ゴリラじゃないからっ!   作:もぐら王国

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形式がいつもと違います.



オ・カマバーだ![2]

「そろそろ配信する時刻ではないか?」

 

武士が言った。

リオが武士と、とりとめのない会話をしながら酒を飲んでいるうちに時刻は1時を回っていた。

リオは週に二回は深夜の1時~2時まで雑談配信をすると決めていて、今日がその配信をする日であった。

 

「武士よく知ってたな」

「某、ラジオ代わりに聞いてるでの」

「はよねろ」

 

雑談配信は大体リオが酒を飲んで酔いが回っているために、全く中身のないテキトーな配信になることが少なくない。

リオも後で見返してみて自分で引く程なので、その適当加減は相当なものである。

しかしそれでも、そんな雑談配信を楽しみにしている視聴者もいるのは事実である。

曰く、”素が見れるのが嬉しい”とのこと。

 

私は常日頃から酔っ払ってると思われてるのか?

 

いずれにせよ今日はやらない。

朝まではやる気があったのだが、今はすっかり無くなっている。Twitterでも中止の報告をしていた。

 

「やらなくていいのか?」

「もう雫さんとコラボしたし今日は充分かなって思ってさ」

「某いいこと思いついた」

 

武士は手を叩いた。

 

「なに?」

「配信をするのじゃ」

「話聞いてなかったの?ブシじゃなくてムシかな?」

「・・・」

「うわ今の激寒じゃん!!吐きそお!!」

「ええのお ええのお エンジンかかってきたのお」

「むしろエンストしてるんだけど」

 

煽ってんのか

 

「思い付いたが吉日というじゃろう 頼むやってくれ! 今なら某も付いてくるぞ!!」

「いやいやいや 深夜の武士は拷問だって みんな眠れなくなっちゃうよ」

 

歩く目覚まし時計とリオは心の中で呼んでいる。

 

「ふ、某の声は皆に元気を与えまくりだからな」

「鼓膜破りまくりの間違いだろ」

「スピーカーは壊れまくるのお」

「初めて無機物に同情したかも」

 

かわいそう

 

「というかそもそもどうやって配信するの PC無いけど」

「ふ、聞きたいのか平民よ!」

「あ、もう結構です」

「スマホじゃよ」

「スマホ?」

「アプリじゃよ!」

「アプリ・・・あ、もしかして事務所から支給されてるやつ?」

「左様 それを使えばスマホ一つでVの姿での配信が可能! 故に無敵!! 最強なり!!!」

「何と戦ってるんだこの人」

 

事務所からは所属Vtuberに専用のアプリが配布されている。それを起動すればスマホでも自身のVtuberの姿での配信が可能となる代物である。

ただリオは、普段PCでの配信を行っているためあまり馴染みがなかった。

 

「頼むリオよおお 一生のお願いだ」

「一生かけるにはショボすぎるって」

「じゃあ後2、3回一生のお願いするで候」

「現金だな」

「ともかくも某、最近誰ともコラボ出来てなくて寂しいんじゃよー」

 

武士は嘆く。

リオはそんな武士の嘆きを聞きながら、断るのにいい感じの理由を考える。そして名案を思い付いた。

 

「”侍”ってさあ 一匹オオカミって感じでかっこいいよね」

「”侍”!」

 

武士は確かめるように繰り返した。

間違いなく名案のはず。

 

「・・・・・・そんなものどうでもいいから配信するのだあああ」

 

名案じゃなかった

 

「この髭まじか」

「おーいおいおいおい おーいおいおいおい」

 

武士はリオの腕に縋り付くと、顔を沈めて泣き始めた。

リオはそれを見下ろして口の端を引きつらせる。

 

「分かった分かったから 配信するよ だからくっつくな」

「さすがリオ!出来る女!! よ、大将軍!!!」

「一応Twitterで告知しとくか」

 

 

 

 

 

 

 

「はい皆、うほうほ~ 今日も雑談配信やってくよ」

 

リオは画面がリオの方へ向くように、角度を調節して机の上に立てかけたスマホに向かって声をかけた。

 

うほうほ~(挨拶)

きたあああああ

うほおおおおおおお

何でやってるんだ?

