悲しませるのが嫌なので、防御力に極振りしたいと思います。   作:日名森青戸

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(・大・)<まだ防御力に極振り状態じゃない?

( ・大・)<この3.5の次の章で明らかになるよ。


極振り防御と上級職。

決闘都市ギデオン1番街騎士団詰所【錬金術師(アルケミスト)】メイプル・アーキマン。

 

 

私がもう一度この世界に来たのは、この世界の時間で2日が経過した時だった。

ふと教会へと向かうリリアーナさんを見かけ、彼女に連れて行かれて教会へと足を運んだ。

 

「これって……」

 

「……あの時犠牲になった人たちです」

 

その光景に私は言葉を失った。

軽く数えても50以上はある、整然と並べられた墓標。

あの時は思いもしなかったけど、あのテロの事件はティアンの人たちにとっても大きな爪痕を残したのが、今になって痛感している。

 

ギデオンの衛兵23人、近衛騎士団15人、ギデオン騎士団14人。

合計で52人もの人があのテロで命を失ったのだ。

〈集う聖剣〉や〈炎帝の国〉が尽力してくれたのだが、決して軽い物ではない。

 

「……」

 

今も、墓の前に来た家族らしいティアンが、ある墓標を前に花を手向ける。多分、あの犠牲者の家族なのだろう。

それを見ていると、胸を掻き毟られるように痛みが走る。

 

――私がもっと強かったら。

――私がもっと早く彼らのもとに駆け付けて居たら。

 

「……その後悔は、我々からすれば傲慢です」

 

次第に自己嫌悪に陥りかけた私を、リリアーナさんの声が正気に戻してくれた。

部下たちを殺されて、一番辛いはずのリリアーナさんが。

 

「昔、父から聞いた言葉があるのです『騎士は器、民は水』と」

 

「それって?」

 

「『水は零れれば元には戻らない。そうさせないために、器が水を守る。何度欠けようとも、水を守るのが器の使命』と」

 

「……」

 

「〈マスター〉達からすれば、私達は民の為に命をささげるという馬鹿げた行為に理解を示さないでしょう。当然、私達も死ぬのが怖くないと言われれば嘘になります」

 

「……」

 

「ですが、私達が動かなければ何もかも奪われてしまうかもしれない脅威がある。それから逃げてしまうのは容易いです。それでも、そのことを後から後悔するほうがずっと辛い……」

 

「……だから、それらを守るのが使命、というのですか?」

 

「かみ砕いた説明だと、そうなりますね。民を、ひいては国を護るという使命は、付いてまわるものですからね」

 

その言葉に、私はなんて返せばいいのか分からなかった。

確かにリリアーナさんの言葉は、この国の騎士の人達にはさも当たり前のことだと思っている。

けれど私は、自分から死地に飛び込むのは今となってはそれが正しいのかどうか、言葉が見つからない。

少し前の私なら考え無しに「かっこいい」とか、「凄い」とかで返せたかもしれない。

けど、この世界に来てからはどうも深く考えてしまいがちになっている。今も目の前に晒されている、人の生死に関わる話なら特に。

 

「さて、話は変わりますけどメイプルさん」

 

「――えっ?」

 

なんか、ここに来てから自分は変わったと思っていた矢先にリリアーナさんが声をかけてきた。

 

「話によると、あの時あなたは冒険者ギルドの受付の方々を守ってくれたのですね?」

 

「ええ、そうですけど?」

 

「もし彼女に会ったら、我々の代わりにお礼を言ってくださいと伝えてほしいと伝言があったのです」

 

あの時夢中になって気が付かなかったけど、あの人たちも無事だったみたいだ。

人の命を助けた実感が沸いて、無事だった安心感とちょっぴりの誇らしさが身に染みる。

 

「レベルも十分……これで後は3つ目を達成するだけですね」

 

「リリアーナさん?さっきから何をぶつぶつ言ってるんですか?」

 

「ああ、ごめんなさい。この話は彼らからのお礼――というには無理がありますね。これを達成できるかどうかはメイプルさん自身の手に掛かっているのですから」

 

さっきから訳の分からない事を言っているリリアーナさんの本心が掴めない。

私が何のことか疑問符を浮かべながら思案していると、再びリリアーナさんが声をかけてきた。

 

「メイプルさん、ここからはあなたの頑張り次第です。もちろん、これは受け取らなくても構いません」

 

