読みにくかったらすいません…
「行くぞ少年!」
最初に動いたのは炎柱の煉獄槇寿郎だった。
炎の呼吸 壱ノ型 不知火
槇寿郎は力強く踏み込み、一気になしろとの間合いを詰めて袈裟斬りを繰り出した。その威力は槇寿朗が放てる全力のものだと他の柱たちは分かっていた。
これはもう終わったと誰もが思っただろう、並大抵の隊士でも柱の一撃は防げないのだから9歳の子どもが捌けるようなものではない。
だが槇寿朗には違和感があった。
(手応えがない!?…それなら少年はどこに?)
槇寿郎の攻撃はなしろを捉えていなかった。そして槇寿郎は壱ノ型を使用する時までなしろを見ていた。なのに今槇寿朗はなしろを見失っていた。
「煉獄飛べ!」
槇寿郎は咄嗟に上へ飛んだ。その指示を出したのは共闘中の雨柱・東雲雨竜だった。
雨の呼吸 参ノ型 篠突く雨
雨竜は上から細く激しい雨のように刺突の雨を槇寿郎がいた場所に放った。
雨竜は無駄な攻撃をしないことを、昔任務で一緒になった時に槇寿朗は知っていたため、その雨竜の攻撃がなにを意味していたのかを槇寿郎は知った。
(まさかいたのか!?俺の後ろに!)
槇寿郎が気付いた通りなしろは槇寿朗の後ろにいた。なしろは槇寿郎の『不知火』をかわした後
「説明しろ煉獄!あの子どもはなんだ!?お前の背後を簡単にとり、あげくには…見ろ!」
雨竜は『篠突く雨』で攻撃した場所を指差していた。雨竜の様子を見るに、彼は戸惑っていた。簡単に柱の背後をとったなしろに、柱の攻撃を受けてもなお平然と立つなしろに。
「『篠突く雨』は完璧にあの子どもを捉えた…はずだった。だがあの子は平然と立っている。油断してはいけないとわかった以上、全力で行くぞ煉獄!」
「ああ!やるぞ雨竜!」
槇寿郎と雨竜は木刀を構え直しなしろを見る。なしろはその様子をじっと見つめていた。そしてなしろは初めて木刀を構えた。
「…確かこんな感じに」
なしろは力強く踏み込み、勢いからなしろは
「まさかそれは!?」
炎の呼吸 壱ノ型 『不知火』
炎の呼吸 肆ノ型 『盛炎のうねり』
槇寿郎は燃え盛る炎のごとく猛烈な勢いを伴い、前面を覆ってなしろの『不知火』を防いだ。
雨の呼吸 壱ノ型 『鬼雨』
雨竜はなしろの背後に回り豪雨のような激しい一撃を放った。
なしろは雨竜が振るう木刀の軌道を見て技を放った
水の呼吸 漆ノ型 『雫波紋突き』
なしろは水の呼吸の中で最速の突きで的確に雨竜の木刀を弾いた。
それにより雨竜は体勢を崩すとなしろは上へ跳ぶと、
雨の呼吸 参ノ型 『篠突く雨』
槇寿郎と雨竜、2人を狙って刺突の雨を降らす。
攻撃をくらう槇寿郎と雨竜は紙一重で避け、一旦距離をとった。
「急に動いたかと思ったら、なぜあの子どもは複数の呼吸を使えるんだ!?
呼吸も一瞬で切り替えてる、まだ子どもだから俺たちほどの力はないが…」
「どうやら少年は見ただけで呼吸を真似ることができるみたいだ。昨晩、下弦の陸と対峙した隊士の中には水の呼吸の使い手もいたと聞く。だから先程使えたんだろう、そしてその考えが正しいのなら、おそらく少年はあと雷、風が使えるだろう。昨晩に殉職した隊士5名の中に使い手がいたからな」
「それが本当ならかなりまずいな」
「だが先ほどの水の呼吸を見るに、少年が放つ技の練度は見た相手に少なからず影響されるようだ。…改めて考えると凄いな」
槇寿郎はなしろを分析していた。
そして槇寿郎の分析通り通り、なしろは見ただけで呼吸を真似ることができる。なしろが残酷な虐待を受け続け得た視力に、もともと秘められていた身体能力、何よりなしろにはなにも無い、形がない『無』だからこそできることだった。
(先ほどからの違和感はこれだったのか!人形のようではなく、人形だからこそ動きを真似できるということか…)
槇寿郎は少し悲しそうになしろを見た。
いったいどれほど、辛いことをされたら人がここまで壊れるのか。少年はどれほど傷つけられてきたのか。そんなことを考えていた。
一方でなしろは居合の構えをすると一瞬で雨竜と槇寿郎との距離を詰めた。
距離を詰める際に、強く踏み込んだことによって起きた音はまるで雷が落ちたかのように響いた。
雷の呼吸 壱ノ型 『霹靂一閃』
炎の呼吸 肆ノ型 『盛炎のうねり』
槇寿郎は再度、肆ノ型で防御しようとした、だがなしろは一度見た肆ノ型に対応しようと、『霹靂一閃』を槇寿朗にあたる寸前でやめ、槇寿郎の背後をとった。
風の呼吸 壱ノ型 『塵旋風・削ぎ』
なしろは槇寿郎の背目掛けて地面をえぐる様に螺旋状に突進していく。
だがなしろはその時気付いていなかった。もう1人の柱の存在を
雨の呼吸 弐ノ型 『霧雨』
雨竜は霧のように気配を消し、細かい連続斬りを放ち、なしろは不意をつかれたことでもろに攻撃を受けてしまい吹っ飛んだ。
「雨竜すまない!助かった!」
「柱として情けないが、ようやく捉えた。…しかし煉獄の言った通り、雷と風の呼吸まで使ってきたな」
「流石に加減はしただろうが、もろに入ったんだ、これ以上続行は無理だろう。気を失ってなければ良い…が……なん…だと…?」
槇寿郎はなしろを見て驚愕の表情をしていた。
なぜならなしろは、柱が加減をしていたとしても子供は愚か隊士ですら気絶してもおかしくない雨竜の斬撃をもろに受けたのだ。
それなのになしろはゆっくりと立ち上がると、俯きながらも自分の身体をパンパンと叩いて埃を落としていた。
「加減はしたが、気絶はしなくとも痛みで身体が動かないはずだ…なんなんだあの子どもは…!」
雨竜は焦りからか徐々にだが汗が滲んできていた。
槇寿郎もなしろの様子に混乱していた
(なんなんだあの少年は!?まだ子どもなのに、なんでそんなに平然としていられるんだ!?)
槇寿郎も汗が垂れる。
柱2人はなしろに動揺したながらもなしろの様子を伺っていた。
対してなしろは顔を上げると、槇寿郎と雨竜と目があった。
「「!!」」
槇寿郎と雨竜はなしろと目が合った瞬間思わず一歩後ずさった。
(なにも…感じられない。会った時から、こうやって撃ち合い続けても少年からはなにも感じられない…なんなんだ…なんなんだこの子は…この子はいったいなにを見ているんだ!…なんで俺はずっとこの少年に恐怖を抱いているんだ!)
なしろの瞳にはただ虚無が写っていた
そしてなしろは雨竜の攻撃が全く効いていなかったかのように、強く踏み込み2人に向かっていった。
次でなしろ君と槇寿朗&雨竜の戦いは終わるかなとおもいます!
早くヒロインたちとの接触シーンを描きたいです笑