薄雪の咲く頃に   作:みーごれん

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二話に分けようか大分迷いました。
前回同様原作の捏造(妄想)設定多めです。

原作小説二巻またはアニメ13~16話ののネタバレを含みますので、厭だよという方はブラウザバックをお願いします。


第四話 森医師(せんせい)

 悪いことは大抵、第二第三の追い打ちが掛かるものだ。

 場所は倉庫街。しかし昨晩とはまた別の、ポートマフィアが直接管理している大規模なものだ。港湾沿いの其処は云う迄も無く海がほど近い。討ち捨てられていた同僚の遺体が三つ転がしてあり、周囲で私たちは黙々と広津さんの指示に従っていた。

 仕事柄水死体はよく見るが、背後にいる彼らはそれ程苦しまずに逝けたらしいことが救いだった。可能ならその瞼を閉じてやりたいところだが、今は現状を維持せねばならない。現場を見に幹部が来るらしい。私は他に浮かんだ手掛かりが無いかを探す為、数名の部下と周辺に目を光らせていた。

 

「おっはよー皆さーん」

 

 飄々とした知り合いの声がした。全員が一斉に頭を下げ、敬礼の姿勢を取っている中、一人フラフラと覚束ない足取りでこちらに向かってくる。蓬髪の下に包帯を重ね、全身を黒で包んだ青年――太宰治。

 彼は手中の携帯電子盤(ゲエム)に夢中になっているようで、広津さんがおずおずと話しかけてようやく話が本筋に至った。

 マフィアの武器庫が襲撃された。夜間警備をしていた三人が十から二十発の弾丸を受けて即死し、敵は正規の暗証番号を以て武器庫を開錠。百挺以上の銃火器と二十(キログラム)近い爆薬が盗まれた。面子も何も丸つぶれの結果と言っていい。

 遺体を眺めて二言三言太宰が何か云っているのを何となく聞きながら、私は消音した電子盤を操作していた。現場を見るために太宰が広津さんに丸投げしたものである。総指揮の広津さんが気もそぞろでは余計に話が進まないから、私が代わりに引き受けたのだ。

 結論を云えば、それもあまり意味がなかった。監視映像を受け取る際、視線を上げた太宰が私を見つけたからだ。勝手なもので、疾うに彼は自身が電子盤を放り出したことを失念していた。

 

「あれ、中花じゃない! 十人長の初仕事だねえ」

「とんだ出だしだよ、まったく。残業は勘弁願いたいんだけど」

「うふふ。電子盤を触りながら云う事かい?」

「お前がやれと云ったんだろうが……」

 

 私はぞんざいに其れを太宰に放った。画面内では、「勝利!」という文字と共に何処からともなく降ってくる花弁が車体を彩る絵が表示されている。

 

「ええっ、中花クリアしたのかい?」

「勝つまで戦えば勝率は百パーセントだからな。あとはやるだけだ」

「異能力を使うのはズルだよ。いいなあ、私も中花の力が在ったら織田作に会いに行く口実になるのに」

「そんなものなくてもお前は会いに行くだろ」

 

 私と織田作の稽古は太宰や安吾の知る所である。だからと云って彼らが観に来た事は無い。というのも、実戦形式で行うそれは流れ弾や跳弾が在るものなのだ。当然殺し合いの銃弾数とはかけ離れた微々たる数しか発砲しないが、それでも二人を危険には曝せない、と織田作が固辞したのである。とはいえ安吾は兎も角、太宰が素直に従っているかは謎だ。バレなきゃ犯罪じゃないと同じ理屈を堂々と述べるのが眼前の男である。

 咳払いが聞こえた。広津さんだ。あれは多分、私の幹部に対する対応を指摘しているのだろう。この部隊で私と太宰、織田作の仲は周知の事実であるが、職務中は形式に習うべきだという事だ。他の構成員に見られればこの部隊の品格が疑われる。其れは避けたい。

 

「そう謂えば中花、昨晩は大変だったみたいだね」

 

 不意に太宰が云った。酒場で仕事の愚痴を聞く時のように、自然に。その視線が広津さんに向かう。私は其れを遮るように片手を振った。

 

「お前の気を引くような事は無かったよ」

 

 語調を直すのも忘れて、それだけやっと云った。

 昨晩は確かに大変だった。しかしそれは広津さんと僅かな手勢しか知らないことで、他に知られてはいけない事だ。対する太宰の口調は何処か確信に満ちていた。何か確証を得て、何が起きたかを知っているようだった。

 

「幹部殿、御所望の監視映像の用意を同僚が渡しあぐねております。ご確認の程宜しくお願い致します」

「いいよ、詮索しないでおくさ。首領にも黙っておいてあげる。でも、隠蔽にも限界があるって事、忘れないでね」

 

