Re:異世界で出会う冷酷無慈悲のお姫様 【台本式Ver】 作:へたくそ
カゲヒト「僕と結婚してくれないかな?」
エルザ「何言ってるのかしら貴方、ふざけているの?」
カゲヒト 「ふざけていませんよ。僕は至って真面目です。あ、でも名前を名乗らないのは失礼ですね。僕の名前は
エルザ「教えるとでも?」
カゲヒト 「もちろん」
影人は優しい笑顔をエルザに向けた。影人は警戒心を緩めさせる目的で笑ったのだがエルザにとってそれは逆効果となった。この状況でこんな顔が出来るのは自分と同じ狂人だけ、エルザはそれをよく分かっていた。しかし、ここで名乗らなければ何をされるか分からない。そこで油断を誘うためにエルザは名乗った。
エルザ「……エルザ・グランヒルテよ。それにしても何時からここにいたのかしら?周りの警戒を怠ったつもりはないのだけれど。それに私と結婚なんて本当にふざけた坊や」
カゲヒト 「僕は本気ですよ?それと僕は貴方が来る前からここにいます」
エルザ「それは驚いたわ。本気で言っていた事も、私が気がつかなかった事も」
カゲヒト 「それで、お返事はいただけないのですか?」
エルザ「悪いけど、その返事はあの世で聞かせてあげるわ!」
エルザはそう言いながら、手に持っている剣で影人の腹を切り裂こうとした。
それはかなりのスピード、至近距離からの攻撃。普通なら躱すことは不可能。
しかし…
カゲヒト(うん、やっぱり名の知れた暗殺者かな?こんな人がいるなんて流石は異世界だな。でも…)
パシッ!っと軽い音がその部屋に広く響いた。その出来事にエルザは目を見開いて驚いた。
カゲヒト 「それくらいでは僕を殺す事ができませんよ。それであの世でくれるはずでしたお返事を、早めてくれると助かるのですが」
影人はエルザの手首を掴み、いとも簡単に攻撃を止めた。
エルザ「ただの坊やではないようね。貴方、何者なの?」
エルザは影人への警戒レベルを最大限まで引き上げた。
自分が気配を察知できず、この距離での攻撃をいとも簡単の止められる。
その事実に今自分が放つことの出来る一番強い殺気を影人にぶつけた。
その影響は周りにいるスバルやパック、エミリア、フェルト、ロム爺にも出ていた。
スバル、フェルト、ロム爺は一歩も動けず、エミリアとパックは警戒態勢に入っている
これで流石に影人も…、そう思い影人の顔を見ると、影人は平気な顔をしてそこにいた。
エルザ「なっ、どうして?貴方は何も感じてないのかしら…?」
カゲヒト 「普通の人なら確かにそこにいる人たちに様になるでしょうね。でも僕は生憎普通の人間ではないので」
エルザ「それだったら貴方はなんだと言うのかしら?」
影人はその答えを言葉ではなく、行動で示して見せた。
【神が人を
その殺気にスバル達は勿論、エルザも自分の死を想像せざる終えなかった。
圧倒的なまでの殺気、自分と同じ世界で生きてきた人間、しかし自分とは比べ物にならない程の殺気。
エルザは影人の殺気に当られた事で、自分は目の前の少年に殺される。そう思った。
そしてエルザはこの時、恐怖とは別にもう一つの感情が芽生えた。
エルザ「驚いたわ、まさか貴方がこれほどの人間だったとはね」
カゲヒト 「自分ではあまり自分を人間として認知していませんがね。さて、貴方はお返事をくれないようなので仕方ない、諦めましょう。貴方を殺したくはありませんし」
エルザ「あら?私が貴方に負けるとでも?」
そう言いながら影人はエルザから離れる。影人の言葉を聞き、エルザは虚勢を張る。
自分よりも明らかに年下の少年に勝てないと思い知らされた事によるちょっとした嫉妬であった。
カゲヒト 「面白い事を言いますね。それとも貴方なりのプライドなのでしょうか?僕に勝てない事を一番分かっているのは貴方のはずですが?」
エルザ「本当に何もかも貴方には勝てないと言うわけね。残念だわ」
カゲヒト 「分かってもらえて何よりです。今日の所はこれで終わりにしましょう。貴方の仕事を邪魔して悪いですが、流石に同郷の仲間と、その知り合いを殺させるわけにはいかないので、このまま引いてくれると助かります」
