ゴリラじゃないからっ!   作:もぐら王国

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夢野雫とコラボだ! [終]

リオが最後の手記を手に入れると同時に建物全体が揺れ始めた。

それは病院の地下もまた例外ではない。

リオの視界に映るもの全てがぶれて、あらゆる物が二重にも三重にも重なっている。

地面も、壁も、天井も、空気中に唸るような音を轟かせながら揺れているのである。

このまま天井が落ちて来て生き埋めになるのは時間の問題に思われた。

とにかくこの場から離れなければならない。

リオは焦りの表情を浮かべながら、周囲を見渡す。

あるのは、下水道へと続く細いトンネル状の通路である。

雫に素早く視線を向ければ、雫もその通路に気づいている様子だった。

 

「雫さんっ!」

「はいっ!」

 

リオと雫は同時に駆け出し、横並びになってトンネルの通路へ入る。

二人が正面に見えるトンネルの出口へと向かって必死に走っていると、背後から耳を割るようなすさまじい轟音と一際大きな地面の揺れが伝わってきた。

驚いて振り返ればついさっき自分たちが通ってきた道の天井が崩落し始め、逃げるリオ達を追うように天井の瓦礫が降ってきていた。

リオは顔を引きつらせ、雫は真顔でその様子を見た。

二人は前を向くと、生き埋めにならないように全力疾走する。

背後に迫る瓦礫の気配を感じながら、やがてトンネルを抜けた二人はそこで立ち止まった。

眼下には真横に勢いよく流れていく大量の水。

二人は水の通り道である下水道のへりに立っていた。

先へと進める道はもうない。

立ち往生している二人のすぐ後ろで轟音と砂煙が立った。

見れば、降ってきた瓦礫が積み重なりトンネルの通路が完全に塞がっていた。

これで二人は前にも後ろにも進めなくなった。

リオと雫は顔を見合わせる。

 

「雫さん、進める道が無くなりました」

「はい」

「これはやばいです」

「いつもやばいですね♪」

 

そりゃリオだしな・・・

悪運の強さよ

生き埋めになって地面から生えろ

詰んでる

 

リオの焦った声に、雫はほんわかした声で返した。

このままここにいても、天井に潰される未来が待つだけである。

今だって既に、下水道の天井がぐらぐらと崩れかけている。

リオは何かないかと辺りを見渡した。

 

壁、壁、壁、梯子・・・!

 

リオは遠くの下流の方の壁に掛かっている梯子を見つけた。

 

「あれ梯子ですよね」

「そうですね」

「あの梯子を登って行ったら外に繋がっているかもじゃないですか!?」

「そうかもしれません」

 

リオは希望が見えたことに声を弾ませた。

問題はどうやって梯子の元まで行くかである。

梯子がこの流れる水に対して垂直な壁にかけられてる以上、水に流されながら徐々に壁に寄っていって梯子に到達する必要がある。

しかし水の流れはだいぶ早い。

 

いけんのかこれ・・・

 

リオは流れる水を見つめて不安そうな表情を浮かべた。

雫はそんなリオの顔を見ると、軽く咳払いをした。

 

「コホンッ」

「?」

「私が先に行きましょう!」

「え?雫さん大丈夫ですか?」

「大丈夫です! 私が先に梯子に捕まって、リオさんに手を伸ばします! そしたら簡単です!」

 

雫は胸を張って自信満々に答えた。

それでもまだリオは少し不安そうな表情をしていた。

するとそれを見た雫は言った。

 

「私、泳ぐの得意なんです」

「そうなんですか」

「はい だから余裕です!」

 

雫の軽い物言いを聞いてリオはとうとう心配するのをやめた。

 

「頑張ってください」

「頑張ります」

 

そこまで言うなら大丈夫だろう、という気持ちであった。

リオが隣で見守る中で、雫は深呼吸をした。

 

「じゃあ 逝ってきます」

 

雫はそう言い残して流れる水へと飛び込む。

”ばちゃん”と音を立てて雫の姿が水中へと消えた。

リオはしゃがんで、雫が顔を出すであろう水面を水の流れから予測してじっと眺めた。

静寂・・・静寂・・・

数秒経っても、雫はなかなか顔を出さなかった。

 

え?これまずくない?