 慇懃に頭を下げた私に太宰はいつも通り返した。成程、見え過ぎるというのは辛かろう。

 しかし――

 私は広津さんと会話し始めた太宰を呆然と見つめていた。

 ――それだけでは、駄目なのだ。

 潮の匂いに交じって、これから広がる血と硝煙の馨りが鼻を突いた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 まだ陽は高い。

 しかし私たちは、日輪から嫌われた薄暗い裏路地を駆け回っていた。トランシーバからは間断なく状況報告が漏れ出ており、事態が秒刻みで変化していることを嫌でも認識させた。

 敵組織――“ミミック”と呼ばれる欧州の異能犯罪組織で、灰色の幽霊(グラオガイスト)と呼ばれる旧式拳銃をエンブレムとしている事以外が謎の武装集団――と会敵した私たちは、早期抗争終息に向けて彼らの殲滅戦に赴いていた。とはいえまだ全容の把握できていない組織の数名を発見したに過ぎないのだが、塵も積もれば山となるともいうし、出来ることをしていくしかないのだ。

 

「こちら田中。間も無くポイントDに合流します」

『諒解』

 

 ポートマフィアにとって此処は生まれ育った土地であり、目を瞑っても駆け抜けられる場所だ。従って来日して幾週間も経っていない敵を、狙った位置に追い込むなどと云うのは朝飯前。私と部下の少人数もまた、各要所を抑えながら敵を完全包囲するための網と云う訳だ。

 包囲網が着実に完成しつつある報告が聞こえた直後だった。一筋向こうに、朝、襲撃犯の様相として見た監視映像と同じ服装の人物が見えた気がした。一瞬の事で捉えきれなかったが、まず間違いない。そして問題は、其方から敵が来ているという報告が来ていないことだ。最悪の可能性が頭を過る。もし複数人の敵が包囲網の蓋の役割であるこちら側から合流地点に流れ込んだ場合、最も手薄な其処から陣形が崩れる恐れがある。味方を斃しながら進んでいたとすれば猶の事。

 私は右方向に警戒するようハンドサインを出しながら、トランシーバの送信釦に指を掛けた。再び建物の影が切れ、向こうの筋が見えるようになる。向こう側には、既に自動小銃を構えて一列に並んだ敵が此方を待ち構えていた。敵が引き金の指に力を籠める。此方も応じようと銃を構えるが、間に合わない。薄暗がりを照らすように小銃が火を噴き、雨のように弾丸がばら撒かれた。音速の鉛玉が私たちを裂き、抉り、穿ち――

 

 …………静止する。

 

 弾丸がするすると退行を始めた。再び私や部下を潜り直し、抉った血肉を埋めていく。自身を放った銃に収まると、今度は私たち全員が器用に会敵の少し前に戻っていく。まるでテレビの逆再生のように。

 これが、私の異能力。

「私は時間を巻き戻す」

 名前そのままの素直な異能だ。指定した対象を六秒以内の時間で巻き戻すことが出来るというもので、戦闘に於いて一瞬で意識が刈り取られたりしない限りはかなりの確率で生き残ることが可能という便利な代物だ。指定する対象や過去遡行の仕方に多少癖のある規則が存在するが、余程の実力者が相手でない限り先ず後れをとる事が無い。

 

 六秒前。

 

「こちら田中。会敵しました。視認できたのは三名。包囲網外です。戦闘を開始します」

『なっ⁉ 諒解、対応する』

 

 私の会話にハッと表情を強張らせた部下に、ハンドサインで指示を出す。全員が頷いたことを確認し、私は右の建物へ投げナイフを投擲した。

 転がっていた箱を踏み台に、塀、壁に刺さったナイフの柄を踏み台にして建物の屋根へ舞い上がると、敵戦力を真上から俯瞰した。此方には気付いていない。腰を落とし、上からだと羽織った襤褸布のせいで足元が見えない。私は銃を抜いて、建物を飛び降りながら発砲した。敵は三人。これは殺さず捕らえろというのは無理な話だ。何の用意も無しにできる話ではない。

 諦めて二発撃った弾丸は、一つは敵の頭に命中し、もう一つは頭を軽く小突いた形になったらしい。何せ頭陀袋を被っているものだから、正確に頭を撃つことが出来なかった。

 残り二人が振り返り、私に銃を向ける。が、着地の勢いの儘突進してくる私に照準を合わせる前に、空いた手に握っていた二本の投げナイフを放った。銃身で二人とも其れを防いだが、銃を撃つまでの時間は稼いだ。

 私は拳銃で牽制しながら、軽業師の如く壁を蹴り上げて二人の頭上を通過する。敵が銃を反転させた頃には、私の部下が銃を揃えて待っていた。

 

「撃て!」

 

 火花が散る。閃光が幾つも敵の身体を通り過ぎ血肉を散らしながら彼らは倒れた。呻き声がする。未だ息があるようだが、そう長くないだろう。

 

