悲しませるのが嫌なので、防御力に極振りしたいと思います。 作:日名森青戸
(・大・)<当時やれなかった民からすれば抜け出せない面白さ。
(・大・)<モンハンライズも楽しみにしている中での、
(・大・)<投稿です。
決闘都市ギデオン とある宿屋【
復帰早々にヒドラから告げられた第3形態への進化。
そう、進化。
フレデリカさんが言っていた、必殺スキル所得の最低ラインの第4形態まであと一つ。
ここまで来て、上級職になって、初めて実感が湧いてきた。
え?マジで?このタイミングで?
「ねえ、どういうの?どんなの?速く見せてどんなのねえ教えてよ!」
「あばばばばば!待て待て待て待て!順を追って説明するから一旦タイム!」
興奮する私をヒドラが落ち着かせる。
とりあえず、その話を聞いてみようか。
「まず《死毒海域》。これは100メートルにまで広がった。耐性も最大マイナス150%まで下げられる」
「凄い凄い!一気に増えたね!」
「ただ、これからは秒間に消費するMPも1から3へと増えた。上級職になったとはいえ、おいそれと使えないからな」
なるほど。サリーもあらかた予想してたけど、強力になる分コストも増えるってのはこのことなんだね。
【
「で、もう一つは?」
「形態変化――というか、第1形態のちょっとした改造とそれの
アタッチメント?盾と短刀のほかに何が付いてくるの?
「まあ、それを見せるだけなら問題はないぜ。やってみるか?」
「お願い」
「応。――Foam Shift【Scale Shield《 》】」
「え?」
形態名を告げた直後、なぜかノイズでも走ったような声が聞こえてきてそこから先が聞き取れなかった。
「ヒドラ、今なんて……わっと!」
発言に一瞬気を取られて、久しぶりの感覚に少しバランスを崩しかけた。
ヒドラが変化したのは、見慣れた竜の鱗のような大盾。けど表面には変化は無い。裏側へくるりと返すと、そこに変化があったのが確認できた。
裏側の取っては上側に一つだけだったのだが、今回は裏から見ると漢字の「目」のように2つ目の取っ手が付けられていた。むしろ、2つ目の取っ手は短刀の刃を納める鞘のようにも見える。
よく見ると2つの取っ手の間には何かが収納できそうな四角い線が引かれている。上下へスライドできそうだ。
短刀のほうも拳銃のような引き金が付いている。銃剣というか、引き金を引いて何かのスキルを発動するためのもの、という役割なのかもしれない。
「アタッチメントってこれの事?」
『いや、盾の中にもある。下側のグリップを下に引いてみろ』
言われるがままに盾に着けられた下側の取っ手を掴む。そして思い切り下に降ろすとがこん、という音と共に開いた。
その中からごとりと3つ分の、ポーションとしてよく使われそうな大きさの瓶が転がり落ちた。多分これが付属品なんだろうけど……。
「どう使うの?」
問題はそれだ。
この瓶をどうやって使うのか?そもそもどうしてこれが付属品なのか?
『……わからん』
……はい?
『いや、冗談とかふざけてるとかって意味は無いんだ。――あー、スキルを見たほうが早いか』
どういうことなのそれ?
疑問符を浮かべながら私はメニュー画面を開き、ヒドラのスキルを確認する。
【毒葬死龍ヒドラ】
形態:3
形状数:2
【Scale Shield】
『保有スキル』
《
《
《■■■■■》(現在解析中。解析率0.05%)
「なぁにこれぇ?」
『進化したまでは良かったんだが、それがどんなスキルなのかが俺自身まだ
「そんなパターンあるの?」
『何せ修復中だったからな。お前らの世界で言う深夜テンション……とか言うノリで修復中にこれを入れたのが原因かも』
……これって、解析が完了するまで使えないパターン?
『いや、一応《
筈とか言わないで。そういうの決まって失敗するパターンだから。
「じゃあ解析が終わるまで、暫くは錬金術師が中心だね」
「良いじゃないか。ここの所激戦続きだったんだし、羽を伸ばすみたいにゆっくりしときなよ」
がっくり肩を落とす私に、サリーとレイさんが合いの手を入れて慰める。
……いや、UBM2体も相手にして勝った上に左腕犠牲にして〈
「そういえば、何故に【錬金術師】を選んだのだ?」
「そのこと?実はこれをやる前に、サリーから色々ゲームを勧められててね」
あの時は本当にしつこかったなぁ、サリー……。
「その中の一つに、洞窟の中の街に住む女の子が錬金術師になるってストーリーのゲームがあったんです」
本当、あれってどこから買ってきたのか聞きたいくらい古いゲームだったな……。どこから買ってきたんだろ?