エルザ「同郷?貴方のお友達がいると言うのかしら?」
カゲヒト 「友達ではないですよ。彼と会うのは初めてですし。ただ、そこの【ジャージ君】を見殺しにする事はどうしてもできないんですよ」
影人の【ジャージ君】と言う言葉にスバルは直ぐ様反応した。
スバル 「お、お前!ジャージ知ってんのか!?」
カゲヒト 「勿論、言ったでしょ?同郷の仲間って。恐らく僕と君は同じ経緯でここに連れてこられたんだと思うよ」
スバル 「マジか!それはテンション上がるぜ!」
カゲヒト 「それは良かった。それじゃその話はまた後でしようか。さて、お待たせしてすみません。先程の提案、受け入れてくれますか?」
エルザ「残念だけど、それは出来ないわ」
カゲヒト 「あれだけ実力の差を思い知らせれてもですか?それも貴方のプライドが許さないと?」
エルザ「いいえ、そうではないわ。貴方の殺気を浴びて考えが変わったの。いえ、それは正しくないわね」
カゲヒト 「それではなんだと言うんですか?」
影人はエルザの言っている事が良く分からなかった。自分との実力差は歴然、影人の圧勝で終わるだろう。
エルザにとっての最悪の事態を避ける提案を出したはずなのに、エルザはそれを断った。
その理由が自分の殺気を浴びたから?意味が分からない。そう思いエルザを見ていると、エルザが近づいてきた。
一切の殺気がなく、影人の反応は大きく遅れた。その隙にエルザは影人の首に手を回す。そして
影人にキスをした
「「「「!?」」」」
エルザ「あら、驚いた顔はとても可愛いのね。いいものが見れたわ」
カゲヒト 「ど、どう言う事ですか?一体何をして…」
影人は、いや影人以外のスバル達もいきなりの事にかなり動揺していた。さっきは自分からプロポーズしておいて、今の影人はキスをされて顔を真っ赤にしている。
エルザ「キスよ?知らないのかしら?」
カゲヒト 「知っています!そうじゃなくてどうしてキスをしてきたのかって言う事です!」
エルザ「さっきも言ったでしょ?考えが変わったって。さっきのプロポーズ、私の返事はOKよ」
その言葉にまたしても全員が驚いた。どう言う事だ?さっきは影人への返事はNoだと言うかの様に影人を殺そうとしていた。それが今なんと言った?プロポーズをOKする?つまり結婚を受け入れると言う事だ。
カゲヒト 「本気で言ってるんですか?」
エルザ「本気かそうじゃないか。貴方にはそれが分かると思っていたのだけれど。違ったのかしら?」
エルザはさっき影人にやられた事をやり返してやったと言う風な顔をしていた。
カゲヒト 「はぁ、よく分からないですね。僕のプロポーズを断って殺そうとしたり、諦めようと思ったらいきなりOKしてきたり」
エルザ「貴方の殺気を受けたせいよ?ものすごくゾクゾクしたわ。とても素敵な殺気、とても素敵な目をしていた。そんな貴方に恋してしまったの。ダメかしら?」
カゲヒト 「いえ、僕にとっては理由はどうあれ大歓迎ですよ。そう言う事ならここにいる皆んなを殺さないでくれると言う事ですか?」
エルザ「そうね、貴方がそう言うのであればそうするわ」
カゲヒト 「それは良かった。さて、そう言う事になったんだが君たちはどうかな?平和的に解決できるんだ。それ以上いい話はないと思うんだが」
スバル「俺は構わねえけどよ…フェルト達はどうなんだ?」
フェルト 「確かにそこの姉ちゃんが言った様に今回のアタイの仕事は褒められたものじゃなかった。命を狙われてもおかしくない状況だったしな。今回は水に流してもいいぜ」
パック 「僕的にはあまり納得はいかないけど、それを決めるのは僕じゃないさ」
「私はこれ以上犠牲が出ないならそれでいいと思う。私は彼女に何かを取られたわでもないし、それに貴方は悪い人じゃないから」
カゲヒト 「会って間もない僕に随分信頼を寄せてくれますね」
「貴方があの子を一緒に助けてくれたでしょ?」
