無の心に愛は灯る   作:はすきるりん

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伍話

「…!煉獄!」

 

「わかってる!」

 

炎の呼吸 肆ノ型 『盛炎のうねり』

 

槇寿郎は雨竜を庇うように前に立つと、肆ノ型でなしろの突撃を防いだ。

だがなしろは、先ほどよりも連撃の速さを上げ、無理やり槇寿朗の技を破ろうとした。

 

(くっ!先ほどよりも速く重い!雨竜の技が効いてないのか!?)

 

雨の呼吸 弐ノ型 『霧雨』

 

雨竜は先ほどと同じように気配を消し、なしろの横から連撃を放つ。

だがなしろはその動きを読んでいたのか、連撃があたるのを宙返りで避けると

 

水の呼吸 壱ノ型 『水面斬り』

 

空中で逆さになりながらも、雨竜の首を狙った。

これには雨竜も予想ができず目を見開いた。

だがそんな簡単に殺られるようでは、鬼殺隊の柱の名が廃る

雨竜は刀を下から上へ全力で振り上げた

 

雨の呼吸 肆ノ型 『驟雨・壁礫』

 

急に降り出す雨のごとく瞬時に刀を振り上げ、雨の壁を作りなんとか防いだ。

なしろは空中で隙だらけになってしまい、槇寿朗は一気にたたみかけた。

 

炎の呼吸 伍ノ型 『炎虎』

雨の呼吸 陸ノ型 『御山洗』

 

槇寿朗は燃え立つ闘気が炎の猛虎となってなしろを砕くように振るう

雨竜は山をも呑み込む豪雨を槇寿朗の技と挟むように放った

技を放った二人も、その戦いを見ていた柱たちも、みんな勝利を確信した。

 

水の呼吸 陸ノ型 『ねじれ渦』

 

なしろは逆さになりながらも、大人顔負けの体感で体を捻り、激しい渦となって二人の斬撃を弾き返した。

それには全員が驚愕のあまり、顔が固まってしまった。

槇寿朗と雨竜は、弾かれたことにより大きく後ろにのけぞり、なしろは着地した後に雨竜の方を向くとすぐさま居合の構えを取り、

 

雷の呼吸 壱ノ型 『霹靂一閃』

 

無駄のない流れで技を放った。

 

「しま…!」

 

雨竜はすぐに体勢を整えようとしたが、雷の速さには間に合わず雨竜は胸を斬られた。

 

(…まさかこんな子どもに一本取られると思わなかったな)

 

雨竜は木刀を置くと両手を上げて降参した。

これにより雨竜は離脱し、残りは槇寿郎となしろの一騎討ちになった。

雨竜が綺麗に一本取られたことが信じられない柱たちはなしろをじっと見た。

そしてまだ残っている槇寿郎も、先ほどと比べられないぐらい集中し、なしろを警戒していた。

 

(まさか雨竜がやられるとはな…確かに少年は強いが、この勝負負けるわけにはいかない!)

 

槇寿郎は真っ直ぐなしろを見る、対してなしろは木刀を持ってはいるが、最初と同じように構えようとはしなかった。

 

(…まただ!呼吸を使っている時は少年の存在がはっきりしていた。感情が読めなくとも、気配はあった。だが今はまた人形のように何も感じずそこにいるだけ…!なんなのだこの胸のざわめきは!)

 

槇寿郎はグッと木刀を握り、最大限に集中しなしろをみる。

なしろはそんな槇寿朗をじっと見ている。

 

(あれは…あの目は俺を見ていない!少年は何を見ている!あの子には一体何が見えると言うんだ…)

 

槇寿郎はずっと違和感を感じながらも、さすが柱というだけあり集中はより鋭いものとなっていた。

 

柱ほどの実力者ともなれば、相手と戦う時相手の動きだけでなく、性格や考え方から動きを予測して戦う。

もちろんそれは同じ柱である槇寿郎も同じである。

先ほどまではなしろの動きもいくらか読めた。だがそのタイミングは決まってなしろが真似した呼吸法(・・・・・・・)を使っている時だった。

あくまでそれはなしろが見本にした相手の動きや癖であって、なしろ自身の動きではない。なしろがなにも無い、“無“そのもの( ・ ・・・・)だったから、他者の呼吸という衣を着て真似することで槇寿郎や雨竜は動きが分かっていたのだ。

それではもし、なしろが()そのもののまま、他者の呼吸という衣を着ないで、『無の呼吸』という衣を手に入れたとしたら?

