天災探偵と五等分の花嫁   作:ダイガスタ

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こんにちわ。ダイガスタです。
毎回ひと通り見直して誤字、脱字等はないように気をつけています。
何か気づいた方がいたら教えてください。


第7話 三玖の秘密

翌日、俺はHRギリギリに登校していた。理由は昨日から家庭教師のサポートに入ることで、その分やることが増えたためである。

1人1人に合わせた教材の作成、試験に合わせた模擬問題の作成など、やることをあげればキリがない。

ただでさえ問題児が5人もいるのだ。やりすぎということはないだろう。

俺がそんなことを考えていると、風太郎が後ろから追いかけてきた。

「よ、よう、祐介。」

「おう、おはよう風太郎。」

風太郎は息を切らしながら、こちらに走ってきた。

どうやらこいつも俺と同じようなことをしていたようだ。

家庭教師と自分の勉強の両立が大変だと、身にしみていることだろう。

「それにしても、昨日はとんだ災難だったな。」

「全くだ、まさか全員が赤点候補だとは俺も思わなかった。」

「ははっ、まあ仕方ないさ。こうなってしまった以上、やれることをやるだけだ。」

「そうだな、これも仕事と割り切るさ。」

 

そうこうしているうちに、学校の前まで着くと、黒塗りの高級車が学校の前で止まった。

風太郎は車の前まで行き、ジロジロと眺めている。

(そういう所が貧乏臭いんだよなあ。)

車から降りてきたのは中野姉妹で、俺たちを見るやいなや、さっさと逃げようとする。

風太郎と俺は逃すまいと声をかける。

「待て!、俺は手ぶらだ、害はない!」

「そうだよ、別に無理やり勉強させようなんて考えてないよ。ホント」

そう言っても、彼女たちはなかなか信じようとはせず、警戒している。

 

そして彼女たちは俺たちに向かってこんなことを言い出した。

「私たちの実力不足は認めますが、自分の問題は自分で解決します。」(五月)

「勉強は1人でもできる。」(三玖)

「要するに余計なお世話ってこと。」(二乃)

彼女たちはそんなことを言っていたが、それに対し、俺は呆れていた。

(よくもまあこれだけ自信満々に言えるな。少なくとも昨日の小テストの結果を見る限り、自力でどうにかできる状態ではない。それは彼女たちも理解していると思うのだが。とにかくこれ以上茶番を続けるつもりはない。そろそろ幕を引かせてもらおう。)

俺は、彼女たちに決定的な一言を言った。

 

「じゃあ、前回の小テストの復習はもちろんしたよな?」

「「「「「………」」」」」

(こ、こいつら…)

「問1、厳島の戦いで、毛利元就が破った武将を答えよ。」

 

そう言うと、五月は俺たちの方に不敵な笑みを浮かべた。

風太郎は一瞬期待したが、その期待はすぐに崩れ去ることになる。

なぜなら彼女の反応は…

「………」

無言。他の4人も同様だった。

それだけで、風太郎は理解した。今の彼女たちでは自力でどうにかするなんて不可能だと。

一方、俺は先ほどの問いに対して、1人だけ答えなかったことに疑問を感じた。

(どうして”アイツ”は答えなかった?前回の小テストでは正解していたはずだ。)

俺の視線は自然と5つ子の一人に向いていた。

 

 

教室で、二乃は俺に少し視線を向けるも、すぐに目をそらしてしまう。

どうやら、俺は昨日のことで思った以上に彼女からの反感を買ってしまったらしい。

(仕方ない、今はそっとしておくか。二乃もしばらくすれば落ち着いてくれるかも知れないし。)

 

昼休み、食堂にて、昼食を食べる場所を探していると、風太郎と一花と三玖と四葉が一緒にいた。

なにやら風太郎の様子がおかしいが。

理由を聞くと、どうやら風太郎に恋愛話をしてしまったらしい。

(こいつにその手の話は禁句だからな。まあ俺から見てもかなり痛々しいが。)

「まぁ恋もいいが、それが勉強をないがしろにしていい理由にはならないぞ。」

 

俺がそんなことを言うと、四葉が三玖に話を振る。

「まあ恋愛したくても、相手がいませんけどね。三玖は好きな人とか出来た?」

四葉がそう言うと、三玖は慌ててどこかへ行ってしまう。

その様子を見て、一花と四葉は三玖が恋をしているんじゃないかと考える。

だが、これは風太郎からすれば勉強に集中して欲しいだけに都合が悪いだろう。

(俺に恋愛というのはよく分からないが、少なくとも、三玖がそう簡単に誰かに心を許すとは考えにくいな。)

 

教室に戻ると、机の中に手紙が入っていた。

差出人は三玖。どうやら伝えたいことがあるから、屋上まできてほしいとのことだ。

最後にこの気持ちが抑えられないなどという一文も添えられていた。

これだけ見れば、ラブレターだと勘違いしてしまう人もいるだろう。風太郎とか。

だが俺は全く別の要件だと考えていた。

 

屋上まで行くと、先に風太郎がいた。

どうやらあいつも三玖に呼び出されたようだ。

一方、あいつは俺が来るとは思っておらず、動揺していた。

「え、なんで祐介が。三玖は?」

「そりゃあ俺もあいつに呼び出されたからな。」

そう言うと、風太郎は混乱していた。

(コイツやっぱり勘違いしてやがった)

もしラブレターだったら、2人を呼び出すとか意味がわからないだろう。

ほどなくして、三玖も屋上に来た。

 

