二人がいるのは事務所の撮影部屋である。
雫は、机の上に置かれているPCに手を伸ばし配信を開始した。
今まで暗かった待機画面に映像が映し出される。
リオと雫が肩を並べている映像である。
雫はPCを覗き込み、映像が映っていることを確認すると軽く息を吸った。
「うさぎさんたち~ 今日も来てくれてありがと~ ということで夢野雫です」
雫は柔らかな笑みを浮かべながら画面に向かって挨拶をする。
鈴を転がすような澄んだ声が電波を流れた。
その声に反応してコメント欄には大量のウサギの絵文字が流れる。
これが雫とその視聴者の普段の挨拶である。
「ゴリラさんたちもお久しぶりです」
うほっほーほお(久しぶり!)
うほほほほほおおおお(可愛いいいい)
うほほほほほ(わかめ美味しい!)
うっほう(うっほう)
一方これが猿の惑星共通言語である。
雫がニコリとほほ笑みかければ、ゴリラたちはすぐさま発情してコメント欄を賑やかにする。
ゴリラ語は感情の昂りを表現するには意外に適した言語である。
そして興奮したゴリラは視聴者だけではない。
リオもまたその姿を見て気持ち悪い笑みを浮かべていた。
やっぱり雫さんかわeeeee
雫ファンであるリオにとって、生挨拶は攻撃力が高い。
これ完全にアイドルだわー 宇宙侵略余裕だわー うわああー
おいゴリラ、出番やぞ
いつものやってー^^
おいやめろ
リオが雫の可愛さに言語能力を溶かされていると、コメント欄ではリオの挨拶を催促するコメントがたくさん流れていた。
リオは横目で見てそれに気が付く。
「んっ」
リオは軽く咳ばらいをすると、口を開いた。
「みんなうほうほ~ 私が時雨リオだ! よろしくうほうほ!」
すまんな
ゴリラきっつ
今度から語尾を”ぴょん”とかにしないか?
酒が足りないぴょん!
↑不採用
コメント欄は目で見て分かる気の落ちっぷりであった。
リオは眉を寄せる。
「お前らテンション下がるなよ!謝るなよ!私、結構この挨拶好きになってきてるんだからな!」
リオは納得がいかなかった。
確かにリオ自身も最初はゴリラ挨拶に戸惑ったが、今では良き相棒となっている。
そしてそれを生み出したのは間違いなく視聴者である。
つまり視聴者には素晴らしい挨拶を生み出したことに誇りを持ってほしかったのだ。
「いやまあ、雫さんの挨拶の後だと違和感あるの分かるけど 令和と昭和ぐらい違う気がするけど」
「そうですか? 私は好きですよ、リオさんの挨拶」
雫は横からそう言ってリオに微笑むと、PC画面の方を向いた。
そして再び口を開いた。
「みんなうほうほ~ 私が夢野雫です! よろしくうほうほ!」
「な!?」
この挨拶考えたやつは天才
すこすこすこすこすこ
これは良いゴリラ
「はあ!?」
リオは流れるコメントを見てヤンキーのような声を上げた。
雫の挨拶を聞いたコメント欄は一瞬にして表情を変えていた。
手の平くるっくるである。
「お前らふざけんなよ! さっきと言ってることが違うじゃんか!」
可愛いは正義じゃ
リオは男らしすぎるしゴリラすぎる
しゃあない
「ぐぬぬぬぬ」
雫に可愛さで足元にも及ばないことは本人も自覚している事実であり、リオは次に返す言葉を探しながら奥歯を噛みしめる。
これがリオの配信名物、イジる視聴者とそれに噛みつくリオの構図である。
その様子を雫とその視聴者はスポーツ観戦をするかのように見ていた。
特に雫はこの両者のやりとりが大好きなので、リオの隣で満面の笑みを浮かべて眺めていた。
大丈夫 叫び声なら日本一だ
雫ちゃんの真似してみろ
ロリボイスとか出来ない?
