Side一誠
「クッ!?・・・何故僕の剣が・・・」
「木場・・・」
部室に突然訪れた二人組。
どうやら教会に保管されていた聖剣エクスカリバーが何本か何者かに盗まれたらしくソイツがこの町に潜伏しているらしいという事で派遣されてきた戦士だった。
というかそのエクスカリバーって本物?
だが間が悪く部室に戻ってきた木場にその事を聞かれ教会の戦士の一人に決闘を申し込んだのだが・・・聖剣への怒りに囚われ動きが雑になり逆に自身の魔剣を弾き飛ばされてしまっていた。
「君の剣は速さが持ち味だろう?そのメリットを殺してまで勝利を焦るとは・・・確かに以前の聖剣計画は忌むべきものではあるが・・・」
「その計画で聖剣を扱えるようになった君達が言うか?」
「何だ君は?」
「俺からすれば計画そのものを続けた事に嫌悪感しか覚えないぜ・・・」
「我々を馬鹿にしているのか?」
「馬鹿にしているのはそっちじゃないのか?
普通だったら犠牲者の事を考えてそんな計画は白紙にするべきだと思うんだが?
神の名の下にって言えば何でも許されるとでも思っているのか?天使陣営は考え無しだと思われても仕方無いぞ?」
「貴様!・・・」
「ちょっとゼノヴィア落ち着いて!・・・イッセー君も主を馬鹿にするのは流石に許せないよ?」
「救いを本当に必要としている者に手を差し伸べない奴なんて神とは認める訳にはいかないんだがな」
ゼノヴィアと名乗った者の他に居たのはなんと幼馴染のイリナが居た事には驚いた。
「大体アーシアだって只その神の教えに従って傷付いていた悪魔を癒したんだろう。
表向きの面子を保つ為だけに彼女に追放処分下すような馬鹿な教会上層部でなければ彼女が堕天使に狙われて転生悪魔になる必要性すらもなかったんだからな!
正直人命を軽んじているといわれると思われても仕方ない事だと思うぜ?」
「そ、それは・・・」
俺がアーシア本人に聞いていた彼女の境遇からの考察を二人に言う。
正直怪しい点はいくつかあるが彼女自身は何も間違った事などしていないと断言出来よう。
「それこそ彼女の信仰心が足りなかったからだ。
ならばせめてもの慈悲で此処で断罪してやろうか」
「は?・・・」
イリナはすぐに過ちに気が付いて口籠るものの一方のゼノヴィアは信仰心、信仰心と言うばかりで話にならなかった。
「今なんて言った?」
「だからせめてもの慈悲だと・・・!?」
言ってはならない事を言ったゼノヴィアに俺は殺気を飛ばす。
「ここまで言ってもまだアーシアを追い詰めるのか!?
信仰心も大事な事なんだろうが行き過ぎると只の妄言でしかねえんだよ!
そう、一方的な理解では決して真に理解しているとは言えねえ!」
「くっ!・・・そこまで大口を叩くのなら私の信仰心に勝ってみせろ!」
「ああ、それが手っ取り早い!いくぜ!」
「なっ!あの騎士の悪魔よりも速い!?・・・」
「おぁたぁー!」
ゼノヴィアからの果し合いを受け入れ俺は籠手だけを展開して急接近し彼女の持つ聖剣を弾き飛ばした。
「ば、馬鹿な!?・・・」
「何もかも弱いな・・・」
「何!?どういう事だ!・・・」
「お前自身で見つけるしかねえよ・・・」
俺はゼノヴィアにそれだけ言い、後は無視した。
「やり過ぎ・・・とはいえないわね・・・所で話を戻すけど聖剣を奪ったのは一体何処の誰なのかしら?」
部長も思う所があったのか逸れていた話に戻す。
「え、ええ、上級堕天使幹部のコカビエルの手の者によるものだと断定されています」
俺にのされて喪失しきっているゼノヴィアに代わってイリナがそう言った。
「コカビエルですって!?・・・ソイツがこの町に潜伏しているのね」
「もしかしたら奴の目的は・・・」
俺は首謀者のやってきた事を振り返ってみて奴の目的に気が付いた。
もしその通りだとしたら・・・
「教会上層部は今回の件に悪魔を関わらせないようにとの指示を受けている」
「物が物だから堕天使と手を組むかもしれないって思われているって事かしら?
その事ならグレモリーの名に誓って決してしないわ!」
「それだけ言質が取れれば十分だ。
行こうイリナ」
「う、うん・・・」
「部長、僕も行かせて貰います・・・」
「ちょっと裕斗!?・・・」
「・・・」
俺達が引き止めようとした所で今の木場や彼女達の耳には一切届かないだろう。
痛い目に遭うのがオチだ。
数日後・・・恐れていた事態が起きた。
木場達が追放されていた聖剣計画の首謀者を見つけたが其処にドーナシークらと共に行動し行方を眩ませていたイカレ神父のフリードまで現れ盗んだ聖剣で仕掛け逆にゼノヴィア達の所持していた聖剣が奪われてしまったのだった。