Side一誠
「やあ、君が兵藤君だね?」
「そうだ」
翌日の放課後、グレモリー先輩の使いと名乗る金髪の男子生徒、木場 佑斗が俺を呼びに来たので早速彼の案内を受けて彼女達の待つ場所へと足を運んだ。
ルナ達は今は関係無いのでそれぞれ行動している。
「これから悪魔としてよろしくね。それで早速だけど」
「そうですね…」
「オカルト研究部」と書かれた旧校舎の部屋に入り、待っていたリアス・グレモリーとその眷属達の歓迎を受け、俺はドライグから聞いていたこの世界の情勢を言う。
「それだけ理解出来ているのなら十分だわ。
それで兵藤君、貴方に宿っている神器についてなんだけど」
「ええ、ドライグ!」
グレモリー先輩に促され俺は赤龍帝の篭手を出現させる。
「その神器は真逆!?…」
「ええ、神滅具の一つ、二天龍が片割れであるドライグ・ア・ゴッホが封印されている【赤龍帝の篭手<ブーステッドギア>】です」
俺が篭手を出すと皆驚いた表情を見せていた。
「あの無尽蔵に力を倍加出来るという!…兵藤君、貴方悪魔に転生してみないかしら?」
「…」
グレモリー先輩は他種族を悪魔に転生させる事が可能なアイテム「悪魔の駒(イーヴィル・ピース)」を取り出し、そう提案を促してきた。
正直デメリットの方が多いしな。
まあそのデメリットもドライグが緩和してくれるので影響はほぼ無いに等しいが…
「眷属になっても良いのですが先輩、その前に一つだけ聞きたい事があります」
「何かしら?」
「貴方は人間が好きでいられますか?」
俺は一つの質問をグレモリー先輩にした。
あの世界で人の心を喪失し偏見だけに凝り固まった輩を見てきたからこそ出てきた問いだった。
「…どういう意味なのかは分からないけれど好きよ。
悪魔も…いえ、三大勢力も本質的には人間と同じだから…」
俺の問いにグレモリー先輩はそう言いながら微笑む。
「…割と良い答えですね。
よろしいでしょう、この俺兵藤一誠はリアス・グレモリーの眷属として仕える事を此処に誓います」
「決まりね!」
グレモリー先輩の答えに納得した俺は彼女の眷属として転生悪魔に成る事を決めた。
その際、使用した兵士の悪魔の駒八つの内、四つが変異の駒(ミューテーション・ピース)へと変化していったのには二度驚かれた。
翌日…俺がグレモリー眷属となって最初の仕事である悪魔との契約者を募る為のチラシ配りを終えて一休みしていた時だった。
「はわうっ!?」
「ん?」
目の前で何も躓く様な物も無いのに盛大に転んだ修道服に身を包んだ金髪の美少女がいた。
「何故こうも転んでしまうのでしょうか~…」
「大丈夫かい?」
俺は駆け寄り少女を助け起こす。
「あ、ありがとうございます!
でも言葉が通じる人がいるとは思っていませんでした。
あ、私シスターのアーシア・アルジェントといいます」
ああ、そういや転生悪魔に成った事で自動翻訳が付与されたんだっけか。
「アーシアか。俺は兵藤一誠、イッセーて呼んでくれ。
それにしても君みたいな子が一人でこの町に来たのは何故だい?」
「イッセーさんですね!
えっと、私この度この町の教会に赴任する事になりまして」
「教会に?」
「ええ…」
俺はアーシアの話を聞いて可笑しいと思った。
何故ならこの町の教会は既に何年も前に廃れてしまっているからだ。
「『ドライグ…』」
「『ああ、俺も可笑しな話だと思っていた所だ。
恐らく先日の堕天使の件も絡んでいるとみて間違い無いだろう』」
俺の予想とドライグの予想が一致していた事で思考を巡らせる。
どの道転生悪魔と成った今では教会に近付くのは自殺行為に等しい。
しかし堕天使も絡んでいるとすればアーシアは間違い無く狙われている!
「なあアーシア、君は神器を持っていたりしないか?」
「え?あ、はいそうですけど…でも何故イッセーさんがその事を?」
「良く聞いてくれ…」
俺はアーシアに廃教会の事を教えた。
彼女を不安がらせない為に狙われている事は伏せて。
「そんな!?…」
「そういう訳だからアーシア、君を此方で保護しようと思っているんだが君はどうしたい?」
「お、お話はとても有難いのですけれど、私をこの町に呼んだのは知り合いでして…」
アーシアは俺の提案をバツが悪そうに断って来た。
それにしても彼女の知り合い?もしや…
「そうか…でも今日はもう遅いからうちに宿泊していきな」
「は、はいそうさせて頂きますね!」
とりあえずもう夜も近かったので俺は一日だけアーシアを宿泊させる事にした。
そして、翌日
「すみませんリアス部長!今日は用事があるので部活には出れませんので!」
「そう…なら仕方無いわね…」
俺はアーシアに町の案内をする為に部長に断わりを入れて学園を出た。
ちなみに彼女の護衛にはリンを付けてある。
「悪い、リン、アーシア待たせた!」
「あ、まふたー!」
「このハンバーガーって美味しいですね!」
「ってうおい!?リ~ン…食事は三人でって言っていただろ…」
待ち合わせの公園に着くと、リンが付近のフードショップで買ったポテトを思いっ切り頬張っていて、アーシアはハンバーガーを少しずつ食べていた。
「だってアーシアちゃんが食べたそうにしてたんだもん~!」
「お前の旺盛過ぎる食欲と一緒くたにして言い訳に使うんじゃない!」
「あて!?…ご、ごめんなさい~!」
リンに一発鉄拳を入れてやってから俺も食事タイムに入った。
食い終わって早速町の案内を開始する。
一時間後に立ち寄ったゲーセンでアーシアがUFOキャッチャーの景品のぬいぐるみを欲しそうにしてたので取ってあげてプレゼントした。
そうかからなかったよUFOキャッチャーには?