「ロリ・・・ ロリって言ったって・・・」
リオは頭を悩ませる。
そんな声出したことが無いし、出そうと思ったこともなかった。
しかし物は試しである。
よしっ
リオは何となくで声が幼くなるのをイメージして声を出してみることにした。
「あー、んっ ”よおみんな、時雨リオだ もうウホウホなんて言わないからなっ” ・・・こんな感じか?」
その瞬間、時が止まった。
コメント欄は一瞬静かになったし、雫も目を丸くした。
リオの口から発せられた言葉は確かに幼かった。
しかしそれはロリ特有の透き通った高音と舌足らずな感じでは無く、もう少し低くてぶっきらぼうな感じ。
しかも声には丸みもあって庇護欲を誘うギャップを孕んでいた。
それは言うなればかっこよさと可愛さを兼ね備えた人間兵器。
全人類の最後の希望。
その名を”ショタボイス”。
リオはリオ君になった。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛っ゛
ショタだあああああああ
リオ君すこすこすこすこすこすこ
可愛いイケメン可愛いイケメン可愛いイケメンくぁあいい
性癖ぶっ刺さり過ぎて100日後に死にそう
リオのショタボイスはこの場にいる者の心を掴み、握りしめ、雫の視聴者も含めて例外なく悶えさせた。
それほどにリオ君の破壊力はでかかった。
「リオさん、そのぉ、、抱きしめたいです、、、」
「はい!?」
雫も荒く息をつきながら、目をハートにしてリオを見つめていた。
まるでおやつを我慢する犬である。
尚、雫わんわんと視聴者わんわんに困惑の表情を浮かべるリオは、”ロリボイスすげーな”とまるで見当違いな勘違いをしているのだが、これがリオのリオたる所以である。
その後、空気が落ち着いたところで雫が話を切り出した。
「リオさん約束、覚えてますよね」
「もちろん覚えてますよ そのための配信ですよね」
「そうです」
リオと雫はゲーム内である約束をしていた。それはゲーム後にポッキーゲームをすると言うもので、ゲーム内で上げた叫び声の数×1mmずつ雫がポッキーを食べ進めることになっていた。
二人が配信を始めたのも、そのポッキーゲームを執行するためである。
「ちなみにリオさんは自分でどのくらい叫んだと予想していますか?」
雫がリオに問いかけた。
んー
リオは天井を向きながら記憶を思い返す。
しかし思い浮かぶのは筋肉だるまに追いかけられて死に物狂いで逃げていたり、
ネオゾンビに追いかけられて無我夢中で逃げている時の映像ばかりで、肝心の悲鳴を上げていたかどうかなどは全く覚えていない。
そこでリオは”悲鳴を覚えていないということは、悲鳴を上げていないという事だろう”と逆転の発想に至る。
しかし一回も悲鳴を上げていないというのは、それはそれで不自然であるとして、そこそこの回数を見積もった。
リオは雫に向き直った。
「思ったよりは余裕でしたね」
「なるほど では何回でしょう?」
「20回です」
「200回です♪」
・・・?