「はぁ」

 

「けどもし、この誘いを受け取るというのなら――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「報酬は【城塞盾士(ランパート・シールダー)】のジョブ会得、つまり上級職への道を提供します」

 

 

【クエスト【【城塞盾士】会得試験――リリアーナ・グランドリア 難易度:五】を受け付けました】

 

【クエスト詳細はクエスト画面をご確認ください】

 

 

凄い報酬を引っ提げてきた。

 

 

 

 

決闘都市ギデオン とある宿屋【大闘牛士(グレイト・マタドール)】サリー・ホワイトリッジ。

 

 

「おっそいなー、メイプル」

 

『まーまー。ちゃんとメイプルちゃんの分も貰ったんだし、気長に待つクマ』

 

そう言って声をかけてきたのは飛んでも着ぐるみ〈マスター〉もとい元『正体不明』の【破壊王】兼レイさんの兄でもあるシュウ・スターリングさん。

私は今、レイさんの良く使う宿屋の1階で集まっていた。

貰った、というのはギデオン伯爵からの報奨金であり、更には4人に分配にした〈同胞殺戮〉と呼ばれていたMiss.ポーラの賞金と共に、かなりの収入となった。今じゃ1千万リル弱はあるよ。所持金。

ライザーさんは分配する時に「よくティアンを巻き込まなかったな……」とぼやいていた。

彼はあの後、そのまま飛んで行って直進上の建物に激突。デスペナにまでは至らなかったものの、すぐには復帰できないような重傷を受けて泣く泣く戦線離脱したらしい。当人であるカナデからは「デスペナにならなかっただけでも儲けでしょ?」と冗談交じりの皮肉に、本気でデスペナにしようと必殺スキルを発動した所を、ビジュマルさんとカスミに止められていたのが記憶に新しい。

あ、そうそう。ユイちゃんとマイちゃんにも報奨金が送られたけど、私達の中では最も少ない額だった。理由はあの大闘技場前の広場の戦いの為に、石畳を砕いたり、寝返り組やフランクリンのモンスターが破壊した瓦礫を利用したのは良いが、戦闘の余波で滅茶苦茶になってしまったのが原因だったらしい。「指名手配されないだけありがたいと思え」というリンドス卿の警告染みた言葉に2人ともバツが悪かったのか、小さい身体を更に縮むかの如く大人しく承諾するのだった。

 

「でも、あれってそんなにコスト掛かるようなものだったんですか?」

 

『当然クマ。俺とフランクリンの〈エンブリオ〉は、莫大なコストという似通った性質を持ってるからな。スーサイドシリーズのドロップも売却済みだし、ミィが殲滅に協力していなかったら、あの殲滅戦で33億リルは吹っ飛んでたクマ』

 

「「33億!?」」

 

重ッ!!コストが果てしなく重ッ!!

レイさんと声がダブったのも気にならないくらい重ッ!!

 

『あの時本気にならなかったのもあって、一応〈ノズ森林〉の分は届いてなくても思わぬ形で出費が抑えられたクマ。今の俺には彼女が天女に見えるクマー』

 

「そ、そーなんだ……」

 

確か〈ノズ森林〉って、王国の初心者狩場の一つで、〈超級殺し〉と【破壊王】が激突した場所で、その余波で焼け野原にされて、ペインさんも含めた騎士団総出の鎮火に巻き込まれたあの場所か……。

たった1人でマップ丸ごと1つ消し去ったこのクマもそうだが、彼から生き延びた〈超級殺し〉も人の事は言えないかもしれない。

 

「じゃあ暫く全員ギデオンに滞在ということで良いんだな。レイ、お前ランカーやフィガロに模擬戦に呼ばれてんだろ」

 

「まあな。学ぶことも多いし受けようと思っている。今日は大半が都合が悪くて明日に延期されたから、今日は兄貴から貰ったアクセサリと義手を買おう思ってな」

 

「だの。いきなり上級職になったとはいえ、経験はまだまだルーキー同然。〈旧レム果樹園〉での分も返せるのであれば、先に返したほうが良いしな」

 

「そうだな。じゃあ先にアクセサリーショップに行ってくるよ」

 

隻腕となったレイさんは、そのことを気にしていないかの如く前向きな返答でクロムさんに返した。

デスペナになれば五体満足で復活するらしいけど、どうやらレイさんはこの姿のままで暫くやっていくらしい。ワイルドというかなんというか。

 