今日やらないって言ってなかったっけ?

 

「確かに私はやらないと言った しかしあれは嘘だ 皆、私のtmitterを見るがいい」

 

リオは先ほどツミートをしていた。

 

時雨リオ@ゴリラじゃないからっ!

 @GorillaUho-Uho5656 X月XX日

 

一分後に”夜ゴリラ”するよ。

みんな集合。

 

〇 XX     □ XX     ♡ XX     ↑

 

 

一分後で草 

告知の意味ないだろwww

新人かな?

ツミート出来て偉いねー

何の役にも立たなくて草

 

「はいはい 細かいことは気にすんなってことで今日はゲストもいるよ」

 

お!?

まじで!?

ぼっち雑談じゃない・・・だと!?

どうせぬいぐるみとかだろ

ティッシュとかだろ

バクテリアだよ~^^

 

「某はああああああああ江戸の大剣豪おおおおおお」

「駿河武士さんでーす」

 

出た嗚呼ああああああ

うるせえええええ

自己紹介強制カットで草

深夜帯の武士はやばいってww

新手の嫌がらせかな?

 

登場するだけで笑いを起こす男である。

 

「何故最後まで言わせてくれないのだ!」

「”某はあああ”の部分でみんな分かってるよ」

「ほお!? 某もとうとう有名Vtuberの仲間入りかあ!? がはははは」

「ソウデスネー」

 

棒読みwww

まあ有名ではあるな、MAD素材として

ちなみに自己紹介6時間耐久動画あるからな↓ 

URLhttps://www.Nowtube.com/watch?v=s3ZIHrssmiA

まじかよwww

 

「ほえ~ 耐久動画あるんだ~ よかったね愛されてるね」

「自分で作ったのだ」

「ドン引きだわ」

 

需要どこだよwww

目覚ましにしてます

寝癖がちょんまげになりそう

起きたら江戸にいそう

 

ちなみに再生回数は20万回いっていて、タグは音楽となっている。

音 を 楽 し め

 

そういえばなんで一緒にいるんだ?

 

コメントが流れた。

 

「ああええとね 今BARで二人で飲んでたとこなんだよ」

 

意外と仲良くて草

ほーん

仲良いんだな

ケンカする程どうのこうの

 

「マネージャーだと酔い潰しちゃうから消去法だよ 消去法」

「某と飲みたくて仕方なかったんじゃないのか!?」

「そんなこと言ってないよ」

 

マネージャーは以前に飲みに付き合ってくれたのだが、リオに付き合って飲んでいたら早々に潰れてしまうのである。

そのために会話が出来なくで、リオは悲しい。

 

「リオはハイボールを4杯飲んでおるぞ」

「いや5杯だから」

「なんと」

 

ヒエッ

化け物だwww 

マネージャ・・・

昼間も雫ちゃんコラボで飲んでたろwww

リオにとっては水も酒も一緒よ

これは酒豪

 

「まあともかくとして今日は二人で雑談していくよ」

「よろしくたのもおおおおお」

 

やたあああああ

うえええい

普通に楽しみ

この組み合わせ久々だな

 

二人での雑談配信が始まった。

 

「早速だけど最近ハマっているゲームとかある?」

 

リオは手始めに尋ねた。

 

「まさかリオよおおおおおお 某の動画を見ていないのかあああ?」

「いと興味なし」

「某はリオの動画かかさず見ているのに何故だあああああああ」

 

武士は疑問を投げかける。実際リオは武士が自分の配信を見ていることを知っていた。配信の後のコメント欄にたびたび武士が出現するのだ。

 

「いつもコメント欄で「ぬっ!」だけ残すの何の意味があるの? なぞなぞなの?」

「たまに「むっ!」なんじゃが」

「知らんわ」

 