はい、お菓子キャッチャーを目にしたリンにねだられて英世さんがお二人程犠牲にせざるを得ませんでした。
タワー崩すのにホント苦労した…鬼設定え…。
あの時の店員さんのイイ笑顔っていったら…(遠い目
町の案内も終わってまた公園で一休みしていた時だった。
「はあはあ…」
「ン?あの娘は!…」
公園の入り口で誰かを探しているからの様に息を切らした黒髪の美少女がいた。
そう、夕…レイナーレ、堕天使の少女だった。
「レイナーレ様!」
「アーシアよかった!こんな所に居たのね!
ってイッセー君までどうして!?…」
「偶然会ってな…夕麻ちゃんこそどうしてアーシアを?」
「そうだった!アーシア、早くこの町から離れるのよ!」
「え?」
レイナーレの言葉にアーシアは唖然とする。
「でないと貴方の身が危険なの!だから!…」
レイナーレが必至な顔で事情を説明しようとしていた時だった。
「だからどうするというのだ?」
「ドーナシーク!?…」
其処で俺を襲おうとしてきたおっさん堕天使が割り込んできた。
「あの時の人間の…いや悪魔の小僧も居るとはな…まあいい、姿が見えないから可笑しいと思っていたがレイナーレよ、何を考えている?」
「それはこっちの台詞よドーナシーク!
アーシアを呼び出して彼女の神器を奪おうと画策していただなんて!
だから私はグリゴリにこの事をお伝えしてアーシアを保護してもらうわ!」
「させると思っているのかね?」
「この町の管理人であるリアス・グレモリーにも存在が割れている以上貴方にも分が悪い筈だわドーナシーク!」
レイナーレはドーナシークにそう叫ぶ。
が…
「あの様な青二才に遅れを取る様な事はあり得んよ。
その為に奴等の糧となりかねん契約者の人間を始末して回っていたのだからな!」
「なんですって!?…」
「…」
ドーナシークの言葉に信じられないといった表情をするレイナーレ。
「グリゴリに進言すると言ったな?しても構わないが我々がそうなる前にコイツがどうなるかは知らないぞ」
ドーナシークは続けて指を鳴らし空中ヴィジョンを出現させる。
其処に映っていたものは…
「そんなミッテルト!?…」
「ミッテルト様!?」
どうやら二人の知り合いらしい金髪の堕天使少女がボロボロで十字架の礒にさせられていた。
「全くこれだから階級の低い者は手を焼かせる」
「ドーナシークお前えー!」
仲間を傷付けられてキレたレイナーレが光の槍を持ってドーナシークに仕掛けようとした。
だが…
「ふん」
「え!?がっ!?…」
ドーナシークに突撃しようとしていたレイナーレは不意に違和感を感じた瞬間にドーナシークの背後から現れた青髪の女堕天使によって歯がい絞めにされていた。
「レイナーレ様!?」
「か、カラワーナ…貴方までドーナシークの思惑に乗って…」
「この私が何も対策を施していないとでも思っていたのかね?貴様は甘過ぎるのだよ!」
どうやらドーナシークがレイナーレの体に何時の間にか一方的な転送術のマーキングを施していたようだ。
「さあ、シスターアーシアよこのままこの女やミッテルトを見殺しにするかそれとも大人しく我々についてくるか選ぶが良い!」
「…すみません…」
「アーシア、君は…」
「そうだ…これで計画を進行させられる!さらばだ!」
優しい子なのだろう…アーシアはこれ以上レイナーレ達が傷付けられるのは我慢出来なかった彼女はドーナシークの誘いに乗るしかないと彼の傍に行きレイナーレ共々転送されて行ってしまった。
「マスター…」
「今はこの事を早急に部長に伝える必要性がある。
リンはルナ達に明日以降の予定を空けておくように伝えておいてくれ!」
「分かったよ!」
リンにそう伝えて別れ、俺はリアス部長にこの事態を伝える為にスマホを取り出した。
次のフェニックス編について あまり変更点が無いので
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ダイジェストで飛ばす
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しっかりやってもらいたい