カゲヒト 「あの子?君は何を言ってるんだい?」
影人が疑問を抱いて入ると、今まで暗かった部屋が月明かりによって明るく照らされた。今まではっきり見えなかった顔もはっきり見えて来た。
そして影人はそのハーフエルフの少女に覚えがあった。
カゲヒト 「君は、あの時の」
「あの時はありがとう。貴方のおかげであの子をお父さんの所に連れて行くことが出来たわ」
スバルの死に戻りの前に、エミリアとスバルが助けた迷子の少女はエミリアと影人によって助けられていた。
影人がスバルを見つけたあの時、迷子の少女を助けたすぐ後のことだったのだ。
カゲヒト 「そうか、君はあの時の。また会う事になるとは」
「私もびっくり。まさか貴方がここにいるなんて」
カゲヒト 「僕も驚きました。それで、皆さんは僕の提案を受け入れてくれるという事でよろしいですか?」
影人の言葉に、皆は沈黙で肯定を示した。
納得をしていない者もいる様だが、無意味な争いをしなくていいと分かると渋々提案を受け入れてくれた。
影人にとってはまさに理想的な結果だった。
「それは少し困るかな」
彼が現れるまでは
「そこに君の提案には賛成する。しかし、そこの【はらわた狩り】はこちらに渡してもらおうか」
スバル「な、なんで今お前がここいる、ラインハルト!」
ラインハルト、エルザさんの他にいたもう一人の気配がまさかこの人だったとは。スバルが3人組の男達に襲われてる時、確か剣聖と言われてたな。
ラインハルト「やぁスバル、さっきぶりだね。僕がここにいるのは少し嫌な予感がしてね。あの後君を探していたのさ」
スバル「なにストーカみたいな事してんだよ!俺にそっちの趣味はねえ!」
ラインハルト「ははは、僕にも無いよスバル。それよりも僕が一番興味があるのはそこの君だよ。まさかはらわた狩りと結婚なんて驚いた」
カゲヒト「それは褒め言葉として受け取っておきます。まさか貴方がここに来るは思いもしなかったですよ」
ラインハルト「言っただろ?嫌な予感がしたってね。はらわた狩りの事かと思ったけどそれは違ったみたいだ。君は何者だい?僕がここに来るとは思わなかった、まるで今日僕が何をしていたのか分かってるような言い方だ」
カゲヒト「そこのスバル?とか言う人の同郷の者だよ。貴方がスバルを助けたあの場に僕もいたので、貴方がここに居ることに驚いただけです」
ラインハルト「うむ、嘘ではない様だがはぐらかさないで欲しいな。質問を変えようか、」
その刹那、ラインハルトの姿がその場から突如消えた。予備動作もなしに、スバル達が周りをキョロキョロしいる中で影人は落ち着いていた。
そして、剣と剣がが激しくぶつかる音が響いた。
ラインハルトは床に落ちていた剣を、影人はエルザの武器を使っていた。
ラインハルト「君は敵かい?味方かい?」
カゲヒト「貴方が敵対しないのであれば敵にはなりませんよ。ただし、貴方が僕を敵と認識した瞬間に、僕は貴方の敵になります」
スバル「お、おい待てよラインハルト。確かにそいつは怪しいやつだけど、まだ悪いやつって決まったわけじゃねえだろ!?」
ラインハルト「スバル、そういうわけにもいかないだよ。僕の立場上、彼女を見逃す事はできない」
エルザ「あら?それでは私も参戦しようかしら?彼から離れてくれたなら何もしないのだけれど」
パック「今は引きなよラインハルト、スバルのいう通りだ。少なくとも彼に悪意というのもを僕は感じない。少しくらいは話を聞いてもいいんじゃないかな?それに僕ももうすぐ時間だ。そこのお嬢ちゃんと少年を相手をするのは流石の君にも勝機は薄いよ?」
ラインハルト「……分かりました。貴方がそういうのであればそうなのでしょう」
パックの言葉にラインハルトは剣を床に刺す。
ラインハルト「それでは自己紹介から、僕はラインハルト・ヴァン・アストレア。アストレア家の現当主だ」
カゲヒト「俺は空式 影人。そこのスバル君とは恐らく同郷の人間、ついでに言うと学生です」
ラインハルト「スバルと同じ出身か。それは本当かい?スバル」
