個性[超人]   作:2NN

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 オリジナルの設定としてUSJに新しいゾーンを追加しました。ご容赦ください?


USJ

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、それともう一人の三人体制で見ることになった。」

 

(なった?特例なのかな。)

 

 相澤の手には取り出したパネルがあり、水色の文字でRESCUEと書かれている。

 

「災害水難なんでもござれ、レスュー訓練だ。」

 

「レスキュー・・・今回も大変そうだな。」

 

「馬鹿オメェ、これこそヒーローの本分だぜ。鳴るぜ腕が!」

 

「水難なら私の独壇場、ケロケロ。」

 

「おいまだ途中。」

 

 レスキューと聞いて盛り上がる教室内。これから始まる訓練に胸を躍らせる生徒たちは思い思いに訓練に対する思いを発していく。がしかし相澤の言葉ですぐに全員が黙る。

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。」

 

 手に持ったリモコンのスイッチを壁に向けて押すとコスチュームのケースがしまわれた棚が現れる。

 

「訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始。」

 

 相澤の声に従い各々が自分のケースを手に取り更衣室へと向かう。

 

(レスキューか、私はこれを頑張ろう。直接人を助けなくても瓦礫の撤去とかなら多分できる。何より戦わなくていい!)

 

 ローレルは燃えていた。人を直接助けなくとも救助に必要な事はいくらでもある。今回の訓練でそれをしっかりと学部事を心に決めた。コスチュームは近日中に届くとのことだったので今回も体育着を着て外へと出る。

 

「あれ?ローちゃんまだコスチュームないの?」

 

「そうなの。そんなに難しい事は書いてないんだけどね。忙しいのかなぁ。」

 

「え〜ローちゃんのかっこいい姿私見たかったなぁ〜。」

 

 話しかけてきたのは二人。一人は芦戸 三奈、髪や肌がピンク色で頭には日本の角が生えており膜は黒く瞳は黄色の目を持っている。個性は酸、全身から溶解液を噴き出すことができる。

 

 もう一人は葉隠 透、個性は透明化。基本的に体は見えないため普段は制服が宙に浮いていると言うなんともシュールな姿をしている。また、コスチューム派手袋とブーツのみで後は裸という女子らしからぬ格好をしている。ちなみに全裸になることに対して本人に抵抗はない。

 

 相澤が教室で行っていたコスチュームの着用は各自に任せると言う言葉。それに従い以前の戦闘訓練の時とは若干見た目が変わっている生徒が何人かいる。例えば爆豪。両腕には手榴弾をもドーフにした大きな籠手が嵌められていたが今は片腕のみとなっている。戦闘とは違い今回は救助、人を救うことにおいて籠手はそこまで重要ではないのだ。

 

「1A集合!バスの席順でスムーズに行くよう番号順に二列で並ぼう!」

 

 全員が外に来て待っているとバスがやってくる。そこで飯田が笛を鳴らして全員を集合させる。委員長として全員をまとめるために張り切っているのだろう。離れた場所にいた緑谷にフルスロットルだなんて思われていた。

 

 全員がバスに乗り込み今回の演習場へと向かっていく。雄英の敷地はとても広く移動だけで大きな時間がとられてしまうためバスを利用することになる。ローレルはバスで行くと言われた時校外の施設を使うのかと勘違いした。

 

「くそ、こう言うタイプだったか・・・」

 

「意味なかったな〜。」

 

 隣に座っている芦戸にも言われてしまう飯田。バスは手前が向かい合う形で奥が二人並んで座る席となっているため飯田の指示は空回りとなってしまった。その姿を向かいの席から微笑ましく見ている緑谷。

 

「私思った事はなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん。」

 

「なぁ!は、はい!蛙吹さん!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで。」

 

 その隣に座っている蛙吹が緑谷へと話しかける。女子と話したことがほとんどない緑谷は緊張のあまり吃りまくる。しかも女子の名前をちゃん付で呼んで欲しいと言われるが緑谷にはまだ早かった。

 

「あなたの個性、オールマイトに似てる。」

 

「え!?そ、そ、そうかなぁ?いやでも〜僕はその・・・」

 