雫は楽しそうに言った。
リオはきょとんとした表情のまま固まる。
頭では雫の言葉を時間をかけて読み込んでいた。
雫がそんなリオを見て再び口を開く。
「リオさん、200回です」
「・・・?」
「トゥ―ハンドレッドです」
「・・・?」
「にー・ぜろ・ぜろです」
「・・・!」
雫の小学生に物を教えるような丁寧な説明により、リオはようやく20の横に0が一つ足りないことを理解した。
「200回じゃないですか!」
「200回ですね」
「さすがに多すぎませんか!」
「多いですね」
リオは自分で自分の回数の多さに驚いた。
それと同時に頭に浮かんだのはポッキーの長さである。
ポッキーは長さが13.5cmである。
つまり200という数字では20cm食べ進むことになり、ポッキーの長さをオーバーすることになる。
リオは疑問に思った。
「あの・・・それだとポッキーゲームはどうなりますか?」
「私とリオさんがキスをしてハッピーエンドです」
「ええ!?」
「冗談です」
雫は顔を真っ赤にしたリオを見てくすくすと笑った。
リオのリアクションはいつも新鮮なので、人にからかわせたいと思わせる才能がある。
本人の素直さゆえである。
「そういえば冗談ついでに思い出したのですが、私、嘘をついていたというか何というか・・・」
「なんですか?」
「ポッキーゲームは片方だけが食べ進める必要は無いんですよ だからリオさんも食べていいんですよね」
「あ・・・確かにそうですね」
「てっきり私だけが食べるものだと・・・すっかり勘違いしてました」
雫は恥ずかしそうに言った。
リオも言われて初めて気が付いた。
思えばとても単純なことにすっかり失念していた。
リオがその理由を考えてみれば、雫の自分に対する好き好きオーラが強すぎることに思い至る。
その勢いの強さが自然と、襲う者、襲われる者の構図を連想させていたのだ。
ちなみにリオは襲われる側である。
そしてその連想をしていたのは雫もまた同じであり、その間違いに気づいた雫は同時に妖しい笑みを浮かべた。
「ということはリオさんから来ていただいても全然OKということですね!」
「そうですね・・・」
「リオさんからも迫ってきていただけるということですね!」
「微妙に言い回しが違う!?」
雫はリオに向かって身を乗り出して目を輝かせ、リオは上半身を後ろにのけぞらせながら答えた。
雫が四つん這いでリオに迫るこの構図はまさしく襲う者、襲われる者である。
「で・・・でもそうなるともう長さとか関係ないってことですか?」
リオは身体を起こしながら尋ねる。
「そうですね! リオさんからもアプローチしていただけるので全く関係ありませんね!!」
「決定事項なんですね」
「リオさんがポッキーを噛む 噛む噛む・・・リオさんがcome come!?」
「上手くねえから!」
「とにかくありがとうございます!」
「強引で草」
雫ちゃんに激寒ギャグがうつった!?
百合はええぞ
漫才で草
楽しそうな雫にリオは苦笑いを浮かべる。
今回の罰ゲームの割と大きめな根底が軽く一つ崩壊したところで、リオは先ほどから疑問に思っていたこと口にすることにした。
「今更なんですけど、ポッキーゲームを配信でする必要ってあります? 皆に見られながらやるのはさすがに私も恥ずかしいんですけど・・・」
リオは雫からもPC画面からも顔を背けて言った。
「そうですね 本当は私も、リオさんと同じく二人っきりでイチャイチャしたいです」
「私そんなこと言いましたっけ!?」
雫とgaggle翻訳は同義語である。
たまに翻訳が上手くいかない。
ふざけた調子の雫であるが、しかし次にその細めた目がゆっくりと開けられたとき、その雰囲気はがらりと変わった。
真っ直ぐな目がリオを見つめ、空気に重さを与えていた。
視聴者には伝わらない、緊張感のある空気である。
リオは突然の変化に困惑しながらも雫の次の言葉を待った。
「・・・でもですねリオさん 私たちは配信者です 配信者は視聴者さんの存在があって初めて成り立つものです」
「そうですね」
「私たちは視聴者さん無くしては生きられないんです」
「生きられない」
「はい」
「深いですね」
「水たまりですよ」
急に真面目や
雫ちゃんぐう聖
一生支える
いつものように明るい口調ながらも表情が真剣なことから、リオは彼女の言葉に強い気持ちががあることを感じ取った。
特に最後のセリフは彼女が吐き捨てるように言った気がした。
リオはその真意が気になったが、その顔は既に先ほどまでのニコニコ顔に戻っていた。
「まあ正直に言えば、リオさんが恥ずかしがってる姿を独り占めするにはずるいと思ったんです」
「ええ・・・」
「視聴者の皆さんもそう思いますよね」
雫は画面に語り掛けた。
リオの恥ずかしがる顔でガンが治りました
雫ちゃん分かってんねえ!
顔を赤くしたり青くしたり黄色くしたりしろ
信号機で草
リオがコメント欄を見れば、雫の視聴者も含め、雫の言葉に賛同するコメントが溢れていた。
「みんな・・・なんかきもくない?」
辛辣う!
ストレートで草ア!