 

リオが立ち上がってそわそわしていると、雫がようやく顔を出した。

雫はゆっくりとリオに顔を向けた。

 

「雫さん!」

\スミマセン アシガツリマシター タスケテクダサーイ/

「ええっっ!?」

\タスケテー/

 

早速溺れてて草

即落ち2コマ

めっちゃ棒読みなんだがww

頭流されていくのシュールすぎて草

 

雫は何故か棒読みでリオに助けを求める。浮かんだ顔がビーチボールの如くすーっと下流へ流されていく。

リオはそれを見ると、自身も迷いなく水へと飛び込んだ。

足元から頭まで冷たい水に包まれる。

水深は思ったよりも浅く、足はギリギリ着いた。

 

着 い た よ。

 

え? 意外と浅くね? 雫さん余裕じゃね?

 

と思ったのも一瞬のこと、雫が溺れているのは見てわかる事実である。

リオはとにかく遠くで溺れている雫の位置を見定めて、泳ぎ始める。

水の流れも相まって、ぐんぐん雫との距離は縮まっていく。

やがてリオは雫に腕を伸ばした。

 

「やっと捕まえた!」

「ありがとうございます!!」

 

リオは雫の身体に素早く片腕を回す。

雫も嬉しそうな声を上げながら、リオの首に腕を回し身体に両脚を巻き付けた。

それは木にすがりつくコアラのようである。

 

「良かった 無事だあ」

 

リオは息を漏らす。

 

「これゲームですよ」

「そうだけどっ!」

 

リオは雫の無事を確かめるように、身体を抱きしめて雫の顔を見つめる。

雫もリオの全身をぎゅーっと強く抱きながら、リオの顔を見つめる。

鼻先が触れるほどの距離で、お互いに見つめ合う。

鼻先を赤くして、濡れた髪を顔に纏わせて、光る水滴を肌に滑らせる相手の顔。

吐息が触れる。

 

えっっっっっ

あっ(尊死)

えっど

ぬっ

 

リオは何となく気まずくなって顔を逸らした。

雫は笑みを浮かべながらリオの首に顔をうずめた。

 

「やりました! 作戦通り合法的にリオさんに抱き着くことが出来ました! 嗚呼、リオさん柔らかい・・・嗚呼・・・暖かい・・・嗚呼・・・」

「なんか言った?」

「いえ」

 

リオは顔を下に向け、雫は顔を上にあげた。

リオは首元からくぐもった声を聞いたが、何て言っているのかは聞き取れなかった。

 

というかくすぐったいから離れてほしい

 

リオは梯子を掴むという目標を思い出し、顔を上げた。

丁度目の前に梯子が迫ってきていた。

 

「梯子捕まえた!」

 

リオは水流に流されながらも、梯子に手をかけることに成功した。

そのまま足もかけて登り始める。

 

「さすがに自分で登ってください」

 

リオはコアラモードの雫に注意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

雫が上、リオが下で梯子を黙々と登っていた。

梯子の先は真っ暗な円盤の天井で、夜空の星が見えるわけではない。

リオは梯子の先が外につながっていることを祈りながら登っていた。

ふと視界に入っていた雫の登る足が止まり、リオも動きを止めた。

 

\コンコンコン/

 

頭上から金属を叩く甲高い音が聞こえた。

気になったリオが上を見上げれば、雫が天井を手の甲でノックしていた。

 

「ここがてっぺんみたいです」

「おお~」

 

雫が報告するように言う。

どうやらいつの間にか梯子の先まで登って来ていたらしかった。

雫は落ちないように片手で梯子を掴み、もう片方の手を天井に伸ばした。

 

「くぅーっ くぅーっ」

 

かあいい

萌え~

子犬みたいな声だな

癒し

リオからリオ成分を抜いた声

 

雫が河童のような鳴き声可愛らしい声を上げながら天井を押すが、びくともしない

腕がぷるぷると震えていることから相当に力を入れていることが分かる。

要するに力不足である。

雫は”ふう~っ”と息を吐くと、電池切れかのように力無く腕を下ろし、足元のリオに顔を向けた。

 

「リオさん、私の力じゃ難しそうです 代わっていただけますか?」

「任せてください! 力仕事得意なんです!」

 