「ただいまー!」

 

レイさんが出ていこうとしたその時、メイプルが扉を開けて帰ってきた。

なんだか久しぶりに見るわね、この笑顔。

……癒される。

 

「遅かったじゃない。どこほっつき歩いてたの?あ、これメイプルの分の賞金ね」

 

「ごめんごめん。実はリリアーナさんに連れられて……」

 

「リリアーナに?なんでまた」

 

「あ、そうだ。それでそのクエストをクリアしたんだよ!」

 

子供のようにはしゃぐメイプル。

興奮しきってるようでとりあえずどうどうと落ち着かせる。いや、馬か。

 

「それでね、その報酬としてなんと!【城塞盾士】へとジョブチェンジできましたー!」

 

「……」

 

「……あれ?」

 

ビシッ!とピースサインを作ってドヤ顔で報告するが、私達は首を傾げるだけだった。

 

「――2人とも【城塞盾士】なんてジョブ、聞いた事あるか?」

 

「いや、俺は聞いた事は無いな。シュウ、アンタは?」

 

『……確か、クレーミルやカルチェラタンの辺りに就いてたティアンの騎士は何人か見かけたクマ』

 

シュウさんでもそんなに知らないジョブか。そんなレアジョブの情報を持ってたなんてリリアーナさんって割と顔が広いのかも。

 

『ちょっと待つクマ……はい、【適職診断カタログ】~』

 

……なんかポケット型のアイテムボックスから秘密道具出しそうなノリで出してきた。

レイさんは「懐かしいな」と苦笑している。え、何?前科アリ?

そんなことを思っているうちにシュウさんはページをパラパラと捲っていき――開いたページをメイプルに見せた。

 

『これの事クマ?』

 

「そう、それです!」

 

メイプルの横で、私とレイさんもそのページを読んでみる。

一先ず、どういうものか確かめてみよう。

そこにはこう書かれていた。

 

 

 

城塞盾士(ランパート・シールダー)

職種分類:

盾士(シールダー)派生防御スキル特化型上級職。

 

 

説明:

大盾を用いてあらゆる障害を跳ね除ける盾士。

高い筋力と耐久力で前線の維持、主要拠点の防衛を得意とし、複数人でも味方を護るスキルを持つ。

また、大盾と別の片手武器の併用も可能。

 

 

転職条件:

1【【盾士】のレベルが50に達している】

2【パーティ以外の人間範疇生物を3分間、亜竜級以上のモンスターから10人以上守る】

3【王宮騎士団の就職試験に合格する(試験専用装備で行います)】

 

 

 

 

なるほど。あの時の【VIK】も亜竜以上と捉えたらしく、あのテロ事件でモンスター討伐により何気にメイプルのジョブレベルもカンストした。そしてリリアーナさんとのイベントクエストで3つ目も達成して晴れて上級職をゲットしたという訳か。

しかし、試験クリアが3つ目なんてね。でも試験専用装備って何?

 

「そんなに難しいの?」

 

「うん。なんでもなるべく公平な試験を行いたいからって、全員同じ装備品に着替えることになったんだ。装備スキルも全員同じものになったし。それでワークアイって人の試験官が監視の中で始まったんだ。試験の途中でいきなり私の後ろの人が失格になったんだからびっくりしたよ」

 

なるほど。そりゃアームズの〈マスター〉にとってはかなりきつい試験なんだね。テリトリー系やガードナー系、キャッスル系はさほど気にはならないけど、〈エンブリオ〉のステータス補正のみで挑まなきゃならないなんて、ティアンならさほど気にしない。

けど〈マスター〉にとってはほぼイカサマできない状態で始めなきゃなんないんだから、受ける人物にとっては困難になるかもしれない。

 

「じゃあ、第3形態に進化したカーレンの能力お披露目と行きましょうか」

 

「おー!カーレン第3に進化したんだね!おめでとう!」

 

よしよし、思いのほか乗ってくれてうれしいよメイプル君。

 

 

 

 

聖騎士(パラディン)】レイ・スターリング

 

 

俺らが椅子を移動させてある程度の空間を作ると、サリーはメイプルと対峙するような位置に立った。

〈エンブリオ〉のステータスを見せるんだろう。

 

「まずはステータス……あ」

 

「どうしたの?」

 

ステータス補正

 

HP補正:-

MP補正:G

SP補正:D

STR補正:-

AGI補正:C

END補正:G

DEX補正:G

LUC補正:-

 

 

…………。

おい、なんだこれ。

ステータスが第1形態の時に見たネメシスより酷いことになってないか?