「田中さんは下がっててください。俺らが止め差して来ます」

「分かった。気を付けて呉れ」

「わーかってますって。しっかし田中さんの異能便利ですよねえ」

 

 部下のうち二人が私の前に出た。油断なく銃を構えながらも、一人が口を回す。

 

「全然勝てる気しねーや。味方で良かったっスよ、マジ!」

「何度も云っているが異能は万能じゃない。其処の所を勘違い――――ッ! 二人とも戻れ、今すぐ! 全員三秒退避し伏せろ‼」

 

 細い路地裏だ。まさかそんなところで手榴弾を使うなんて真似をされると誰が想像するというのか。瀕死の重傷を負いながら、自決と証拠隠滅と敵戦力の摩耗を全てやってのけたと云う訳だ。

 私は思わず舌打ちしながら、腹の底に響く爆音を聴いた。辺りの壁が崩れ窓が割れ悲鳴が聞こえる。私は即座に顔を上げ、周囲を見回した。幸い距離を取れたため死者は居なかったが、最も爆心地――ミミック兵の近くにいた部下がかなりの深手を負っている。他の者も、大なり小なり怪我をしていた。とはいえ“一度目”では先行していた二人諸共部隊全員が吹き飛ばされたことを考えれば、全員生き残っただけマシだ。

 

「た、なか、さ……」

「黙っていろ。――異能力《私は時間を巻き戻す》」

 

 私の異能は指定した対象の時間を巻き戻す。

 その巻き戻し方には二種類あり、一つは物体と時間を結合して、もう一つは物体と時間を切り離して行う。前者は敵兵からの襲撃時のように、全ての時を戻すやり方。後者は今のように、大きな時間の流れはそのままに、指定した対象の時間のみを戻すやり方。

 何方を行うにしても、先程なら自分自身、今回なら部下のようにその時間軸の基準点たるものを指定せねばならない。そしてそれは、私が全容を把握できなければならない。

 故に、私から視認できなかった手榴弾の時だけを巻き戻して爆発を阻止するという事までは出来ない。加えてこの異能は使用に際し他の異能と比べて精神力を使う。決して褒められたりするようなものではないのだ。

 

「……あれ、田中さん? 何すか」

「無事()()()らしいな。他の者はすまないが応急処置で済ませてくれ。動けるものは私と本体に合流する」

 

 加えて、生体に単体で異能を使う時、”副作用”が生じる場合がある。その為傷を塞ぐために異能を行使する際は一人、多くて二人までしか使えない。また、時間を六秒しか戻せない特性上、怪我を負ってから時間の経った者は戻しても意味がない。

 付け加えると、異能で一人だけ時間を巻き戻すと記憶も戻る為、今の部下のように非常に混乱させることがある。これは正直仕方がない。助かったのだから良しとしてもらわねば。

 

 

 

 

 

 

 

 もうすぐで昼時という時分。

 私と太宰は連れ立って商店街を歩いていた。向かう先は何となく察していたが、私は追及せずただ付いて行った。

 これは別に、世に云うデエト為るものでは全くない。面子を見れば云う迄もないだろう。

 

「――で、相手は全滅。此方も怪我人多数。だが別の小班は死者も出た。包囲戦は矢張りもう少し人員が必要だ。敵兵の練度が違い過ぎる。土地の有利を簡単にひっくり返された。動きは切れるし思い切りが良い。死ぬことに何の躊躇いもない様だったよ。二度と闘いたくないね。」

 

 結論から云えば、今回の包囲作戦は失敗に終わった。兵力を分散させられ、薄くなっていたところを突破された。損害だけ見れば敵側に軍配が上がるだろう。

 隊を立て直す為に忙しい広津さんに代わり、比較的損害の少なかった私が、対ミミック総指揮となった太宰へと報告に来たのだった。

 太宰は話を聴きながら、口唇に親指を当てて何事か考え込んでいる様子だった。しかし心なしか愉快そうな空気を彼が纏っているのに少し驚きながら、私は彼が顔を上げるのを待った。実を云えば、報告は序だ。ちょっとした下心があってここまで出向いたのだった。

 彼が顔を上げる。

 私は、自身の唇の端が僅かに引き攣っている事を自覚しながら、話を切り出した。

 

「太宰。折り入って頼みがあるのだが――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 この店からは、海がよく見える。広く蒼く輝く海面は、船舶やカモメの姿で賑やかだ。

 先程、太宰は昼食と織田作への報告を終えていそいそと店を出た。何か愉快なことがあったのか、口元には歪んだ笑みが浮かんでいた。何やら機密事項があるとかで店内に入れてもらえなかったが仕方ない。私の方がお邪魔虫なのは重々承知していたから、太宰が妙に機嫌よくここを離れたのがいっそ不気味なくらいだった。