安心感がすげえやwww

得意(得意)

知ってた

天井ぶち抜きそう

 

リオは笑みを浮かべながら、雫からのお願いを二つ返事で引き受けた。

リオは雫と場所を入れ替わると天井を見上げ、まずは雫と同じように片手で天井を押してみた。

しかしどうにも動く気配がなかった。

そこでリオは両手を使うことにした。

階段を作っている足場は金属のフックを壁に打ち付けたもので、横長の四角を縁取った形をしており、リオはその足場に器用に体重を乗せることで両手を離して立ち上がった。

リオはそうして両手の平を円状の天井につけた。

 

「ふっ!」

 

リオは息を止めて腕に力を込める。

力の入った手の甲にくっきりと線が浮き出ている。

しかし天井は動かない。

 

「ぐぬぬぬぬっっ」

 

リオは歯を食いしばる。

重圧のかかる手首と二の腕の筋肉が悲鳴を上げている。

しかし天井は動かない。

 

「リオさん無理しない方が」

 

雫は顔と腕を真っ赤にしているリオを見て心配そうに声をかけた。

しかしリオは諦めない。

 

「別の道を探しましょう」

「・・・かあ」

「え?」

「・・・るかああ」

「?」

「負けてたまるかあああああっっ!!」

 

強い(確信)

これ少年漫画だっけ?

ジャンプ系ゴリラ

友情!努力!ゴリラ!

 

リオは天井に向かって威勢よく声を張り上げた。

すると天井が少し持ち上がった。

 

「ぬんっ!」

 

リオはすかさず天井を横にずらした。

リオと雫は目を見開いた。

ずらしてできた隙間から、月の光が差し込んできていた。

梯子の先は外につながっていたのである。

 

「やったあああ」

「やりましたね!」

 

きたあああああああ

助かったあああああ

姉貴まじイケメン

やっぱ力よ!

 

リオ達は喜びの声を上げた。

一度はどうなるかと思われた外への脱出だったが、見事に達成された。

リオ達は早速その隙間からぴょこんと顔を出す。

懐かしい土のにおいを吸い込む。

リオは隙間から這い出ると立ち上がり、地面を踏みしめて大きく息を吸いこんだ。

生き延びたことを実感した。

隣を見れば、雫も同じように外の空気を味わっていた。

リオは脱出の余韻に浸りながらに、気分の良いままに、何ともなしに足元に視線を落とした。

視界に入るのは土と、雑草と、おじいさん・・・おじいさん?

リオは首を傾げた。

青い服を着たおじいさん。帽子もかぶったおじいさん。

そこには警備員の死体があった。

 

は?

 

青い服着た警備員の死体が目の前に転がっている。

そしてよく見ればその下に、黒い円盤であるマンホールが見える。

つまりにわかに信じがたいことではあるが・・・リオはマンホールと合わせて、成人男性一人を両腕で持ち上げたということである!

 

さすがゴリラ

マンホール約40kg+成人男性平均体重60kg・・・

すごすぎて草

人 間 卒 業

俺、また何かやっちゃいました?

 

「リオさん・・・すごいですね・・・」

 

気付けば雫が隣にいて同じようにリオの足元を見つめていた。

リオの視線に気づき雫が顔を上げて目が合う。

純粋な称賛の目をしていた。

 

「ゲ・・・ゲームだから多少はね・・・」

 

リオは目をそらした。

 

「そ・・・それよりも見てくださいほらっ! 拳銃ですよ!リアル拳銃!かっこいいな~~拳銃」

 

リオは話を逸らすように、警備員のポケットに入った拳銃に飛びついた。

リオが拳銃を見つめる目は、少年のように輝いている。

手に取ればそれは黒い光沢を放ち、手にずっしりと重みを与えてくる。

リオはひとりでに興奮していた。

銃だとかの武器はリオの琴線をたまらなく刺激するのである。

リオは拳銃を自分のポケットに差し込むと、雫の前に立ちあがって自らの格好を見せつけた。

 

「どうですか?かっこいいですよね!?イカしてますよね」

「・・・そうですね」

 

引いてるwww

めちゃくちゃ似合ってるの何か草

イケメンじゃねえか

僕もポケットに差し込んでください

↑不審者で草

 