出た、武士コメ

もはやファンなんだよなあ・・・

リオの配信好こ

武士コメも好こ

 

「武士たるものコメが好きっ!なんてなあっ!」

「はっ?」

 

辛辣で草

これはひどい

厳しいwww

キレが良いねえww

 

酒が入っていることもあって、今のリオには遠慮はない。

 

「というか武士モノ好きだね うちは雑談多めだから意外と敬遠されがちなんだけど」

「いやいや リオの雑談は耳にしていると瞼が重くなるゆえ、瞑想には丁度良いのだ」

「お? 煽ってんの? おっ?」

「良い意味じゃ 良い意味でリオの白湯のようにうっすい話が好きなんじゃ」

「煽ってんねえ!」

 

wwww

口喧嘩たのしいいい

 

武士にも遠慮は無い。

 

「奈良に行って、せんとくんの角をへし折った話の続きが聞きたいで候」

「そんな話はしたことない」

「くまモンと相撲をとった話も気になるで候」

「だから知らないよ」

「ふなっしーを雑巾絞りしたという・・・」

「するわけあるか! ていうか私どんだけゆるキャラに恨みあるんだよ」

 

私はゆるキャラに親でも殺されたのか?

 

「お主はゆるキャラに親でも殺されたのか?」

「殺されてないわ!」

「あれは1615年のことじゃった・・・」

「勝手に回想するなよ! ていうか江戸時代だろそれ!」

「世の中は大変じゃった・・・大坂夏の陣が起きてのお・・・」

「だから江戸の話はいいって」

「豊臣氏が・・・」

「滅亡したんでしょ」

「悲しいのおおおおおおおおおお」

 

wwwww

意外にリオも詳しいねえ

悲しいねえ

 

 

めんどくせえ・・・

 

「はっ! 某、もしかしてまた江戸の話をしてしまったか!?」

「うん ばりばりしてたよ」

「ああああああああ江戸ってしまったあああああああ」

「”えどる”ってなに?」

「某、酒を飲むといつも江戸ってしまうのだああああ」

「ねえ”えどる”って?」

「はーっ!!いとえどしっ!いとえどしっ!」

「リズムを取るな」

「いとえろしっ!」   

「やめえ」

 

下ネタで草

いい歳こいて何言ってんだww

深夜なのでセーフ

リズム好こ

 

「それよりもハマってるゲームの話なんだけど」

 

リオは逸れかけていた話題を強引に戻した。

 

「ああそうだったな ん・・・まあ、マインクワフトだな」

「マインクワフト? マインクワフトって確か・・・いろんな人が実況してたりするやつでしょ」

「某もやっておるぞおおおおお」

「見てない」

「ぬおおおおおおお」

 

出たあw

日本一うるさいマイクワ実況

↑酷い言われようだなw

↑タイトルなんだよなあ(小声)

 

「あれどんなゲームなの?」

「簡単に言うと物作りゲームだ 建物から小道具まで色んなものが作れるぞ」

 

あと土も掘れる

水中を泳げる

牛育てられるよ

寝れるよ

 

「おおみんな物知りだね」

 

説明しよう マインクワフトとは世界で最も売れたコンピューターゲームであり、オープンワールドでの自由な遊びが魅力のゲームである

 

説明ニキも見てる

説明ニキさんきゅ

久しぶり

 

「説明ご苦労! そしてこのゲームの特徴はすべてが立方体のブロックで形造られているということだ 土も人も牛もブロックみたいな形をしているのだ!」

 

そのブロックを用いていろんな建物を造ったり、広い世界を探検したりするゲームです

 

「ほ・・・他にも地下を掘って探検したりするのだ

 

家畜を育てられます

 

「釣りもできるぞ!」

 

作物を育てられます

 

「爆発もできるぞ!!」

 

村人を増やせます

 

「た、楽しいぞ!!」

「なに競ってんだww」

 