 

「どういうこと?」

 

「……かなり無理な進化したっぽくて、足りない分を上げる必要のないステータスから差っ引いたみたい……」

 

聞けばサリーはあの時、指名手配のされていた〈マスター〉の一人である【同胞殺戮】の二つ名を持った〈マスタ―〉と対峙していたらしい。

その際の進化で限界まで切り詰めて今に至るということか。ステータス型とはいえまだ成熟しきってないから、これだけステータスが低くなってしまったのだろうか。

 

「じゃあ次!ウィンドウの情報より実際に見たほうが早いからね」

 

実際に、か。攻撃スキルだったらこんな所で使う訳には行かないが、多分それの類とは違うんだろうな。

サリーはコンコンと、靴のつま先を軽く数回叩く。

次の瞬間、サリーの身体が糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた。

 

「ちょっ、サリー!?」

 

慌てて駆け寄った瞬間、すっと立ち上がる。

 

「ドウモ、メイプル様。この姿では、初めて、ですね」

 

「え?え?」

 

「そちらの方がクロムさん、ですね?」

 

「お、おう……」

 

「そして、レイ・スターリングさんと、ネメシスさん」

 

「ああ……」

 

メイプルもクロムも、サリーの状態に戸惑うばかりだ。いや、俺らもこの光景に言葉が出ないんだけど。

 

「そしてこちらが――」

 

『そのとーり!愛らしいクマさんこと――』

 

「トンチキキグルミプレイヤーの、シュウ・スターリング、ですね」

 

「んぐっ」

 

『ズコーッ!!』

 

いや、いったい何年前のリアクションしてるんだよこの兄貴は。

サリーもサリーでさりげなく酷い事言ってないか?誰情報だよ?兄貴にはのっぴきならない事情があるんだぞ。

 

「まあ確かに、クマニーサンの事情を知らぬ者が見れば、常時着ぐるみのネタ走り〈マスター〉だろうな」

 

ネメシスよ、そこは言ってやるな。

けど、明らかにさっきまでのサリーとは違う。声は本人のものだが、喋り方も仕草も、誰が見ても別人だというのが明らかだ。

これはひょっとして……。

 

「憑依スキルか?」

 

「はい。マスターは今現在も、私の中でこの会話を、聞いています」

 

ふむ。レトロゲームで例えるなら、普段はサリーがキャラを操作して、状況に応じてカーレンにコントローラーを渡すような感覚か。

サリーと比べて喋り方が若干ぎこちない。

 

「……のう、これって俗にいうゆ、幽霊の類ではないのか?」

 

あ、ネメシスがサリーと若干距離をとっている。

良く見たら顔も若干青いし微かに震えている。

【ゴゥズメイズ】の時からゾンビ系に耐性が付いたのかと思ったけど、まだ苦手意識はあるようだ。

 

「安心してください。私が憑依するのは、私の〈マスター〉のみです」

 

……それって安心して良いのか?

 

「で、何の意味があるんだ?」

 

「はい。敵対者の呪術系統の標的にされることはありません」

 

「どれ……。本当だ、狙おうとしてもすぐにサリーを狙えない」

 

呪術師殺しも良い所だな。

 

『【闘牛士】系統はMPとHPはさほど高くないしこのスキルも短時間しか使えないが、いきなり中身が変わった時の対応は初見じゃかなり面食らうだろうぜ。そうでなくとも任意のタイミングで入れ替わるとなると、割と汎用性が高いかもな』

 

そりゃ怖いな。サリーと戦ってる時に、彼女の癖を良く知ってる分その隙を突こうとすればカーレンになって反撃を受ける、ということか。

今度闘技場の模擬戦に誘ってみようかな?メイプルも一緒に。

 

「それに、この姿になって……一言〈マスター〉に言いたいことがあるのです」

 

「サリーに言いたい事?」

 

「はい。それは――」

 

やけに穏やかな微笑を浮かべるサリーもといカーレン。

彼女は胸の内にある思いをまとめたかのように、やがて言葉を紡ぎだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……色を変化できなくてごめんなさい」