雫はリオのポケットから顔を出している拳銃を見つめながら、ぎこちない笑みを浮かべて答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

おふざけもほどほどに、二人はこの病院の出口へと向かって歩き始めた。

出口とはこの病院の庭を囲っている金属の柵の一部に取り付けられている扉であった。

その扉が今、リオ達の前方遠くに見えている。

この病院に来たときは病院に入った途端に閉められてしまったが、二人が見事に手記を集めきったことでその扉は開いたのである。

扉を抜ければようやくゲームクリアとなる。

リオは今まで苦労を思い返し、報われることに喜びを感じながら歩いていく。

 

「そういえば」

 

とリオは切り出した。頭には助けてくれた勇敢な友達のことが思い浮かんでいた。

 

「牛とぐうはどうなっちゃったんでしょうね」

 

リオは後ろを歩く雫の方を振り向いて喋りかける。

 

「そうですね~ 筋肉だるまも含めて三人で友達になっているかもしれませんね」

「それはメルヘン過ぎません?」

「じゃあ筋肉だるまに食べられちゃったかもしれませんね」

「それは怖いですねw」

 

\ドンッ/

 

「!?」

 

リオと雫の間で話が盛り上がっていると、リオは顔の横、つまり歩いている自分の正面に何か重いものが降ってきた音を聞いた。

リオも雫も足を止めた。

リオは笑顔を浮かべたまま、額から汗を流す。

リオは、自分と雫に黒い影が差しているのを見てソレがでかいことを知る。

こちらを向いていた雫の顔が、段々と自分の頭上へと向いていくのを見て、それが3メートルぐらいのでかさであることを知る。

 

「わあー」

 

雫が驚いたように声を漏らす。

それでもリオは振り向かない。

振り向かずともソレの正体が何であるかを、既に大体察していた。

この圧迫感。そして不意打ちで現れたこの感じ。

筋肉だるまである。

筋肉だるまが正面にいるのである。

リオは深く息を吸う。

筋肉だるまとの対峙はひどくメンタルが削られる。

リオはしっかりと心の準備をした。

 

大丈夫 知ってる顔だ 知り合いだ 何ならもう友達(?)だ

 

リオは一気に振り向いた。

 

そこには牛の角が生えてる片目が無い絵画を片手に持ってる3メール級の筋肉ムキムキゾンビがいた。

 

「知らない子なんですけどおおおおおおおお」

「変わったゾンビですね」

「ぐうもおおおおおおおおっっっ」

「声たっか!」

 

久しぶりいいいいいいい

声ほっそwww

何かイメチェンしてね?

可愛いいいいいい

 

”牛の角が生えてる片目が無い絵画を片手に持ってる3メール級の筋肉ムキムキゾンビ”命名”ネオゾンビ”は、見事なF♯の鳴き声を上げながら二人に片手に持った絵画を振り下ろした

二人が咄嗟に身を引けば、絵画の額縁はそのまま地面を叩き、ぽっかりと抉れて穴が出来た。

 

「ぐうもおおおおおおおおっっっ」

「うわあ!やばい!ぺしゃんこになる!」

「このままじゃ外に脱出できないですね」

「ああもう詰んでるじゃんクリアさせてよおお」

 

リオが悲痛な声を上げる。

ネオゾンビがいる限り出口に辿り着くことが出来ない。

ゲームをクリアするのは絶望的と思われた。

 

「ここまできたのに!いっぱい死にかけたのに!」

「一つだけ方法があります」

「えっ?ほんとですか?」

 

雫がリオのポケットを見て言った。

 

「その拳銃でネオゾンビを倒せばいけます!」

「・・・そっか!」

 

リオは拳銃を素早く手に取ると、すかさず構える。

発砲。

その瞬間、リオとネオゾンビの視線が交わった。

悲しげなつぶらな瞳だった。

 

「あっ!」

 

リオが声を発するのと、銃弾がネオゾンビの角に命中して砕くのはほぼ同時だった。

 

「ぐうもおおおおおおおおおおお」

 

