ワード[スリーサイズを教えてください] [Am i rice cake?] [zyよん歳になりました。祝ってください][パンT!][団子のつくり方を教えてほしいにゃん]
武士が無事に支給物資を取り終えたことで、2人は先ほどまで篭っていた小屋へ戻ることにした。しかしその帰り道の途中で、2人はあることに気が付いた。
安全地帯が再び縮小を始めていた。
遠くに見える小屋はとっくに安全地帯ラインの外にあり、今も尚、安全地帯は縮小し続けている。
ミサイル爆撃が迫りくる。
しかし今の二人には乗り物などない。2人は顔を引きつらせながら、とにかく走って逃げる事しか出来なかった。
そうして安全地帯縮小ラインとの追いかけっこをしながら周りを見れば、2人と同じように走って逃げているプレイヤーが何人もいた。
本来ならば目が合った瞬間に殺し合いだが、今はそんなことしてる場合ではない。2人が敵と仲良く並走する姿が画面に映し出されていた。
なかよ死
絶対一緒にゴールしようね!
平和な世界
2人は走り続けるうちに茂みを抜けて、開けた場所にたどり着く。
それは安全地帯の中心地、麦畑である。
胸元まで背丈を伸ばした金色の麦が、絨毯のようにして2人の視界一面に広がっていた。そしてよく見ればその中心に一人の男が立っていた。
男はライフルを手に持って、麦畑に踏み入ろうとするプレイヤーを片っ端から撃ち殺している。
そして時折飛んでくる反撃の銃弾も、身体をずらし見事に捌いていた。
それはまるで金色のステージに立つ踊り子のように。
四方八方に銃弾を放ち、飛んでくる銃弾も華麗に躱す。
「あれ何?親戚?」
「知らぬわああ!」
この人物が誰なのか、二人はまだ気付いていなかった。
仏陀だwwww
リオの悪運やばすぎんか?
神との邂逅
プレイヤーネームを”仏陀”。
リアルガチプロゲーマーである。
先ほどまで一緒にゴールしようねと言っていたのに(言ってない)、一緒に走っていたプレイヤーは次々と先にゴール(死亡)していく。
それでも2人は運と執念で麦畑に辿り着くと、すかさず地べたに伏せた。この体勢になれば麦が体を覆い隠して、見つかる可能性はかなり減らせる。
ただ難点もある。
「武士、どこにいる?」
「某、分からぬ!」
迷子になることである。視界が利かないため仕方がないと言えば仕方がない。
リオは武士との再開をさっそく諦めた。
「とりあえず隠れて様子を見よう」
「うむ」
2人は静かに息を殺す。
2人が麦畑に隠れている間にも、仏陀はやってくるプレイヤーを持ち前のスキルを遺憾なく発揮して、次々と葬り去っていた。
安全地帯の縮小に追われて、やっとの思いで逃げてきたプレイヤーにとっては悪夢以外の何物でもない。
安全地帯の中で死ぬか外で死ぬかの違いである。
また運良く麦畑に隠れたプレイヤーも戦おうと思うものは誰もいない。それほどまでの圧倒的なスキルの差。おびえて震えるのが関の山である。
そのうちに仏陀は、外からやってくるプレイヤーをあらかた狩りつくしてしまった。
一切の銃声が止み、麦畑に静寂が訪れる。雀が見たら、一人の人間が麦畑に佇んでいる穏やかな風景と勘違いするだろう。
しかし仏陀は穏やかな人間などではない。生きてるプレイヤーは一人残らず狩り尽くさなければ気が済まない戦闘狂である。
仏陀は麦畑を歩き回って、蹴とばしたプレイヤーを始末し始めた。
今や安全地帯の大きさは、半径数十メートルの円でしかない。
しらみつぶしに歩き回られたら、リオ達が見つかるのも時間の問題だった。
静寂に、1つ、また1つ銃声が響く。
これなんてホラゲ?
