悲しませるのが嫌なので、防御力に極振りしたいと思います。 作:日名森青戸
(・大・)<クロレコに合わせて投稿後の修正が入るんじゃ。
決闘都市ギデオン 第7闘技場ロビーの一角。
「――とまあ、あとは王都に戻って、そこでシュウやフィガロの話をして、〈UBM〉の報酬を貰って別れたんダヨー」
「……」
「……」
『……』
「アレ?どうしたノ?」
「どうしたの、じゃねぇヨ。素人相手に〈UBM〉ぶつけるとか正気の沙汰じゃねぇナ」
押し黙る空気の中で、迅羽が代表してツッコミを入れた。それに応じてユイとマイ以外のその場にいた全員が超高速とも呼べる速度で頷くいた。
「え?そんなに無理じゃないでしょ?シュウとフィガロも似たようなことやってたし」
『〈
「大体多人数でも〈UBM〉は強敵なのに、それをタイマンで倒せって言います普通!?」
思わずスターリング兄弟がツッコミを入れる。
シュウも見た目はともかく、中身は多才な才能を除けば常識などは持っている。
「お兄さん、レイさん。それはあなた達が言えた事じゃないと思いますよ」
「山賊団戦を外せばレイも〈UBM〉とタイマンだったのぅ」
「攻撃極振りで最強になったシュウが言ったら元も子もないと思うよ?」
『フィガ公にも突っ込まれたクマー!完全に四面楚歌クマー!』
スターリング兄弟のツッコミがルーク、ネメシス、フィガロによって撃沈される。
彼らを慰めている間に、メイプルが素朴な疑問を投げかけた。
「所で、〈UBM〉ってそんなに強いんですか?」
その疑問に答えたのはクロムとカスミ、そしてマルクスだ。
「馬鹿げてる能力を持ってるってのは確かだ。俺の時は列車型だったな。霊界に連れて行くっていう設定のスキル使われたら即死だし、ブローチで回避したり、【
「私の場合は嘘を吐かせる者だ。大人数で挑んだのだが、ありもしない虚言で和をかき乱していたな……最終的にはティアンも〈マスター〉も関係ない混沌とした殺し合いに発展していったなぁ……」
「僕の場合は周囲を把握して遠くから光魔法を撃つ奴だったね。仕掛けた罠も殆ど効かなくて大変だったなぁ……最終的には光魔法の熱を利用して酸欠になった所を本命を仕掛けて滅多打ちにしたけど、あんなに苦労するんだったら会わないほうが良いと思うよ」
三者三様で思い出を振り返る3人に、メイプルも大方の事情を理解できた。
「しかし、2体で行動するなんて本当に珍しい事もあるんだナ」
「そうなのか?」
『〈UBM〉は基本種族が違うからな。〈UBM〉同士の戦闘はよくある話クマ』
「そうだね。フェイウルやクローザーがそうだったけど、〈UBM〉同士が行動を共にするってのは聞いた事が無いよ」
「それも相手を利用する形ではなく、兄弟として。つまり同胞としてダ。もしお前ラが返り討ちに遭っていたら、将来的にはオレらでも手こずるレベルになっていたかもしれねェ」
この中では〈UBM〉最多討伐数を誇る〈超級〉の考察は、〈UBM〉と遭遇すらしていない者でも納得せざるを得ないものだった。
無論、シュウもフィガロも迅羽も、果てはフランクリンや“魔力最強”と呼ばれる当代の【
しかし、誰も彼も利用する形での結託はしていたものの、完璧な連携を駆使し、お互いを兄弟と認めるものはいなかった。
「で、その2匹なんだがな。成長したらどうなってた?」
「〈SUBM〉、とまでは流石に大げさだけど。最悪両方同時に倒さない限り五体満足で復活してHPも回復していくスキルを持ってたら、開始時点で迅羽と戦ってた時の最終的なステータスくらいは欲しい。もし2対多人数を要求してくる奴だったら僕は絶対に降りる」
『フィガ公の場合、リアルの件もあるがな。2人が倒せたのは幸運もあるクマ』
「なるほど……あ、最後に一ついいかな?」
休憩時間にしては十分だったのでそろそろ切り上げて模擬戦を再開しようかとした矢先、サリーが挙手した。
「なんですか?」
「2人の着ぐるみって頭だけだったよね?何かあった?」
「あー、そのことですか……」
漸く復活したマイが、バツが悪そうに頬を掻く。
10秒ほどの沈黙の後、観念したようにつらつらと説明した。
「あの後、あの時の大勢の〈マスター〉に囲まれて……」
「なんでも『俺らの得られるはずだった特典武具を勝手に取ってんじゃねぇ』とかいちゃもんを着けられて、問答無用で襲われて……」
「何とか逃げ切れたんですが、どうしようかって悩んでたら……」
「OK分かった大体理解した。それで着ぐるみを購入したと」
PKから命からがら逃げだしたということである。そして止む無く着ぐるみ(頭のみ)を装備して秘かにやり過ごしたと。
「さて、そろそろ模擬戦の続きを始めようか。最初は2人とタッグマッチでどうかな?」
「あ、お願いします」
