個性[超人]   作:2NN

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雄英体育祭

 雄英高校体育祭当日、正門前には多くなマスメディアが群がっていた。その理由は雄英高校の敷地内に入るための入場検査だ。ヴィランの襲撃を受けて厳重になっているのだ。開催に批判的な声もあるがセキュリティを強固にすることによって批判的な声を跳ね除けている。

 

 正門を越えると中には屋台が並んでおりお祭りをやっているのかと思ってしまうほどだ。例年の注目度が高いのは三年ステージだが今年に限っては一年ステージが目玉と考える人も多い。

 

 もうすぐで開会式が始まるであろう中で生徒達は控え室にて待機していた。

 

「あーあ、やっぱコスチューム着たかったなぁ・・・」

 

「公平を期すため着用不可なんだよ。」

 

 個性の足りない部分やその逆で伸ばしたい部分を補うのがコスチュームの役目だ。物によってはコスチュームで有利不利が出る事もあるためなるべく公平にするために全員が体操服で出場する。体育祭についての話を生徒達がしていると入り口から飯田が扉を開いて入ってくる。

 

「みんな!準備はできているか?もうじき入場だ!」

 

 その声を聞いて深呼吸する者、手に人を書いて飲み込む者など反応は様々だった。

 

「緑谷。」

 

「轟くん。何?」

 

 轟が緑谷に近づき話しかけてくる。その雰囲気は鋭くとっつきにくい印象を与えられる。

 

「客観的に見ても、実力的に見れば俺の方が上だと思う。」

 

「う、うん。」

 

「けどお前、オールマイトに目かけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが・・・お前には勝つぞ。」

 

「おいおいおい急に喧嘩腰でどうした?直前にやめろって。」

 

 学年でトップクラスの実力者による宣戦布告を聞いて切島が止めに入る。雰囲気が最悪の中で話しかける切島のメンタルも相当なものだ。

 

「仲良しごっこじゃねぇんだ。なんだっていいだろ。」

 

 肩に乗せられた手を払い緑谷から離れた轟は次にローレルの元へと近づいてくる。

 

「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってるのかわかんないけど、そりゃ君の方が上だよ。実力だって大半の人に敵わないと思う、客観的に見ても。でもみんな、他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で取りに行く。」

 

「・・・おう。・・・ケント、お前にもだ。戦闘訓練の時の借りはここで返す。」

 

「あっそ。」

 

 話しかけられたローレルは顔を向けず声だけで返事をする。

 

「おい、どうなんだ?」

 

 気のないセリフと反応に苛ついたのか轟は詰め寄って来る。このままでは何か言うまでずっとこのままかもしれない。開会式が始まれば轟も諦めるだろうがどこかに蟠りが残るとローレルは思った。

 

「私はヒーローになるためにここにいる、それだけ。ならあなたは?」

 

 

 

 

 

『HEY!刮目しろオーディエンス!群がれマスメディア!今年もお前らが大好きな高校生達の青春暴れ馬、雄英体育祭が始まりEverybody!Art you ready?』

 

 プレゼントマイクによる司会によって雄英体育祭1年ステージは開幕した。[HERO FM]というラジオを長いこと続けているため適任だろう。

 

『どうせあれだろ?こいつらだろ?敵の襲撃を受けたにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!ヒーロー科一年A組だろう?!』

 

 堂々と歩く者、緊張により周りを見渡すものと反応は二つに分かれた。緑谷や切島などは緊張によりスタジアムを見渡している。

 

『話題性では遅れをとっちゃいるがこっちも実力は揃いだ!一年B組!続いて普通科!C、D、E組!サポート科F、G、Hも来たぞ!そして経営科I、J、K!雄英一年が揃った!!』

 

 プレゼントマイクの声と同時にA組とは別口から他のクラスの生徒が入場して来る。普通科では自分たちはヒーロー科の引き立て役だなんて声も上がってやる気がないものも何人かいる。

 

「選手宣誓!」

 

 全員がスタジアムの中央に集まるとミッドナイトが台の上に立ち声を張り上げる。その姿を見てスタジアムにいる全員が今年の一年主審はミッドナイトがやることを理解した。

 

「ミッドナイト先生なんちゅう格好だ。」

 

「さすが18禁ヒーロー。」

 

「18禁なのに高校にいてもいいものか。」

 

「いい!!」

 

「静かにしなさい!選手代表、1A爆豪勝己!」

 

 お喋りをしている生徒たちを一喝すると代表者である爆豪の名を呼ぶ。それに従い爆豪はポケットに手を入れたまま前へと出る。誰もが静かに見守る中、A組はもしかするとという不安な気持ちを抱えていた。

 

「宣誓、俺が一位になる。」

 

(((絶対やると思った!!!)))