 窓際で店主に挨拶し、出て来た織田作に手を振って近づく。少し前に食べたせいか薄らいでいるが、彼からは咖哩の馨りがした。

 

「今日も咖哩?」

「ああ。また一緒に食べ損なったな」

「そういう時もあるさ。ところでこの後は何の仕事?」

「あんg……いや、調べものだな」

「また風変わりなものだね。なら丁度良かったかな」

 

 私は懐から一つの箱を取り出した。縦長の、黒一色の直方体だ。細長い面を上蓋として開ける形になっており、赤いリボンが装丁されていた。

 贈呈品(プレゼント)だと渡すと、織田作は頭上に沢山の疑問符を浮かべながら包みを解いた。その顔が可笑しくて思わず吹き出してしまったが、彼は気付いていないようだった。

 

「今日は俺の誕生日だっただろうか」

「いいや、君の誕生日はまだ先じゃなかったかな」

「では、昇級しただろうか」

「相も変わらず最下級構成員だねえ」

「…………」

 

 なら、何故贈呈品なんだと顔に書いてある。表情は殆ど変わりないのだが、彼の纏う独特な空気がそわそわと落ち着かないのが実に愉快だった。

 箱が開かれる。

 同時に、彼が、言葉ではとても形容できないような愉快極まりない表情をした。

 思わず持っていたポラロイドカメラで幾枚も写真を撮ってしまったほど、彼は驚き、喜び、焦り、楽しみ、益々首を傾げて私の方を見た。

 

「何となく、ね。君にあげたくなったんだよ、織田作」

 

 私は口元を隠して精一杯笑ってから、彼の疑問に簡単に答えた。

 昨日広津さんにポラロイドカメラを買ってもらった事が一番大きいだろう。

 今は何となく、そうしたい気分だった。映写機を買おうとしていたお金もあった。

 お陰で、こんな愉快な織田作を見られたのだから、満足だ。

 ありがとうと彼は云って、箱からそっと中身を取り出し、陽の下に掲げた。

 

 

 彼の瞳と同じ、深い深い鳶色をした、万年筆だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ポートマフィア本部最上階行昇降機(エレベータ)内で、私は再び太宰と共に行動していた。普段の活動拠点とはまるで違う、いかにも金と時間を掛けて創られた内部に、多少過去を思い出しながら口を開く。

 

「無理言って済まない、太宰」

「構わないよ。他でもない中花の頼みだもの」

 

 これは、賭けだ。

 私は暴れる心臓の鼓動をどうにか慣らし乍ら、一切浮遊感を感じさせない昇降機内でそわそわと視線を彷徨わせた。

 

「そうだ。此れ、礼と言っては何だけれど、この前の写真を現像したんだ。受け取って呉れ」

 

 懐から三枚の写真を取り出し、隣で何の気無しに棒立ちしている太宰に差し出した。数日前にバー“ルパン”で、謎の水炊きを食べて腑抜けた太宰と織田作を撮った写真だ。二人して頬を緩めたところで、最上階に到達したことを昇降機のベルが教えた。

 つい数時間前に、私は太宰に相談を持ち掛けた。太宰の職権を以って首領に引き合わせて欲しいという、相当無茶苦茶な頼みだった。高々中堅構成員が自ら望んで首領に謁見するなど前代未聞だ。不敬としてその場で射殺されても文句は云えない。多忙な首領の時間をほんの少しとは言え割かせるというのだから到底許されることではない。それでも、伝えねばならないことがあった。

 結論を云うと、太宰の報告後僅かな時間なら付き人として意見具申できるだろうという事だった。正直、あっさり要求が通って拍子抜けしたものだ。

 心臓の音が煩い。いつになく緊張しているようだ。一世一代の大勝負を控えているのだから仕方ない。短く息を吐いて、私は太宰に続いて首領の部屋に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――以上がこれまでの経過です」

「ありがとう、太宰君。引き続き頼むよ」

 

 間延びした返事と共に太宰が身を翻して出口へ向かう。付き人である私もそれに続かねばならない所だ。しかし、そうしなかった。今を逃せば二度と機会は無いからだ。ふと首領が私の存在に気付き、目を細めた。太宰は構わず退室し、私は首領の前で最敬礼を続けていた。

 

「大きくなったね、田中君」

 

 構成員は、何者であっても首領の前に話しかけてはならない。彼がそう望んだ時か、緊急を要する要件でもなければ首が胴と離れることになるからだ。

 

「お久しぶりです、“森医師(せんせい)”」

「こらこら、此処では首領と言いなさい」

「申し訳ありません、首領」

 

 ふわりと首領が笑っている。出会った時と変わらない、内心を悟らせぬ微笑。しかし表情とは裏腹に、瞳の奥は実に静かだった。何年かぶりに会った、私の二番目の恩人に対し、矢張り私は人並みに親愛だとか情だとかいうものが刺激される事は無かった。首領の方もそうだろう。仕事上での関係だった私たちに特別どうという情動は無い。組織のトップとして部下に平等であるのは大切な事だ。