もう詰みだよー(涙)
神も仏もないですね(白目)
とうとう仏陀はリオの潜む方向へと歩を向けた。リオはそれを見てつばを飲み込むと、皆に問いかけた。
「なあ皆 ここで撃ち合いに勝ったら私、伝説じゃない?」
草
嘘やん
起こらないから伝説なんだぞ
おいやめろ
リオは栄光への渇望に飢えていた。このコラボが実現するにあたり、落とした名誉は数知れず。
かっこ悪い、というか変人のままでは終われないのである。
幸いにもリオの手には、武士からもらった最強の銃があった。準備万端である。
その声に、マグマのようにあふれ出す闘志を乗せながら。
リオはもう一度問いかける。
「なあ皆、戦争って楽しいよな?」
ギアを上げて。
「ゲームってのは勝ってなんぼだよなあ?」
ギアを上げて。
「勝利の美酒を味わいたいよなああ?」
吐き出した。
「皆ああああっっっ、戦の時間じゃああああああああっっっ」
びやあああああああ
リオ姉貴いいいいい
おらあああああああ
リオは瞳孔をかっ開いた。
「かかってこいやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ バトルジャンキーい゛い゛い゛い゛い゛い゛」
リオは目を血走らせて唸るような咆哮を上げながら、麦畑から立ち上がった。
敵を見据える。銃を構える。
相手は突然のことで必ず隙が生まれるはず!その隙を狙えば勝t
\パンッ/
「えっ?」
思考が途切れた。
リオは頭を撃ち抜かれた。瀕死になった。倒れた。
せーの
「と゛う゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」
草
草
知ってた
ノルマ達成
即落ち2コマ
実家のような安心感
お か え り
気概空しく、仏陀に一瞬のうちに仕留められた。リオは負けたのだ。
リオは悔しさに吠えていたが、まだゲームが終わったわけではない。
リオは瀕死で死んだわけではなかった。そのため戦闘狂は止めを刺すべく、倒れるリオに銃を向ける。
リオは死を覚悟した。
\パンッ/
銃声が鳴った。しかしリオは死んではいなかった。
銃声は仏陀の、さらにその後ろにいたプレイヤーによるものだった。
無謀にも立ち向かったリオに感化されたのか、仏陀にケンカを売ったプレイヤーがもう一人増えたのである。
しかし、せっかく放たれた銃弾も仏陀の頭の横を空しく通過していった。
仏陀はリオに止めを刺さずに、そのプレイヤーを仕留めるべく銃を向けた。
その間、わずかにできたタイミングでリオの元へ匍匐前進をしながら武士がひょっこり現れた。
生きとったんかワレ!
ナイスタイミング
そのちょんまげ、リードにつなごう
「武士い!」
「助けに来たで候」
そう言うと、瀕死のリオに応急手当をして素早く蘇らせた。
しかし危機が去ったわけではない。既に位置はばれている
今目の前で別のプレイヤーを仕留めた仏陀は、再びリオに向かってくるだろうと2人は確信していた。
しかしその予想は意外にも外れた。仏陀は2人のいる方向を向いた後に、何故か仏陀が元居た位置、つまり麦畑の中心へと戻って行ってしまった。
そうして誰かが来るのを待つかのように、ただ立っていた。気づけば残るプレイヤーはリオと武士の二人だけとなっていた。
「あのジャンキーいい挑発してるううう!!」
リオは悔しそうに声を漏らした。
かかってこい雑魚
仏陀の風貌がそう無言で語っていた。
しかし挑発に乗らない訳にはいかないのも事実であった。
というのも、もうすぐ次の安全地帯縮小が始まるのである。それが起これば、もはや範囲は数メートル単位の円となり、正面からの戦いは避けられない。
事実上の負けである。
だから仕掛けるには今しかない。
しかし真っ向から戦って勝てる相手では無い。そのため2人は作戦を立てることにした。
「武士、あいつの弾受けられる?」
「武士に不可能は無い!!」
「それなら囮になって その間に私が仕留める」
「あい、分かった」
実に単純な作戦であるが、それゆえに効果はある。
二人はそれっきり黙り込んだ。
もうすぐ過酷な戦いが幕を開ける。
「あ、そうだ武士・・・やっぱり・・・」
「・・・」
リオと武士は、作戦会議を終えた。
始めるのは勝算の限りなく低い戦いである。
匍匐前進で麦をかき分けて、ゆっくりと進んでいく。武士は2人に気付いているのかいないのか、立ったまま微動だにしなかった。
そうして二人は所定の位置へと着く。お互い仏陀からは一定の距離を保って、武士は仏陀の正面へリオは仏陀の横に位置取る
「こっちは準備できたよ」
「こちらもだ!」
お互いの状況を確認し合えば、2人は重たい緊張感に包まれる。
チャンスは一度きりである。
よし
目を閉じて気合を入れなおした。
そうしてゆっくりと目を開ける。
「気張って行こう」
リオが静かにつぶやいた。
そして戦況はようやく動きだす。
リオは大きく息を吸い込めば、次に吠えるようにそれを告げた。
「GOっっ!!」
開戦の合図である。
「ぬおおおおおおおおお!!!!」
ケツ出しなさいよおおおおお
戦じゃあああああ
進めええええええええ
武士は弾かれたように立ち上がると、仏陀目掛けて駆け出した。
「いざ尋常にいいいい勝負ううううう」
叫ぶ武士の左手にはやはりフライパンが握られていた。
仏陀は突然現れた武士にも冷静に反応して、すぐさまライフル銃を向ける。
\パンッ パンッ パンッ/
今までの敵とは比較にならないくらい正確に打ち込まれた銃弾であるが、それでも武士は見事に銃弾を避けていく。
もはや獣にならぶ瞬発力である。
武士は身体を掠めていく銃弾を横目に、猪の如く突き進む。
このままの勢いで進めば、あっという間に仏陀に接近できると思われた。
しかしそこはプロゲーマー、そんなに甘くはなかった。
仏陀は瞬時にライフルからマシンガンへと銃を持ち換えた。そうして引き金に手をかける。
もはや避けれる、防げるの次元ではない。
弾丸のシャワーが、武士目掛けて飛んでいった。
このままでは武士がハチの巣になる
リオは息を呑んだ。
武士が銃弾に飲み込まれる、その寸前。
武士は、、笑っていた。
「効かぬわああああああ」
武士はぴょんと飛び跳ねて、流れる銃弾を飛び越えた。
!?