 

「「「BOOOOOOM!!!」」」

 

 A組は思っていた通り絶対何かすると思っていた。他のクラスはその声を聞いて批判的な声を爆豪へというが本人は何とも思っておらず

 

「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ。」

 

 と追い討ちの煽りまで付け加えた。多くの生徒が怒りを見せている中緑谷だけは違う反応をしていた。普段の爆豪であればこういうことは笑って言うが今回は一切の笑みがない。それはつまり爆豪自身が自分を追い込んでいるのではと考えていた。

 

「さぁて早速始めましょう。第一種目はいわゆる予選よ。毎年ここで多くの者がティアドリンク!さて運命の第一種目!」

 

 頭上に設置されているモニターに第一種目と表示されるとミッドナイトの話が始まる。モニターとは別でミッドナイトの声に続くように背後に空中投影されたディスプレイが現れる。画面は派手な音を鳴らしながら何かがスロットのように高速で回転していた。

 

「今年は・・・これ!」

 

 ディスプレイには障害物競走と表示されていた。

 

「計11クラス全員参加のレースよ。コースはこのスタジアムの外周約四キロ。我が校は自由さが売り文句。コースを守れば何をしたって構わないわ!さぁさ、位置につきまくりなさい!」

 

 ディスプレイによる映像とミッドナイトの説明も終わり生徒たちはスタジアムの外へと繋がるゲート前に移動する。ゲート上に設置された青いランプが一つずつ消えていきカウントが始まる。

 

「スタート!」

 

 全てのランプが消えると同時にミッドナイトの合図によって全員がゲートへ向かって走り始めた。

 

『さぁて実況していくぜ!解説はAre you ready?ミイラマン。』

 

『無理やり呼んだんだろうが。』

 

『早速だがミイラマン、序盤の見どころは?』

 

『今だよ。』

 

 我先にとゲートへと飛び込んだ生徒たちはゲート内でおしくらまんじゅうの如く詰まっていた。身長が低くがたいもいいとは言えない緑谷や峰田は人の波に飲まれていた。

 

 突然足元が冷え始めたかと思うとゲート内が凍りつき生徒は足ごと地面に固定されてしまった。勿論それをやったのは轟、生徒たちの足止めとゲートの突破を同時に行い走り抜けていく。足が凍った生徒たちは動くことができず大きく遅れることになる。

 

 だが全員がただで終わるわけもない。背後では爆豪が爆発を使って体を浮かせ、青山がネビルレーザーで空を飛び、八百万が掌から棒を伸ばし氷を回避して前へと出る。他にもA組の生徒は勿論、ヒーロー科以外の生徒達の中にも氷を回避している者がおり氷で転ばないように進んでいく。

 

 峰田がもぎもぎを地面へと投げつけその上に飛び移るようにして進むことで轟へと追いついた。峰田の個性は自分以外にはくっつき自分は跳ねるという特性があるため地面が凍っていても関係なく進むことができる。

 

「轟の裏の裏をかいてやったぜ!ザマァねぇってんだ!くらえおいらの必殺!」

 

 峰田が技を放とうとした瞬間鉄の塊何かが峰田の体へとぶつかり激しく回転しながら何処かへと転がっていった。

 

「ターゲット、大量。」

 

「入試の仮想ヴィラン!」

 

 そこに立っていたのは今年のヒーロー科一年生全員が受験した実技入試に使われたロボットだった。

 

『さぁ、いきなり障害物だ!まずは手始め、第一関門!ロボインフェルノ!』

 

 ビルのような高さで立ち並ぶロボット達。入試では0ポイントのお邪魔虫として使われていたが体育祭では壁として立ちはだかってきた。生徒達の足が止まり恐怖の声が上がる。

 

 先頭を走っていた轟も足を止めるがロボは止まらず一番前にいる轟を優先して攻撃を始める。轟は姿勢を低くし地面に手をつくと自身の体を中心に地面が凍りつき始める。

 

「せっかくなら。もっとすげぇの用意してもらいてぇもんだな。・・・クソ親父が見てんだから。」

 