ネオゾンビが悲鳴にも似た声を上げながら、顔を振り乱す。

その時リオはある予感に駆られていた。

それを確かめるようにネオゾンビの身体をもう一度よく見る。

二つに割れた蹄、片手には絵画、つぶらな片目、牛の角。

そして”ぐうもおおおおお”とかいう特徴的な鳴き声。しかもF♯

リオは全て理解した。

 

「このネオゾンビは、筋肉だるまが牛とぐうを吸収した姿だ!!」

 

リオは宣言するように雫に言った。

 

「え?そうなんですか?」

「よく見てください! あいつの身体を!」

「・・・言われてみれば確かにそうですね」

 

せやな・・・

牛・・・ぐう・・・

あいつらは犠牲になったのか

混ぜ込みご飯じゃん

俺は納豆の方が好き

 

こちらを見つめるネオゾンビは確かに牛とぐうの面影を身体中に残していた。

 

「そんなことよりリオさん、早く撃ちましょう」

「あ・・・ん・・・」

 

急かす雫だったが、リオは葛藤していた。

敵とはいえ、かつての友であることが分かった今、拳銃を向けることが出来なかった。

リオが迷っている間にも、ネオゾンビは再び攻撃を仕掛けてくる。

リオの頭上に絵画が振り下ろされる。

しかしリオは気持ちが動揺していて、振り下ろされる絵画に反応が出来ていなかった。

 

「リオさん!」

「は!?」

 

!?

!?

まずい

りおおおっっ

 

 

リオが目を見開く。

迫る絵画が頭をかち割る。

 

「ふっ!」

 

寸前で雫がリオの手を引いた。リオの顔の横スレスレを絵画の額縁が振り下ろされていった。

雫はそのままリオの手をひいて走り始める。

 

「ああ、ありがとうございます!」

「来てますよ」

「はいっ!」

 

二人は全力で走り出す。

ネオゾンビの地鳴りのような足音が迫る。

何度も振り下ろされる絵画。

二人の走った後の地面は次々と抉られ、いくつもの穴が作られていった。

やがて二人の正面に庭に植えられた太い木が見えてきた。

雫とリオはそれを見ると頷き合う。

やがて近づく木にタイミングを合わせて二人は避けるようにばらばらに分かれた。

そこへネオゾンビの絵画が振り下ろされれば、木に激突した絵画は大きな音を立てて砕けてしまった。

ネオゾンビは立ち止まって明らかな動揺を見せた。

 

「今です!」

 

雫がまくしたてる。

リオは拳銃を手に取り照準を合わせた。

この近距離で撃てば当たる。

それでゲームクリアは目前となる。

リオは引き金に手を添えた。

しかし・・・撃てなかった。

ネオゾンビを撃とうと思うと手が震えた。

見れば見るほどかつての友の面影が目に入る。

心が友を撃つことを拒んでいた。

リオはぎゅっと目を閉じた。

 

「すみません雫さん 撃てないです・・・ 自分の気持ちに嘘がつけないです」

「・・・分かりました」

 

リオが泣きそうな声でそう言うと、雫はリオに向かって優しくほほ笑んだ。

そうしてリオの元へ行くと、そっと後ろからリオを抱きしめた。

 

「大丈夫ですよ」

 

 

えっっっっど

ああああああ(爆発)

くぁwせdrftgyふじこlp(可愛いのでネオゾンビと結婚します)

百合・・・百合・・・

 

体温を移すように体を密着させる。

震えるリオの手を安心させるようにそっと手を重ねる。

雫はリオの耳元に口を寄せた。

 

「私はリオさんと違って嘘をつくのが得意なんです」

 

雫はそうつぶやくと、リオの代わりに拳銃の引き金を引いた。

銃弾はネオゾンビをの頭を撃ち抜いた。

ネオゾンビは倒れた。

 

きたあああああああああ

いええええすうううう

やったああ

おめでとおおおお

愛の勝利

 

二人はその後病院から脱出して、ゲームをクリアした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛、牛い゛い゛い゛い゛っ゛、く゛う゛う゛う゛う゛っ」

 

ゲームの世界から戻ったリオは鼻水を垂らしながら泣いていた。

 

「もう一度やれば、また会えますよ!」

「せ゛っ゛た゛い゛、い゛や゛て゛す゛う゛う゛う゛う゛」

 

リオはホラーゲームが苦手だ。

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