 蛙吹の核心をついた言葉に緑谷は再び吃りまくる。本人からすると事実を予想だとしても言い当てられてしまったため内心穏やかではない。どのようにして誤魔化そうかと考えていると蛙吹の反対側に座っている切島が待てよと声をかけてくる。

 

「オールマイトは怪我しねぇぞ、似て非なるあれだぜ。しっかし増強型のシンプルな個性はいいな、派手で出来ることが多い!俺の硬化は対人戦じゃ強いけどいかんせん地味なんだよなぁ。」

 

 切島は自身の手を伸ばし硬化を発動する。見た感じでは少しだけわかりづらいのだが通常の手とは明らかに違いゴツゴツしている。変化の分かりづらい個性である事を切島は気にしていた。

 

「僕はすごい強いと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ!」

 

「プロな。しかしやっぱヒーローも人気商売みたいなとこあるぜ?」

 

「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み。」

 

 そう言ったのは芦戸の隣に座る青山優雅、個性はネビルレーザー。へそから輝くレーザーを放つことができる。一方向にしか撃てないとはいえ一見強力な個性に見える。

 

「でも、お腹壊しちゃうのはよくないね。」

 

 ネビルレーザーは一秒以上放つとお腹を壊してしまうのだ。芦戸がその事を言うと青山も自覚しているのか顔色を少し悪くする。

 

「まぁでも派手で強えつったらやっぱ、轟と爆豪、ケントだな!」

 

 爆豪は爆発、轟は氷、ローレルは訓練で見せたヒートビジョンとそれぞれ強力な技を持っている。

 

「爆豪ちゃんはきれてばっかだから人気でなさそ。」

 

「んだとコラ出すわ!」

 

「ほら。」

 

 思った事をなんでも言う蛙吹が言う人気が出なそうと言う言葉は見事に爆豪の怒りに触れた。それを見てやっぱりと示す。

 

「この付き合いの浅さで、既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげぇよ。」

 

 青山の隣に座った黄色い髪の生徒上鳴電気が普通では出てこないような言葉の羅列を並べる個性は帯電、体に電気を纏いそれを放出することができる。自分を中心に強力な電気を放てば囲まれていても制圧が可能。

 

「てめぇのボキャブラリーはなんだコラ殺すぞ!」

 

(かっちゃんがいじられてる・・・信じられない光景だ!流石雄英!)

 

「にしてもケント。お前の個性何なんだ?大体なんでもできんじゃねぇか。」

 

 切島が純粋な疑問でローレルに個性についての質問をする。超パワーに高速移動、空を飛んで透視能力を持っており目からはビームを出せる。それだけ聞けば一体どんな個性なのかまるで想像がつかないがこればかりは仕方ないだろう。

 

 後ろで静かに座っているローレルへ全員の視線が向けられる。全員気になっていたことだ。特に緑谷はヒーローと個性に対する知識欲は貪欲なためぜひ聴きたいと思っていた。

 

(((爆豪あんなに騒いでたのに寝てる・・・)))

 

 背もたれに倒れながらすやすやと眠るローレル。元が美人であるため寝ていてもとても絵になる。先ほど爆豪が大声を上げていても起きないあたり眠りは深いのかもしれない。気持ちよく寝ているのだろうと誰も起こそうとはしなかった。

 

「お前らもう着くぞ、準備しろ。」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

「皆さん、待ってましたよ。」

 

 バスを降りて出迎えてくれたのはスペースヒーロー13号。背丈は180cmと高く宇宙服のような格好をしている。主に災害救助で目覚ましい活躍をしている。

 

「わー私好きなの13号!」

 

 体を動かしながらそう話す麗日は本当に嬉しそうだった。麗日の個性はものを浮かせることができるため救助ではかなり活躍できる個性なため救助で活躍している13号に対して憧れを持っている。

 

「早速中に入りましょう。」

 

「「「よろしくお願いします。」」」

 

 ドームのような建物に入ると水難事故、土砂災害、火災、暴風、雪崩、etcなどと様々な災害を想定した施設へとやってきた。この施設は13号が作ったと言う。

 

