雄英高ヒーロー科のカリキュラム、午前は必修科目である英語などの授業。教壇に立つのはヒーロープレゼントマイク。
「じゃあこの英文のうち間違っているのは?」
(((普通だ。)))
(クソつまんな。)
「Everybody hands up!みんな盛り上がれ!」
昼は大食堂で一流の料理を安価でいただける。料理を作っているのはクックヒーローランチラッシュ。
そして午後の授業。ヒーローを目指す物達として必ず必要になる科目、ヒーロー基礎学。
「わーたーしーがー、普通にドアから来た!」
入り口から上半身を乗り出すような形で登場したのはヒーローオールマイト。
「オールマイトだ!」
「すげぇや!本当に先生やってるんだなぁ!」
「あれ、シルバーエイジのコスチュームね。」
「画風違いすぎて鳥肌が。」
下が青、上が赤と派手なコスチュームに黄色い大きなベルト。そして背中にはマントを着ており、その見た目は誰が見てもナンバーワンヒーローの風格があった。
「私の担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ。早速だが今日はこれ!戦闘訓練!」
大きな動作からみんなに見えるようにてにもったほパネルを見せる。そこにはBATTLEと赤い文字で書かれていた。戦闘訓練という言葉に多くの生徒がおうむ返しをする。
「そしてそいつに伴って〜こちら!」
そう言ってオールマイトは縦に模様のある壁を指差す。すると機械音がなりだし壁から番号の書かれたケースが収納されている棚が出てきた。
「入学前に送ってもらった個性届けと、要望に沿ってあつらえたコスチューム。」
「「「おおお〜!!!」」」
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ。」
「はーい!」
全員が大きな返事をしつつ自分のコスチュームが入ったケースを手に持ち更衣室へと向かっていった。
「格好から入るってのも大切なことだぜ!少年少女!自覚するんだ、今日から君はヒーローなんだと!」
自分の個性の相性や欠点と相談しつつ必死に考えた様々なコスチュームを着てA組みの生徒達は今グラウンドβへと到着した。
だがその中でローレル一人だけが体力テストの時に来ていた体育着の姿をしている。
「ケント少女、もしかして間に合わなかったのかい?」
「そう見たいです。しょうがないですよね。ギリギリでしたし。」
被服控除という個性届け、身体情報、そしてデザインなどの要望を提出することで学校専属のサポート会社が最新鋭のコスチュームを用意するというシステムがある。
だがローレルがそれを出したのは入学が始まる少し前。デザインや要望を考えて提出して欲しいと言われた物のどのような物がいいかよくわからないローレルは酷く苦戦した。もう何でもいいやと適当なことを書いたらそれを見た相澤に却下されたため一から考え直した。
グラウンドβにいるA組の生徒は現在二十人。そこに最後の一人緑谷出久が走って入ってきた。緑色のジャンプスーツを改良した物で腰には赤いウエストポーチがついており頭は憧れのオールマイトをイメージしてか二本の耳に笑顔を彷彿とさせるマスク。それを見たオールマイトが遠くで笑いを堪えていた。
「あ、デク君!かっこいいね、地に足ついた感じ。私は要望ちゃんと書けばよかったよ。パツパツスーツになった、恥ずかしい。」
黒とピンクのスーツに頭にはバイザーのようなヘルメットをかぶっている。麗日本人も後頭部に手を回しながら恥ずかしそうにしている。
「ヒーロー科最高。」
「え!?」
近くにいた小さな生徒がその麗日のスーツを見てサムズアップをしていた。
「さぁ!戦闘訓練のお時間だ。」
「先生。ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」
機械のような鎧のようなそんな姿をした生徒が手を挙げて質問する。その声は飯田でありその時緑谷ははじめて飯田であったことを知った。ついでにかっこいいとも思った。
「いいや、もう二歩先に踏み込む。ヴィラン退治は主に屋外に見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪ヴィランの出現率は高いんだ。監禁、軟禁、裏商売。このヒーロー飽和社会、真に賢しいヴィランは闇に潜む。君らにはこれからヴィラン組とヒーロー組に分かれて2対2の屋外戦を行ってもらう。」
「基礎訓練無しに?」
「その基礎を知るための実践さ。ただし、今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ。」
ぶっ壊せばOKなロボではないと言われて全員が入試の時のロボットで得点を稼ぐ試験を思い出した。
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「別れるとはどのような別れ方をすればよろしいですか?」
「このマントやばくない?」
「んん〜聖徳太子ぃ〜!!」
生徒達の質問の嵐に聞き取ることができなかったオールマイトだった。一旦仕切り直しどこから取り出したのかいつのまにか手にはカンペを取り出しており再び説明を始める。
「いいかい?状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか聞く兵器を回収すること。ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえること。」
中々派手でハリウッド映画な?のような設定をしている。そしてオールマイトはどこからか黄色い箱を取り出した。
「コンビおよび対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか?」
「プロは、他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いしそういうことなんじゃないかな。」
