「……ディケイド」
これまでの仮面ライダーディケイド2は……
「知らん。気付いたら増えていた」
「新しいライダーか?」
「次はこいつらの世界を巡れってことだろ?」
「お前の旅の無事を祈っているぞ、ディケイド」
「ここが最初の世界か……」
士は写真館の外に出て、ダブルのブランクカードを空に掲げる。カードを持つ手を下ろしたその先には、風都タワーのプロペラが八つの羽を大きく広げて回っていた。
「それにしても……」
士は自分の姿を見る。
「また警察か」
「クウガの世界に戻ってきたみたいですね」
「そうだな。確かお前、最初はそんな格好してたような気が」
後から出てきた夏海とユウスケは士の警察姿を笑う。
士は懐を探る。取り出した警察手帳には見慣れない単語が並んでいた。
「風都署……超常犯罪捜査課……」
「なんだそれ」
「ドーパントってやつらの犯罪を取り締まるらしい」
「ドーパント?」
「人間がガイアメモリって道具を使って変身した、バケモノのことをそう呼ぶんだと」
「わっぷ」
士はポストに入ったままの新聞を取り、ユウスケの顔に押し付けた。夏海とユウスケ、二人は新聞を広げる。肉食恐竜の頭部を模した怪物が一面を大きく飾っている。
「ドーパントまた出現、増加傾向にあり……」
「人知を超えた凶悪な存在……。こんなのがたくさんいるのか」
「ああ。例えば、こういう奴だな」
「え?」
士が指した彼らの前にはコックローチドーパントが出現していた。
「ゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴキ、ゴキブ……!!」
「きゃあああああああ!」
「ウワァァァアアアアアアア!」
うろたえるユウスケ、目を回して絶叫する夏海。そして何故かドーパントも声を上げた。
◆
第2話「Wの世界/街を守る者」
◆
「ウワア! またサツか! ぐえっ!?」
士を見て、コックローチドーパントも驚いた様子。隙を見せた瞬間、士のキックを受け、ゴロゴロと転がる。ユウスケと夏海は左右に飛び、ドーパントから離れる。
「くそっ、邪魔するな! そこをどけえええええ!」
立ち上がり、猛スピードで向かってくる。それを士は素早く避けた。コックローチドーパントはどんどん遠ざかる。
「士! 逃がしていいのか!?」
「いいや、良くない」
ドライバーを取り出し、カードを挿入する。
《カメンライド》
「変身」
《ディケイド》
「げげええ!? かっ、仮面ライダァー!?」
ドーパントは背後で変身するディケイドを見て叫ぶ。変身を完了し発光する緑の複眼と目が合い、彼は身震いした。
「虫相手なら、こっちも虫だ」
《カメンライド カブト》
《アタックライド クロックアップ》
ディケイドカブトはその場から消える。時間の流れを超越した高速移動のため、そう見えるのだ。
「いやー……やっぱ速えなあ……」
ユウスケと夏海はその様子を見つめるばかり。
「しっ、しつこいぞ! なにする……や、やめろ!」
スピードではコックローチドーパントに圧勝したディケイドカブトは、彼の周りをぐるぐる回って足止めをしていた。抜け出す隙がないドーパントはその場であたふたするのみ。
「罠に捕まったゴキブリは即刻駆除してやらないとな」
ディケイドカブトはドーパントの背後で高速移動を止めた。そして一枚のカードを取り出す。
《ファイナル アタックライド カカカカブト》
「やめ……びゃああああああああああ!!!!」
鋭い回し蹴りを浴びせられたドーパントは爆発する。
「あひ……」
その場に倒れる男。隣で粉々に砕けるコックローチメモリ。それを確認し、士は変身を解除した。
その時、遠くからパトカーの音が近づいてきた。
「……お?」
急ブレーキで停止したパトカーのドアが開く。警官数人と、その上司と思われる上機嫌な男が出てきた。彼は刃野。士と同じ超常犯罪捜査課の刑事だ。