「すっげぇー!USJかよ!」

 

 誰かがこぼしたその言葉に反応し13号はポーズを決めて答えた。

 

「この施設の名は嘘の災害や事故ルーム、略してUSJ!」

 

(((本当にUSJだった。)))

 

 言っていたことが本当に当たっていたことに驚き全員は目を丸くしていた。

 

「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが。」

 

 相澤がオールマイトの所在を聞きながら13号へと近寄る。本来ならば既にいるはずの人物が何故かいないのだ。

 

「先輩、それが・・・」

 

 現在のオールマイトは教師、短くなる活動時間の事もありヒーローとして活躍するのは厳しくなってきたがそれでも本質は変わらない。通勤時に助けを呼ぶ声を聞けば方売っておくことができず助けに行ってしまう。結果制限ギリギリまで活動してしまった。13号が指を三本立てていることから残り時間は三分と言ったところだろう。今は仮眠室で休んでいるようだ。

 

「不合理の極みだなおい。」

 

 だがこの警戒態勢もあくまで念のため。何も起こらない可能性だってあり得る。であれば今オールマイトがいなくても問題はないと判断した相澤はこのまま続行することにした。

 

「仕方ない、始めるか。」

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ三つ・・・四つ五つ六つ・・・7つ・・・」

 

(((増える・・・)))

 

 どんどん増えるお小言に話がどんどん長くなるのだろうなとA組全員が思った。

 

「みなさんご存知だとは思いますが僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます。」

 

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

 

 ヒーローに詳しい緑谷は勿論13号についてよくも知っていた。隣にいる麗日は頭を高速で何度も振っている。

 

「ええ、しかし簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそう言う個性がいるでしょう。」

 

 簡単に人を殺せると言う部分にA組全員の顔から笑顔が消える。ローレルもその話を聞いてピクリと反応する。どんなものでもチリにしてしまう、それはつまり人間も。

 

(簡単に人を殺せる個性。やっぱり私もそうだよね。)

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えば容易に人を殺せる行き過ぎた個性を個々が持っていることを忘れないでください。」

 

 同じだった。13号もローレルも強すぎる個性が故に糸もたやすく人の命を消してしまう。相澤は何度も相談を受けてきた生徒の姿を見ると13号の話を真剣に聞いているローレルの姿があった。

 

「相澤さん体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体感したかと思います。この授業では心機一転人命のために個性をどう活用するのか学んでいきましょう。君たちの力人を傷つけるためにあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな。」

 

(私も成れるかな、人を救えるヒーローに。)

 

 13号も苦しんだのかもしれない、危険である個性であるが故に疎まれたのかもしれない。それでも今はヒーローとして活躍している。そんな姿を見てローレルは少し前向きになることができた。

 

「以上ご清聴ありがとうございました。」

 

 13号の見事な演説に生徒たちから大きな歓声が上がる。それ程までに生徒たちの心に響いたのだ。

 

「え!ケント!あんたなんで泣いてるの!?」

 

「ごめんなんか、感動しちゃって。」

 

「いや確か心に響いたけど普通なく?」

 

 隣にいた少女、耳郎響香が静かに涙を流すローレルの背中をさする。なぜ泣いているのかわからないがよっぽど心に響いたんだなと勝手に思うことにした。ローレルの涙を流す様子を見て少しだけ笑みを浮かべた相澤。

 

「よし、そんじゃまずは・・・」

 

 相澤が訓練の段取りを説明しようとした瞬間ドームの内部を照らしていたライトに電気が走り消え、中央にある噴水の出が悪くなった。噴水の近くには黒いモヤによる渦ができそこから以前雄英にいたモヤの男が出てきた。

 

「一塊になって動くな!13号、生徒を守れ。」

 

 相澤がドームの中央を見ながらそう言うとそれを見た切島がなんだと言いそれに続いて全員が目線を向ける。

 

「また入試みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くな!あれは、ヴィランだ。」

 

 命を救うという訓練の時間にヴィランはやってきた、ヒーローを殺すために。

 

 

 

 

 




 誤字、脱字が多いです。申し訳ありません。
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