武士が躍起になっていた。

 

「売られた喧嘩は買うのが武士よ!」

 

2011年11月18日に始まったゲームです

 

「参りました!」

 

負けたらしい

 

wwwww

さすが説明ニキ

負け戦

 

「それで?武士は何してんの?」

「某は今このマインクワフトの世界で一国一城の主を目指しておるのだ」

「へえ」

「すなわち街と城の建築である!」

「おお なんか凄そうじゃん」

「お、リオも興味があるのか! やはり男なら誰しも夢見るものだな!」

「私女だろうが」

「じゃあ男とリオなら誰しも夢見るものだな!」

「それだと性別が男と女と時雨リオみたいになるんですけど!」

「斬新だな」

「あんたが言ったんだろ」

 

wwwww

まあ、リオだしなww

それはそれでいい

逆にあり

 

「何の逆だ」

 

失礼な奴しかいないのかここには

 

「なんだ リオは城には興味ないと申すか」

「いやまあ…でかいし、かっこいいとは思うかな」

「やはりリオ!やはリオ!見込んだ通りの女よ!!

「それで、城ってのはどんなやつなの?」

「それはもうでかくて大きくてビックなやつよ!」

「全部一緒じゃねえか」

 

武士はとにかく大きな城を作りたかった。

 

「かっこいいぞ 屋根にはしゃちほことシーサーを飾る予定なのだ」

「しゃちほこ食われそう」

「あとはかざみ鳥も飾ってくれるわ!」

「屋根の上で動物園でも開くのかな?」

 

草ア!

新しいなww

風見鶏ってヨーロッパの教会とかにあるやつだよね可愛いよね

ぐちゃぐちゃだよー

 

リオはその和洋折衷with沖縄のぶっとんだセンスに呆れた目を向けた。

 

「リオもどうじゃ?」

「え?屋根の上に飾られろと?」

「違う 城作りじゃ」

「ああ」

 

飾られてどうするwww

城に入ろうとしたら立ちはだかる強キャラ感

分かるww

”ここは通さないよ”とか言ってそうw

武器は素手な

 

「城か・・・そうだな~ 私が造るなら、城じゃなくて・・・」

 

造るならあれだ

 

「ジムかな?」

「ジム!?」

 

さすが筋肉www

ジムいかない?

同じ二文字だからセーフ

どんな理論だw

ジムいかない?

 

「良くない?ジム?ジムいかない?」

「良くないわ!江戸の風情が乱れるであろう」

「そうかなー? でもみんなジム無かったら暇な時とかどうするの?」

「少なくとも全員ジム行く訳では無いと思うが」

「ゴールドジム良いよね」

「行かぬ知らぬ分からぬ」

「名前ももう決まってるんだ」

「申してみよ」

「オールドジム」

 

ギャグで草

”古いジム”ってかww

まーたギャグ言ってんのかこいつはw

悪くない

 

リオは自信満々に言った。力作である。

 

「趣わろしじゃな」

「でしょ 趣あるでしょ」

「・・・ちなみにどこに建てる気なのだ?」

「え?城の隣だけど?」

「なんでわざわざ隣に建てるのだ!? そんなくそダサなジムを!城は風景も含めて城なのだぞ!」

「ああくそダサって言った! さっき趣あるって言ったのに!」

「言っとらんわ! ”わろし”じゃ”わろし”! 趣なんて感じぬわ!というかジムいらぬわ!」

「いるでしょ!街にいくらあってもいいでしょジムは!メニージム!ハッピーハッピー!」

「いらぬ!」

「BUSHIわろし」

「F〇CKで候」

 

 

小学生の口喧嘩で草

F〇CKで候wwwww

くっそww

 

リオはついムキになってしまった。

 

「そもそもなぜ隣に建てると申すか?」

「いや殿様ってなんか運動不足なイメージがあるから近くにジムがあった方がいいかなって」

「某はそんなに貧弱な体はしていないわ!」

「いや別に武士のことは言ってな・・・」

「見よこの身体を!」

「え」

 