スバル「恐らく本当だ。俺の着ているジャージの事を知ってたしな。間違い無いと思う」
ラインハルト「そうか、しかし君は本当にはぐらかすことは好きな様だ。肝心な事をまだ言ってないだろう」
カゲヒト「まぁ、確かにそうだけど、この事はこのこの場にいる誰も知らないだろうけどそれでもいい?」
ラインハルト「構わないよ。知っているのと知らないとでは全然違うからね」
カゲヒト「分かりました。僕は空式 影人。空式家の17代目当主です。うちの家系は500年ほど前から暗殺業を生業としてきました。ですが僕達のいた国はかなり平和だったので、僕の知る限りでは30年は暗殺業の仕事は入っていません。ですのでまだ僕も人を殺した事はありません。」
ラインハルト「人を殺めた事がない、それなのにあれ程の殺気を放てるとは」
カゲヒト「これでも暗殺一家の当主を務められる様に訓練して来たので。それで、他に聞きたい事は?」
ラインハルト「いや、もう大丈夫だ。それにしてもそのはらわた狩りと結婚するとは本気かい?」
カゲヒト「エルザさんです。はらわた狩りではありません」
ラインハルト「これは失礼した。それで本気でエルザと結婚する気なのかい?」
カゲヒト「いきなり呼び捨てですか」
ラインハルト「そこは許してほしいな。何せ彼女は僕たちにとっては許し難い存在だ。本当なら今すぐ力ずつでも連行したいところなんだ」
カゲヒト「まぁ、そういう事でしたら仕方ないですね。僕は本気ですよ、彼女もそれを受け入れてくれた。それのどこに問題が?」
ラインハルト「何も問題ないよ、ただしそれは彼女が今までやってきた事がなかったらの話だ。今まで彼女は数多くの命をその手にかけてきた。その殺し方もかなり残酷なものだよ。【はらわた狩り】、そう呼ばれているのは彼女の殺し方からきているんだ。それは僕たち騎士団からしたら見逃せないんだよ」
カゲヒト「そういう事でしたか。確かに趣味がいいとは言えませんね」
エルザ「あら?貴方にまで言われるなんて、流石の私も傷つくわ。ねえ騎士さん?私はもう人は殺さないわ、だからもう私達に関わらないでほしいの」
ラインハルト「それは無理な相談だ。それ程のことを貴方はしてきた。生きるためなのか、楽しむためかは分からないがその行為は許されることではない」
「ねえ、少し落ち着きましょ?少し案があるの」
ラインハルト「っ!これはエミリア様。何故この様なところに?」
エミリア「そ、それは、記章を、ちょっとね…」
パック「あまり詮索しないであげてね?この子も本意ではなかったんだ」
ラインハルト「分かりました。それではエミリア様、その提案をお聞かせください」
エミリア「その、うちで預かるっていうのはどうかしら。二人には絶対殺しなんてさせない、それ以外の悪い事も。もしこの二人が何かを起こした時、全ても責任は私が負います。それではダメかしら?」
ラインハルト「流石にそれだけで譲る事はできません。この二人の実力は私と同程度、その二人を任せるには……」
パック「僕とベティー、ロズワールも力を貸すとしたら?」
ラインハルト「な!それは可能なのですか?」
エミリア「そ、そうよパック。流石にそれは…」
パック「ベティーは大丈夫だと思うよ?ロズワールもその影人とスバルの事を言えば面白がってOKするかも」
エミリア「確かにそれはそうかもだけど」
パック「それにこれはあの二人を抑えられる唯一の方法だ。幾らあの二人でも僕らを相手にするにはそれ相応のリスクが伴う。彼らがそのリスクと引き換えに反抗するとは思わないね」
カゲヒト「その二人はそのパックと同じくらい強いんですか?」
パック「そうだよ〜。ロズワールは本当に人間なのか疑うくらいだよ。どうかな?ラインハルト」
ラインハルト「分かりました。それでは、非番である私はこの事件には関わらなかった。そういう事にしておいてください。しかしもしこの二人が何か事を起こした時、僕が動く事になるかもしれません。その時は本気で二人の確保します。それでいいですね?」