 暗に退出を促されながらも動こうとしない私に一つ溜息を吐いた首領は、諦めた様に両肘をついて私を覗き込んだ。首領は多忙の身だ。幼女と戯れる時間が多いようにもみえるが、其れは彼が熟すべき職務をその手腕で完璧に済ませているからである。立場からも分かるように彼は常人ではないのだ。

 

「首領にどうしてもお伝えしたいことが」

「態々私の時間を取ってまで伝えねばならない事かね?」

「はい。三分で結構です」

 

 そして、彼は超合理主義者だ。気に喰わないから、言う事を聞かないからといって部下を無闇に殺したりしない。だからこそ食い下がった。先代首領なら一瞬で蜂の巣だっただろう。とはいえ一大闇組織の首領と対しているのだ。そうと分かっていても身が竦む。織田作たちが居ない心細さで震える手を握りしめた。

 

「それで? 要件は何かね」

「はい。太宰治の出奔について」

「――!」

 

 微笑を湛えていた首領の表情が固まる。刹那で凍りついた室内の空気で吐息が白みそうだ。自分が立っているのかふらついているのかすら分からない程息が詰まる。

 

「密告、という事かね」

 

 高々中堅構成員が、雲霞の上の存在である幹部に関する密告。それも組織への完全な背信行為を示唆するものともなれば、誤情報では許されない。まして其れが首領のもっとも目に掛けている太宰治に関することともなれば猶の事。平和な世界に生きるモノならば射抜かれただけで呼吸困難を起こしそうなほど鋭い視線が私に向いた。思わず咽喉を鳴らし、不自然に間を開けた。空いてしまった、の方が正しいか。

 太宰が出奔したという事実は()()()無い。だからこれは、その可能性若しくは計画が存在するという密告という事になる。私がするのは前者だった。

 

「そうです。このままでは彼は出奔し、二度と此処へは帰ってこないでしょう」

「具体的に云ってくれるかな」

「織田作之助をミミックにぶつけることを考え直してください。彼が死ねば太宰は――貴方の右腕はポートマフィアに居る楔を失います」

 

 無表情だった首領の顔に微かな驚きの色が浮かんだ。それは宛ら、昆虫採集中に自分の取った覚えのない虫が籠の中に居た時の様な、理由に説明のつかないものに遭遇した人間の顔だった。

 視線で続きが促される。全て説明しろと言外に命じられていた。

 云わねばならない。

 私は識っている。

 ミミックを誰が日本に招き入れたのか。

 その目的は何か。

 犠牲がどれ程出るのか。

 渦中に巻き込まれるのは誰か。

 ――――誰が死ぬのか。

 誰にも言った事の無かった私の秘密。

 隠し、騙し、欺いてきた真実を、ここで言わねばならない事をゆっくりと咀嚼した。覚悟はしてきていた筈なのに、中々咽喉から音が出なかった。それでも首領は何も言わず――こんな中堅構成員に割く時間など本来は無い筈なのに、たっぷりと私に時間を与えた。ふっと吐いた息の音が嫌に大きく聞こえる。それほど耳に痛い沈黙だった。

 

「私の……私の異能力は、《私は時間を巻き戻す》と言います」

 

 首領は頷きもしなかった。高々十人長とは言え、異能力者は大なり小なりポートマフィアの資源だ。それを組織の長たる彼が把握していない筈がない。

 

「六秒間対象の時間を巻き戻す異能です。対象は私自身か、私の視界内にある物、“と、いう事になっています”」

 

 ほう、と首領が呟いた。口元には一転して薄い笑みが浮かんでいる。

 

「しかし、私の異能の対象は本来、“その全容を把握できるモノ”に対して発動します。つまり、目の前に居なくても全体が見えていれば異能を発動するに足ります」

「成程、君の趣味の由来は其れかね」

「あ……いえ、それは違います。異能の性質理解は趣味が高じてですが」

 

 今度は私が驚かされる番だった。露骨に顔に出しはしないが、目の前の闇の支配者が私の趣味を識っていたという事に気味悪さすら感じた。この人に知らない事は無いのではないかとすら思わせられる。同時に、下手に言葉を濁したり隠したりする意味は無いのだと悟った。今まで異能力に関する秘密を隠し通してきた自分を褒めてやりたいくらいだ。

 数拍して、私が一言も発していない事実を首領が把握したことを理解する。

 私――田中花の異能「私は時間を巻き戻す」は、指定した対象の時間を六秒間巻き戻すことのできる異能だ。その対象は、自身の眼前若しくは記憶媒体に全体が映っていれば良い。つまり、対象の全体写真が残っていれば、其処から時間を数秒間巻き戻すことが出来るのである。異能力の限界もあるので無限に過去に遡れるわけではないが、渾身の力を使えば四年半まで遡ることが出来る。