武士いいいいいいい
かっけえええ
いけえええええええ
「覚悟おおおおおお!」
武士が執念の叫びをあげる。仏陀は武士の突然の跳躍に驚いた様子を見せていた。
今だ!
リオはこの瞬間を待っていた。
仏陀が油断を見せる、その瞬間を。
リオはすっくと立ちあがり、仏陀に素早く銃口を向けた。これが二人の狙いであった。
武士のフライパンでは人を殺せない。それは2人も分かっていた。しかし大きな役割があった。
それは囮になりリオの存在を霞ませること。そうして仏陀を慌てさせて、リオの拳銃でズドン。
そういう未来図が、あった、はずだった。
・・・いつだって現実は無常だ。
「え?」
リオは気付くと倒れていた。
仏陀は一瞬のうちにリオに気づき、リオよりも早く銃口を向けて、リオよりも早く引き金を引いた。
ほんのコンマ数秒の間に、それだけのことをやった。
ただそれだけだった。
嘘だああ
化け物かよ
これがプロか
「そんな・・・」
リオは悲痛な声を漏らした。
リオ、2度目の敗北。またも仏陀には届かなかった。
これで二人の敗北は確定した・・・
「・・・なーんちってww」
わけではなかった。
リオは笑みを浮かべた。
リオはこうなることを知っていた。
信じていたのだ、仏陀の実力を。
だから仏陀が今まで武士の様子をどこかで見ていて、ただのフライパン馬鹿だと思っているであろうことも、そのためにリオを優先的に狙ってくるであろうことも全部予想していた。
知らなかったろ?本当の囮は私だ!!
「愛してるぜええええ仏陀ああああああ」
リオによる世界一かっこいい負け犬の遠吠えであった。
「おりゃああああああ」
「!?」
気迫の叫び上げながら飛び込んでくる武士に、仏陀の動きは初めて固まった。
それはそうだろう!あのバトルコックマンが手にショットガンを持っていたのだから!!
仏陀が急いで銃口を向けるが、既に武士は引き金に手をかけていた。
どれだけ下手であろうとも、照準全てが敵で埋まるほどの近距離ならば外しようがない。
「御免!」
\パンッ/
超至近距離から放たれたショットガンが、仏陀の身体を吹っ飛ばした。
仏陀のライフゲージがあっけなく0になった。
ここに二人の勝利が決定した。
「や゛っ゛た゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「討ち取ったり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」
きたああああああ
神 回
勝ったあああああああ
大 勝 利
コメント欄はにわかに賑わった。この場にいる誰もが、2人の勝利を祝福していた。
戦いを終えた武士は、瀕死で倒れているリオの元へとやってきた。
勝利はしたが、ゲーム画面がタイトルに戻るまでは、少しのばかりの猶予がある。
その時間を利用して武士は、倒れたままのリオを不憫に思い応急手当を施した。
リオが蘇生して起き上がる。
武士は格好つけて、決め台詞を言い放った。
「Am i rice cake?(待たせたな!)」
「あ、それ違うw」
草
wwwwww
悲 劇 は 繰 り 返 さ れ る
\私はお餅ですか/
もっちい―END
お餅は2度刺す
こうして、大いに賑わいを見せたRUBG配信は幕を閉じた。
同時接続3万人という驚異の記録であった。