カゲヒト「ありがとうございます。僕は何もするつもりはないので、もしエルザさんが何かをしようとしても僕が止めますから」
ラインハルト「分かった、その言葉を信じよう」
スバル「話は纏ったみたいだな!それじゃフェルト、まずは返すものを返してやれよな」
フェルト「……」
ロムジイ「返してやれフェルト。今回は諦めろ、命があるだけで儲けもんじゃ」
フェルト「…はぁ、分かったよ。ほらよ姉ちゃん、大事なものなら今度はちゃんと取られない様にしなよ?」
エミリア「ありがとう。そうね、こうならない様に気をつけるわ」
フェルトはエミリアに紀章を返す。その瞬間を見ていたラインハルトの目が変わった。そしてさっきとは打って変わって乱暴にフェルトの腕を掴む。
フェルト「ちょっと!何すんだよあんた!」
ラインハルト「なんて事だ…、君の名前は?」
フェルト「フェルトだけど…」
ラインハルト「家名は?年齢はいつくだい?」
フェルト「家名なんて大層なもんはもっちゃいねえよ。年齢は多分15くらい…誕生日がわからねえから。てか離せよ!」
ラインハルト「申し訳ありませんエミリア様。先ほど非番と申しましたがこの件に関しては見逃せない訳があります。彼女の身柄は自分が預からせていただきます」
エミリア「理由を聞いても?紀章盗難での罰と言うのなら…」
ラインハルト「それも小さくはない罪ですが、今こうして目の前に光景を見過ごす事の罪深さと比べれば些細な事に過ぎません。」
ラインハルトが暴れるフェルトを押さえながらエミリアへの謝罪を終え、フェルトに話しかける
ライナハルト「付いて来てもらいたい。悪いが拒否権は与えられない」
フェルト「ふざけんな!いきなりこんな事して、調子に乗ってん…」
ラインハルトはフェルトが話している途中で催眠の魔法をかけた。
それによりフェルトは意識を失う。
エミリア「騎士様らしくないやり方」
ラインハルト「加減は心得ております。エミリア様、また近いうちに呼び出しがあると思われます。ご理解を」
ロムジイ「待て!フェルトをどうする気だ!」
ラインハルト「申し訳ないがそれは今答える事はできない。それにこれはこの子のためでもあるんだ、ご理解いただきたい」
ラインハルトは二度目になるエミリアの謝罪をしながら紀章をエミリアに返した。
ラインハルト「スバルのことをどうかよろしくお願いします」
エミリア「……」
ラインハルト「落ち着いて月を見られるのは今日が最後かもしれないな。それでは君達も、次会う時は戦いの場ではない事を祈るよ」
カゲヒト「ええ、そうします。それではまた今度」
ラインハルトが去っていった後、ロム爺は納得いかないと怒ってどこかに行ってしまった。
エミリア達は約束通りにロズワール邸に赴いた。しかし当の本人はいないらしい。
明日には戻ると言う事なので影人は早めに休む事にした。
カゲヒト「はぁ、異世界ねえ。これからどうして行けばいいものか」
エルザ「決まっているわ。私を愛してくれればいいのよ」
エルザがシャワーから出て来た。そのバスローブ姿に影人は思いっきり見惚れてしまい、エルザにそれがバレた。
エルザ「あらとても熱い視線を送ってくれるのね」
カゲヒト「っ、それはエルザさんがそんな格好で出てくるからですよ」
エルザ「貴方が喜ぶと思って、どうかしら?」
エルザは影人に近寄り、その豊かな胸を影人に押し付ける
カゲヒト「それもうたまらないです…」
エルザ「今は二人、何をしてもいいのよ?」
カゲヒト「シャワーして来ます…」
エルザ「あら残念」
一日で色んな事が起こり過ぎて流石に精神的に疲れた影人だったが、今のはかなり心が揺らいだ。
しかし影人は基本的には純粋な青少年、こう言うものは時間をかけて、と言うのが影人の考えだ。
カゲヒト「あの人って意外と過激なのか?いや、殺し方かたして元から過激なのか」
影人は一通り体を洗った後、浴室を出る。影人は動きやすい寝巻きに着替えてエルザのいる寝室に向かう。