 自分へと迫って来る手に合わせるね地を這うようにしてロボットへと手を振り上げる。轟の背後からは手にの動き連動しているかのように氷が伸びロボットの体を一瞬で凍らせる。一つ息を吐いて立ち上がりすぐさまロボットの股下を走り抜けていく。背後では足元の隙間が通れるという声が聞こえて来る。

 

「やめとけ。不安定な態勢ん時に凍らせたから、倒れるぞ。」

 

 その声と同時にロボットの体は地面へと倒れた。

 

『1A轟!攻略と妨害を一度に!こいつはシヴィーー!!!すげぇなぁ一抜けだ!あれだなもうなんかズリィなぁ!!』

 

『合理的かつ戦略的行動だ。』

 

『さすがは推薦入学者!初めて戦ったロボインフェルノを全く寄せ付けないエリートっぷりダァ!』

 

 轟が一人で走り抜けていくなか後ろに残された生徒達はどうやって突破しようか頭を回していた。そんな中誰かがロボットに潰されたという声があたりに響く。その声を聞いて顔を青くしたり頭を抱えたりと様々な反応が辺りを飛び交う。だが潰されたロボットの一部が盛り上がり始め一人の生徒が飛び出してきた。

 

「だああぁぁぁ!!轟のやろうわざと倒れるタイミングで。俺じゃなかったら死んでるぞ!」

 

『ああああーー!!1A切島潰されてた!ウケるー!!』

 

 飛び出した霧島の横では同じようにしてロボットの一部が盛り上がり始め一人の生徒が飛び出してきた。

 

「A組の野郎は本当に嫌な奴ばっかりだよなぁ!!俺じゃなかったら死んでたぞ!」

 

「なああああーー!!B組の鉄哲も潰されてた!ウケるー!!』

 

 切島と一緒に潰されていたのは鉄哲徹鐡。個性はスティールで体を鋼のように硬くすることで矛と盾の両方の役割を担うことができる。それを見た切島は涙を流しながら走り出した。その理由は

 

「個性だだ被りかよ!ただでさえ地味なのにー!!」

 

「まてこらぁ!!」

 

 という事だった。したにいる生徒達はロボインフェアを突破するために一時的にきゃうりょくしてとっぱをめざすことになっていたようだ。そこで背後から大きな爆発が起こり今度はそちらへと注目が集まる。空を飛んできたのは爆豪。

 

『1A爆豪!したがダメなら頭上かよ!クレバー!』

 

「おめぇこういうの正面突破しそうな性格してんのに避けんのね!」

 

「便乗させてもらうぞ!」

 

 爆豪に続くのは瀬呂と常闇。瀬呂の個性はテープ。肘からテープを飛ばすことができるためそのテープを使ってロボの上へ。常闇の個性はダークシャドウ。自身の体に自立する影のような生き物が住んでおり、広範囲に広がることができるためロボの頭上へと登ってきた。

 

 飯田は自身の足の早さを利用して勢いよく飛び蹴りでロボを撃破。

 

 耳郎は耳から伸ばしたプラグをロボへと突き刺しでかい心音を聞かせて内部を破壊して撃破。

 

 上鳴はロボの攻撃をジャンプで回避し、攻撃してきた腕に着地すると同時に体に電気を纏い撃破。

 

 麗日は個性によりロボを高く浮かせて落下させることで撃破。

 

 尾白は尻尾を使って高く飛び落下の勢いを利用して尻尾による払いでロボを撃破。

 

 緑谷は轟の氷によって倒れたロボットの装甲を拾うと猛スピードで飛び込んでくるロボットに向かって装甲を振るい撃破。

 

 ヴィランに襲われたA組みの面々はその軽々を糧として立ち止まる時間が他のクラスの生徒よりも短く迷いを打ち消しながら進んでいく。

 

 突然ロボットが次々に爆破し倒れていく。背後を確認すると八百万が大砲を作り出し砲弾を放っていた。八百万の個性である創造は生物以外であればなんでも作り出すことができる。しかしそれは本人が物質の構造を理解している必要があるため彼女だからこその個性とも言える。また大きいものを作り出すには時間がかかるため少し遅れたのはそのせいだろう。

 

 ロボットが倒れたことで生徒達が前へと進み始める。ここで多くの生徒達が第一関門であるロボインフェルノを突破した。だが障害物競争はまだ始まったばかり。

 

 

 




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