Side一誠
「どうしてもっと早くに言わなかったのよ!」
「見極める必要性があり御報告が遅れてしまった事は本当にすみませんでした!
ですが件の者が組織を介さず独断で動いているのは愚か、悪魔側の関係者を始末しているとなると立派な領土侵犯なのは明白です!
早急に対応された方が良いかと思われます!」
翌日、俺はリアス部長に呼び出され独断で情報を集めていた事を咎められた。
「それもそうね…完全に舐められている事は明らかだもの…」
俺がアーシア達と居る間、どうやら木場が向かった契約者の家にはぐれエクソシストが数人侵入していたらしく住人が一人残らず殺されてしまっていたらしい。
ドーナシーク…奴は着実に計画を進行させる気らしいな。
「部長!事の真偽が確認出来ました!
グリゴリは今回の件に関して一切関与しておらず又把握していなかったとの事です」
「決まりね!イッセー、貴方の実力見せてもらうわよ!
子猫と佑斗と共に廃教会に向かい敵を向かい討ちなさい!」
「了解しました!部長と副部長は?」
「私と朱乃は他の契約者達の護衛に回るわ!」
「分かりました!御武運を!
木場、子猫ちゃん行こう!」
「はい」
「うん!」
部長の指令を受けて俺は木場、子猫ちゃんと共に廃教会に向かう事になった。
「と…ちょっと待ってくれないか二人共」
「?」
「なんだい?」
校門を出る前に二人を呼び止める。
「助っ人を呼ぶから少しだけ待っていてくれ」
「助っ人ですか?…」
「ああ」
俺はスマホを取り出しルナ達を呼んだ。
「イッセー、行くの?」
「ああ!協力してくれ!」
「勿論だよ!アーシアちゃんは友達だもん!」
しばらくしてルナとリンが校門前にやって来る。
後の二人は部活を抜けれなかったみたいだ。
「イッセーさん、その二人は?」
「ああ…俺の知り合いで先日学園に編入してきた子達だ。
大丈夫、彼女達の力量ならはぐれ数十人程度なら対応出来るからな」
「本当かい?」
「ああ」
「そうですか…」
木場はルナ達に疑いの目を向けてくるが俺が保障すると納得する。
一方の子猫ちゃんはルナ達の事をじっくりと観察していた。
そういや彼女って元は猫の妖怪だったんだっけ…特殊な力でルナ達に違和感を感じたのかもしれないが…今は真実を話せる程の仲ではない。
今度こそ廃教会へと向かう。
「おらあ!リアス・グレモリー様の令によってお前達の計画を潰させてもらうぜ!」
「んア?おっほ!悪魔の団体さんがまた来やがりましたか~!」
「フリード・セルゼン!やはりお前も!」
道場破りすると中に居た白髪の神父が此方が悪魔だと認識すると喜々とした表情を見せてくる。
どうやら奴、フリードと木場の間には因縁があるようだが…
「やあやあ、騎士の悪魔くうーん今度こそチミ達を斬り刻んであげちゃう!」
「そうはいかない!【光喰剣<ホーリー・イレイザー>】!」
フリードが悪魔払いの剣を振るってくるが木場が出現させた禍々しい剣に受け止められる。
「チィッ!?…」
「コイツは僕が抑える!イッセー君達は先へ行くんだ!」
「悪いな木場!」
「そうは問屋が卸しやせんぜえー!皆さーん歓迎してあげなちゃれ!」
「「悪魔は滅すべし!」」
木場がフリードの猛攻を抑えようとするが、フリードの合図により隠れていたはぐれ神父の集団が急襲をかけてくる。
「えい…」
「「ぐはあっー!?…」」
数十人がかりだったにも関わらず子猫ちゃんは片手で全員をブッ飛ばした。
戦車の特性によるものか。
「怯むな!陣形を崩すな!」
「「悪魔に滅びあれ!」」
「!?」
「不味い!?」
残存していたはぐれ神父達が一斉に子猫ちゃんに対して大容量の聖水が入った瓶を投げつけてこようとしていた。
いくら彼女でも一度にあれだけの量を浴びたらひとたまりもない。
だが…
「そうはいかないよ!ー
【いめしがら
おり入りて
折り延いし
炎上の歌を紡ぎけり
なぶさのうつつ引きかなぐらん】」
リンが割って入り謳を紡ぎ出現させた炎の結界の熱量で急激に沸騰させ神父達に跳ね返した。
エディルレイドが唯一単独で使用出来る唱謳【坤炎の閃<アイソレイト・ブレイズルミナス>】だ。
「「ぎゃああああああ!?熱いいいー!?」」
熱湯と化した聖水を顔面に思いっ切り浴びてしまった神父達は断末魔の絶叫を上げる。
「た、助かりました!」
「おのれ!悪魔共め!…」
子猫ちゃんが安堵したも束の間、残存しているはぐれ神父が襲いかかってくる。
「此処は私とこの子で抑えるからマスターとルナちゃんは先に行って!」
「OK!とその前に…」
俺はリンがKOさせた神父の一人を叩き起こす。
「ぐあ!?…」
「俺の質問だけに答えろ!