「お前! お手柄だな!」
「お、おう」
笑顔の刃野に肩をぽんぽんと叩かれ、士はぎこちなく返事する。彼らの横を、部下と思わしき二人の刑事――小牧と押谷が通り過ぎ、男に手錠をかけた。
「刃野さん! 確保しました!」
「ご苦労。さ、連れてくぞ。ガイアメモリをどこで手に入れたか、聞かなきゃならねぇ」
彼らはパトカーに乗る。あっという間に男は連行されていった。その場には士たち三人が残った。
「やるじゃないか、士」
「当然だ」
「おい、あんたたち、この辺にドーパントが逃げてこなかったか!?」
「え?」
聴き慣れない声がした。振り向くと中折れ帽子を被った男が息を切らしながら立っていた。ドーパントのことを知っており、それらから逃げるではなく逆に追っている立場らしいが、恰好を見る限り警察関係者ではない。
「誰だか知らんが。ドーパントならもう連行されたぞ」
士が親指で指した方には米粒ほどの大きさになったパトカー。
「なんだと!? メモリは!?」
「ぶっ壊れたのを証拠品として持っていったぞ」
「誰かがメモリブレイクしたのか……?」
「えっと、とりあえず……あなたはどちら様でしょうか? 警察……じゃないですよね。この街はいったい──」
「おっとぉ! この街は初めてかい? 御三方!? 俺でよけりゃこの街の魅力を語るぜ」
神妙な表情から一転。彼はふふん、とキメ顔をした。急なテンションの変わりように、士たちはぽかんとする。
「まあ、立ち話もなんだ、入ってくれよ。コーヒーくらいは出せるからさ」
「入れってここはうちの……ええ!?」
光写真館はビリヤード場になっていた。
「そっちじゃないぞ。上だ上。こっちだ」
彼は建物の横の細い通路に入っていく。
「……どうする?」
「ついていけばいいんじゃないか? どうやらあいつ、ドーパントのことについてよく知っているみたいだしな」
ビリヤード場の脇の階段を上がったところに扉があった。中に入るとどこか懐かしい昔の雰囲気に包まれる。時代を感じさせる内装がそうさせたのだ。
「じゃあ改めて。ようこそ風都へ! 歓迎するぜ~。この街はいいところだ。是非楽しんでいってくれよな! 俺は切札ショウタロウ。この街の顔だ。よろしく!」
彼はそう言ってコーヒーを出す。
「ここはなにかの事務所ですか? 家ではないですよね」
「探偵事務所だ。まあ、言っちまえば何でも屋だな。この街のことならお任せあれ。何かあったら電話一本! すぐに駆けつけるぜ」
ショウタロウは黒電話の受話器を耳に当て、ウインクとサムズアップでまたキメ顔をして見せた。「へぇ……」と夏海は引き気味だ。
「何から何まで古臭い事務所だな」
「士! そういうのやめろって! あと、うろうろするな!」
アンティークな椅子。高そうな額縁の風景画。レトロなラジオ。帽子がたくさんかかった扉。士は事務所内を歩き回る。
「あっ! おい、その部屋には……!」
「ん?」
「いや、扉の帽子は俺の大事なもんだ。すまないが、触らないでくれるか」
扉を開けようとすると帽子に触ってしまう。ショウタロウにきつめに言われ、士は手を引っ込める。それを見てふふと笑う夏海は、ふと目の前の机の上にタイプライターを見つけた。
「それにしても面白いものがたくさんありますね。わー、ああいうの、うちのおじいちゃんも持ってました」
「おっ、いいねー。男のロマンって奴だよな。あんたの爺さんは分かってる人だぜ!」
◆
「ふぇくしょ! ……風邪かな」
「栄次郎ちゃん大丈夫ー?」
「うーん……あったかいものでも食べようかな」
◆
「で、あんたたちはなんの用事で風都に? 観光スポットならいろいろあるが……まずはやっぱり風都のシンボル、街の中央に位置する風都タワーだな。ここからもよく見えるだろ? 俺のおすすめは、直下にかかる風都大橋から見上げる姿だな。風都タワーの中を駆け抜けていく、この町で一番いい風を感じながら――」