まさに暗殺者らしい寝巻きで、下は八部丈の少しダボっとした動きやすいズボン、上は少しきつめの黒いノースリーブの様なものだった。
エルザがその姿を見ると「あらぁ」とおっとりした目で影人を見る。
エルザ「すごく魅力的な体つきをしているのね。お姉さん、すごく興奮するわ」
カゲヒト「お気に召した様で良かったです。しかしエルザさんもとても魅力的ですよ」
エルザ「あら嬉しいわ、今日はもう寝るのかしら?」
カゲヒト「はい、色々とありましたから少し疲れましたから。お先に休ませてもらいm……っ!」
エルザは影人が言い終わる前にキスをする。影人は殺気を持った相手への対処はピカイチだが、殺気を持たない相手への対処は人並みに落ちる。
それも戦闘となれば別ではあるが。
カゲヒト「エルザさん、僕としても嬉しいのですが、いきなりは少し心臓に悪いですよ」
エルザ「あらごめんさない。我慢できなくてついね」
カゲヒト「まぁ、気をつけてくれればいいです。それで、いつまでこの体勢を?流石にこんなに密着されていては色々と保ちません」
エルザ「私は歓迎なのだけれど?何かいけない事でも?」
カゲヒト「いけない訳ではないですが、その、色々と段階というものがあるじゃないですか」
エルザ「段階?私たちはもう結婚しているのではなくて?これ以上何か理由でもあるのかしら」
カゲヒト「そ、それは…」
カゲヒト「うふ、ごめんなさいね。意地悪が過ぎたわ。でもね…影人」
エルザ甘い声で影人の耳元で囁く。影人はそれに顔を真っ赤になる。頭がくらっと来た。
何せ女性との接触が殆ど無い上、初めて名前で呼ばれた。影人の理性は既に限界を越えようとしていた。
それでも何とか耐えていたが、エルザが決定的なトドメを刺す。
エルザ「私はもう我慢できないの」
その一言でエルザは再び影人にキスをする。しかしそれは今までとは違う柔らかいキスではなく深く影人を求める様な。
影人はそれに応えようとするがエルザがそれを許してくれない。身動きが取れないままエルザに服を脱がされていく。
エルザ「キスって何の意味のない、表面上だけの愛情表現だと思っていたけれどそうでも無いのね。今までたくさん殺して来たわ。それで快感を得てきた。ゾクゾクする様な、命を感じる高揚感を感じてきた。でも今は違うわ。今まで感じた事ない様な感覚、でも幸せという事だけは分かるわ」
カゲヒト「エルザさん…。それは嬉しいんですけど、僕はこれからどうなるのでしょう」
エルザ「あら、分からないのかしら?私と貴方は夫婦、ベッドの上で二人きり、そして二人とも服を着ていないわ。もう分かるでしょ?」
カゲヒト「それって、やめてもらう事は…」
エルザ「できないわ」
カゲヒト「ですよね。その、僕初めてなので…、あまり期待しないで下さないね」
エルザ「偶然ね、私も初めてよ」
カゲヒト「それは何とも嬉しい事ですね」
エルザ「私もよ。ねえ影人」
カゲヒト「何ですか、エルザさん」
エルザ「愛してるわ、この世の何よりも」
カゲヒト「僕も愛してますよ」
この日二人は心も体も結ばれた。異端な二人、だからこそ惹かれ合い愛し合えるのだろう。
血に染まった手と、血に染まれなかったの手を硬く、硬く繋ぎながら愛を感じ合った。
4月29日は本作ヒロインのエルザ・グランヒルテの誕生日です。
少し気合を入れて書いてみたら9000文字を超えてしまいました…。
ですが皆さんに気に入ってもらえればなと思います。
そして、他の作品でも言ってますが、コロナの事です。
不要不急の外出などは絶対やめましょう。絶対に外に出るなとは言いません。外に出なければならないという人も沢山いると思います。しかしそれ以外の人は外出は控えてください。それだけで沢山の人の命を救えるかも知れません。逆にそれをしなければ沢山の命が奪われるかも知れません。
コロナの終息を願うなら自分のすべき事を考えてみてください。そしてそれを周りの人と共有しましょう。
多くの方が言っている通り今は一致団結する時、頑張りましょう!
それでは皆さん、これからも【へたくそ】をよろしくお願いします!