SOLDIER STRIFE   作:かるびん

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何でも屋

1話 何でも屋

 

 

 

アメリカの中でも無法地帯と化している街『ゴッサム』。

そのゴッサムシティを1台のバイクが走っていた。

黒塗りのバイクに跨る男の腰には近代の街並みには似合わない大きな大剣が据えられていた。

しばらく街を走っていくと男は一件の酒場の前にバイクを止めた。

ネオンで『セブンスヘブン』と書かれた看板を掲げた酒場の戸を開いて足を踏み入れた。

 

「あ!エドワード!久しぶりだね!」

 

「あぁ、久しぶりだな。」

 

エドワードと呼ばれた銀髪に青い瞳の男は無表情にカウンターの前に立つ女の言葉に返した。

セブンスヘブンのオーナーである彼女、エミリア・ロックハートはクラウドにとって所謂幼馴染というやつだ。

 

「あ、そうだ。エドワードが仕事で出掛けてる間に店にニック・フューリーって人がエドワードに会いに来てたよ」

 

「ニック・フューリー?」

 

「うん。もしかして知らない?」

 

「ああ」

 

「そっか。そうだ、1杯飲む?」

 

「キツイの頼む」

 

ロシアで生まれ育ったエドワードはアメリカのそれもこのゴッサムに来た時はあまりの無法っぷりに頭を抱えたものだが仕事柄土地を離れる事が多かった為にあまり気にする事はなかった。

しかし、エミリアはどうだろうか。

荒くれ者が集うこの街で変わらず優しい心を持ち続けている。

エドワードもエミリアのそこの見えぬ懐の深さには感嘆の息を漏らすしか無かった。

 

「ここでの生活は辛くないか。」

 

「え?……ううん。確かにこの街は荒れた人達が多いのかもしれない。けどね、この店で飲む時みんな笑顔なの。」

 

「……そうか」

 

その後はエミリアから流れてくるカクテルを飲みその日は解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲▼

エドワードside

 

ロシアで散々新羅カンパニーに『セフィロス・コピー計画』とやらでいじくり倒されたからクラウドロープレみたいなことしたら捨てられてだいぶ焦ったけどなんとかアメリカまで行って何でも屋を始めたらこれが大当たり。

結構やばい依頼もあったりするけどクラウドならするだろうと思って引き受けていると裏ではやばい奴みたいなレッテルが貼られていた。

解せぬ。

けどそもそもの話俺はこの世界がFF……ファイナルファンタジーの世界だと思っていたのになぜが辿り着いた場所がアメリカで最初の拠点が『ゴッサムシティ』。

いや、DCやないかい。

ゴッサムシティと言えばバットマンやジョーカーが登場するアメコミのDCコミックの世界やな。

でもニュースにアイアンマンが出てたな。

いや、MARVELやないかい。

アイアンマンが出てくるのはMARVELの作品やからMARVELの世界やな。

 

なんて馬鹿みたいな事を考えていた時期もあったけど戸惑うのは仕方が無いと思うんだよ。

幼馴染がティファ似の美少女なんだぜ?可愛いのなんのって。

まぁ、そんな事は置いておいて。

新羅から追い出された俺は運良くこのゴッサムでティファと再会する事が出来た。

生前軽くゲームで見た事あったけど……実際に見るとマジで可愛い。まぁ、似てるだけの他人の空似なんだけどさ。

クラウドロープレしてるのにボロが出そうになる。

 

と仕事終わりにエミリアの経営するBAR『セブンスヘブン』に立ち寄った俺は他愛ない世間話に花を咲かせてその日はうちに帰った。

ちなみにエミリアのお隣さん。(ドヤ顔)

 

 

 

 

ゴッサムシティ内のカフェで俺は今とんでもない男とお茶していた。

 

「それで、何の用だ。」

 

「お前がエドワード・ストライフか」

 

「そうだ。」

 

「私はニック・フューリー。」

 

知ってます。

 

「今回は君にアベンジャーズの話をしに来た。」

 

「…………」

 

マジですか……。

 

「アベンジャーズとは私の結成するチームであり、世界中の超人、及びヒーロー達を招集し世界の危機に立ち向かう組織の事だ。」

 

「なぜ俺だ。」

 

「君の噂は聞いている。凄腕らしいじゃないか。」

 

そんな噂になってんの……?

 

「興味ないね」

 

「そうか。それで答えを聞かせてもらおうか。」

 

「俺は世界の危機に興味はない。どうにかするのに俺の力がいるのなら依頼として俺の所に報酬をもってこい。」

 

「…………」

 

「依頼ならば俺がその時はどうにかしよう。もちろん報酬次第だがな。」

 

「そうか……ではまた会おう。」

 

ニックはニヤリと笑みを浮かべるとカフェの席を立った。

 


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