神器剥離の儀式は何処で行われる!」
「ぎ、儀式は地下聖堂で行われる!…」
「其処か…御役目御免だ!」
「へぶっ!?…」
「ルナ行くぞ!」
「うん!…」
俺は神父から儀式が行われるであろう場所を聞き出した後投げ捨て地下聖堂へと急ぐ。
「ほう、警告したのにも関わらずやって来たか。
だが一足遅かったようだな!既に術式は完成しているわあ!」
「何っ!?…真逆!?…」
「ほう気が付いたか…」
今回の首謀者であるドーナシークが高笑う。
いくらなんでも早過ぎる…と思っているとボロボロにされたレイナーレとミッテルトと呼ばれていた堕天使達が居た。
成程彼女達の血をも触媒にして術式の完成を早めたのか!
だったら!…
「そんな術式俺達が破壊する!」
「そうはさせんよ!カラワーナ、お前達ゆけえい!」
「「はっ!」」
ドーナシークの号令でカラワーナと呼ばれていた女堕天使の他に数人の堕天使の男達に取り囲まれる。
「イッセー、貴方はあの子達を助けてあげて!…」
「ああ!ルナも無茶だけはするなよ?」
「大丈夫、今日はお月様が満ちているから!…」
「そうか!だったらいくぞ!」
「「邪魔立てなどさせんぞ!」」
【BOOST!】
「そっちがな!<ドラグニティショット>!」
「なっ!?…」
「はや!?……」
ルナに堕天使達の相手を任せようとすると二人の男堕天使が立ち塞がるが俺はドラグニティショットを遠慮無く撃ち込む。
一人はギリギリで回避したようだが、もう一人は直撃を受け跡形も無く消し飛んだ。
「ひ、ひい!?…あっ!?……」
残った堕天使が恐れをなして逃げ出そうとすると光の槍が飛んで来て消し飛ばした。
「愚か者が!敵前逃亡しようとはな!
私はこうはいかんぞ!
何故ならたった今しがた儀式は完了したのだからな!」
「何っ!?」
「ははははは!これで私は更なる高みへの道が約束される!」
「嫌あぁアァー!?」
どうやらドーナシークの野郎が処分したようだった。
同時に奴の口から最悪の言葉を聞かされる。
魔法陣に縛られたアーシアの体に強制分離の術式が駆け巡り神器の核が抜かれていきそれがドーナシークへと吸い込まれていってしまった。
野郎!…
一方、Sideルナ
「たかが人間の小娘一人が私らに勝てると思っているのか?」
「勝てる!…」
「随分と舐められたものだな!」
「舐めているのはそっち…」
イッセーに女性堕天使と数人の男性堕天使の相手を任せられた私は謳を紡ぐ。
というか私は只の人間ではないのだけど…。
「【いめしがら
おり入りて
折り延いし
月星の歌を紡ぎけり
なぶさのうつつ引きかなぐらん】」
「なっ!?…」
「これは!?…」
「【月星坤の閃<ルナティックスターアイソレイト・ルミナス>】」
「「ぐわあああー!?……」」
私は発動させた月星の結界で襲いかかってきた男堕天使を包み込みその中で爆発させたエネルギーで堕天使達を吹き飛ばした。
「い、一体何が!?…」
一瞬にして私に逆にやられた仲間を目にしてえっと…カラワーナが混乱し驚愕していた。
「まだやるの?…」
「ガキがあー!舐めるなあー!」
「馬鹿な人…」
私は降伏を促してみるもカラワーナは激昂して攻撃してくる。
だけど無駄!…
「なんだと!?ぐあああー!?…わ、私の翼があー!?」
私自身に展開していた結界は彼女の槍では貫く事は叶わず跳ね返されて逆に己の片翼を切り落としてしまっていた。
「おのれえー!人間の小娘如きにこの私があー!」
「もう終わりにするね…」
「ひっ!?…ま、待っ!…」
「私はさっき一度だけチャンスをあげた…それをふいにしたのは貴方自身…」
私は逃げ出そうとするカラワーナに対し自身にかけていた結界を解除してもう一度月星の結界を発動する。
「ああああー!?こ、こんな所でー!……」
エネルギーの爆発でカラワーナは吹き飛ばされボロボロになり沈黙した。
「あ、お月様隠れちゃった…でもまだ大丈夫…」
私は空を見上げ一息ついた。
Side一誠
「…ドーナシークとかいったな?…俺は決してお前を許す訳にはいかねえ!」
「フン、弱小な転生悪魔如きが何をほざいている?
見ろ!レイナーレの不意な反抗によって傷を付けられたがそれも私の物となった元シスターの神器、【聖母の微笑み】で一瞬で治癒出来る!
これでも私を倒せるなどと思い上がっているのか?」
奴はアーシアから奪い取った神器で傷を回復した。
「もういい!テメエは口を開くな!