 そして、写真の対象のみを巻き戻しただけでは五、六秒遡っても大した変化は起きないが、其れが私自身を含めば話は違う。時間を遡っている六秒間、私の記憶は時間遡行前のものをそっくり持ってきているのだ。その時間内で未来の情報や改変したい事象の助言を過去の自分にメモなどで伝えれば、私の行動が変わり、未来を強制的に変えることもできる。写真撮影が趣味の私は、その素材を自然集めていたことになる。

 ――という所までを首領は即座に理解し、故に私が記憶媒体(カメラ)を趣味にしている事を指摘した。いや、これは今理解したというよりは、私の異能にその様な使い方があるのではないかと仮説はあったが確証がなかったと云った所か。

 もしかして。

 ……今更ながら相対するものがどれ程恐いかを再認識する。

 しかし、ここまで来て退くわけにはいかない。

 

 織田作は首領の命令で今朝から、出奔した安吾の行方を追っていた。太宰の協力を得ながら辿り着いたのは、安吾がミミックの密偵だった可能性。彼はその真偽を確かめるため、今現在安吾の元職場に行っていることだろう。

 これから太宰から一報が入り、安吾の居場所に一人で向かう。命からがら二人で脱出後、安吾の謀計によって昏睡。翌日目を覚まし、戦闘の応援時に敵首領と会敵。戦闘を拒絶したことで、養っていた孤児と部屋を貸していた店主が殺害される。織田作は今度こそ応戦し、その命を散らせることになるのだ。

 

 ミミックという組織は、欧州の武装犯罪組織だ。

 彼らは死地を求め彷徨う凄腕の元軍人たちで、現状宜しくポートマフィアでさえ手を焼く厄介な相手だ。其れが日本に来て一番困るのは誰か。

 それは、国内の異能者を統括する政府組織であり、安吾の本来の職場――内務省異能特務科だ。ミミックと正面からぶつかれば、彼らも無事では済まない。

 首領は彼らを裏で操り、脅迫する心積もりなのだ。

 詰まり、ミミックを排除してほしくば見返りを――“異能開業許可証”を寄越せと。

 果して首領は計略を成功させた。

 織田作と、多くの部下を犠牲にして。

 

 一度目の世界で、私は安吾の出奔と裏切りの真相すら気付かぬまま全てが終わった。

 二度目、織田作の死を過去に伝えても、結局子供たちの敵討ちの為彼は死地に向かった。

 三度目、子供たちを守るよう伝えたが、私では太刀打ちできず変わらなかった。

 四度目、何とか織田作を引き留めるため戦いに割り込んだが、彼は自責の念に堪えられず行方を眩ませた。

 五度目、六度目……それからもう何度繰り返したか分からない。

 何度も過去に行き、過去の自分に指示を出した。

 情報を少しずつ伝え、織田作の運命を変えようとして、失敗し続けた。

 もう、これしかないのだ。

 

「君は未来を知っているのだね。これから何が起きるかを全て」

「全てではありません。異能力は万能ではありませんから。ですが、断言します。太宰治は貴方の手中から擦り抜ける」

 

 どの過去でも、織田作は死に、太宰はポートマフィアを去った。その事実は変わらない。

 首領は沈黙した。当然だろう。合理性を重んじる彼だからこそ、太宰を失うことがどれ程の損失か理解できるはずだ。

 

「組織の為に部下を切り捨てるご判断を私は支持します。首領が如何程の思いでそれを為しているのか私には推し量ることもできません。しかし、織田作之助を切ることは太宰治を切ることと同義です。お止め下さい」

「ならばどうしろというのだね」

「私にミミック掃討を命じて下さい」

 

 今度は表情が動かなかった。首領は予想通りとでも言うように深いため息を吐き、組んだ手の奥へ俯けた顔を鎮める。

 

「君は、条件付きとはいえ、君の異能がどれ程の価値を持つものか理解しているのかね?」

「ほんの数秒時間を巻き戻すに過ぎぬ力です」

「それは過小評価も良い所だ。この世界で生き残る為、最も価値の在るものは何だと思う、田中君?」

「…………分かりません」

「情報だよ。鮮度の高く正確な情報であるほど手に入れるのが困難で希少価値の高いものとなる。君の異能は其の垣根をいとも容易く超え、組織の命運を分ける選択さえ“過去の事実”として提示し得る。そんな異能力者を易々と死なせる訳にはいかないよ」

「私か織田作之助でしかミミックの頭目を倒すことは出来ません。それはこの計画を立案した首領が一番ご存知の筈。最小の被害で最大の利益を――異能開業許可証を得るために犠牲にすべきがどちらかは、浅学な私の口から言わずともお判りでしょう」

 