リオの言葉を遮った武士は、突然立ち上がると和服の帯より上を着崩して、上半身を露にした。

リオの目の前に上裸の武士が現れた。

リオは無表情で武士を見た。

 

「急にどした」

「すごいだろ」

「貧弱なり」

 

事実、武士の身体は一般的な成人男性よりも細めの体つきだった。まして鍛えているリオからすると、貧弱に見えるのは仕方のないことである。

武士は懐に隠していたのか、いつの間にか木刀を手に持っていた。そうして、店内の誰もいない空間までいくと、正面に向かって木刀を振り下ろし始めた。

素振りである。

 

「え、怖いんだけど なんなの」

\ブン ブン/

「見て、分かるであろう! 素振り、じゃ!」

\ブン ブン ブン/

「いやそれは分かるけど」

「これを、毎日一時間、繰り返せば、立派な体つきに、なるので候ううう!!」

\ブン ブン ブン ブン/

「はあ」

 

武士はブンブン木刀を振り始めた。

 

どんな状況なんだwww

わけが分からないよ・・・

リオ、状況説明だ!

教えてリオちゃん

 

武士の姿が見えない視聴者は、どこからか聞こえる空気を切る音に頭を傾げ、困惑した。

 

「状況説明か・・・」

 

リオ自身もよく分かっていないのでなかなか難しい。

 

「えっと上半身裸になった武士が、勢いよく腕をぶんぶん降ってる」

 

どんな状況!?

はあwww?

いやわからんがwww

どうしてそうなるんだwww

 

「私にも分かんないよ こわいよあの人」

「あらあまたやってるのね」

 

リオが困惑した様子で武士を見ていると、店主が声をかけてきた。

リオは後ろを振り返ると、カウンターに肘をついた店主がおもしろそうに武士を見ていた。

 

「店主さん あれ急に始まったんですけど、止めた方がいいですか」

「大丈夫よ 放っておけば止まるから」

「よくあることなんですか」

「武士ちゃんは酒が回るといつもああやって素振りを始めるのよ」

「何でですか?」

「酔っ払いに道理を求めても無駄よ」

「嗚呼・・・」

 

リオは自分にも覚えがありすぎたので、すんなりと納得した。

酔っぱらった人にはいろいろな種類がある。

笑う人、泣く人、怒る人・・・

そして更に酒を飲む人。(リオである)

だから武士は恐らく”素振りをする人”なのだろう。

 

「ってことか」

 

いや分からんわwwww

なんじゃそらwww

もう何でもいいよ~

 

店主の言う通り武士はそのうちに素振りをやめた。

3分後の話である。

肌に汗を浮かび上がらせ、荒い息を吐いている。

 

「止まった・・・」

「ぜえ・・・ぜえ・・・」

 

武士は和服を着なおすと、再びリオの隣の席までやってきてどっさりと座った。

上半身がすっかりカウンターに伸びていた。

 

「やっぱりジムは必要だね」

「いらぬう・・・」

「あら?何をお話していたのかしら?」

 

店主がリオに尋ねた。

 

「えっと・・・武士が城を造るならその隣にジムも建てようっていう話です」

「なるほどねえ」

 

改めて聞くと訳わかんなくて草

wwww

なるほどねえ(?)

 

「ジム良いですよね なのにこの髭が良くないって言うんですよ」

「あらあ ジムいいじゃない かっこいい男もいっぱいいて私は好きよん」

「かっこいい・・・? 筋肉しか見たことなかったから分かんないかも・・・」

「あらあ」

 

筋肉しか見たことが無いwww

あらあ(?)