 

なしろは止まっていた足を動かした。

 

(来る!)

 

槇寿郎は木刀を構え身体からは闘気が溢れ出ていた。その迫力は獲物を睨む猛虎の如く。

槇寿朗郎はどんな展開が来ても対応できる状態でいた。

 

そしてなしろが歩く動きをした瞬間

 

トスッ

 

槇寿郎の背中に何かが当たっている感触があった。

先が少し細く硬い、当たっている皮膚がその形に沿って凹んでいる。

槇寿郎は徐々にそれがなんなのかがわかってきた。

そしてわかってきたと同時に身体中から汗がブワッと出てきた。

 

(ま、まさか…そんなはずはない!そんなバカなことがある訳ないだろ!俺は少年から警戒を一瞬たりとも……な!)

 

槇寿郎は先ほどなしろがいたところを見るとなしろはいなかった。

槇寿郎はバッ!と後ろを振り向いた。そんなはずはないと、冗談であってくれと願いながら。

 

「…いったい…どうやって…」

 

そこにいたのは、自分の背中に木刀の切っ先を押し当てるなしろだった。

そんな槇寿郎となしろの光景に、本日何回驚かされたかわからない柱たちはまたも目を見開いていた。

槇寿郎は振り向いてから動きが止まり、周りは静寂に包まれていたが、そんな状況だからか槇寿朗にはある音が聞こえた。

 

スゥゥゥゥ…

 

あまりにも小さく聞こえづらい音。それはよーく耳を済ませないと全く聞こえないであろうかなり小さな呼吸の音だった。

その呼吸音がどこでなっているのかと探ると答えは簡単で、目の前の少年から出されていた。

槇寿朗はこんなに小さな呼吸をする流派を知らなかった。柱である槇寿郎が知らないとするならばそれは未だ誰も使っていない、存在しない呼吸だった。

 

「まさか…自分の呼吸を…」

 

(作ったのか(・・・・・)?)

 

槇寿郎の推測通りなしろは自分で呼吸を作った。

たった9歳の子供が柱に勝利するだけでもあり得ないことなのに、あろうことかなしろは自分オリジナルの呼吸を作ってしまったのだ。

 

そして静かな空間に槇寿郎の声だけが聞こえたため、他の柱たちもなしろがなにをしたのか気付いていた。

誰もが予想できなかった結果に身動きが取れないでいた。

 

そして当人のなしろは、特に気にした様子もなく、木刀を下げるとずっとこの戦いを見ていた耀哉の前に向かった。

 

「…これで鬼殺隊になれる?」

 

なしろは首をコテンッと傾げた。

 

「うん。なしろが良ければお願いしたい。どうかな?」

 

耀哉はニコッと微笑みながらなしろを優しい眼差しで見ている。

それに対してなしろは微笑むでもなく、人形のような綺麗に整った顔を崩さずに

 

「初めてだ。初めて耀哉は僕に生きる目的をくれた。だから僕はその目的のために、鬼を滅するために生きる…」

 

こうして後に鬼殺隊、歴代最強の無柱になる少年の物語が始まった。

 




ちなみに今の柱の強さ順は
海>土>>炎>嵐>鏡>雨=水=雪
って感じです!
海と土はこの時には歴代最強の柱なんじゃないか!って言われるぐらい強いです!
他の柱の人たちも原作の柱とほとんど遜色ないんじゃないかな?って感じに見てもらえたらと思います!
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