何やら三玖の様子がおかしい。

妙に恥ずかしがっている素振りなので、これは勘違いしても責められないだろう。

誰にも聞かれたくないだの、ずっと言いたかっただの三玖の言葉はとても紛らわしい。

しばらく様子を見ていると、三玖から言われた言葉は今日の朝に言った問1の答えだった。

三玖はスッキリした様子だったが、風太郎は意味が分からず三玖に詰め寄る。

その時に、三玖は自分のスマホを落としてしまい、待ち受け画面の武田信玄の武田菱を見られてしまう。

その後、三玖は恥ずかしがりながらも、俺たちに話してくれた。

 

「誰にも言わないで…。戦国武将、好きなの…」

どうやら三玖は歴女というやつらしい。四葉から借りたゲームで、戦国武将の魅力に惹かれたらしい。

だが、周りが好きなのは、イケメン俳優や、美人のモデル。明らかに自分の趣味とは正反対。

三玖はそのことがコンプレックスになっているようだ。それと元々自分に自信がないのだろう。

 

俺と風太郎は、三玖を元気づけることにした。

「変じゃない!自分が好きになったものを信じろよ。」

「そうだよ。君は周りと違うことを気にしているようだが、そんなことは勝手に言わせておけばいい。三玖はもっと自分に自信を持つべきだ。」

「2人とも…ありがとう。」

 

その様子を見て、風太郎はチャンスと思った。

歴史関係の授業を中心的に行うことで、三玖に積極的に授業を受けさせるようにするらしい。

風太郎は自分の方が頭がいいから三玖の知らない日本史の事をたくさん教えられるとアピールする。

だが、三玖は少なくとも武将関連については誰にも負けないと自負しているので、不満そうだ。

 

その後、ひと悶着あったが、なんとか三玖と授業を受ける約束を取り付け、風太郎は勝利を確信した。

しかし安心するのはまだ早い。

彼女達から本当の意味で信頼されなければ、本当の勝利とは言えないだろう。

そして三玖は自動販売機からお気に入りの抹茶ソーダを買い、風太郎と俺に1本ずつ渡そうとした。その時、

 

「大丈夫だよ。鼻水なんて入ってないよ。なんちゃって。」

「は?何て...鼻水?」

「あれ...もしかしてこの逸話知らないの?頭いいって言ってたけどこんなもんなんだ。やっぱ教わる事なさそう。」

そう言い、三玖は俺たちの前から去っていった。

俺は風太郎の様子を確認したが、どうやら三玖の発言に相当頭にキテるらしい。

こうなった風太郎はもう止まらないので、放置することにし、俺は先手を打つ為に三玖を追いかけた。

 

「三玖!待ってくれ。」

「何?もう話は終わったけど。」

「いや、まだ終わっていない。さっきの話だけどな。俺は知ってるぞ。」

「え?」

「だから、俺はあの逸話を知っていると言った。」

そう言うと、三玖は驚いていた。

 

「じゃあなんでさっき言わなかったの?」

「それは俺があくまで風太郎のサポートだからだ。おそらく風太郎は明日までに詰め込めるだけの戦国関連の知識を調べてくるだろう。三玖と対等に話せるようにな。今回の失敗はアイツにとってもいい教訓になっただろう。明日はもっと成長しているはずだ。その成長の妨げをしたくない。アイツには自分の思う通りに行動してほしいんだ。」

「...」

「それにこれはお前たち姉妹にも言えることだ。」

「え?」

「お前たちはお世辞にも頭がいいとは言えない。だがそれは裏を返せば伸び代がたくさんあるという事だ。だが生憎お前たちには優れた指導者がいない。しかし俺と風太郎が揃えば100人力、いや、200人力だ。だから俺はお前たちに協力したいと思った。」

「どうしてそこまでしてくれるの?まだ出会って1週間も経ってないのに、しかもただの家庭教師がどうしてそこまでしてくれるの?」

 

俺は、三玖の質問に自分の本心をぶつけた。

「...もったいないと思ったんだ。」

「え?」

「お前たちを見て、今の自分から少しずつでも変わりたい。でもどうしたらいいか分からなくて立ち止まっている。そんな風に見てとれたんだ。」

「!!」

三玖は自分の考えを当てられて動揺している様子だったが、構わず話を続ける。

 

「それに、俺にとってはただの家庭教師と生徒なんかじゃない。まあ今言うのは少し早急だと思うから、それはまた機会を見て伝えることにするよ。とにかく俺と風太郎を信用してくれるなら俺たちもその気持ちに全力で答えるつもりだ。別に今すぐって訳じゃない。明日風太郎とも話してみてそれで少しでも俺たちの事を考えてくれると嬉しい。」

「...分かった。まあ期待しないでおく。」

「ああ。今はそれでいい。」

 

三玖は少し納得いってない様子だったが、それでもこちらの言葉に一応は頷いてくれた。

これで明日の風太郎次第で三玖も俺たちを信用してくれるだろう。

俺は、この作戦が成功することを確信していた。

ちなみに、三玖からもらった抹茶ソーダは絶妙に不味かった。

(これを普通に飲んでるってどんな味覚してるんだ…)

俺はなんとか苦戦しながらも、抹茶ソーダを全部飲み干した。

その後、体調が悪くなり、家に帰るなり倒れるように眠った。

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございます。
オリ主が入ると話の持って行き方が若干変わるので少し難しい。
これからも頑張って投稿していく予定ですので、よろしくお願いします。
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