●砂の海
いくつかの都市を残し陸地の町は殆どが砂の中に消えた。
都市のある場所は砂の海の浸食に耐えうる地盤があるらしく現在も研究中である。
砂の海は殆どのものを飲み込み、溶かし、取り込むものである。
これ以上建物が壊れることのないように今では侵食を免れた樹脂製《プラスチック》の型により作られた砂の煉瓦が建築に多用されている。
一番安価で物持ちが良いから…というのも理由である。
妖術と海の砂は相性が悪いため、御祓殿では木に特殊な加工を施して砂の浸食に耐えうるようにしている。
そのため見た目以上にお金がかかっている。
●砂容器《サンドボトル》
バイクは砂の海に発生する粒子が互いにぶつかり合うことにより発生するエネルギーを用いて動いている。
その燃料である砂を入れる容器が砂容器《サンドボトル》であり、これをバイクにある二つの穴に一つずつ突っ込む。
運転中に砂が少なくなれば、片方の砂容器《サンド》を引き抜きそれに新しく砂を入れて入れ直せば良い。
ただ、容器は割りかし頻繁にヒビが入る。
そうなると長くはもたないし、容器一本ではバイクも長くは動かせないのでなるだけ買いだめしておくのが常識である。
今回の話のおけるウルフはうっかりさんである。
●倉匣《わすれもの》
自らの普段は表に出したくないもの(記憶でも能力でも物でも何でも構わない)その中に封じておくことであり、それを使う際には倉匣《わすれもの》に付いている無数のスイッチの中からただ一つ本物のスイッチを押す。
一度の使用につきランダムで場所が変わり、その場所は使用者にのみ倉匣《わすれもの》と繋がった管に流れる知的流体により共有される。
倉匣《わすれもの》自体は、木の板で作られた正方形のリュックに無数のボタンと一本の管が付いているような外装をしている。
●夕能
夕能の多くは女性であり、顔に赤い縦縞のペイントがされていることが特徴である。
また、夕能は処女でなければならない。
稀に男で童貞の夕能もいるが数は多くない。
歳を取ることがなく、処女・童貞を失うか術に使われるまで死ぬことはない。
体を刻まれようが、毒を飲もうが自然治癒する。
また、切り刻まれた場合は赤いペイントによる加護か着ていた服もまた元通りになる。
●封魔の門
妖術士に伝わるおまじないである。
実際の効果は特に報告されていないため、恐らくただのおまじないだと思われる。
何時ごろからこのおまじないが伝わっているのか文献を当たれば、妖術庁の地下に刻まれたものが最古であるだろう。
恐らく少なくとも三百年は経っている。