「そんな話はどうでもいい。俺たちはドーパントのことを聞きたい。ドーパント事件のスクラップがあるってことは、あんたの専門はこれなんだろ?」
士はファイリングされた記事を棚から勝手に出していた。それをショウタロウに見せながら訪ねた。
「……聞きたいのはそれか」
ショウタロウは悲しい表情を見せる。
「記事の日付を見たら分かると思うが、最近特にドーパント絡みの事件が多くてな。警察もあっちへこっちへと連れまわされてる。さっきのパトカーに乗ってた刑事がいただろ? 担当だから仕方ないとはいえ、刃野さんたちもさすがに疲れてる。あんたも警察なんだからそれくらいは知ってるだろ?」
「ああ、まあ、だいたいな」
「嘘つけ」
来客用のソファの背もたれにどかっと腰かけてそう言う士に、ユウスケがツッコミを入れる。
「風都署の方々とは、お知り合いなんですか?」
「まあ、顔馴染みだな。昔から世話になってたし、今でもドーパントの事件があれば嫌でも顔を合わせる」
「なるほど」
「密売組織の逮捕で収まりつつあったドーパント事件がまた流行りだした。警察は、組織のメモリを拾ったやつらが好き勝手やってるだけだと考えてるらしい。だけど俺は、これには何か裏があると思ってる。でも頭が回らない俺だけじゃ……どうにもならねえ……」
「お前のその推理に根拠はあるのか?」
「……探偵のカンだ」
突然ジリリリリンと電話が鳴る。ショウタロウは頬をぱしんと叩き、弱々しい声から仕事用のいい声に戻って電話に出た。
「こちら切札探偵事務所ォ」
はい、はいと受け答えして電話を切る。
「すまねえ、事件だ。ちょっと時間がかかるかもしれねぇから、また明日にでも来てくれ。ドアの鍵は開けっ放しでも大丈夫だ」
そう言ってショウタロウは駆け足で出ていった。
自分たちも出ていこうと立ち上がった時、ユウスケは棚の上に写真立てを見つけた。写真立ての周りは花瓶と一冊の本があるだけで、物に溢れている事務所内では浮いた雰囲気になっていた。
「この写真……ショウタロウさんの写真かな?」
帽子を被ってキメ顔の少年と、本を持った眼鏡の少年。二人が仲良さげに写っていた。
「隣の子は……誰でしょうか?」
「年は近そうだよなぁ。友達、でいいのかな」
「……だいたいわかった」
そう言って士は例の帽子のかかった扉の中から出てくる。
「あっ! ショウタロウさんがそこ触るなって言ってただろ! いつの間に中に……。まったく、信じられないな、お前は」
「あいつの言うとおり、この事件には裏があるかもしれないな」
「何か掴めたんですか?」
「さあな。それを確かめるためにとりあえず調査してやるか。警察らしく、な」
士はネクタイをぐっと締めた。
◆
ショウタロウはバイクを降りた。ヘルメットを取り、帽子を被りなおす。
「ドーパントはどこだ……?」
ショウタロウは街の南東、風都湾に来ていた。先ほどの電話で、この辺りでドーパントらしき姿を見たと連絡があったのだ。
「やあ。君が仮面ライダーダブルだね?」
積まれたコンテナの間を一つ一つ見ていくと、上から声がした。手で電灯の光を避けて見上げると、コンテナに座る男が見えた。その声には聞き覚えがある。
「あん……? なんなんだあんた。もしかして俺を呼んだのはあんたか?」
「そうさ。でも用件は別だ」
彼は飛び降り、ショウタロウの目の前にやってくる。そして右手で銃の形を作り、バンと撃つ動作をした。彼は海東大樹。士と同じく、世界を旅する仮面ライダーである。しかし、ショウタロウはそんなことを知る由もない。
「とりあえず、君のガイアメモリが欲しいんだけどね」
「ふざけんな。ドーパントが出たってのは嘘かよ。誰だてめー」