筋肉と結婚しよう

さすリオ

 

ジムって筋肉鍛えるとこだしなあ・・・

 

「まあジムもいいけど、私ならやっぱりバーかしらね」

「またカタカナじゃ!」

「いいですね! お酒!!お酒!!!」

「ちなみにどこに建てますか?」

「それは・・城の隣かしらね」

「また隣じゃ! 何で隣じゃ!! 某が何かしたのかあ!!!」

「やっぱ髭かな・・・」

「髭なのかあ!?」

 

wwww

リオ髭嫌いだもんなあww

雑談でもよく言ってるしなあ

髭のせいで城囲まれるの草

 

「ちゃんと理由があるわよん」

「なんぞ」

「お殿様って意外に自由が利かなそうじゃない? だからお城から脱走しがちでしょ~?」

「そうだろうか?」

「そうよ~ だから近くにBarがあればお酒飲み放題よ」

「いいですね~」

「だからってバーとジムに挟まれた城がどこにあるというのじゃ!!」

 

wwww

もう城もカタカナにしよう

ブシ=キャッスル=ダヨ

ダサくて草

最後いらんだろw

 

「カタカナいいわよねえ~ 私も山田ゴライアスっていう名前なんだけどこの名前好きよん」

「へえ・・・え?」

「ぬ?」

 

!?

え!?

ふぁ!?

ま!?

 

店主の発した言葉を聞いて空気が一気に静かになった。

その静けさを破るのもまた店主である。

 

「どうも皆、久しぶり~~~ 山田ゴライアスよ~~~」

「えええええええええええ」

「なんと!?」

「皆に投げキッスをあげるわよ~~~ん!! ん~~~チュッ!!!」

 

ぐはああああ

おええええええええ

まじでゴライアスかよwwwww

そういえば声がゴライアスだわww

こんなことあるう?

 

リオと武士は目を丸くした。

果たして店主の正体は、オカマVtuber山田ゴライアスであった。

 

まじか・・・

 

リオは驚きを隠せなかった。

確かに店に入った時に、店主を見て一瞬その可能性が頭を通過したがまさか本当にそうだとは。

リオは全く想定していなかった。

 

「え、あの、それじゃここが、噂のゴライアスさんのBarですか?」

「そうよ!」

「そんなことありますか・・・」

「驚きだのお・・・」

 

あんた常連だろ 何で知らないんだよ

 

「まあそんなことはどうでもいいわよね」

「その通り! それよりもバーはいらぬという話じゃ!」

「まじかおい」

 

飲み込みはええよ

 

wwww

しれっとこれ滅茶苦茶すごくないか?

武士とゴリラとオカマ

怪獣大戦争かな?

 

「武士ちゃんにはお酒の良さはまだ分からないのかしらね~?」

「ゴライアス殿、ふざけたことを言う! 某、お酒の良さなど十全に知っておるわ!」

「あらあ」

「お酒じゃ!お酒をたくさん持ってくるで候!!」

「かしこま♡」

 

武士がたくさんの酒を求めた。

やがてゴライアスがいくつかのグラスを武士のカウンターの前に置いた。

 

「これを今から飲んでいって、順番に味レポをしていくで候」

「それ何の意味があるの?」

 

リオが疑問を向けた。

 

「これがうまく出来れば、某、酒マイスターの称号を手にいれるで候! つまりお酒を知っていることの証!」

「はあ?」

「武士ちゃんふぁいと~♡」

「ぬおおおおおおおおお」

 

武士はおもむろにグラスを口に含み始めた。

 

「ふ~む この香り!この味わい!これは1615年に作られたワイン!!」

「江戸じゃん」

「ふむう こっちも1700年の風味がするでおま」

「だから江戸じゃん」

「これは1745年・・・」

「江戸だろ」

 

全部江戸ww

鼻が江戸仕様なのかww

鼻だけタイムスリップした男

ワイン飲みたい

ラーメン食べたい

 

「武士、全然マイスターしてないんだけど」

「zzZ・・・」

「寝た!?」

 

武士は酒が回ったのか、テイスティング中にカウンターに突っ伏して眠ってしまった。

 

「寝顔は可愛いわね~」

 

ゴライアスは呑気なものだ。

 

 


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