 首領はゆっくりと立ち上がった。通電遮光された窓の方へ足を向ける。程よく使い込まれた革靴が、毛足の長い絨毯の上を泳ぐように進んでいく。

 私は黙っていた。

 

「田中君。君が言ったのだよ。異能開業許可証を得る為、組織の奴隷として、部下である織田君を組み込んで作戦を立案したのは此の私だ」

 

 応えようとして言葉に詰まった。嫌に喉が乾いた。

 首領がくるりと振り返る。

 

「その結果、太宰君がポートマフィアに残ると本気で考えていたと思うのかね?」

 

 しくじった。

 冷や汗が背を伝う。

 首領が。

 織田作が太宰と相贖い合う友人であることを知らない筈がない。

 太宰がマフィアに執着していないことを知らない筈がない。

 ミミックとの戦いで織田作を含め甚大な被害が出ることを知らない筈がない。

 少し考えれば分かる事だ。

 それ程に。それ程迄に。

 “異能開業許可証”というものの価値は計り知れなかったという事だ。

 首領の覚悟を甘く見ていた。太宰を餌にすればきっと私の要望は通ると高を括っていたのだ。

 弾かれるように部屋の唯一の出入り口へ身を翻す。奥に数名常駐している黒スーツの構成員を呼ばれる前に。

 腰元に忍ばせていた一枚の写真に手を伸ばす。万年筆を渡した際に織田作を撮ったものだ。この時間まで遡行し、首領に相談すべきでないと私に伝えねばならない。素早く抜き取り表を見ようと視線を向けた一瞬、目の端で鈍色が閃いた――そう認識した次の瞬間には花弁の様に血液が舞い、次いで鋭い痛みが腕を貫く。

 写真を持っていた右手にメスが刺さっている。首領が好んで使っている武器で、医者時代の名残だ。私はそれを抜くことをせず、思わず落としてしまった写真に手を伸ばす。追撃を警戒して首領に神経を研ぎ澄ませたが、二本目のメスを投げたり異能を発動させたり、部下を呼ぶ気配はない。

 

「田中君、君のミスは二つ」

 

 写真を手に取る。表面には私の血がべっとりと付着しており、映った織田作の上半身が丸ごと隠れてしまっていた。不吉にも程がある。それに、彼の全身が見えなければ異能は使えない。

 

「一つは、君の異能の真価を今まで伏せていた事。そして――」

 

 左手で拾い上げた写真を、右腕の袖と左大腿部のパンツの裾で挟んだ。引き抜いて血を拭う。

 

「二つ目は、私のメスを何としてでも躱さなかった事だよ」

 

 正確には、写真の血を拭おうとして、適わなかった。

 前のめりに体が倒れ落ちる。右手の感覚が無い。他の部位はじわじわと体が石になっていくように動かない。悲鳴をあげようにも口が上手く回らず、くぐもった声を上げるのみにとどまった。

 

「ッ……こ、れは……」

「麻酔の一種でね。濃度を調整して七秒前後で全身が麻痺する様に調整してある」

 

 視界に暗幕が掛かっていくように、次第に視野が狭まっていく。意識はあるのだが、瞼が持ち上がらない。眼前に時間を巻き戻す鍵があるのに。あと少し血を拭うだけでいい。織田作の顔が見えさえすれば条件が満たされる。

 しかし私の懇願とは裏腹に、写真を覆った影は私の手のものではなかった。

 

「――――!」

「君の過去遡行の異能は実に強力だ。自身を傷つける元凶を時間ごと隔絶するなど、幹部格でも対処が難しいだろう。しかし、完全無欠というわけではない。時間を戻す有効範囲外から策の内だった場合、君にはどうする術もない。今回の最適解は、この部屋に入らないことだね。そこまで時間を戻そうとしたことは評価しよう」

 

 唇を噛み締めることも出来ない私は、精一杯の力を振り絞って視線を首領へと向けた。首領は困ったように笑んで屈みこみ、私の手から写真を摘まみ上げ――写真をびりびりに引き裂いた。

 眼前に居る首領が写真を破いていない時間まで巻き戻すことは出来た。しかしそこから私に出来る事は無い。結局、完全に閉じてしまった視界と、押し寄せた波濤の様な眠気に呑まれ、私は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、灰色の天井が目に入る。右足首には氷かと思う程冷たい何かが付いているのだが、起き上がろうにも体が言うことを聞かない。僅かに体勢を変えると、金属が軋む音がした。寝台のスプリングだろう。眼球を動かして部屋を見渡すと、三方をコンクリート打ちっ放しにしてある殺風景な部屋だった。残りの一方は重厚な鉄格子になっている。私の指の一二本ほどもありそうな金属棒の隙間から、見慣れた萱草色の髪が目に入った。

 

「目ェ覚めたか」

「ちゅう、や」

 