ショウタロウに向けられた手をぱしんと弾く。海東は叩かれた手の甲を一撫でし、やれやれと銃型ドライバーを手にした。
「僕はただのトレジャーハンターさ。そして、君と同じ仮面ライダーだ」
「仮面ライダーだと……? その名前を気安く使われるのは気にくわねぇな!」
相手は武器を持ち、戦う気でいる。こちらも対抗しなければならない。ショウタロウもドライバーを腰に巻き、黒いガイアメモリを手にした。
《カメンライド》
「変身!」
《ディエンド》
《ジョーカー》
「変身!」
《ジョーカー》
「はっ!」
ディエンドは冷静にドライバーから弾を連射する。それを避わすために、ジョーカーは一旦コンテナの後ろに隠れた。
「クソッ。銃持ち相手かよ……!」
「フッ。勝ち目はないんじゃない? メモリさえ渡してくれたら満足して帰るんだけどなぁ」
「馬鹿言うな!」
「!」
ジョーカーがコンテナの上から奇襲をかけた。攻撃を避けた後、ディエンドの裏へ回り込んだのだ。
近接になると、途端にジョーカーが優勢になる。ディエンドは回避に徹し、攻撃する暇がなくなった。二、三度攻撃を受けてしまったが、ディエンドは持ち前の高速移動を発揮して再び距離を取る。
「どうだオラァ!」
「やるね。じゃあこういうのはどうかな」
《カメンライド カリス》
「なんだあ!? ぐわあ!」
ジョーカーの眼前に、ハートをモチーフにした黒いライダーが召喚される。カリスの武器・カリスアローは弓だが、近接武器にもなる。その一撃を喰らい、ジョーカーは地面を転がった。
近接攻撃と遠距離攻撃。二人の攻撃を相手に、ジョーカーは苦戦を強いられることとなった。
◆
士は風都署に来ていた。
「いや~いやいや。さっきはお手柄だったぞ。お前、名前は?」
「門矢士だ。というか誰もいないな。あんたの部下の姿も見えないが?」
「ああ、一昨日出た奴が道路を派手にぶち壊しやがったもんで、その対応に追われてんだ。んで、小牧も押谷もパトロールに行ったとこだ。とにかく今は人手が足りねぇってワケよ」
「あんたは一人でここでなにしてる」
士の言い方に「サボりか?」というニュアンスを強く感じたのか、刃野はむっとする。
「上司として対策を考えてんだよ。ほら、これを見てみろ」
彼はそう言って風都の地図を広げた。
南東・北東を海と山に囲われた風都はやや閉鎖的に見える。街の中心である風都タワーのそばを流れる川は、ダムのある北東から南西に向かって流れており、街を二分している。その地図の中にぽつぽつと赤い印がしてある。
「印のとこがドーパントが出た場所だ。見れば分かるが、川の下流──南西方面に集まってるだろ。だから次に出るのはこの辺りだと俺は睨んでる」
「ふうん」
そう言った刃野の指は風都湾をさしていた。
◆
「そろそろメモリを渡す気になったかい?」
「ならねえなあ!」
「素直じゃないねッ!」
ディエンドの発砲を避けた先にはカリスが待ち受ける。振り下ろされる刃を真剣白刃取り。そのまま腹にキックを繰り出し、ジョーカーは攻撃に転じる。ディエンドの視界からはずれ、まずはカリスとの一騎討ちをするつもりのようだ。
「待ちたまえ――うっ!」
ジョーカーを追い詰めようと近寄ったディエンドは、背後から攻撃を受けた。思わずその場に倒れる。
「誰だ!?」
ディエンドが振り返った先には、ドーパントが。
「こんな時に! 邪魔するな!」
《アタックライド ブラスト》
ディエンドはカードを使い、戦いに水を差した怪人を排除しようとした。ディエンドライバーが上下左右に振れ、残像から弾が発射される。
「ハッ!」
ドーパントが手を向けると、掌から高速で弾が発射された。弾の正体は水。弾同士がぶつかるたびに、辺りに水溜まりができていく。ブラストの能力で通常の連射速度以上のペースで発射された弾を、ドーパントは全て相殺したのだ。
「なに!?」