「私達も連携の強化をしようと考えていたんです」
ユイとマイも乗り気で賛成し、フィガロを筆頭にレイを含めた決闘ランカーが再び闘技場へと向かう。
その一団を見て、レイレイは声をかけた。
「2人とも、頑張ってネー」
師匠の呼びかけに、2人は振り返りながら応じた。
「「解りました、師匠!」」
†
※その後の2人。
〈ハンターズ・キル〉の包囲網を潜り抜け、キオーラにセーブポイントを設定してからログアウトした翌日、2人はウキョウとサキョウの最期の言葉を胸に、お互いと面と向き合っての話し合いをした。
記憶の事を中心に話していくと、思いのほか両者の記憶のピースが合致していたことに驚いた。職業を知る授業を学校から出された時、これ幸いと2人は自分達の産まれた病院へ行き、そこで話を聞いた時、2人にとって思わぬ真実を知ってしまった。
2人は元々、マイの母親が産んだ双子だったのだ。最初は2人とも育てていこうと思っていたが、職業等の事情から2人は離婚し、双子はそれぞれの親の元育てられたというのだ。
驚愕から立ち直った2人は何とか再婚させようと考えを練り、一冊の本を目にした時――思いついた。
それぞれの親に、自分の子を1週間以内に見破れるかどうかという賭けに出た。2人の親もそれに応じて賭けに乗ってくれた。
お互いの容姿が瓜二つだったのを利用し、お互いがお互いに成りすまして、それぞれの家にもぐりこんだ。
結論から言えば、2人は賭けに勝った。そして親は再婚し、2人は正式な姉妹となった。
両親の顔も、離れていた時よりも生き生きとしていた。今はまだお互い勝手に離れていったこともあってお互い距離を置いていたが、やがて時と共にその距離も縮んでいくだろう。
そして2人の家の本棚には、2人を繋げてくれた1冊の本が収められている。
そのタイトルは――『ふたりのロッテ』――。
(・大・)<3.5章2/3、
(・大・)<終了。
(・大・)<ここはちょっと補足を入れます。
※【合縁白槌ルイーゼ】【奇縁黒斧ロッテ】
(・大・)<TYPEアームズの〈エンブリオ〉であり、STR特化。
(・大・)<元々は1つの〈エンブリオ〉がベースであり、ユイマイの出現により分裂。それぞれが2人の元に渡った。どうしてこうなったのか原因は不明。
(・大・)<補足。
(・大・)<当初はお互いの所有者に限り、お互いの〈エンブリオ〉を装備できるというものでした。それに形態も投槍やブーメランもありましたが、
(・大・)<書いていく内に『この設定必要なくね?』と思い、ステータスと性能の両特化になりました。
※《あなたに出会えた奇跡》《あなたに巡り合えた奇跡》
(・大・)<端的に言えば、距離に応じたSTR倍化上昇。
(・大・)<お互いの距離が2メートル以内なら10倍まで増加。
(・大・)<片方でもログアウトしてると最低の1.5倍になる。
(・大・)<条件に『ロッテ(またはルイーゼ)を装備している相手が敵対関係ではなく、共に戦う相手であること』とあるので、
(・大・)<お互いを敵と認識していた時期は2人はこのスキルが封印されていて、攻撃倍化もありませんでした。
(・大・)<そして距離が離れ具合によって扱いも難しくなるという隠れクソ仕様。
※《ハンターズ・キル》
(・大・)<特典武具狙いの集団が集まった《LotJ》みたいなクラン……というか集団。
(・大・)<独自ルートで手に入れた〈UBM〉情報を秘匿しつつ、鉢合わせた〈マスター〉やティアンを襲い横取りを狙っています。
(・大・)<けど特典武具を手に入れた経験はほとんどありません。オーナーくらいなもんです。
(・大・)<そのオーナーも瀕死の〈UBM〉横槍で止めを刺したって感じです。
(・大・)<因みにティアンは基本拘束のみ。指名手配が怖いらしい。
※ユイとマイ、どちらが姉になったのか。
(・大・)<最初はどちらが姉になるのかもめにもめたらしく、
(・大・)<最終的にはじゃんけんで買ったほうが姉という取り決めをして、
(・大・)<3桁のあいこを繰り返してやっとマイが勝ちました。
※何故に手直しを?
(・大・)<クロウ・レコードの最新話にて第3が水上戦ありってのがあったし、原作でも第8がレース競技に使われてたので、手直しと独自解釈として、第7が多人数戦設備込みというものを加えておきました。
(・大・)<感想お願いします。
〈K&R〉の部隊として、どっちを出す?
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『thunder storm』
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『ラピットファイア』