ドラえもん「えぇっ! この素晴らしい世界に祝福をだって!?」   作:腎臓「詫び石だ、受けとれ」

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ダクネス登場

「じゃ、前衛は募集することでいいですね」

 

 ようやく機嫌をなおしためぐみんが、紙とペンを持ちながら二人に尋ねた。

 

「「さんせーい」」

 

 ドラえもんたちが返事をすると、めぐみんが募集の紙を作り始めた。

 

「はてさて、今日中に応募があるかなぁ」

 

「さすがに今日の今日は無理じゃないですか。3日は待たないと」

 

「どうしようドラえもん。もうお金がないわよ。このままじゃ今日も馬小屋生活になっちゃうわ」

 

「ぼくは別に馬小屋でもいいけど」

 

「私はイヤなの。ドラえもんは、馬小屋で寝泊りしてる女神を見たら、どう思う?」

 

「苦労してるんだなぁ、と」

 

「そうじゃなくて、威厳とか崇高さとかが感じられないでしょ」

 

「そんなの今さらじゃないか」

 

ドラえもんが呆れたように首を振った。アクアは納得いかないのか、「むぅ」と頬を膨らませている。

 

「そういえば、めぐみんは宿に泊まってるんだっけ?」

 

「そうですね。この前のカエルで報酬も入りましたし、贅沢しなければ宿代くらい出せますよ」

 

「おや? じゃあなんでアクアは……」

 

ドラえもんが疑いの眼差しを向けると、アクアは目を泳がせながら明後日のほうを向いた。

 

「そ、それはもちろん、ほら、恵まれない人のためにほどこしとか――」

 

「えい、正直電波!」

 

「――なんて微塵も思ってなくて、ツケの支払いに消えました……って、ドラえもん!」

 

「うわぁ……」

 

 めぐみんがドン引きしたように冷めた目でアクアを見た。

 

「お願いめぐみん、そんな目で見ないで! ちがうの、これはそう、全てお酒がいけないのよ」

 

「セリフがダメ人間のそれですね」

 

「お酒を我慢できないのは、きみのせいじゃないか」

 

「うぅ……だってぇ、美味しいんだもん……」

 

 アクアが指をツンツンさせながら答える。

 喋りながらも手を動かしていためぐみんが、二人に出来上がった紙を見せた

 

「とりあえず募集のチラシはできました。ボードに貼っておきますね」

 

「お願いね、めぐみん」

 

 

――1時間後

 

 

「二人とも、なにか飲む?」

 

「飲む飲む!」

 

「コーラじゃないですよね……?」

 

「大丈夫、ほかにもあるから」

 

 ドラえもんがなんでも蛇口を取りだし、二人にコップを渡した。

 

「右からミルク、コーラ、お茶、オレンジジュース……おっとと、こっちはしまっておこう。さ、好きなの飲んでいいよ」

 

「「はーい」」

 

 2人が思い思いに飲み物をいれると、ドラえもんもお茶を入れて飲んだ。

 

「それにしても、来ないね」

 

「来ないですね」

 

「むぅ、こんな美人が募集してるのに、絶対おかしいわ」

 

「あ、ドラえもん。おかわりください」

 

「はいよ」

 

「あ、わたしもわたしも」

 

「はいはい」

 

 

……30分後

 

 

「ふぁあ……そろそろクエストいきませんか?」

 

 待つのに飽きてきためぐみんが、ぐいと背伸びをした。

 

「おっと、今日は手を貸さないぞ」

 

「仕方ないですね。それじゃ今日はアクアを囮に――」

 

「まって! ね? ね? もう少し応募を待ちましょうよ」

 

「そんなこと言ってたら日が暮れますよ」

 

「うぅ、どこかに都合よくクルセイダーとか落ちてないかしら」

 

「そんな物みたいに言うなよ」

 

「現れなさい。いでよ、クルセイダー」

 

「ちょっといいか」

 

「ん?」

 

 アクアが両手をあげて祈ったまさにその時、ドラえもんたちに金髪の女戦士が声をかけてきた。

 

「その格好は、もしかしてクルセイダーですか?」

 

「ああ、私はクルセイダーのダクネスだ」

 

「おやまぁ。なんて都合の良い展開」

 

「ねぇねぇ、すごくない!? 呼んだら出てきたわよ! わたし女神みたいでしょ?」

 

「はいはい、すごいすごい」

 

「ちょっと! もっと心を込めて褒めてよ」

 

「それで、前衛を募集してると聞いたんだが」

 

「え、入ってくれるんですか?」

 

「ああ、むしろこちらからお願いしたい」

 

「……怪しいですね。クルセイダーとなれば、どこのパーティからも引っ張りだこのはずですが」

 

「まさか、この人もロクな魔法を覚えてなかったりとか」

 

「おっとドラえもん、それは誰を指してるんですかね」

 

グリグリ

 

「いたた、ごめん、ごめんってば」

 

「私は、防御系のスキルならだいたい取得している。囮でもなんでも引き受けよう」

 

「良いじゃない。囮になってくれるのよ。これは入れるしかないわ」

 

「アクアが言うなら、私はいいですけど」

 

「それじゃあ、よろしく頼む」

 

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