「ハアッ!」
「うっ、うわああ!」
今度は海水を操り、ディエンドをなぎ払う。操られた海水は非常に重く、鉄の塊のようだ。
「くっ……一時撤退だ……!」
《アタックライド インビジブル》
ディエンドは戦線離脱した。そして彼が場を離れたため、召喚されたカリスは消えてしまった。ジョーカーはカリスを倒したと思い、次はディエンドを相手にしようとこちらに走ってきた。しかしディエンドはその場におらず、代わりにドーパントが待っていた。
「……! ドーパント!」
「仮面ライダーめ……!」
ドーパントはジョーカーに手を向ける。放たれた水の弾丸は、背後のコンテナに穴をあける。
「また遠距離かよ!? つーか、とんでもねえ威力だな。メモリはなんだ? とにかく、今度はこっちからだ!」
ジョーカーはドーパントに向かっていく。先ほどディエンド相手に行ったものと同じく、遠距離には近距離作戦だ。しかし、いくらパンチを繰り出しても手応えがない。
「な!?」
「仮面ライダー……!」
ドーパントはジョーカーを突き飛ばし、水を乱射する。そのうち一つがロストドライバーに命中する。ドライバーにはヒビが入り、破片がぽろぽろと落ちる。
「しまった!」
ロストドライバーを壊されてしまったジョーカーは、うまく力が引き出せない。なすすべなくドーパントから一撃をもらい、硬いコンテナへと叩きつけられた。ジョーカーは変身を強制解除され、ショウタロウがその場に崩れ落ちた。
「ぐはっ……。ドー……パントめ……」
「……! お前は……」
ドーパントは、気を失い倒れるショウタロウを見つめる。トドメを刺そうと構えていた手を下ろし、くるりと背を向けた。
「まあいい。これで仮面ライダーはいなくなった……!」
ドーパントはその場を去った。
◆
しばらくして、すっかり夜になった。真っ暗な探偵事務所の扉がぎっと開く。
「クソ……こいつ、なんだってあんなところで寝てやがったんだ」
ショウタロウをおぶった士が入ってきた。刃野の推理に従って、士は風都湾に行ったのだ。そこにドーパントはおらず、代わりに気を失ったショウタロウを発見し、今に至る。
士は、気絶したショウタロウをソファに寝かせる。
「やはり俺の知っているダブルとは少し事情が違うみたいだな」
彼の腰につけた壊れたロストドライバーを見て士は呟く。この形のドライバーは、士も初めて見る。
「また明日来るからな」
その一言と共に扉が閉められた。
「……行ったかな」
士が出ていって数秒してから、ショウタロウは目を開いた。途中から寝たフリをしていたのだ。だが口調がいつものものとは少し違う。
「ふう、一体誰なんだ彼は。……ん?」
彼は自分の手を見る。そして視線は袖、腕、体へと。違和感はどんどん大きくなっていく。立ち上がり、姿見に映った自分の姿を見る。
「僕じゃない!? これは、ショウタロウ?」
最初は驚いた様子だった彼も、自分の頬をぺたぺたと触っているうちに落ち着きを取り戻していく。
事務所内に積まれたファイルや報告書をひっくり返し、片っ端から読んでいく。ふんふんと頷き、タイプライターの紙を一枚取ってメモ代わりにした。
「なるほど。そういうことね」
そして、例の扉の先に足を踏み入れる。さっき鏡を見た時に、腰のロストドライバーが使い物にならない状態であることを察した。
「理論は思いついている。最終調整は一晩で終わらせよう、僕たちの街のために!」
扉はガチャンと閉まり、事務所内には再び静寂が訪れた。
次回 仮面ライダーディケイド2
「ダメなんだ! 俺じゃきっと! そんなの分かってんだよ!」
「風都は俺の街になるのさァ!」
「一人では届かなくとも、こいつらには信じ合える相棒がいる」
「さあ!」
「お前の罪を」
「数えろ!」
第3話「Wの世界/ライダーは二人で一人」
全てを破壊し、全てを繋げ!