ああああご褒美ですううううう
うほおおおお
リオは若干引いた。
その後は二人で簡易メールもっちーで届いた質問をいくつか答えていた。
ちなみにリオの餅は大体腐っていて、雫とその視聴者を驚かせていた。(ゴリラ語でモールス信号を送ってきた人、ぐう~しか言わない人 etc.)
リオが雫の答える一般的なもっちーを見て、自分に届くもっちーが異常なのか雫に届くもっちーが健全過ぎるのか分からなくなり頭を悩ませていると、雫が突然立ち上がった。
「私、ポッキー取ってきますね」
「あ、それなら私が」
「いえいえ、リオさんは視聴者さんとおしゃべりをしててください 私の視聴者さんも喜びますから」
「はい 分かりました」
雫はそのままポッキーを求めて部屋から出て行った。
雫の背中を見送ったリオは、PCに向き直った。
じっと無言で画面を見つめる。
雫に二つ返事で返事してしまったが、雫の視聴者もいる中で何をお話すればいいか分からなかった。
ていうか”お話”なんだな~ うちだと”雑談だけど”お話”だと上品だな やっぱ”お”つけると強いな 今度から”お雑談”て呼ぼうかな
などとリオがくだらないことを考えていると、コメント欄では”お話して”と”雑談しろ”がいっぱい流れていた。
リオは悩んだ末にとっておきを繰り出した。
「あ・・・そうっすね すー 今日あれっすね すー あの・・・天気良いっすね すっ」
天気デッキ!?
これはよそ行きゴリラ
水中で喋ってるのw?
消費税と天気の話は誰にでも通じる(暴論)
ちなみに空気を吸い込む音で尺を稼ぐのがポイントである。
しかしそれでは当然話が広がらない。
リオは雫との共通の話題を思い浮かべて、普通にコラボしたゲームの話を話をすればいいことに気が付いた。
リオは早速、画面に向かって口を開く。
「あれだよね 雫さんって全然悲鳴出して無かったよね」
ビビりゴリラ
リオの悲鳴が一番怖かった
雫ちゃんずっとにこにこしてたな
雫は敵から逃げてるときも、隠れてるときもずっと笑顔だった。
リオはゲーム中”アイドルになると恐怖心が無くなるのか”などと密かに思っていた。
「同じ人間なのにすごいよね 」
雫ちゃんは天使だからな
同じなの性別くらいだろ
↑リオ君・・・
なーんも一緒じゃないよ^^
「何が足りないんだろう 度胸かな?」
(度)胸だろ
(度)胸かな?
(度)胸だよ
「は゛あ゛っ゛?」
こっわ
キレんの草
ドス効いてんねえwww
出た!ドスガリオスだ!
一致団結したゴリラ達に、リオは圧の掛かった声を出した。
一方、雫の視聴者たちはたくさんの草を生やし地球温暖化防止に貢献していた。
「いや分かるけどね! 私、確かに無いけどね!隣に立つと小文字のmと大文字のMくらい違うの分かるけど!私、小文字のmだけど!何なら_(アンダーバー)だけど!・・・誰がアンダーバーだっ!!酒風呂に沈めたろかっ!!」
一人で何やってんだwwww
落 ち 着 け
_で草
リオはPCの前に身を乗り出して叫んだ。
自分で自分のことを卑下していたら段々と悲しくなり、遂には暴走した結果である。
雫の視聴者はその新鮮なノリにもはや森を形成していた。偉い。
興奮が収まってきたリオがふと横を見上げると、いつの間にか雫がポッキー片手に立っていた。
その顔は楽しそうにニコニコしている。
これが勝者の笑みなのか・・・
などといっそ清々しい気持ちで敗北を受け入れていると、雫が横へ正座で座った。
「リオさん、また叫んでましたね 廊下にも聞こえてましたよ」
「え・・・」
雫はさらりと言った。
リオの表情が固まる。
「今の聞こえてたんですか・・・? マジですか?アンダーバーですか??」
「私は大文字のMだったんですね」
「か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
wwwwwww
公 開 処 刑
さすリオ
芸 人 ゴ リ ラ
リオは床にひれ伏しながら苦しみの叫び声を上げた。
この声もまた事務所の人に聞こえているのだが、リオにはもはや関係が無い。
何故ならもっとセンシティブな叫びを轟かせてしまったのだから!!!