 

謝罪、その直後のバタバタと倒れるような騒音。

その謝罪で、全員盛大にずっこけた。そりゃもう、40年位前のコント番組のようにオーバーアクションでずっこけた。

 

「も、もしかしてあの時の事気にしてたの?」

 

『ど、どういうことクマ?』

 

「私が産まれた時のマスターに言われた第一声が、『青色のほうが良かった』のです……」

 

「相当根に持ってたんだな……」

 

『カーレンのようなタイプは自分の〈エンブリオ〉だからって、時々使用者本人でも予想できない行動をすることがあるからなぁ……』

 

兄貴、なんか後半古傷を切りつけてるような感じだぞ?何かあったのか?

 

「恐らくだが、あの戦艦を爆破させて何かを撃破したのは良いが、修復直後に戦艦に潰されたのだろうな」

 

……やりかねない。昔から可能性を掴むために手段を選ばないからな。アンクラの時もそうだったし。

 

「……ふぅ、とまあ大体こんな所よ」

 

『お帰りクマー』

 

「なんかそれって変な感じですね。後でカーレンにあの時の事謝っておかないと……」

 

あ、聞こえてたんだ今の会話。

【気絶】の状態異常を受けても〈マスター〉には保護プログラムが働いているから、憑依されたとしても意識を失う訳じゃ無い。

レトロゲームよりも、普段は手動運転で、スキル宣言と同時に自動運転に代わるシステムといったほうがしっくりくるな。

 

「次は私の番……って言いたいところだけど、ヒドラがまだ……」

 

『誰がなんだって?』

 

紋章を見つめるメイプルだったが、突然紋章が光りだす。

そこから紫色の光が溢れ出し、ヒトの形を作る。

光が収まると、そこにいたのは、メイプルの〈エンブリオ〉、ヒドラが立っていた。

 

「ヒドラ、戻って来たんだね!」

 

「悪いな。修復に手間取って……あー、戻ってってのはちょっと変か?」

 

「一体何をやっていたのだ?」

 

「【城塞盾士】を取るきっかけになった戦闘でちょっと壊れちゃってね」

 

ああそうか。

【城塞盾士】になるには亜竜級以上の相手からパーティ外の〈マスター〉やティアンを10人以上守らなきゃいけないんだっけ。その時に壊れたのか?

 

「情けないのぅ、たかが亜竜級のゾンビ相手に」

 

「なんだとテメェ、盾の重要性舐めてんのか?大剣モードのテメェを圧し折ってやろうか?あァ?」

 

「抜かせ三下。私の《復讐するは(ヴェンジェンス)》に防御力など紙くず同然なのを忘れたのか?毒だろうが何だろうが私が貴様の天敵であるのを忘れたのか?」

 

分かったから、分かったからいい加減喧嘩腰になるの止めろ。

 

「それで、ただ出てきたってだけなのか?」

 

「ああそうだった。メイプルに2つほど報告があるんだよ」

 

「報告?」

 

俺がネメシスを、メイプルがヒドラを制していると、本題を思い出したようにメイプルに報告する。

そして指を三本立てて、報告の内容を告げた。

 

「修復中に第3形態に進化した」

 




感想お願いします。


(・大・)<因みに進化のフラグはありました。


>【城塞盾士】取得試験

(・大・)<年に2回ギデオンで行われる試験。参加者は事前に契約書にサインする。

(・大・)<騎士団配給された専用装備で挑み、武器スキルと【盾士】のスキル、〈エンブリオ〉の装備スキルはほぼ不可。ただし装備して発動するスキルのみであり、パッシブや非装備でも発動できるスキル、戦闘に直接関係ないスキルはスルー。

(・大・)<試験内容は実技。十数人単位のチームでギデオン騎士団相手に拠点防衛を行う。割と本格的な防衛戦なので、騎士団も本気です。

(・大・)<なお、反則等による失格者はペナルティとして1年間試験に出られない。


【城塞盾士】

(・大・)<詳細はのちの章で明らかになります。

(・大・)<一応言っておきますけど、確かにレアジョブですが、

(・大・)<かなり致命的な弱点を抱えております。

〈K&R〉の部隊として、どっちを出す?

  • 『thunder storm』
  • 『ラピットファイア』
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