおこわ。じゃあ言わせてもらうぞ・・・俺を雇わねぇか?』

 

「・・・はぁ?」

 

『こう見えて情報通でな。色々と教えられることがあると思うぜ?』

 

「何かと思ったら売り込みかよ。もういい、さっさところs」

 

『雄英高校の教員について、とかな』

 

殺そうと動かしかけた手がピタリと止まる。その様子に内心でにんまりと笑いながら、スタークは続ける。

 

『そうだな、少し俺の指示したタイミングで時間稼ぎさえしてくれれば、カリキュラムとかも持ってきてやる。報酬は後払いでかまわねぇよ』

 

「・・・いつだ」

 

「死柄木、信用するのですか?このような得体の知れないやつを」

 

驚愕する黒霧にひと睨みしてから、死柄木はスタークを睨む。目的が達成されたことを確信したスタークは、嬉しそうに手を叩く。

 

『よぉし交渉成立だ!そうだな、数日後、またタイミングは教えに来る。それまでにそちらの方でもこっちの方を用意しとけ』

 

「おい、今決めろ。それに条件がある」

 

『いやいや、まだ正確に決めるのは難しいな・・・条件を聞こう』

 

「こちらの情報はやらない。それと、ちょうどいいからお前も俺たちの計画を手伝え。情報以外にもやる事はある」

 

『ほっほぉ〜、まぁお前らの情報についてはこれ以上探る気はないさ。協力に関してもこちとら自由が無くてな。無理ってことになる』

 

「・・・いい加減にしろよおm『スターク』・・・チッ、スターク。お前の方からは条件を出しときながら、こちらの条件は聞かない気か?」

 

『おいおい、俺は別に協力しない、とは言わないぜ?カリキュラムとかの雄英の情報はお前にやるさ。ただ、俺も完全に自由ってわけじゃないからな、少々ここに来るのにも手間がかかっててな』

 

「・・・」

 

『・・・』

 

静かな睨み合いが続くなか、最初に折れたのは死柄木だった。

 

「・・・とにかく情報を持ってこい。それによって雇うかどうか決めてやる。そうだな、教員名簿を持ってこい」

 

『そうこなくっちゃなぁ!ま、待ってな。また来るからよ、チャオ』

 

そう言って手をあげながら、スタークはドアを開けて出て行った。それを見送る黒霧と死柄木の顔には「面倒なやつに引っかかったな」という感情が見えていた。

 

「・・・ドアは施錠した筈だったのですが。それよりも死柄木弔。本当にあんな奴を頼るのですか?」

 

「・・・何にせよ場所を知られてる以上下手に敵対はしない方がいいだろ。それに、情報を持ってこいとは言ったがそれを信じるかどうかは別だ。その情報の信頼性如何で本命のヒーロー科カリキュラムの情報もまた持ってこさせるか決める」

 

そう言って死柄木はカウンターに置かれていたグラスを手に取る。するとグラスはみるみるうちに崩壊していった。

 

「あいつが信用できない奴だと分かったなら、すぐに殺すだけさ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

pipipipi! pipipipi!pipipipi!

 

「・・・朝か」

 

『おう、もう起きたか』

 

翌日の朝、カーテンを開けて日差しを受ける。目を細めながらもその光で完全に冴えてくる頭で、今日の予定を思い出していく。

 

「?なんか体が重い・・・昨日はそんなに動いてない筈なんだが」

 

『変な体勢で寝てたからだろ?なかなかに個性的な寝相だったぞ』

 

「うるせぇよ」

 

朝から腹の立つ奴だ。取り敢えず重い体を引きずるようにして寝床を這い出し、通学の準備をして着替える。朝食は何にするか・・・

 

「・・・ぁふ、なんだ、寝た筈なんだがな」

 

不意に眠気が襲ってきて、思わずあくびをする。なんだか今日は妙な気分だ、寝床を変えたからか?

 

「さて、取り敢えず準備よし」

 

靴を履き、ネクタイを締めながらドアノブへと手をかける。

 

「・・・行ってきます」

 

誰もいない部屋に静かに告げ、今日も1日が始まる。

 

 

 

 

 

『いってらっしゃい、弁当持ったか?忘れもんは?定期持ったのか?』

 

「テメェは母親か!」




雄英編なのに雄英での話があんまりない気がする。
あとパワーローダー先生も発目と同じで微妙に性格ってか口調を把握しづらい。でも見た目とかしゅき。
駆け足で体育祭まで行けるかな・・・

何とは言わないが暴走系フォーム

  • メタルクラスタホッパー!
  • ドンテンカーンドンテンカン
  • プットーティラーノザウルス!
  • ファング!ジョーカー!
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