痛かったよなアーシア…俺が仇を取ってやる!」
ドーナシークの言葉を聞いて俺は遂に堪忍袋の緒が切れた。
『実に愚かだな中級堕天使よ…貴様は決して怒らせてはいけない者の怒りに触れた…』
「!?馬鹿なその神器は只の【龍の手<トゥワイスクリティカル】ではないのか!?」
俺の怒りを感じ取ったドライグが口を開く。
ドーナシークは驚愕し叫ぶ。
「ああ、テメエにじっくりと味わってもらうぜ!…俺達の力をなあ!来やがれ!」
【WelsyuDragon!OVERBOOST!】
俺はブーステッドギアの禁手<バランス・ブレイク>である「赤龍帝の鎧<ブーステッドギア・スケアメイル>」を纏った。
「そ、その魔力の奔流…魔王にすら匹敵しうるだと!?…真逆貴様は!…ニ天龍の片割れ、今代の赤龍帝だとでもいうのか!?」
「気が付くのが遅いぜ!
喰らいやがれ!【ドラゴニックブーストスピニングパンチ】!オラアー!」
「ぶっ!?がっ!?べっ!?…」
俺の正体に漸く気が付きまたも驚愕する奴の隙だらけな所に必殺パンチをお見舞いし上空に打ち上げる。
「まずは!【ドラグニティツインメイルスラッシュ】!
こいつはお前に傷付けられた挙句に利用され間接的にアーシアの命を奪う要因になってしまった夕麻ちゃんとミッテルトと呼ばれた堕天使の分!」
「ぐがああああー!?…」
無様に落ちてくるドーナシークに龍の双爪による攻撃を加えて再度打ち上げる。
「そしてお次はアーシアの分!【ドラゴニックブーストスピニングキック】!」
「がはあああー!?…」
飛翔して繰り出した渾身の蹴り上げでまたまた奴を空へと打ち上げる。
「そしてこれが俺の正当なる怒りの一撃だぁー!
【ドラグニティ・ブレイズバスター】!!」
「こ、この至高なる堕天使の私があんな小僧に!…ギャアアァァー!?……」
再び急落下を始めたドーナシークに対し俺は背部の砲塔を展開し狙いを定める。
そして即座に引き金を引く。
奴は最早避ける事すら出来ずに消し飛ばされた。
そして奴が消し飛んだ位置からアーシアの神器の核がゆっくりと降下してきた。
「終わったのね」
「ええ、首謀者は俺が消し飛ばしました。
他の奴等は木場達が無力化している筈です…」
「ん?まだ終わりじゃないわね…」
「それは!…」
外の堕天使達の討伐を終えてやって来た部長達に報告する。
一連の流れを聞いた部長は悪魔の駒を取り出す。
…でも彼女って神様信仰しているんだよな…それを捨てさせるというのも酷な事なのかもしれないが…やっぱり彼女には生きて欲しい!
「当事者が欠けているというのはやっぱり後の事にも影響するから、それに彼女自身も凄く魅力的だから特別措置よ」
「部長、お願いします!」
「分かったわ!」
部長が悪魔の駒をアーシアに近付け転生させる。
「はっ!?…私は確か…」
「起きて早々に悪いんだけど其処で倒れている堕天使の治療お願いするわね」
「レイナーレ様、ミッテルト様!?は、はい!」
こうして彼女は「僧侶」のグレモリー眷属として転生悪魔となった。
すぐに救出したレイナーレとミッテルトの回復を始める。
「う、うー~ん…?」
「あ、あれ?…私確かドーナシークに反抗したけど返り討ちに遭って…アーシアは!?…」
「レイナーレ様!ミッテルト様!」
「アーシア!無事だったんっスね!って?…」
すぐに目を覚ました二人はアーシアの姿を目にし飛びつこうとする。
が…
「な、なんで悪魔になっちゃっているんスか!?…」
「それについては彼に説明してもらうわ」
「イッセー君!?…そっか、こんな私達を助けに来てくれたんだ…」
レイナーレが俺の姿を目にすると安堵した表情になる。
やっぱり君は笑っている方が数倍可愛いな!
「ああ、ドーナシークの野郎は俺が消し飛ばして、他の奴等は俺の仲間が無力化させた。
でもよく聞いてくれ…」
俺は起きてしまった悲劇をレイナーレ達にも話した。
「そんな!?なんて事を!?…」
「あんにゃろう!私らの血まで儀式の触媒に使っていたなんて!一発殴らせてもらいたかったっス!」
レイナーレはその事実に落胆し、ミッテルトはドーナシークに対し憤慨していた。
「アーシア御免なさい!…貴方を死なせてしまって…」
「この通りっス!…」
「か、顔を上げて下さいレイナーレ様にミッテルト様!私はこうして生き返られましたしイッセーさんやリンちゃんというお友達とも出会えてこれ以上の幸せなんか望んだらバチが当たっちゃいます!」
レイナーレ達の謝罪を受けたアーシアは半ば狼狽していたがすぐに自分の意思を伝えた。
優しい子だなあ。
それから二日後、部長の計らいでうちに滞在させていたレイナーレ達は今回の件を報告する為にグリゴリへと帰っていった。
次のフェニックス編について あまり変更点が無いので
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ダイジェストで飛ばす
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しっかりやってもらいたい