 中原中也――二年前に先代首領が“復活”した事件を太宰と解決し、以後そのバディ、通称”双黒”としてマフィアで功績を上げ続けてきた男だ。蜜柑を思わせる派手な茶髪はくせ毛で、先が方々に跳ねている。衣服に目が無く、しょっちゅう何処其処のブランドがとか言う事を口にしていた。太宰や私と同年齢であり、五大幹部の一角である尾崎紅葉の部下を経て同じ地位にまで昇りつめている実力者だ。

 

「首領からの伝言だ。“此処で大人しくしていなさい”だとさ。何やらかしたか知らねえが、あんま広津の爺さんに心配かけんな」

 

 小柄だが武術に強く、強力な異能を持つ彼は粗野で短気な面が目立つが、一度懐に入れたものへ情に厚い。時々遊撃隊の指揮を任される彼は、各構成員とマメに交流を図っている。従って百人長である広津さんの事も、その育て子である私の事も知っていた。私が太宰とよく飲みに行っていることも。とはいえその辺りを仕事に持ち込まれた事は無いから、首領同様に合理主義なのだろう。

 暫く待っていると、舌や足先などメスの刺さったところから遠い順に痺れが取れてきた。辛うじて起き上がれるようになったので足首に付いた鎖を弄りながら、一向に帰る気配の無い中也に問いかけると、どうやら今日の彼の仕事は私の御守りらしい。ミミックの出現によって遊撃部隊の指揮権が一時完全に太宰に移譲され、絶賛待機中のようだった。状況説明する彼がどんな表情だったかは想像に難くないだろう。

 中也の眼を忍んで一頻り笑った後、不意に部屋を見渡して思い至った。

 

「こういうの久しぶりだ」

「“久しぶり”? 座敷牢を懐かしむってこたァ、広津に拾われる前は物取りか何かやってたのか?」

「そんな上等なものじゃないよ。何せ私はあの日まで人ではなかったから」

「人じゃなかった? どういう意味だ」

「あまり気持ちのいい話ではないけれど……時間は有り余っているし、御清聴願おうかな」

 

 大分体が動くようになってきた。頭も冴えてきた。

 私は徐に立ち上がると、中也に向かって歩き、鉄格子に凭れ掛かって座り込んだ。手招きすると、格子を挟んで反対側の、私の隣辺りに腰を下ろした。存外素直な位置取りに思わず笑いが零れる。私の反応がいたくお気に召さなかったのか、口を尖らせて中也が立ち上がり、顔を逸らした瞬間。

 じゃら、と金属が擦れる音と共に、私の脚を捉えていた鎖が中也の首に絡みついた。座敷牢の内側から私が鎖を引いていたから、格子に体が(つか)えた中也は首が締まる、締まる。

 

「って、め……」

「本当にすまなく思うよ。しかし此処で足止めを食うわけにはいかないんだ」

 

 中也が混乱しているのが手に取るようにわかる。

 彼がポートマフィアの最強の一角として君臨する理由の一つが、彼の異能《汚れっちまった悲しみに》に依るものだ。重力子を操り、触れたもの全ての重量を操作する最凶の異能。汚辱と呼ばれる最終形態では、周囲一帯を文字通り更地にしてしまうほどの威力だとか。本来の彼であれば、指先一つで私を投げ飛ばしてしまう事も容易だっただろう。しかし現実は私の為すが儘だ。これはもう、異能の相性としか言い様がない。

 私の異能力《私は時間を巻き戻す》は、私が認識できるものの時間を巻き戻す異能。つまり、私が引いている此の鎖が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、異能が発生していないのと同じなのである。

 

「私が無事戻れたら、幾らでも身の上など話すよ。つまらない話だ。だから今だけは少し、眠っていてくれ」

 

 気の弱いものなら心臓が止まってしまいそうな視線で私を睨めつけていた中也だったが、人体の構造上頸動脈を締めあげられればどうしても気絶する。意識を刈り取ったのを重々確認してから、私は彼の腰元を弄った。案の定この座敷牢の鍵が下げてある。万が一の時、中也なら鍵など要らないだろうに、根が真面目なせいだろうか。そのお蔭で楽に出られたので合掌である。

 

 斯くして私は再び走り出したのだった。

 

 

 

 




中也ごめん。

路地裏の戦闘は完全なる捏造です。
そういう事もあっただろうなと。

そして今回は特に分かりにくそうですので少々補足を。
第四話は、小説31頁から125頁までの時間帯に起きていたことを書いてます。
海際での太宰の検分に始まり、
織田作が狙撃☆された時間に路地裏を走って爆発に巻き込まれかけ、
「ネズミが罠に掛かった」のを窓一枚隔てて聞き逃し、
羅生門が空間断絶に成功した数十分後位に昇降機で太宰と写真見て、
安吾と織田作がスタントマン顔負けの脱出劇をかましている頃に中也と戯れてます。
多忙~……
判らない箇所があったら原作小説を読みましょう!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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