「その中の主人公の女の子が、なんとなく雰囲気が私にそっくりに思って……それで、ゲームで錬金術師になれるなら、しばらくしたらそれに就こうって思ってたんだ」
「「「『じゃあなんで最初っから【錬金術師】にしなかった?』」」」
……方々からツッコミを入れられた。しかもヒドラからも一緒に。酷い。
サリーを含めた5人からのジト目がすっごく痛い。HP減ってないのに手回しドリルでぐりぐり頬を貫かれてるみたいに痛い。
もうやだ、痛いの嫌だ。
「あー……もういいか。孵化しちまった以上もうどうすることもできないし」
『別のハード買っても脳波データ登録されてるからな……』
「……なんかごめん」
†
宿屋でのやり取りを終えてレイさんとシュウさんが去った後、私は錬金術師ギルドに戻ってクエスト用のポーション製作に励んでいた。サリーは回避能力を上げるために、特殊な方法での模擬戦を受ける為にレイさんやカスミと同行。イズさんは《DDM》に戻り、クロムさんアット・ウィキという人のパーティに誘われて神造ダンジョンへ。
幸い、ポーションの製作は【楽々ポーション作成&ブレンドキット】の説明書を忠実に従っていると楽に作れた。
初めの内はイズさんら経験者から出来を見てもらい、アドバイスを受けながら錬金術のジョブレベルを上げていった。
「クエスト達成の報告に来ました。納品分のポーションです」
「はい……確かに受け取りました。こちらが報酬になります」
受付の人から報酬を受け取ってギルドを後にする。報酬は……割と少ないほうです。
元々『ジョブレベル上げるつもりなら、難易度:一のほうが手っ取り早いわよ』ってイズさんからのアドバイスを受けたんだし。
でもお陰で、《ポーション錬金》のジョブレベルは最大の五になった。
クエスト報告した際に【
どうも私がイメージしていた物騒な錬金術師というより、ギルドで受け付けているものは基本が魔物を寄せ付けない毒や、害獣、害虫駆除に使われる毒の生成が主だった。
ジョブとしての【
「そうだ、闘技場に行ってみよう」
「随分唐突だな」
「だってほら、戦闘職の戦い方って案外ためになるかもだし。今後の為にも見といたほうが良いかもって」
「今は生産職だろ?」
「はは、確かに……」
前はカスミとの模擬戦にしか使っていなかったけど、今はレイさんやランカーの人たちが模擬戦を行っている。
ちょっと顔を出すのも悪くないかも。
確か今は、第3闘技場にいるはず。
幸い錬金術師ギルドから闘技場まではそう遠くなかった。
†
第7闘技場前。
闘技場が見えてくると同時、その周囲に野次馬が集まっているのが見えた。
――おいおい、マジかよ……!?
――あの人ここに来るの、何気にレアじゃね?
――どんな用事できたんだ?
なんだか野次馬が戸惑っているともとれるリアクションで隣にいる野次馬に話しかけたりしている。
あの奥に誰かいるのかな?
「あのー、何かあるんですか?」
その時だった。闘技場から何かが地面に叩きつけられたような音がしたのは。
「何!?」
「またPK連中か!!」
「――ッ!!ヒドラ、行くよ!」
「……分かった!」
私が駆け出すと同時に、一瞬躊躇ったヒドラもすぐに武器形態になって私の手に収まる。
闘技場にランカーがいるから大丈夫だとか、今は【錬金術師】で戦闘力は無いんじゃいのかって疑問は私の頭の中には入ってこなかった。
今行動を起こさなければ、この野次馬達が真っ先に被害に遭う。そんな確信を胸に、音源へと駆ける。
「皆さん、急いで避難してください!PKは私達が抑え……え?」
避難勧告を出しつつ音源であろうロビーに到着した私は……そこで言葉を失った。
『全く、君らのタックルは直撃したらレイレイさんでもタダじゃすまないクマ』
呆れ顔――表情が着ぐるみに連動していたから分かった――シュウさんと、
「ふきゅう……」
「むぎゅう……」
地面に寝そべって伸びてるユイちゃんとマイちゃん。
そして、
「2人とも久しぶりネ。けどタックルは勘弁ヨ」
欧人風の顔立ちのチャイナドレスの女性がケタケタ笑っていた。
「……シュウさん、これどういうこと?」
『レイレイさんが久しく来たんで弟子の2人が興奮して体当たりしてきたクマ』
『そこをこの人が止めた、と?』
その言葉にシュウさんが『クマクマ』とうなずいた。
……えーっと、これはつまり……私の勘違いって事?
「改めて、シュウの友達で双子の師匠のレイレイダヨー」
私が出会った中での3人目、そして王国の4人目の〈超級〉だった。
※例のゲーム
(・大・)<メイプルの言うゲームは今も戸棚にあり、専用ゲーム機もあります。
(・大・)<ただし今もやっているとは言っていない。
(・大・)<多分元ネタを知ってる人は声優ネタだと知っているでしょう。
感想お願いします。
〈K&R〉の部隊として、どっちを出す?
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『thunder storm』
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『ラピットファイア』