「そうか、先を見据えた計らい。失礼致しました!」
隣にいた緑谷の説明により自分の発言が不適切だったことを理解した飯田はオールマイトへと頭を下げた。
「いいよ!早くやろう!」
オールマイトもそれを気にすることはなく、早く訓練を始めようと生徒を急かす。順番にくじを引いていく中で徐々に生徒同士の組み合わせが決まっていく中
(戦闘訓練、しかも対人。どうしよう大丈夫かな。)
ローレルはこの関連の説明を聞いて悩んでいた。生徒同士の対人戦、もちろん戦うのだからお互いに怪我などは承知しているだろう。だがローレルのパワーは強力すぎる。焦っている状況下であれば万が一があるかもしれない。
(何か考えておかなくちゃ。)
「ケント少女。君はくじを引かなくてもいいよ。」
「え?私訓練パスですか?」
「そうじゃないよ。相澤君から話があってね、君は一人だ。代わりにヒーローかヴィランは君が選んでいい。」
「一人!先生そいつは不利すぎるじゃねぇか!」
「そうですよ。どっちか選べるったって。」
一人で戦うということに生徒から信じられないという声が飛ぶ。2対1、なおかつ彼女は個性把握テストの時はいなかったため情報戦という物でもかなり不利だった。
「分かりました。」
「ええ!いいの!」
「そうですわ。アドバンテージに差がありすぎます。」
「先生からの指示だからね。」
先生からの指示となれば従わないわけにはいかない。相澤先生の初日の除籍を知っているため下手に逆らうことは躊躇われる。
全員がくじを引きチーム分けが終わった。次に白と黒の箱を用意して両手を突っ込む。
「最初の対戦相手は、こいつらだ!」
白い箱からは白い玉で黒い文字でA、逆に黒いたまには白い文字でDと書かれていた。Aチームがヒーロー、Dチームがヴィランとなる。
Aチームは緑谷と麗日でDチームは爆豪と飯田。緑谷と爆豪にとっては因縁ともいえる組み合わせとなった。
ヴィランチームが建物に先に入りどこに核を置くのかを決める。両チームには建物の構造が記された見取り図が配られるため、その間ヒーロー達は見取り図を見て構造を覚える。
少しの準備時間の後、両チームの準備が整ったことで初めてのヒーロー基礎学、戦闘訓練が開始した。
『ヒーローチームWIN!!!』
AチームとDチームの戦いは凄まじいもので建物が使い物にならないほどのはげしさを見せた。制限時間が15分という長いとも短いとも言えない時間で勝利をもぎ取ったのは緑谷達Aチーム。だが同じく地に伏しているのもAチームだった。
爆豪は緑谷に勝つ気でいたが緑谷はDチームに勝つ気でいた。そこがチームとしての勝利を分けた。最後に互いの大技を放つ瞬間緑谷は腕の軌道を変えてアッパーを打ち出す要領で拳を振り上げた。それにより建物に大きな穴を開けて天井を全て吹き飛ばした。そこに上の階にいた麗日が自分の個性である無重力を使い飛んできた瓦礫や破片を野球のボールのように打ち出すことで飯田に隙を生じさせる?
怯んでいる間に麗日が核を回収。ヒーローチームの勝利となった。爆豪は自分との勝負に真面に出なかった事に対して文句を言おうとするのだが緑谷の惨状を見て言うに言えなかった。振り上げた右腕は赤く腫れ上がり、爆豪の爆破を防ぐために使った左腕は爆発をくらって黒くなっていた。目は焦点があっていないのか定まっておらずあまりに大きいダメージによってついには倒れてしまった。
それを見て爆豪は察してしまった。自分の攻撃は防がれ逆に自分は殴られていた。自分は格下だと思っていた相手に完全に敗北したことを。その様子を見ていたA組の生徒は唖然とした表情のまま誰一人として喋ることもなく、誰一人として動くことはなかった。
訓練が終わった後はオールマイトによる4四人の講評。緑谷は怪我と気絶により保健室へと運ばれたためその場にはいなかったが。その講評でAチームとDチーム共にズタボロに言われたが飯田は状況設定に順応していたことでベストに選ばれそれを噛み締めて喜んでいる。その時ズタボロに行ったのが八百万 百というヒーロー科の推薦入学者四人のうちの一人。オールマイトは思っていた以上に言われたと驚いた。
そして再び訓練は開始した。演習に使ったビルはダメになってしまったため別のビルへと場所を移して。そこでは様々な戦術が織りなすことになる。一人一人個性あふれる個性が組み合わさりどれもこれも飽きない戦いだった。そしてついにローレルの番がやってきた。
「ではケント少女、君はヒーローとヴィランどちらをやりたい?」
「ヒーローでお願いします。一人では守るということもままならない可能性があるので。」
「OK!では戦う相手を決めよう。だが彼らは一度戦って疲れてしまっている。だからくじで決めるというのは難しいな。」
ここでさらにもう一戦をするというのも人によっては厳しいものがある。できれば生徒達が自発的に名乗り出てくれるのが一番いい。そう考えていると一人の少年が手を上げた。
「先生、俺たちで良ければそいつとやらせてもらえませんか?」
手を上げたのは体の半分が氷で覆われておりもう半分は白い服に白い服装をした少年。先ほどの訓練でビルを丸々一つ凍らせた轟焦凍だった。
「轟少年と障子少年。確かに二人はあっという間に終わらせてしまったから疲れは少ないか。」
「俺に至ってはほぼ何もしてないですしね。」
障子目蔵、個性は複製腕。職種の先端に自身の体を複製することができる。そこで耳を複製し索敵によって4階に敵がいることを轟へと伝え轟がビル全体を凍らせた。轟の個性は半冷半燃、体の右側で氷を操り左側で炎を操る。こちらも推薦入学者四人のうちの一人だ。
速攻で決まった二人は特に疲れなどがなかったため、また障子は自分も訓練をちゃんとしたかったということで名乗り出た。
「じゃあ二人ともビルへと入って準備を始めて。」
こうしてローレルの訓練が開始した。
鬼のように誤字、脱字があります。報告をくださった方本当にありがとうございました。