リオが羞恥で赤く染めた顔を上げれば、雫がうっとりした顔でリオを見た。
「嗚呼ああ可愛いですリオさん」
「急になんですか!?」
リオがそう言うと、雫が口元に人差し指をあてた。
静かにしようのジェスチャーである。
リオがそれに従い、空気が静まる。
呼吸の音が聞こえる静けさ。
静寂・・・静寂・・・
「わあ~~~っ」
「うわあああっ!!!」
静寂を破ったのは雫の声である。
雫が両腕をぴんと伸ばして頭の横に揃えた状態で、身体を正座から中腰へと一気に伸び上がらせてリオに被さるように飛び掛かってきたのだ。
その姿はまるで獲物に飛び掛かる虎のようである。
リオは顔をこわばらせ、迫る雫の顔を見た。
眼が完全に開いていた。
やべえ襲われる
リオは本能的に身の危険を悟り、素早く身体を反転させた。
すると雫は勢いそのままにリオの背中に抱き着き、その両腕をリオの身体に回す。
丁度ラグビーのタックルに似ている。
リオが状況に困惑する中、右手は左のわき腹に、左手は右のわき腹に狙いを定める。
雫はにやりと笑みを浮かべ、そして一気にくすぐり始めた。
「こちょこちょこちょこちょこちょ」
「いっひいひひいwwwwいいひいひwwいひいwwwww」
「こちょこちょこちょこちょ」
「いひはwwいいあwwwあひあひあwww」
どうしてそうなるんだwww
リオの笑い声が普通にえっちくて困る
百合のにおいがするぞおおおお
リオはくすぐったい感覚が電流のように体を回り、とにかく笑い声を出さずにはいられなかった。
リオは雫の腕を掴み、もがいてもがいて何とか抜け出そうとするが、雫の拘束が硬すぎて全く抜け出せる気配がなかった。
「こちょこちょこちょこちょ」
「しずくwwwさんwwwやめてwwええww」
ひたすらに続くくすぐり攻撃。
リオはこのままでは埒が明かないと思い、リオからも攻撃を仕掛けることにした。
身体がくすぐったさで無意識に大暴れする中、両手に力を入れて尖らせ、雫のわき腹があるであろう位置に狙いを定める。
「くらええええーーー」
「はうっ!?」
気迫の声と共に槍と化したリオの両手は雫のわき腹に見事突き刺さった。
その一瞬、雫は子犬のような声を漏らし動きが止まった。
攻守一転。
今度はリオが指を細かく動かして、雫のわき腹を刺激していく。
「おらおらおらおらおらお」
「はああんんっ はああああっ んんっっ」
「おらおらおらおらおらお」
「んふふふっ んんっ んはあっっ」
BANされちゃうよー
えっど
雫ちゃん可愛すぎぃ!!
雫は声を出すまいと口を必死に閉じているのだが、喉の奥から甲高い声が漏れ出ていた。
「ふんんっ」
雫が再びくすぐり攻撃を再開する。
「いひはいwwwwいひはwwいあいはいあwwいひww」
「んはあああっ んんふっ んんんっ」
二人は悶えながらバランスを崩し、身体を横に倒した。
それでも尚、戦いは続けられた。
「もうww死ぬうううwwwやめてえwww」
「んんんっ! んんっ! んんんんふうっ!」
結局戦いが終わったのがそれから少し時間が経った頃である。
どちらが終わらせたのかも分からない。
二人は顔を真っ赤にして目に涙を浮かべ、息も絶え絶えであった。
「雫さん・・・私はどんな・・・罪を犯したのでしょうか・・・」
「可愛かったので・・・つい・・・」
「理由になってないですよ!!」
リオが羞恥で顔を真っ赤にしていたことが、雫を暴走させた引き金になったわけだが本人には自覚がまるでない。
リオは人の嗜虐心を煽る天才である。